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『オーガストウォーズ』

『オーガストウォーズ』(英題:August. Eighth)
監督:ジャニック・フェイジエフ
出演:スヴェトラーナ・イワノーワ,マクシム・マトヴェーエフ,ユゴール・ベロエフ,
   アルチョム・ファディエフ,アレクセイ・グシュコフ,アレクサンドル・オレシコ他

日本では昨夏公開された2012年のロシア作品。
シネマート心斎橋に観に行きたかったのに間に合わず。
1月初旬にレンタル開始、TSUTAYA DISCASではもうしばらく新作扱い。

観に行きたかったわりには内容をまったく把握していなくて、
ポスターから近未来を舞台にしたSFだと思い込んでいました。
レンタルしてビックリ、直球の戦争映画じゃありませんか。

2008年に南オセチアの独立を巡り、グルジアロシアが戦いを繰り広げました。
そんな背景があって、ロシア軍の全面協力により撮影された戦争アクションだそうで。

シングルマザーのクセーニアは、まだ幼い息子のチョーマ、
それにクセーニアの母親とともにモスクワで暮らしている。
大企業に勤めるエゴールと再婚を考えているが、チョーマがまったくなつかないのが悩みの種。

そんな折り、元夫のザウールから連絡が入る。
南オセチアで平和維持軍の任務に就いているザウールは、長らくチョーマに会っていない。
ザウールの両親も孫のチョーマに会いたがっているらしく、
戦争が起こる気配もないから、チョーマを南オセチアへ寄越してほしいと。

ちょうどエゴールから旅行に誘われていたクセーニアは、
チョーマをしばらくザウールのもとへ預けておけば、旅行に行けると考える。
ザウールに承諾の返事をし、旅行の準備を進めることに。

ところが、空港でザウールの友人にチョーマを引き渡したあと、
南オセチアにグルジア軍が侵攻、ロシア軍との戦争が始まりそうだと判明。
エゴールの態度に腹立たしいものを感じたクセーニアは、
旅行を取りやめて、そのまま南オセチアへと向かうのだが……。

私がSFだと勘違いしていた原因は、チョーマの空想に登場するロボット。
父親と離れ、母親も恋人のことで頭がいっぱい、その恋人も好きになれない、
そんなチョーマは頭の中に大好きなロボットを登場させ、敵と戦います。
このロボットアクションがなかなかいい出来で、
『パシフィック・リム』(2013)で童心に返った男性方も気に入るのではないかと。

一児の母親とは思えないほど可憐なクセーニアは、
戦地にひらひらの膝上丈のワンピースで乗り込みます。
甘ちゃんかと思いきや、母親はやはり強し。
そして、彼女に手を貸す軍人たちも、軽そうor無愛想ながらめちゃめちゃいい奴ばかり。
彼女の膝小僧に目を奪われつつも、彼女に襲いかかるなんてことはしません。
それは彼らが男であり、親であり、子であるから。

助けてくれる男性陣の行動を彼女は実によく見ていて、
ひとりのときに窮地に陥ると、懸命にそれを思い出します。
エンジンの直結の仕方、砲弾のよけ方などなど。
素直な彼女にたくましさを感じ、応援したくなりました。

民間人を救出する軍人リョーハと、彼の姿に驚愕したクセーニアとのやりとりが可笑しい。
「いったい給料はいくらなの」。
「いい気にならないように少額だ」。

ロシアの誇りが込められた作品にも思えます。
最近DVDで観た作品の中ではいちばんかも。劇場で観たかった。
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