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『イエスタデイ』

『イエスタデイ』(原題:Yesterday)
監督:ダニー・ボイル
出演:ヒメーシュ・パテル,リリー・ジェームズ,ケイト・マッキノン,ジョエル・フライ,
   エド・シーラン,ジェームズ・コーデン,ロバート・カーライル他
 
飲んでいるか映画を観ているかの日々がまたまた戻ってきております。
ダンナの出張初日はそもそもはダンナも参加するはずだった食事会に私ひとりで参加。
美味しいお料理を食べて、盛大に酔っぱらって、ご機嫌で帰宅。
翌朝は這うように布団から出て出勤しましたが、なぜか眠くもならずに仕事。
この状態で映画を観に行くのは無謀かとも思うけれども、
せっかくのレディースデーなので2本ハシゴを決行。
 
1本目はTOHOシネマズ西宮にて、楽しみにしていた本作を。
 
初監督作の『シャロウグレイブ』(1994)が話題になり、
次作の『トレインスポッティング』(1996)が大ヒット。
『スラムドッグ$ミリオネア』(2008)では数々の賞をゲットしたダニー・ボイル
監督作はそう多くはないものの、数年に一度はきちんと撮っていて、
還暦を過ぎた今、昔ほどのキレ味はないような気がするものの、
その代わり、万人が楽しめる作品になっているのではないでしょうか。
ま、脚本が万人受けするリチャード・カーティスですからね。
 
マネージャーを務めるのは幼なじみのエリーで、彼女の本業は中学校教師。
相思相愛のはずなのにいたって清い仲。
ジャックの才能を信じて疑わないエリーは、
大規模なフェスに出演できるように手はずを整えるが、テントの客はまばら。
あきらめるとジャックがエリーに宣言した夜、世界中が12秒間の停電に。
自転車に乗っていたジャックは暗闇でバスと衝突、意識を失う。
 
目覚めると病院のベッドの上。
快復したジャックはエリーをはじめとする友人たちに退院を祝ってもらう。
その席で贈られたギターでビートルズの『イエスタデイ』を弾き語ると、
どういうわけかみんな涙目でうっとり、なぜそんな曲を出し惜しみしていたのだと言う。
悪い冗談だと思っていたが、どうやらビートルズを知らないのは本当らしい。
 
帰宅してネットで「ビートルズ」を検索すると、カブトムシしか出てこない。
世界中でジャックしかビートルズを知らないのだ。
ミュージシャンをやめると一旦宣言したジャックだったが撤回。
エリーにもう一度ライブの段取りを組んでほしいと依頼する。
 
曲はすべてビートルズのものだから、良いに決まっている。
なのにジャックのイケてないルックスのせいで、最初はなかなか売れない。
しかしスタジオを借りてレコーディング、CDを出すと話題の人となり……。
 
ジャック役のヒメーシュ・パテルの表情が可笑しくて、たびたびクスッブハッ。
停電の瞬間にこの世から消えたものはビートルズ以外にもいろいろ。
コカコーラとか(ペプシはある)、タバコとか。
それを知るたび「マジか」というジャックの顔。
 
本人役で登場するエド・シーランがまたすごくイイ。
自作の曲がビートルズの曲に負けて、世代の繋ぎ役のミュージシャンみたいに言われて、
でもその演技を存分に楽しんでいる様子。
今までさして興味はありませんでしたが、
これを機会に真剣に聴いてみようかなと思ったほどです。
 
『トレインスポッティング』の縁なのか、ロバート・カーライルも出演。
ここ、ネタバレになりますが、ジョン・レノン役なのです。
めちゃくちゃ似ていてびっくりしました。
 
どれだけ時を経ようとも、良い曲は良いもの。
どうか歌い継がれて行きますように。

—–

『クロール 凶暴領域』

『クロール 凶暴領域』(原題:Crawl)
監督:アレクサンドル・アジャ
出演:カヤ・スコデラーリオ,バリー・ペッパー,モーフィッド・クラーク,ロス・アンダーソン他
 
TOHOシネマズ梅田にて2本ハシゴの2本目。
 
不謹慎なんですけど、好きなんですよ、荒天が。
で、その荒天下で何かが起きる映画がまた好きで。
ハリケーンワニって、聞くだに面白そう。
製作にサム・ライミの名前があったらもう鉄板。
 
大学の競泳選手ヘイリー。
練習でライバルにコンマ数秒差で負けて凹んでいた折り、既婚の姉ベスから電話が入る。
巨大ハリケーンが襲来中のフロリダで一人暮らしの父親デイブと連絡が取れないらしい。
ヘイリーが様子を見に行くと言うと、危ないからやめろとベス。
ならばどうせぇっちゅうねん、どうせ悪天で道路も空いているはず、
2時間ぐらいで着けるやろから行ってくるわと出発するヘイリー。
 
雨は次第に激しくなり、やっともうすぐ実家というところで、
ここから先は危険なので進入不可だという警官ウェイン、姉の元恋人。
そのよしみで通してもらおうとしたが、危険すぎて無理とのこと。
一旦は引き下がるヘイリーだったが、父親の安否を確認せずには帰れない。
警官たちの目をかいくぐって実家へ到着する。
 
ところが実家にデイブはいない。
かつて家族で暮らしていた家の様子を見に行ったのではと思ったらその通り。
しかし1階にデイブの姿は見えず、飼い犬のシュガーが地下に向かってワンワン吠える。
浸水の始まりつつある地下に意を決して降りてみると、負傷したデイブを発見。
動けないデイブを引きずって1階へ上がろうとしたところ、突然ワニが現れて……。

こんなんを観られるのは、主人公が絶対死なんと信じられるからこそ。
これでもし死んでしもたりしたら立ち直れない(笑)。
怖くて観られないと思っている人、ご安心ください。
ヘイリーもデイブも(腕はワニに食いちぎられるけど)ワンコも死にません!
 
予告編ではワニ1匹だけやと思っていたのに、途中で2匹、
しまいにはウヨウヨ出てきて、どんだけおるねんと笑いました。
大丈夫、競泳選手のヒロインはワニより速く泳げるから。
 
こういう切羽詰まったヒロイン役がなぜか似合うカヤ・スコデラーリオ
デイブ役のバリー・ペッパー、ロジャー・マリスを演じた『61*』(2001)からはや20年。
そろそろ還暦ぐらいかなと思ったら、まだ49歳だった。(^^;
 
出演者はほとんどこのふたりのみ。
ワニも本物とはとても思えないつくりだけれど、単純におもしろかった。
ワニの子どもまで産まれてたでぇ。

—–

『空の青さを知る人よ』

『空の青さを知る人よ』
監督:長井龍雪
声の出演:吉沢亮,吉岡里帆,若山詩音,松平健,落合福嗣,大地葉,種崎敦美他
 
TOHOシネマズデーにTOHOシネマズ梅田で2本ハシゴ、その1本目。
 
長井龍雪監督の名前を見ると、永井龍雲を思い出して、
頭の中を“道標(しるべ)ない旅”がぐるぐる回るのは私ぐらいだろうなぁ(笑)。
けどまだ永井龍雲ってちゃんと活動しているのですよね。
 
という関係のない話は置いといて。
 
『心が叫びたがってるんだ。』(2015)を手がけたクリエイターチーム“超平和バスターズ”。
そこに所属する面々による劇場オリジナルアニメーション。
吉沢亮が声を担当するアニメって観たことありましたっけね。初めてじゃないかな。
彼も吉岡里帆もその声優ぶりがなかなか良いです。
 
始まって早々に主人公がベースでつまびく曲はゴダイゴの“ガンダーラ”。
私ら世代の掴みバッチリ。
 
埼玉県秩父市
13年前に事故で両親を失ってから二人暮らしの相生姉妹。
当時高校3年生だった姉のあかねは、まだ幼い妹のあおいの面倒をみるために、
恋人だった「しんの」こと金室慎之介と上京することをあきらめて地元で就職。
 
幼かったあおいは高校2年生になり、ひたすらベースを弾く日々。
自分のために恋も夢も手放したあかねに負い目を感じ、どこでも無愛想。
まともに口を利くのはいつもあおいの練習につきあう小学生の中村正嗣ぐらい。
 
ある日、練習場所であるお堂に行くと、そこには13年前の姿のままのしんのが。
しんの曰く、眠ってしまって起きたら今だったと。
驚くあおいだが、ひそかに想いを寄せていたしんのが現れてくれて嬉しい。
自分にだけ見える幽霊というわけでもなく、正嗣にもしんのが見えている。
しかししんのがお堂から出ようとすると壁にぶち当たって出られない。
やはりしんのはこの世の者ではないのか。
 
一方、町ではまもなく開催される音楽祭に大物演歌歌手の新渡戸団吉を招聘。
そのバックバンドとして同行してきた中に慎之介がいて……。

仲良し姉妹の人が観たらきっと泣く。

めちゃめちゃ多いですよね、タイムループとかタイムリープとかタイムスリップもの。
何がどうちがうのか、観るたびに調べるけれど、いまだにちゃんと説明できない。(^^;
で、またそのうちのどれかなのかよと思って本作を観ましたが、
しんのが時代を行ったり来たりするわけではなく、お堂にずっと居るだけ。
地縛霊のようにそこに居ることになってしまった理由を彼自身わからない。
 
音楽で食べていくことを夢見ていたしんのが、
そのとおりになった慎之介を見て喜んだのもつかの間、
30を過ぎた慎之介はやさぐれたオッサン。
バックバンドに甘んじている自分を恥じ、投げやりになっている。
過去の彼が現在の彼を叱咤する姿には胸を打たれます。
 
子どもの頃の自分がなりたかった大人になれていなかったとしても、
こういう大人もありかなと思える自分になりたいなぁ。
って、もう大人すぎるっちゅうの。
自分が憧れるおばあちゃんを目標にしよう。
 
井の中の蛙、大海を知らず。
されど、空の青さを知る。

—–

『ラブゴーゴー』

『ラブゴーゴー』(原題:愛情来了)
監督:チェン・ユーシュン
出演:チェン・ジンシン,タン・ナ,リャオ・ホェイチェン,シー・イーナン他
 
台風の日、京都シネマにて2本ハシゴの2本目。
監督は前述の『熱帯魚』と同じ、チェン・ユーシュン
1997年の作品です。
 
台北のアパートに同居する男2人と女1人。
彼らの恋愛模様を綴るラブストーリーだからと言って、
この3人の誰かと誰かが好き同士とかではありません。
だって、とても絵にはならない3人だから、この3人で惚れた腫れたは言わない(笑)。
 
おばの経営するパン屋で働くパン&ケーキ職人アシェン。
ある日、おばに留守番を頼まれて店に出ると、懐かしい女性がやってくる。
それは小学校時代の同級生リーファ。
昔から引っ込み思案で見た目も冴えないアシェンに優しかったリーファ。
あまりに突然の再会でアシェンは驚くが、リーファは気づいていない。
毎日レモンパイをひとつ買うために来店する彼女を見てドキドキ。
音楽家志望の同居人に指南、のど自慢に出演して彼女への想いを歌うことに。
 
もうひとりの同居人はタイピストのリリー。
はちきれんばかりのおデブの彼女は、食欲をどうしても抑えられない。
恋など考えられずにいたが、道でポケベルを拾ってからそれが一転。
ポケベルの持ち主の留守電の声があまりに魅力的だったから。
電話で話を交わすようになり、会おうと言われてダイエットを始める。
 
どちらも到底うまく行きそうにない恋なんです。
 
綺麗なリーファにはどう見ても男がいそう。
それでも気持ちを止められないアシェンだけど、彼女とどうにかなろうとは思っていない。
ただ想いを伝えたい、彼女の幸せを願いたい、そんなふう。
 
リリーのほうは、拾ったポケベルを届けるでもなく、
それを眺めるだけで恋人ができたかのように思い込んでいる様子はかなりウザイ(笑)。
ダイエットに励むものの、90kg以上あった体重を3kgぐらい落としただけでは。
会うのを断りきれなくて会ったら、これがまたろくでもない男で、
想定された結果でしょうが、彼女の涙がつらくて、ここで初めて応援したくなります。
 
切ない恋の結末にもかかわらず、元気がもらえる作品です。
なんかいろいろあるけれど、きっと悪いことばかりじゃないよなぁ、そう思えて。
 
20年前に観たときも好きだった。今観てもやっぱり好き。
 
余談ですが、驚いたのは台湾の美容室。
シャンプーだけしに来た客を席に座らせて、ほとんど髪も濡らさずにシャンプーしちゃうんですね。
濡らさないから泡立たないし垂れないから、それもありなんでしょうけれど、
日本では考えられない光景で、びっくりしました。

—–

『熱帯魚』

『熱帯魚』(原題:熱帯魚)
監督:チェン・ユーシュン
出演:リン・ジャーホン,リン・ツェンスン,シー・チンルン,ウェイ・イン他
 
台風が関東を直撃した先週の土曜日、晩ごはんは祇園のお店を予約していました。
お店から台風ゆえに閉めるという連絡がないかぎり、行かないわけにはいかん。
大阪や京都は百貨店など普通に営業するようだけど、
JR京都線は14:00頃から新快速を運休するとの告知。
阪急や京阪も場合によっては運転を見合わせるとのことだから、
止まる可能性も考えて日中に京都入りしておくことにしました。
そうすれば、車で向かうダンナと電車で向かう私と、
ふたりともが店に到着できないということにはならないし。
とにかくふたりともケータイを所持していないため、大変です(笑)。
それは私たちに連絡を取れないお店も同じだと思うのですけれど。すみません。
 
で、京都の映画館でできるだけ雨に濡れずに着けるところへ行きたい。
阪急烏丸駅すぐの京都シネマの上映スケジュールを調べたら、
あららん、ずいぶん昔の台湾作品が何本かかかっている様子。
確かDVDでは観たはずだけど、劇場では観たことがない。これに決定。
 
エドワード・ヤン、ホウ・シャオシェンと、
21世紀の台湾映画とをつなぐ90年代の最重要作品、
デジタル修復をへて遂に初の同時上映が実現!」だそうで、2本を上映。
これはそのうちの1本、1995年の作品です。
 
高校受験を目前に控えた中学生ツーチャン。
模試では目標の成績に遠く至らず、先生から厳しく叱られてばかり。
同じく勉強が苦手な父親も自分のことは棚に上げ、息子に小言。
 
ある日、級友とゲームセンターで遊んでいたツーチャンは、
私服で見回りをしていたとおぼしき警官に捕まるが、実はこいつは元警官。
退職して会社を興したものの資金繰りに困り、誘拐を計画していた。
その日は何事も起きなかったが、後日、ゲーセンで見かけた小学生ワンが奴に連れ去られるのを見かけ、
咄嗟に追いかけたツーチャンはワンと共に拉致監禁されてしまう。
 
ワンは養子で両親から見放されているらしく、金は要求できない。
ツーチャンの自宅に電話をかけて身代金を要求するが、受け取りに失敗。
主犯の元警官社長はなんとその帰りに車に撥ねられて死亡。
社長の部下アケンは少年2人をどうすればよいかわからず、
悩んだ末に台北を離れて田舎の実家に2人を連れて行くのだが……。
 
ぽや〜んとしたボンクラなんです、このツーチャン。
対するワンはもうちょっと賢そうだけど、チビで生意気なデブ。
誘拐されて両手両足を縛られて段ボールの中に入れられていても「お腹すいた」。
こんな2人を図らずも引き取ることになったアケンも阿呆丸出し。
 
事情を知ったアケンの母親をはじめとする家族は、
口をきこうとしない娘しかまともではなく、
誘拐を続行して身代金を取ってから返そうと考えます。
でもツーチャンが受験生であることを知り、
アヤンはとにかく受験に間に合わせたい、ここで勉強させたいと願う。
この辺りは、ろくに勉強してこなかったせいで良い人生を歩んでいないアヤンが、
ツーチャンに自分のような人間になってほしくないと思っているのが見て取れます。
 
誘拐事件として都会の人たちが騒ぎ立てているのに、
ツーチャンもワンも田舎暮らしが楽しくて仕方がない。
ちょっとした脱力系で面白いけれど、ヘヴィーな問題もはらんでいる。
軽く観るだけにはとどまらない作品でした。
 
空に浮かぶ熱帯魚、とてもいいシーンです。
夢をあきらめちゃ駄目だって。
 
そういえば、冠水した家で水にちゃぷちゃぷ浸かりながら
普通に食事している姿がなんとも言えん光景です。
タイ人は洪水のときにボートを浮かべて遊んだり、
校舎の屋上から先生も生徒も一緒に飛び込んではしゃいだりすると、
タイに出張の多いダンナが言っていました。
日本のように水流の激しいところでは絶対無理でしょうが、
お国柄を思って不思議な感じがします。

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