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2020年10月に読んだ本まとめ

2020年10月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:4057ページ
ナイス数:1300ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly

■喋る男 (講談社文庫)
嫌味な中年アナウンサーが番組制作AI開発局なる部署へ左遷され、自分の喋りをコピーするAIに立場を乗っ取られる話……を想像していたのに、まるで違った。主人公のイメージは最初と最後では180度変わる。彼がアナウンサーになりたての頃の練習の話も面白いし、新しい試みが現実になればさぞ楽しかろうと思います。ただ、私の心に響くところまでは行かなくて、字大きめで200頁ちょいなのに読了までやたらと時間がかかってしまいました。こうなるのはたいてい文庫書き下ろし作品なのは気のせいか。たぶん飲酒しながら飲むのがあかんのだわ。
読了日:10月03日 著者:樋口 卓治
https://bookmeter.com/books/16154384

■浅田家! (徳間文庫)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】監督ご本人がお書きになった原作の映画化だから、台詞も一言一句同じと言ってよいでしょう。前半は浅田家の家族写真にニヤニヤ。後半の浅田家以外の家族写真については、桜吹雪をはじめとする撮影時の演出が映像化されてなお良し。二宮くん菅田くんの涙滲む表情にももちろん泣かされるけど、いちばん泣かされたのはまさかの北村有起哉。写真整理の場にイチャモンつけにきたクレーマー役です。妻夫木くん演じる兄が餞別にくれたお手製アルバムだけは、原作で想像したもののほうが重厚だったかも(笑)。
読了日:10月04日 著者:中野量太
https://bookmeter.com/books/16347361

■稲荷書店きつね堂 (ハルキ文庫)
お稲荷さんの祠近くの書店。店主の老人が倒れるのを見た白狐像は、少年の姿に変身。少年が店を手伝っていたら、学校はどうなってるねんと通報されそうだと思うのは野暮でしょうか(笑)。少年が素性を明かしても、老人や近所の書店のバイト青年は驚かない。すぐに信じて受け入れるのが温かい。御利益を売りつけようとする化け狸もどこか憎めなくて、やわらかい物語です。狐からいきなり人間になったのに、稲荷神の御使いだから商売の基本は押さえているというのが可笑しい。「大船に乗った気持ちで」なんて、少年の言うことやないけど、可愛いなぁ。
読了日:10月05日 著者:蒼月 海里
https://bookmeter.com/books/14455272

■三つ編み
便所の汲み取りに生まれついた女性(インド)と、自らも籍を置く父親の会社が危機に瀕している女性(イタリア)と、癌に侵されていることを知った弁護士の女性(カナダ)。いったい誰がいちばん不幸だろうかと考えてしまいました。最も驚いたのは最初の女性スミタ。そこには尊厳など微塵もありません。彼女が受ける仕打ちは想像を絶している。人間以下の出自を彼女自身は受け入れても、自分の娘には読み書きを習わせたい。『82年生まれ、キム・ジヨン』の先行き暗いエンディングと比べて希望があります。「生まれはよくなくとも、勇気はもてる」。
読了日:10月06日 著者:レティシア コロンバニ
https://bookmeter.com/books/13603646

■巡る女 (中公文庫)
主人公めぐるが就活中に大雨に遭い、判断に迷う姿が第1章。以降の章タイトルは、3つの選択肢のうち彼女が選んだもの。「走った」「待った」「戻った」。どの選択が最善だったかは、きっと自分が3人いないとわからない。第2章に水商売の女性を指して「自分もお気楽な仕事をしたかった」という言葉があって不愉快でしたが、第4章ではチーママとなっためぐるが描かれていてなるほど。面白かったけど、この著者なら男性が主人公の物語のほうが好き。ドタバタ度控えめの荻原浩、イライラ度控えめの辻村深月、幸せ度控えめの山本幸久のように思えて。
読了日:10月08日 著者:山本 甲士
https://bookmeter.com/books/4477333

■82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】読後1年以上経っているから、原作の細かい部分は忘れてしまっています。とにかくラストの精神科医のひと言が薄気味悪くて強烈だった覚えが。映画版は夫を演じるのがコン・ユという時点で原作とは違った結末が想定されましょう。実際そのとおり。この夫であればジヨンは大丈夫だと思えます。ジヨンの家族も同僚も個性豊かで、クスッと笑える台詞も多く、「原作でどんよりした気持ちになったから映画版はパス」と思っていらっしゃる方には鑑賞をお勧めしたい作品です。原作にはなかった希望が見える。
読了日:10月11日 著者:チョ・ナムジュ
https://bookmeter.com/books/13271683

■星の子 (朝日文庫)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】大森立嗣監督のことだから、わかりやすいドラマになるはずもなく、原作そのままの印象です。あとがきで説明されていた「あれ私の親なんです」とちひろが言ったときの南先生の顔に注目していたら、これまた岡田将生の表情がそのまんま。原作の「好きな人が好きなことをわかりたいだけ」と集会で話した茶髪青年のシーンがなかったのはちょっぴり残念。ちひろと姉が夜更けに会話するシーンがいくつかあり、また、姉のその後がわかる台詞もあって、姉置いてけぼりだった原作よりも焦点が当たっています。
読了日:10月11日 著者:今村夏子
https://bookmeter.com/books/14631648

■望み (角川文庫)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】『82年生まれ、キム・ジヨン』にコン・ユが出演すると決まった時点で良い夫が想定されたように、本作の夫婦を堤真一石田ゆり子が演じるとなれば、息子は加害者ではなく被害者であることが確定でしょう。だから、どっちなのだろうと考えさせられることはありません。父親の言葉が息子に響いていたとわかるシーンがとてもよかった。シリアスな人間ドラマだけどエンタメらしく、非常にわかりやすい「感動」です。記者役の松田翔太や最後の最後に登場する三浦貴大も、出番少なくも印象に残る出演でした。
読了日:10月11日 著者:雫井 脩介
https://bookmeter.com/books/13609877

■ラーメン らーめん ラーメンだあ! (小学館文庫)
ラーメン。好きか嫌いか聞かれたら好きだけど、全然執着なし。年に数回食べる程度。「お決まりの増量コール」なるものも何のことだかさっぱりわからずに読みはじめる。何が驚いたって、ラヲタがラーメンを評するときの語彙力。「丼の表情」!? 「毅然とした底光りを放つ美味しさ」!? 凄すぎる。私にもラヲタの友人がいます。月40杯食すと聞いてびっくりしていたけれど、そうですか、年間千杯食べる人も少なくないのですね。きっと皆さんの血はラーメンでできている。冴えないサラリーマンだったとしても、ひとつの道を極めれば人生が変わる。
読了日:10月13日 著者:一柳 雅彦
https://bookmeter.com/books/16419615

■OFF 猟奇犯罪分析官・中島保 (角川ホラー文庫)
ひなちゃんロスからやっと抜け出てケッペーに愛情を傾けてきたのに、今になって野比先生のスピンオフだなんて、小粋というのか小憎らしいというのか(笑)、内藤さん。シリーズを読破した人なら誰もが知ることですが、野比先生やっぱりいい人。根っからの善人であるがゆえに、殺人者となるまでの葛藤が伝わってきます。比奈子と出会い、思いがけず夜を共にする段を本編で読んだときは「なんか、ガラじゃねぇよ」と思っていたけれど、本作では自然に感じました。しかし今頃こんなスピンオフを出すことをいつからお考えになっていたのか。策士だわ~。
読了日:10月15日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/16598150

■おらおらでひとりいぐも (河出文庫)
芥川賞受賞作を読むたびに自分がいかに凡人であるかを思い知らされます(笑)。沖田修一監督の映画の予告編を観て、難解じゃないかも♪と手を出しました。独居女性・桃子さんの脳内に他者が現れる。亡夫と出会った頃の話は楽しく読めたのですが、それ以外は何が起きているのか私にはイメージできず、町田康の解説を読んでなるほどと思う。あ、町田さんも芥川賞作家か。私の場合は映画版を観てからのほうが楽しめたでしょう。しかし著者が55歳を過ぎてから物書きを学んで作家になったというのが凄い。何をするにも遅すぎることなんてないんだなぁ。
読了日:10月20日 著者:若竹千佐子
https://bookmeter.com/books/15891985

■家守 (角川文庫)
10年以上前に同著者の『葉桜の季節に君を想うということ』を読んだとき、これが叙述トリックというものかと感嘆し、あまりに見事に騙された自分がおかしくて笑ってしまいました。その印象が強いけれど、これは叙述トリックではありません。短編5つ。どれも自分あるいは誰かの居場所を歪な形で守っている人たちの話。表題作よりもむしろ惹かれたのは『鄙』。良くも悪くも結束した僻地の村の様子は、実際にあるかもしれないと思わされます。この『鄙』で謎を解き明かす恭一は、弟を語り手にして官能小説作家探偵としてシリーズをつくれそうですね。
読了日:10月25日 著者:歌野 晶午
https://bookmeter.com/books/8198443

■あきない世傳 金と銀(九) 淵泉篇 (ハルキ文庫 た)
毎度のことながら「え~、マジで!?」というところで終わった前巻。美人で善人で経営者としての才覚まである姉を持ったら、卑屈になる気持ちもわからんではないけれど、人としていちばんあかんことを妹はやりよった。その後がまた憎たらしい。幸は「絶対許しまへん」と言うてますけど、ほんまに今後もずっと和解せずに結を叩きのめしてやってくれと思うのは性格悪いでしょうか(笑)。仲間外れとは子どもじみた行為を指す言葉だと思っていましたが、元はこういう仲間から来ているのですかね。転んでもただでは起きひんのが幸やでぇ。今に見ておれ。
読了日:10月27日 著者:高田郁
https://bookmeter.com/books/16327994

■災厄 (角川文庫)
著作にこんなパンデミックものがある作家にとって、このコロナ禍はあり得ることだったのでしょうか。現実と比較して読みたくなる。小説の中で起きていることを思えば、現実のほうが落ち着いているか。災禍に人を罵倒するだけのお偉方に辟易。主人公も嫌な奴だったけど、かつて裏切った相手と和解してからは応援したくなりました。昼行灯かと思われた官房長官が最後は頼もしい。自然は悪意なきテロリストだという言葉が頭に焼き付いています。「悪気はなかった」という言い訳が厄介なように、悪意のないテロというのはどうしようもない。災厄は続く。
読了日:10月30日 著者:周木 律
https://bookmeter.com/books/12119734

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『実りゆく』

『実りゆく』
監督:八木順一朗
出演:竹内一希,田中要次,田中永真,橋本小雪,三浦貴大,
   鉢嶺杏奈,小野真弓,島田秀平,爆笑問題,山本學他
 
予告編の上映時間がいちばん長いのはTOHOシネマズ。
15分間たっぷりあります。
TOHOシネマズ梅田で16:00から上映開始の映画を観ることは可能です。
それをやりました。入口すぐの端っこ席を確保して。
 
テレビを観る時間がほとんどないもので、お笑い芸人もあんまり知りません。
それにお笑いならやっぱり関西のほうが好きだから、
別に好きでもない爆笑問題が関わっている作品を観るつもりもなかったけれど、
時間が合うのがこれしかなくて。
 
八木順一朗監督は、その爆笑問題が所属する芸能事務所タイタンのマネージャー。
“MI-CAN 未完成映画予告編映画大賞”というものがあるそうで、
つまりは予告編を作って応募し、大賞を獲ったら制作費が得られるらしい。
そこで堤幸彦賞とMI-CAN男優賞の受賞作『実りゆく長野』に本編を望む声が高まり、
タイタンの代表・太田光代がエグゼクティブプロデューサーを務めて映画化したそうです。
と言われてもピンと来ないまま鑑賞。なのに泣いちゃったよ〜ん(笑)。
 
長野県下伊那郡松川町。
リンゴ農家の跡取りとして生まれた実(まんじゅう大帝国・竹内一希)。
小学生の頃に母親が病死し、父親(田中要次)が男手ひとつで実を育てた。
まもなく実が一人前として認められる祭祀がおこなわれる予定。
 
そんな実は吃音症。幼い頃はそのせいでよくいじめられた。
しかしなぜかステージに立つとどもらずに喋れる。
そのことに気づいてから実はお笑い芸人を目指し、
週末毎にバスに乗って東京まで出かけてはステージに立っている。
同じくピン芸人の永真(まんじゅう大帝国・田中永真)と切磋琢磨し合いながら。
 
ある日、大きなコンテストが開催されるのを知り、出場しようとするが、
なんとその日は松川町の祭祀と同じ日。
町中が実のために準備を進めてくれているなか、祭祀に出ないとは言えず……。
 
ここには書きませんが、実がお笑い芸人を目指す理由が泣けます。
それにやられて気づけば涙。こんなはずじゃなかったのに(笑)。
 
これも爆笑するところまでは行かなかったけれど、
本物のお笑い芸人、本当の漫才コンビがネタを披露しているだけあって、テンポがいい。
 
あと、リンゴって美しいなぁ。
果物の中でいちばん好きです。そんなリンゴが美しく撮られているのは嬉しい。
 
出戻りのスナックの姉さん役の人、綺麗というには怖い。
と思ったら、日本エレキテル連合の橋本小雪でした。
町民役の三浦貴大が綺麗だと称えるホステス役で、かなり違和感(笑)。
白塗りじゃないから誰かわからなくて、エンドロールを見て知りました。
道理で演技も硬いけど、ま、よろしいんじゃないでしょか。
 
ご当地ムービーは応援したくなります。

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『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』

『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』(原題:The Last Black Man in San Francisco)
監督:ジョー・タルボット
出演:ジミー・フェイルズ,ジョナサン・メジャース,ティチーナ・アーノルド,ロブ・モーガン,
   マイク・エップス,フィン・ウィットロック,ダニー・グローヴァー他
 
梅田ブルク7にて、『82年生まれ、キム・ジヨン』の次に。
 
これが長編デビューとなるジョー・タルボット監督。
幼なじみのジミー・フェイルズの実体験を基にしたフィクションで、
主演もそのジミーが務めています。
サンフランシスコなんて行ったこともないのに、なぜか郷愁を誘われる。
 
黒人青年ジミーは、親友モントの家に居候中。
ジミーはかつて自分が暮らしていたフィルモア地区の豪邸に執着している。
その一軒家は「サンフランシスコで最初の黒人」と呼ばれるジミーの祖父が建てたもの。
父親が税金を滞納して追い出されたが、ジミーはどうしてもまたそこに住みたい。
フィルモア地区は昔と様変わりして、住人には富裕な白人しかいない。
その豪邸にも今は白人夫婦が住んでいるが、庭も壁も手入れが行き届いていないのが許せない。
ジミーは夫婦の留守中を狙って忍び込み、勝手にペンキを塗ったりしている。
帰宅した夫婦にそれを見つかって通報されそうになることもしばしば。
 
ある日、その夫婦が家を出て行くことになったとジミーは知る。
家族と遺産相続で揉めたらしく、当分この家には誰も住まないだろう。
ジミーはモントを誘い、空き家となった豪邸に移り住むのだが……。
 
不思議な話です。
細かいことを言えば、ジミーは定職に就いている様子もなく、
居候させてもらえる家があるとはいえ、金をどう工面しているのか謎。
豪邸で寝泊まりするようになったって、食費すらないやんと思ったりも。
 
ネタバレになりますが、祖父が建てたと聞かされていた家が実はそうではなかった。
あれだけ固執していたのに、それだけがジミーの心の支えであるように思えたのに、
事実は違うと知ったとき。やるせない気持ちが伝わってきます。
 
何が事実であろうと、ジミーはジミー。父親や祖父をとっくに飛び越している。
それをわからせてくれた友人、モントの存在がとても大きい。
 
たいして面白いとは思わずに観ていたはずなのに、
鑑賞後しばらく経ってからのほうが映像が頭に蘇ります。

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『82年生まれ、キム・ジヨン』

『82年生まれ、キム・ジヨン』(英題:Kim Ji-young: Born)
監督:キム・ドヨン
出演:チョン・ユミ,コン・ユ,キム・ミギョン,コン・ミンチョン,
   キム・ソンチョル,イ・オル,イ・ボンリョン他
 
絶対観たかった作品です。梅田ブルク7にて。
原作は1年ちょっと前に既読、レビューはこちら
 
結婚を機に仕事を辞めたキム・ジヨン、1982年生まれ。
夫デヒョンと可愛い娘に囲まれ、育児と家事に追われる日々だったが、
ある日、理不尽なことばかり言う義理の家族を前にして、
実母が憑依したかのようなことをジヨンは口走る。
 
その後も誰かが憑依したとしか思えない言葉を発することがあり、
しかもそのことをジヨン自身はまったく覚えていない様子。
心配したデヒョンは、まずは精神科にひとりで行って相談するのだが……。
 
「キム」は韓国に非常に多い姓のひとつ。
そして「ジヨン」は1982年頃に生まれた女性に最も多い名だそうです。
原作は精神科医カルテに記された彼女の話という形で進みます。
精神科医の無意識の内の最後のひと言が薄気味悪くて、酷く読後感が悪かった。
女が生きづらいのはこの先も変わらないであろうことが示唆されていました。
 
映画版はまず精神科医が女性である点が大きく違う。
原作では夫以外の男性には名前すら与えられていませんでしたが、
映画版ではどの人もちゃんと名前で呼ばれています。
 
ま、夫役がコン・ユである時点で原作とは違うエンディングが予想できます。
だって彼がそんな嫌な人の役を演じるわけもない(笑)。
原作を読んで暗澹たる気持ちに沈んだ人には特に鑑賞をお勧めします。
女性が観れば、夫実家でのシーンなどでは、「あるあるある!」と言いたくなることでしょう。
 
クスッと笑ってしまうシーンもいっぱいあります。
ジヨンの家族や同僚がとてもいい味。
姉貴の好きなものを知らないことに気づいた弟が、父親に尋ねたら父親の言ったことが間違いで(笑)。
そのときの弟の台詞もよかったなぁ。
 
今の韓国は、そして日本も、原作のほうに近いのか。
それとも映画版のように明るい未来を期待してもよいのか。

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『トロールズ ミュージック★パワー』

『トロールズ ミュージック★パワー』(原題:Trolls World Tour)
監督:ウォルト・ドーン
声の出演:上白石萌音,ウエンツ瑛士,新垣樽助,仲里依紗,宮野真守,樋浦勉,
     近松孝丞,吉野裕行,宝亀克寿,きそひろこ,松本梨香,平田広明他
 
TOHOシネマズ伊丹にて、前述の『浅田家!』とハシゴ。
 
『トロールズ』(2016)の続編らしいのですが、前作の存在すら知らず。
これだけ映画を観ているというのに、不覚。(–;
 
洋画はアニメであっても字幕で観たいと思っています。
『2分の1の魔法』は字幕版を上映している劇場を見つけたけれど、
これは私の行動範囲内だとTOHOシネマズ梅田だけ、
しかも上映回数は1日1回でレイトショーのみ。無理っ。
あきらめて吹替版を鑑賞しました。
と思ったらなんばパークスシネマでもやってるやん。時すでに遅し。
まぁいいや、TOHOシネマズのポイント使ってタダで観たから。
 
トロール(=主に北欧の伝承に登場する妖精)が暮らすポップ村。
女王ポピーや幼なじみのブランチらは、ポップな曲を歌って踊る楽しい毎日。
トロールが暮らす村はここしかないと信じ込んでいたが、
実はこの世にはロック村やテクノ村など、別の村が存在することを知る。
 
きっかけは、ロック村の女王バーブからパーティーへの招待状が届いたこと。
ポピーの父親である王やブランチから止められるも、
ポピーはほかの村のトロールたちと音楽の融合ができるではないかと大興奮。
ただちにロック村へと向かうのだが……。
 
トロールの村は6つあり、それぞれ異なる音楽のルーツを持っています。
ポップ、ロック、テクノ、ファンク、クラシック、カントリー。
各々の村には魔法の弦があり、トロールたちに力を与えているのですが、
ロック村の女王バーブはそれらの弦をすべて集めることを画策。
ロック以外の音楽を破壊しようとしているんですねぇ。
 
ロックと言うけれど、これは明らかにヘヴィメタを指しています。
みんなメロイックサイン出してるし(笑)。
なんか、ヘヴィメタが世の中を仕切ろうとしていて、
それをポップスが改めようとしているみたいな図式、どうよ。
 
主人公のポピーもどうも鼻につきます。
「私がバーブを正してみせる」とか、何様やねん!てな感じで。
あ、これは私がひねくれているからです(笑)。
当然最後はポピーも自分本位であったことに気づいて改めますから、
教育的に良い映画であることは間違いありませんが、
こういうのがヘヴィメタに先入観を与えてしまうってことはないですか。
 
致し方なく吹替版を観ましたが、字幕版ではオジー・オズボーンが出演しています。
ポピー役はアナ・ケンドリックだし、怪しいヒッコリー役がサム・ロックウェル
オジーがロック村ではなくポップ村の王様の声を担当しているのがワラける。
やっぱり絶対観たいやん、字幕版。

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