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『ANNA/アナ』

『ANNA/アナ』(原題:Anna)
監督:リュック・ベッソン
出演:サッシャ・ルス,ルーク・エヴァンス,キリアン・マーフィ,ヘレン・ミレン,
   レラ・アボヴァ,アレクサンドル・ペトロフ,エリック・ゴードン他
 
仕事帰りにTOHOシネマズ伊丹にて。
 
リュック・ベッソン監督によるフランス/アメリカ作品。
ちょうど1年前にアメリカで公開され、
日本では今年のGW明けに公開予定でしたが、コロナのせいで延期に。
アメリカでは評判イマイチだったようです。
もっと面白くあってほしかったけれど、それなりには面白い。
 
1990年のモスクワ。
露店でマトリョーシカを売っていた大学生アナは、
パリのモデル事務所にスカウトされる。
瞬く間にトップモデルとなった彼女は、
事務所の共同経営者オレグに見初められて交際開始。
しかし、何度会おうが体を許そうとしないアナに、
オレグはとっておきの秘密として自分が武器商人であることを打ち明ける。
バスルームへ入ったアナが出てきたとき、彼女の手には銃が。
オレグはアナに撃たれて死亡。彼女はその場を立ち去る。
 
話がいきなり5年進んだかと思えば数年前に戻ったり、
数カ月後とか数カ月前とかを行ったり来たり。
だからと言ってややこしいわけでもないのはすごいとこ。
 
マトリョーシカを売る前、天涯孤独の身でホームレス同然だった彼女は、
ペーチャというガラの悪い男に拾われました。
不幸な生活を送りながらも他に行くところがなく、ペーチャから離れられない。
ところがある日、ペーチャが本当の悪事を働いて、警察に追われます。
アナとペーチャが追っ手をかわして部屋に戻ったところ、
そこで待ち受けていたのがKGBの職員アレクセイ。
アレクセイはペーチャを瞬殺、なんとアナをエージェントとして養成しようとするのです。
つまりは、トップモデルになったのもオレグを殺したのも、すべてKGBの仕事。
 
ここにCIAの職員レナードも加わって、アナの取り合い、出し抜き合い(笑)。
こういう騙し合いは目新しい話でもなく、
最後の展開もなんとなく読めてしまって、めっちゃ面白いわけではない。
 
でも、キャストを見ているだけで楽しいです。
アナ役のサッシャ・ルスはロシア出身のスーパーモデルで本当に美しい。
アレクセイ役はルーク・エヴァンスで、この人は男前でええ体してるんですが、
なにしろずいぶん前にカミングアウトしているから、
女性とあまり絡みのシーンを演じられても……と思ったりも。
レナード役のキリアン・マーフィとの三角関係が面白いし、
KGBの幹部オルガ役のヘレン・ミレンもさすが。
ろくでなしのペーチャ役が『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』(2018)の主役、
アレクサンドル・ペトロフであることにも驚きました。
 
本作のサッシャ・ルスといい、美しい女スパイには心が躍る。
こんなスパイになら、騙されてもいいと思いませんか。

—–

『最高の花婿 アンコール』

『最高の花婿 アンコール』(原題:Qu’est-ce qu’on a encore fait au Bon Dieu?) 
監督:フィリップ・ドゥ・ショーヴロン
出演:クリスチャン・クラヴィエ,シャンタル・ロビー,アリ・アビタン,メディ・サドゥン,
   フレデリック・チョー,ヌーム・ディアワラ,フレデリック・ベル,ジュリア・ピアトン,
   エミリー・カン,エロディ・フォンタン,パスカル・ンゾンジ,サリマタ・カマテ他
 
シネ・リーブル梅田にて、前述の『恐竜が教えてくれたこと』の後に。
 
コロナ騒動で公開が延び延びになっていた本作。
とても面白かった『最高の花婿』の続編です。
 
お金持ちで超保守的なヴェルヌイユ夫妻。
いずれも美人の娘4人が結婚相手に選んだのは、
長女がアラブ人、次女がユダヤ人、三女が中国人で、
最後に残った四女ぐらいは普通にフランス人と結婚してくれるものだと思いきや、
コートジボワール出身の黒人でした。というドタバタが前作。
 
娘の選んだ婿たちだからと、戸惑いながらもつきあってきた結果、
今もまだいろいろないこともないが、孫に恵まれて幸せいっぱい。
 
なのに、フランスでの自分たちの扱いに不満を持つ婿たちが、移住すると言い始める。
妻である娘たちもそれぞれ大賛成で、とっとと会社を畳んで家を売り払いにかかる。
娘が4人とも異国へ行ってしまう。孫と会えなくなってしまう。
ヴェルヌイユ夫妻はその事態をなんとか阻止しようと、あの手この手を考える。
 
一方、四女ロールの夫シャルルの妹が結婚することに。
シャルルの父親は大喜びで、「娘が普通に結婚するするのは躾の賜物」と
ヴェルヌイユ夫妻に自慢げに話すが、実はシャルルの妹はレズビアン
当然のことながら相手は女性で……。
 
前作のほうが笑った気はしますが、この続編もかなり面白かった。
劇場のあちこちから笑いが聞こえてきたのは嬉しいこと。
 
なんだかんだでとてもいい家族なんですねぇ、この人たち。
フランス万歳ではあるのですが、どこの国の人のことも貶めたりしていない作品です。
自分の子どもが国際結婚すると言っても今時そんなに驚かないでしょうけれど、
どうしようと思うことがあればぜひ本作をご覧ください。
 
明るくなれます。ありがとう。

—–

『恐竜が教えてくれたこと』

『恐竜が教えてくれたこと』(原題:Mijn Bijzonder Rare Week Met Tess)
監督:ステーフェン・ワウテルロウト
出演:ソニー・コープス・ファン・ウッテレン,ヨゼフィン・アーレントセン,
   ジェニファー・ホフマン,ティーボ・ヘリッツマ,ヨハネス・キーナスト他
 
先週土曜日、西宮で3本ハシゴして、六甲で晩ごはん
めっちゃ飲んで酔っぱらい、日曜日に映画を観に行くのは無理だと思ったけれど、
この頃どれだけ飲もうが早くに目が覚めてしまうのですよねぇ。
せっかく起きたので、シネ・リーブル梅田へ。
ものすごく好みの作品で、早起きして観に行った甲斐がありました。
 
オランダ作品。
原作はアンナ・ウォルツの児童文学『ぼくとテスの秘密の七日間』。
ステーフェン・ワウテルロウト監督は、本作で長編デビュー。
 
11歳の少年サムは、家族と共にオランダ北部のテルスヘリング島へ。
1週間のサマーバカンスを楽しむ予定だ。
 
初日、父と兄ヨーレの3人でビーチでサッカーをしていたところ、
サムが掘った穴にヨーレが落ちて骨折。
ヨーレが診察を受ける間、付近をぶらつくサムは、地元の少女テスと出会う。
 
サムもよく変わっていると言われるけれど、
そんなサムから見てもテスはずいぶん変わっている。
いきなりサルサを踊る練習をしようと誘われ、すっかりテスのペースに。
 
彼女はシングルマザーである自分の母親には内緒で、
父親が誰であるか、また彼がどこに住んでいるかを突き止めたと言う。
12年前、母親は当時の彼氏ヒューホに妊娠を告げずに別れたから、
ヒューホはテスの存在を知らない。
テスは、母親が所有する貸別荘に、ヒューホとその彼女を偽の手紙で招待。
折を見て「あなたは私のパパです」と言うつもりで……。
 
「最後の恐竜は、自分が最後の1匹だって知っていたかな」とふと考えるサム。
自分は末っ子だし、普通に行けばみんな自分より先に死んでしまう。
ひとりになるのはきっととても寂しいから、
ひとりでいられるように毎日訓練をすることを思いつきます。
今日は2時間、明日は4時間というふうに時間を毎日増やして。
 
でも、テスに振り回されるわ、家族は放っておいてくれないわで、
なかなかひとりでいる訓練が進まない。
このサムがめちゃめちゃ可愛くて惚れました。少年、がんばれ。
 
豆知識もいろいろだったなぁ。
ゴ○ブリ(全部は書きたくない(笑))は頭がもげても9日間生き続け、
9日目に餓死するって、ほんとですか。
 
小学生ぐらいの歳だった頃の思い出。
人生の大半は頭の中にあるから、思い出をいっぱいつくればいいのさ。
老人ヒレの言葉が心に沁みます。すごくよかった。

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『ハリエット』

『ハリエット』(原題:Harriet)
監督:ケイシー・レモンズ
出演:シンシア・エリヴォ,レスリー・オドム・Jr.,ジョー・アルウィン,ジャネール・モネイ,
   クラーク・ピータース,ヴァネッサ・ベル・キャロウェイ,ザカリー・モモー他
 
TOHOシネマズ西宮にて3本ハシゴの3本目。
 
多くの奴隷を救って「女モーセ」と呼ばれた解放運動家ハリエット・タブマンの半生。
実在の女性であることも知らずに観て、心を打たれました。
彼女は後に女性解放運動にも心血を注ぎ、
今年アメリカで発行される20ドル紙幣のデザインに起用されるとのこと。
アフリカ系アメリカ人としては初のことだそうです。
と思ったら、デザイン刷新が延期になって、これがまた物議を醸している模様。
トランプ大統領が「2ドル紙幣にしろ」とかも言うているらしい。(–;
 
19世紀のアメリカ・メリーランド州、ブローダス農場。
奴隷として主に仕えるミンティは、まもなく自分が売り飛ばされることを知る。
農場は経営危機に陥っており、借金の形にされてしまうのだ。
 
ミンティには自由黒人の夫ジョンがいるが、
もしもジョンと一緒に逃げれば、バレたときに彼にも迷惑がかかるだろう。
同じ農場で働く両親や弟妹たちのことも心配だが、
とりあえず売り飛ばされることになっているのは自分だけ。
ミンティはたったひとりで脱走を図って160キロの旅へ。
血眼になって彼女を探す主の息子ギデオンからなんとか逃げ切る。
 
たどり着いた先は、奴隷制がすでに廃止されているペンシルヴェニア州フィラデルフィア
そこには「地下鉄道」という組織があり、
奴隷制がはびこる南部諸州から奴隷制を廃止した北部諸州への逃亡を手助けしていた。
 
ミンティは新しい人生の始めるつもりでハリエット・タブマンと名前を変える。
まずは家族を救出するためにメリーランド州へ戻ろうとするのだが……。
 
いつも思うことなのですが、奴隷のほうが人数が多いんだから、
みんなで横暴な主に飛びかかってしまえばいいのにって。
そんなに簡単に行くなら、みんなやっていますよね。(^^;
 
同じ人間なのに、尊厳も何もあったものじゃない、人間以下の扱い方。
これが当たり前だという考え方の人がいる一方、
どんなに差別の根づいた土地であっても、それはおかしいと考える人もいる。
躊躇なく手を貸す人もいたということには安堵します。
辛い目になど遭ったことのない金持ちだからこそ支援の手を差し伸べてくれるのか、
いや、でも、金持ちにだって差別主義者はごろごろいたはずで、
いったいどういう環境が差別する人としない人を生み出すのでしょう。
 
こういう立派な女性がいたと知ることができてよかった。

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『ポップスター』

『ポップスター』(原題:Vox Lux)
監督:ブラディ・コーベット
出演:ナタリー・ポートマン,ジュード・ロウ,ステイシー・マーティン,
   ジェニファー・イーリー,ラフィー・キャシディ他
 
TOHOシネマズ西宮にて、3本ハシゴの2本目。
 
劇場の営業が再開されてからも、上映されるのは旧作や準新作ばかりでした。
それはそれで名作をスクリーンで観る機会となってよかったのですが、
やっぱり最新作も早くかかってほしいがな。
6月の1週目からぼちぼち最新作が公開されて嬉しい。
で、最新作を片っ端から観ることに。
 
ナタリー・ポートマンは優等生すぎる印象があって、
別に嫌いじゃないけれど、特に好きでもありません。
本作を選んだのは、最新作を片っ端から観るに当たり、
時間的にちょうどよかっただけのこと。
そして家のもっと近くの劇場では上映されていないから、
休日に潰しておこうと思っただけのことです。
 
それゆえ、あらすじなどをまったく知らず、
彼女が落ち目の歌手を演じているのかなと想像していたら、
冒頭に銃乱射事件が出てきて驚いた。想像と違いすぎる幕開け。
 
14歳の少女セレステが通う学校で、同級生が銃を乱射。
教師と多数の生徒が亡くなり、セレステは一命を取り留めたものの、
脊髄に損傷を負い、銃弾は体の中に残されたまま。
 
当日たまたま学校を休んでいた姉エリーは妹の怪我に責任を感じ、
片時もセレステから離れようとしない。
教会でおこなわれた追悼式では、姉妹で作った曲を披露。
エリーがピアノを弾き、セレステが歌う。
その曲が人々の心を揺さぶり、セレステはスターとなる
 
それから17年経った2017年。
31歳になったセレステはさまざまなトラブルを抱えてスターダムから転落。
しかし歌うことをやめようとは考えず、
キャリアの集大成となるアルバムをひっさげてツアーを開始する。
 
原題の“Vox Lux”はラテン語で「光の声」を意味するそうで、
これがセレステの復活をかけたツアーの名前でもあります。
 
歌手になるのはもともとは姉エリーの夢でした。
悲劇のヒロインになった妹セレステがそれを替わって叶えてしまった。
舞い上がるセレステは自身がまだまだ子どもだったのに、
ナンパされて一晩を共に過ごしたバンドのメンバーとの間に子どもができる。
その面倒をすべてエリーに見させておいて、姉に甘えまくりの言いたい放題。
 
目の前で銃が乱射され、人がバタバタと死んでゆく。
私には事件の被害者の気持ちを考えてみることはできても、
彼ら彼女らの気持ちがわかるなんてことは言えません。
凄く凄くつらかったろうと思うけれど、だからってこのセレステの態度は不愉快。
 
と、こちらが不愉快になるほど不安定なセレステの気持ちを
ナタリー・ポートマンは上手く表していると思います。
優等生すぎる彼女が悪態つく女を演じても、やっぱり優等生。でもしっかり演技派。
 
あんな事件だったからこそ、ポップな曲を歌う、踊る。
ちょっとわかる気がします。
 
マネージャー役のジュード・ロウは以前より明らかに髪が増えていると思う。
気のせいじゃないですよね!?

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