『ポップ・アイ』(原題:Pop Aye)
監督:カーステン・タン
出演:タネート・ワラークンヌクロ,ペンパック・シリクン,チャイワット・カムディ,
ユコントーン・スックキッジャー,ナロン・ポンパープ他
シネ・リーブル梅田で5本ハシゴの5本目。
1本目の『カメラを止めるな!』を観はじめたのが12時半。
5本目の本作を観おわるのは22時半。10時間かぁ。
5本ハシゴは久々なので、なかなか体に堪えます(笑)。
振り返れば国際色に飛んだ5本でした。
1本目は日本、2本目はフランス、3本目はイギリス、
4本目はブラジルで、この5本目はタイ。
バンコクに暮らす中年男タナー。
かつては一流建築家としてもてはやされ、話題の建築物を多く手がけてきたが、
最近は代替わりした会社の若手経営者にほぼ無視されている状態。
家に帰れば妻はひたすら冷ややかな態度で、どこに行っても厄介者扱い。
ある日、街角でゾウを見かけたタナーは、
それが幼いときに一緒に過ごしたゾウであると気づく。
ポパイと呼んでいたそのゾウを衝動的に持ち主から買い取って連れ帰ると、妻は激怒。
そこでタナーはポパイを故郷に戻そうと考える。
こうしてタナーとポパイは500キロの旅に出るのだが……。
タイの映画を観るのは久しぶり。
しかもそれ以外でもタイ作品として記憶にあるのは“マッハ!”シリーズなので、
タイのこんなほんわかロードムービーを観るのは初めてかもしれません。
「ほんわか」と書いたわりにはなかなか辛辣な内容です。
クビを切られるところまでは行かないものの、
会議の時間も教えてもらえないような状況。
妻の持ち物を探ればバイブレーターが出てくるし、
ならばと妻に抱きついたら「臭いから寄るな」と叩かれる始末。
道中、娼婦に声をかけられてその気になったのに勃たない。
なんだこれじゃあとても「ほんわか」とは言えない(笑)。
しかし、会社にも妻にも相手にされずにちょっと投げやりになったタナーが
ポパイといるときだけは安らいでいる様子はやはり和む。
彼が旅の途中で出会うのは、ホームレスだったりニューハーフだったりで、
みんな憂き目に遭っているのにたくましい。
ゾウが街なかを歩いていても誰も驚かないのはさすが。
ところで、ゾウっていくらで買えるものなんですか。
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