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『ホワイトバード はじまりのワンダー』

『ホワイトバード はじまりのワンダー』(原題:White Bird)
監督:マーク・フォースター
出演:アリエラ・グレイザー,オーランド・シュワート,ブライス・ガイザー,ジリアン・アンダーソン,ヘレン・ミレン他
 
21:40からの上映で終了は23:55。昨日も書きましたが、駐車料金1円もかからないTOHOシネマズ西宮、スバラシイ。
 
『ワンダー 君は太陽』(2017)と原作者が同じというだけで「はじまりのワンダー」なんていう副題を付けなくても。
と思っていましたが、同作でいじめっ子として登場したジュリアンに焦点を当てた物語とのこと。
確かに「もうひとつのワンダー」、「はじまりのワンダー」ですね。失礼しました。
 
過去に観た映画のうち、いちばん好きな邦題は何かと聞かれたとしたら、
すぐに思いつくのはこのマーク・フォースター監督の『君のためなら千回でも』(2007)です。
それを思えばこの邦題は原題そのまんまだけど、とても好きな作品になりました。
 
同級生をいじめたせいで退学処分になり、転校を余儀なくされた男子ジュリアン。
新しい学校ではとにかく目立たないようにするため、人に優しくもしなければ冷たくもしない、深入りしないと決めている。
 
学校から帰ると両親は不在だったが、パリ在住の祖母で高名な画家でもあるサラが来ていた。
自分がいじめっ子だったことを認めたくないジュリアンは、事情を知っているサラにも「退学」という言葉は使わない。
普通でいるように、人には深入りしないように決めていると言うジュリアンに、サラは自分の過去の話を始めて……。
 
ヘレン・ミレン演じるサラは、少女時代を両親と共にナチス占領下のフランスで過ごしていました。
少女時代のサラを演じているのはアリエラ・グレイザー。これがデビュー作のようです。
サラが暮らす村は自由地区だったはずなのに、次第にユダヤ人の取り締まりが強くなり、サラ一家も命の危険にさらされます。
 
ある日、ユダヤ人の児童を探しに来たナチス。心ある兵士が逃がしてくれようとするけれど失敗。
十数名が捉えられますが、サラだけがなんとか逃げて隠れていたところへ、同級生ジュリアンがやってきます。
ジュリアンはポリオに罹ったせいで片足が不自由。
松葉杖を突きながら下水道を通って6km、サラを自宅の納屋へと案内するのでした。
 
親の仕事を揶揄されたり、足のことを笑われたりしていじめられっ子だったジュリアン。けれどとても聡明で心優しい。
彼の両親であるボーミエ夫妻もまた同様で、息子が連れてきた見ず知らずの少女サラを匿います。
隣家の夫婦がナチスと通じているらしいからとサラは納屋から一歩も出られません。
そんな状況ではあるけれど、ボーミエ一家は温かい食事と清潔な衣類を提供し、サラの誕生日にはケーキを焼いて一緒に祝ってくれる。
 
救いのない時代にも良心を持つ人は存在する。
隣家の夫婦のことがわかるシーンは良い意味で衝撃的で、涙がこぼれました。
 
冒頭のジュリアンが自分の名前の由来を持つジュリアンの話を聴けば心に響くものがある。
とても素敵な「もうひとつのワンダー」でした。

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『銀魂オンシアター2D 金魂篇』

『銀魂オンシアター2D 金魂篇』
監督:藤田陽一
声の出演:杉田智和,阪口大助,釘宮理恵,ゆきのさつき,南央美,島田敏,高橋美佳子他
 
TOHOシネマズ西宮にて5本ハシゴの4本目。
そろそろ酒も抜けてきた頃。スルーしかけていた作品だけど、本目と5本目の間を埋めるのはこれしかなく。
 
“銀魂”も劇場版しか観たことがないんです。
だから、毎回劇場版を観るたびに、おおっ、これがエリザベスか!とかサダハルか!と思う(笑)。
「オンシアター2D」とはどういうことかもわからず、観終わった今もわかりません。
だからまたまた本作を観ただけの理解であらすじを書きます。
 
しばらく不在にしていた坂田銀時が“万屋銀ちゃん”に戻ってみると、
看板は“万屋金ちゃん”に変わり、新八も神楽も銀時を初めて見るような態度で客として扱う。
どうなっているのだと思っていると、主人を名乗って坂田金時なる男が現れる。
 
見た目も着るものも銀時に瓜二つだが、天パーの銀時に対して金時はストパー。
何でも解決する万屋のうえに、金回りもよくて借金なし。町の人々から絶大な信頼を置かれている様子。
誰も銀時のことを知らず、DVD60巻の主人公もなぜか丸ごと金時に変わっていた。
 
実は金時はからくり人形。
新八と神楽が銀時の弱点短所をすべてクリアしたからくり人形の製作をからくり屋に依頼。
その結果、できあがったのが金時なのだが、金時は人々の記憶をすべて塗り替えていたのだ。
こうしてみんなから忘れ去られた銀時は……。
 
何も知らずに観たわりには、話についていけないこともなくてまぁまぁ楽しめました。
けど、エンドロールが終わったと思うとまた始まる話にちょっと引き気味。
え、まだあるん、いつまであるん、もうええからはよ終わって、と心の中で願いました。
 
来年2月にはまた別のなんたら篇があるそうなんですが、それは観に行くかどうか迷うなぁ。
サダハルのことは気になるけれど。

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『うちの弟どもがすみません』

『うちの弟どもがすみません』
監督:三木康一郎
出演:畑芽育,作間龍斗,那須雄登,織山尚大,内田煌音,前田旺志郎,
   中島瑠菜,中川翼,藤本洸大,河村花,牧野羽咲,川島明,笛木優子他
 
同じくTOHOシネマズ西宮にて。
ランチ前に1本、ランチ後に4本ハシゴするのはスケジュール的にかなり無謀で、
予告編はスルーしなければならないことも。
前述の『劇場版 ドクターX FINAL』とは20分かぶっていて、これは絶対無理。
TOHOシネマズは予告編が長いから、15分かぶりならかろうじて大丈夫なのですけど。
で、『ドクターX』はエンドロールが始まると同時に退場し、トイレに行ってから本作のシアターへ。
 
原作はオザキアキラの同名漫画で、2020年から現在も『別冊マーガレット』に連載中。
三木康一郎監督は若手人気俳優を起用するのが本当にお上手です。
 
うん、やっぱりこのハシゴは無謀でした。
最初の5分を見逃したと思われ、なぜこの家庭に両親不在なのかわからず。
親役とおぼしき川島明と笛木優子を私は見ないままでスミマセン。(^^;
つまり私が観たときには、1人と4人の生活がすでに始まっていました。
 
高校2年生の糸(畑芽育)の母親が再婚し、糸は成田姓となる。
成田家には男ばかり4人いて、糸にはいきなり弟4人を持つ身に。
 
長男・源(作間龍斗)は高校2年生だけど、誕生日は糸がひと月だけ早い。
糸と同じ高校に通い、愛想なしでイケメンの彼は嬌声を浴びるモテ男子。糸に冷ややかな態度を取る。
メガネ男子の次男・洛(那須雄登)は高校1年生。優等生で、糸をちゃんと姉として扱ってくれる。
中学3年生の三男・柊(織山尚大)は何があったかひきこもり。糸は顔を見たことすらない。
四男・類(内田煌音)はまだ小学生で、明るい甘えん坊。とても可愛げがある。
 
こんな4人と一緒に暮らすことになった糸の話なんですけど。ええやんか!
家事はお手の物の糸ははりきって食事に掃除洗濯とフル回転。
しかし源はそれをよく思っていないのか、辛辣な言葉を投げかけたりもします。
源と糸がお互いに惹かれ合って恋に発展するのは見え見えなのに、邪気がないんですよねぇ。すごくイイ。
 
『あたしの!』を観たときは、今後青春恋愛ものを観るのはやめるべきかと思いましたが、
これは終始ニヤニヤしてしまって、私はかなり怪しいオバハンになっていたかも。(^^;
 
部屋から出てこようとしなかった柊の心を糸がゲームを通じてこじあける。
糸に恋心を抱くようになった柊だけど、糸が源を好きだと知って仕掛けるあること。
なんだ、この弟たちの健気さは。良い子たちすぎる。
 
ストーリーそのものも『あたしの!』よりずっと好きでしたが、キャストもこっちが好き。
もともと愛想ふりまく男の人よりも愛想のない男の人のほうがタイプなものですから(笑)、作間龍斗くんの可愛いこと。
 
こんな作品もあるから、やめられないんですよねぇ、高校生の青春恋愛もの。
キュンキュンというよりはニヤニヤだったな、これは。

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『劇場版 ドクターX FINAL』

『劇場版 ドクターX FINAL』
監督:田村直己
出演:米倉涼子,田中圭,内田有紀,今田美桜,勝村政信,鈴木浩介,岸部一徳,八木莉可子,
   田口トモロヲ,伊東四朗,染谷将太,西畑大吾,綾野剛,遠藤憲一,西田敏行他
 
前述の『ネットワーク』鑑賞後、西宮ガーデンズに車を置いたまま電車で夙川へ向かう。
いつものおまかせひとりランチでワインもいただきそこそこ酔っぱらう。
しかし案ずることなかれ、ランチのあとTOHOシネマズ西宮へ戻って映画を4本観るから、
帰途に就くのは午前0時ゆえに10時間後。アルコールは完全に抜けています。
しかし土曜日に14時間半駐車して、駐車料金すべてサービスというガーデンズ、すごくないですか。
 
さてさて、大人気TVドラマ“ドクターX”の劇場版ですが、一度も観たことがありません。
監督はTVドラマ版も担当した田村直己で、『七人の秘書 THE MOVIE』(2022)の人。
どんなものか観てみるには劇場版っていいんですよね。
はい、これもじゅうぶんついて行けますが、人間関係はほぼまったくわからないまま。
以下、初見の私の理解です。おかしなところがあったらすみません。
 
日本を離れて某国要人の極秘手術に招かれていたフリーランスの天才外科医・大門未知子(米倉涼子)。
手術が終わると目隠しされて海上に放り出され、たどり着いた浜辺で元同僚の森本光(田中圭)に発見される。
 
その頃、光が勤める東帝大学病院では新しく病院長に就任した神津比呂人(染谷将太)が徹底した合理化を進め、
50歳以上の医師は老害とばかりに次々にクビを切ろうとしていた。
海老名敬(遠藤憲一)や加地秀樹(勝村政信)も解雇を言い渡されたうちのひとり。
 
光から呼び戻された未知子は比呂人と対面。
やがて比呂人が未知子の師匠である神原晶(岸部一徳)を激しく憎悪していることを知る。
その理由は、比呂人とその双子の弟・多可人が生まれたときにまで遡る。
多可人は頭脳明晰で人工心臓の開発を手がけるなどビジネスの成功者だが、生まれたときから下半身付随。
ふたりの誕生時に手術を担当したのが晶で、比呂人は弟の障害が晶のせいだと思っていて……。
 
TVドラマ版を観ていないから、未知子が晶のもとで働くことになった過程がわからないし、
病院長以下の大名行列とかいちいち「御意」も何が面白いんだかわかりません。
遠藤憲一演じる医師が名誉病院長の西田敏行を真似て付けていた口髭を剥がすシーンも笑うどころかゾーッ。(^^;
 
とはいうものの、飲酒して映画鑑賞に臨むと爆睡するのが常なのに、ほとんど寝ませんでした。
最後はいくら天才でもさすがに無理がある展開だと思うけど、フィクションですもんね。
客席からでは泣いている人も多くて、私もちょっぴりウルっと来ました。
ファンにとってはこのうえなく感動的なエンディングでよかったと思います。
 
死なんかったんかい!と一応ツッコミは入れておく。
 
凄い人だといつも思っていました。心からご冥福をお祈り申し上げます。

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『ネットワーク』【町山智浩氏解説付き上映会】

『ネットワーク』(原題:Network)
監督:シドニー・ルメット
出演:ウィリアム・ホールデン,フェイ・ダナウェイ,ピーター・フィンチ,ロバート・デュヴァル,
   ネッド・ビーティ,ウィリアム・プリンス,ビアトリス・ストレイト他
 
休日に会う約束をしていた友人から発熱したという連絡があってキャンセル。
んじゃあ映画とひとりごはんと決めて、まずは車でTOHOシネマズ西宮へ。
朝イチの時間帯、選択肢はいくつかあったのですが、
このさき観る機会がなさそうな本作を選択しました。“午前十時の映画祭”にて。
 
本編の前と後に映画評論家の町山智浩氏の解説映像があります。
これがとても面白くて、ほー、へーの連続でした。
 
1976年のアメリカ作品で、パディ・チャイエフスキーのオリジナル脚本シドニー・ルメット監督が映画化。
チャイエフスキーはそれまで主にTVドラマの制作を担当しており、
TV番組の裏側を描こうと脚本を温めていたところ、こんな作品ができたのだとか。
第49回アカデミー賞ではこれで脚本賞を受賞。
そのほか、主演男優賞をピーター・フィンチ、主演女優賞フェイ・ダナウェイ
わずか5分間の出演でビアトリス・ストレイトが助演女優賞を受賞しています。
ピーター・フィンチがノミネート直後に心不全で急死したことでも話題になりました。
 
大手ではあるけれど業界1位ではないテレビ局UBS。
報道番組で10年以上に渡ってキャスターを務めてきたハワード・ビル(ピーター・フィンチ)は、
視聴率の低下を理由に解雇されることが決まります。
ハワードの盟友で報道部長のマックス・シュマッチャー(ウィリアム・ホールデン)が気遣ったところで、
上層部の決定をくつがえすことはできません。だって実際視聴率を稼げないのだから。
 
おとなしく解雇を飲んだと思われたハワードですが、
その後の本番中に「来週この場で頭を撃ち抜いて自殺する」と宣言し、大騒動になります。
局には苦情の電話が殺到し、上層部は激怒。ハワードを即降板させるように言い渡します。
 
ところがハワードの自殺予告がメディアで採り上げられると凄まじい注目を浴び、
他番組のプロデューサー、ダイアナ・クリステンセン(フェイ・ダナウェイ)は
このチャンスを逃す手はないとUBSの大株主CCAの役員フランク・ハケット(ロバート・デュヴァル)に進言。
 
おかしなことを口走るようになったハワードは預言者として世間から信奉されるようになり、
ハワードの精神状態を心配するマックスは降ろされて、代わりにダイアナが番組を担当することに。
 
という話なのですが、本当に時代を予見していたような作品でいろいろとビックリ。
当時はまだ報道番組のバラエティ化などはなかったそうで、今はそんなのばっかりです。
 
ダイアナはテロリストに犯行現場をカメラに収めさせてそれで視聴率を稼ごうとする。
大衆は暴力を好まないと言う人がいても、映せば観る人がいっぱいいます。
 
本番中の自殺予告や強盗犯の実況映像などは実在の事件にヒントを得ているのですね。
また、『ジョーカー』(2019)をはじめとするさまざまな作品が本作にオマージュを捧げているとのこと。
私は何も知らなかったから、町山さんの解説を聴いて目からウロコでした。
 
それにしたって、マックスがダイアナに惹かれて不倫に走る理由がようわからん。
浮気して本気になって結局妻のところに戻るのもダイアナの脚本通りってか。
マックスの妻を演じるのがビアトリス・ストレイトで、5分間のまくし立ては確かに迫力があります。
妻にバレたわけでもないのに正直にダイアナのことを打ち明けると、
25年連れ添ってきた妻は「私に情熱を向けなくてもいいけれど、尊重はして」みたいなことを言うんですね。
浮気はしたとしても相方を尊重する。それは大事じゃないかなと思いました。
あ、これは作品の本筋からは離れた話か。(^^;

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