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『コリーニ事件』

『コリーニ事件』(原題:Der Fall Collini)
監督:マルコ・クロイツパイントナー
出演:エリアス・ムバレク,アレクサンドラ・マリア・ララ,ハイナー・ラウターバッハ,
   マンフレート・ツァパトカ,ヤニス・ニーヴーナー,フランコ・ネロ他
 
2日連続でシネ・リーブル梅田へ。
ここへ行かなければ終業後に2本ハシゴするのは無理ですから。
 
ドイツ作品。
原作者は刑事事件の弁護士としても著名な作家フェルディナント・フォン・シーラッハ
 
ドイツで育ったトルコ人の青年カスパー・ライネンは、
3カ月前に弁護士になったばかりだというのに、
思いがけず大きな事件の国選弁護人に任命される。
 
その事件は、この国に長く暮らすイタリア出身の男性ファブリツィオ・コリーニが、
経済界の大物ハンス・マイヤーを殺害したというもの。
ファブリツィオは模範的市民で、これまで何の問題も起こしたことがなかったのに、
ホテルのスイートルームに滞在するハンスを訪問して頭を撃ち抜き、
遺体の頭蓋骨を踏みつけて粉砕、ホテルのフロントで自らその事実を告げた。
 
カスパーがファブリツィオの弁護を引き受けたときは、
ハンスという通称ではなく本名を聞かされていたために気づかなかったが、
実はハンスはカスパーの恩師。
カスパーの父親が妻子を残して蒸発し、残されたカスパーと母親が困っていた頃、
優しく手を差し伸べてくれたのがハンスだった。
ハンスは自分の子どもと同じようにカスパーを可愛がり、
カスパーが弁護士になれたのはハンスのおかげといっても過言ではない。
 
恩師を惨殺した犯人ではあるが、自分は弁護士。
法廷で対決する遺族側には、カスパーの大学の教授リヒャルト・マッティンガーがついていて、
新米弁護士がなんとかできる案件だとは思えなかったが……。
 
ファブリツィオは沈黙を守り、動機について何も語ろうとしません。
弁護士にも話さないつもりならばもう知らんと思いかけたとき、
「父親は存命か。会えるうちに会っておけ」とファブリツィオが口を開いたことから、
カスパーはファブリツィオの故郷に赴き、真相を探ります。
 
原作者のお祖父さんはヒトラーユーゲントの指導者でした。
そんな背景も知りながら観ると、よりいろんな思いが心に生じます。
実話だと信じ込んで観ていたのですが、フィクションでした。
お祖父さんの罪を追及しているようにも思えます。
 
こんな骨太の話にロマンスとか要らんやんと思うところはあったけれど、
見応えのある法廷劇でした。ちょっと興奮。

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