MENU
ChatGPT-Image01
ChatGPT-Image02
ChatGPT-Image03
ChatGPT-Image04
ChatGPT-Image05
previous arrow
next arrow

『お母さんが一緒』

『お母さんが一緒』
監督:橋口亮輔
出演:江口のりこ,内田慈,古川琴音,青山フォール勝ち他
 
封切り日の夜の回をイオンシネマ茨木にて。
 
原作はペヤンヌマキ主宰の演劇ユニット“ブス会*”の同名舞台劇
橋口亮輔監督がTVドラマシリーズ化してCSチャンネルで放映。
それを劇場用に再編集した映画版なのだそうで、
「ホームドラマチャンネル開局25周年記念オリジナルドラマ」との触れ込みです。
 
「お母さん」の姿は冒頭で車の中に薄ぼんやり映るだけ。
もとが舞台劇らしく、物語は必要最低限の人数で進んで行きます。
 
母親の誕生日を祝うため、親孝行のつもりで温泉宿に連れてきた三姉妹
長女の弥生(江口のりこ)は容姿にコンプレックスを持ち、
美人と言われてちやほやされてきた次女の愛美(内田慈)に嫌味を言い通し。
一方の愛美は愛美で、優等生の弥生と常に比較されたことを根に持っている。
 
男性と交際経験がまったくないままで見合い結婚をした母親は、
いつも父親の悪口を娘たちに聞かせ、ネガティブな発言ばかり。
そんな母親に嫌気が差して、弥生と愛美は早々に実家を出た。
そのあと母親の面倒を見つづけてきたのが三女の清美(古川琴音)。
 
実は今回の旅行で清美が母親に用意したプレゼントは、自分の結婚宣言。
いきなり母親に会わせるわけにもいかないから、まずは姉たちに紹介しようと、
宿に到着後、相手のタカヒロ(青山フォール勝ち)を呼び寄せる。
 
ところが、まさか清美が結婚を考えているとは想像もしていなかった姉たちは仰天。
祝福してくれるどころか思いとどまるように言われて清美も憤慨し……。
 
江口のりこと内田慈の演技は予想できることでしたが、
古川琴音もこんな役を演じられるとは意外。でもピッタリ。
それぞれの外見と中身(は実のところは私らにはわからないけれど)がハマり、
とても面白いドラマに仕上がっています。
 
もともと橋口監督の作品は好きですが、やっぱり好きだなぁと再認識。
弥生のひがみっぷりが物凄いのと、愛美の色目使いがなかなかキモいのとで、
序盤は鬱陶しくなったりもしたけれど、それもこれも演技が上手いから。
 
男性と女性の思考回路が異なるというのを私に教えてくれたのはこの映画ですが、
男は「それはそれ、これはこれ」で考えられるということが、
青山フォール勝ち演じるタカヒロを見ているとよくわかります。
彼の台詞の中で、「思い詰めて夜に考えたことはたいてい間違っている。
大切なことは太陽の出ているときに考えたほうがいい」がとても心に残りました。
 

—–

17回目の『RRR』

『RRR』が日本で初公開されたのは、2022年10月21日のことでした。
人気がどんどん広がって、各地の劇場では一旦上映が終わるも繰り返し再上映されて今に至る。
この間たぶん唯一、一度も上映を途切れさせることなく続映してきたのが塚口サンサン劇場
1年8カ月間、上映を続けてきましたが、ついに7月11日に上映終了することに。
 
16回目は昨年の〆に同劇場で観ました。
一応最後となる7月11日は何が何でも観たいと思い、足を運ぶ。
午前中の回と夜の回と2回上映があるうち、午前中はどっちみち仕事だから無理。
正真正銘の最終回である18時半からの回に出向きました。
 
劇場前には多くの客が集まっていて、顔見知りの人もいるのでしょう、
「おおっ!来たんや」「うん、今日最後やから」なんて会話も飛び交っています。
 
最後列の中央寄り端っこ席を数日前にオンライン予約したときは、
まだぽつぽつと席が埋まりはじめている程度でしたが、入場してみたらほぼ満席の入り。
 
上映が始まると気持ちが沸き立つ。
まさか今回が初めての本作鑑賞の人はいないでしょうが、
毎度マッリのお母さん殴られて死んだと思うよねぇと冒頭のシーンで笑ってしまう。
世にも憎らしいスコット役のレイ・スティーヴンソンがこの世にいないことを悼み、
エドワード役のエドワード・ソネンブリックは今もインドで頑張っているのかなと思う。
そして今さらながら、ビームがラーマを救出に行くさい、
あんな指名手配の身でどうやってジェニーにいろいろ教えてもらいに行けてんと笑う。
 
ラーマってやっぱり不死身じゃないですか。なんで死なんねん。死んだら困るけど(笑)。
鞭打ちの刑に処されて死なないビームも相当だけど、
ラーマがビームに三本爪で刺されたときって、心臓に刺さってるもん。
いつもは直視を避けるラーマの腹に木の枝が刺さるシーンも、今回は最後だからちゃんと観ました。
 
そうそう、いつも書こうと思って忘れていたことがありました。
ラーマとビームが子どもたちを交えて綱引きをするシーン。
ビームが子どもだちに目で「引け」と合図するときの顔(というのか首の動き)って、
『トップガン マーヴェリック』でペニーがマーヴェリックを「追い出せ」というときの顔と同じだよ。
 
エンドロールが終わると場内に沸き起こる大拍手。
いつまで経っても鳴り止まず、アンコールがあるんじゃないかしらと思ったほど。
 
塚口サンサン劇場さん、ありがとう。
またそのうち戻ってきますよね!?

—–

『SALAAR/サラール』

『SALAAR/サラール』(原題:Salaar)
監督:プラシャーント・ニール
出演:プラバース,プリトヴィラージ・スクマーラン,シュルティ・ハーサン,
   ジャガパティ・バーブ,イーシュワリ・ラーオ,シュリヤー・レッディ他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
“バーフバリ”シリーズのプラバーステルグ語映画界のスター主演です。
しかしボリウッドのスターって、なんでこんなに濃い顔の人が多いのか。
濃すぎるやろ!ないわ~と思って最初は観ているのに、
3時間近くこの顔を観続けていると、不思議とかっこよく見えてくるのです(笑)。
 
登場人物が多すぎて名前が覚えられない。女性の顔がみんな同じに見える。
そして話自体、ほんとはシンプルかもしれんけど、ややこしい気がする。
それでも174分、一度も眠気に襲われなかったのですから、やっぱり面白いんだよ。
 
「ややこしい気がする」ので、ちゃんと書けるかどうかわかりませんけれど。
 
ニューヨーク在住の実業家クリシュナカントの娘アディヤが、
ある日、父親の許可を得ずにインドへと帰郷。
クリシュナカントに恨みを持つオブランマの指示により、
インド中に広がる手下たちがアディヤを捕らえるべく行動を開始する。
 
娘を守れるのはアイツしかいないと、クリシュナカントはインドの知人に連絡。
監視カメラはもちろん電話もない辺境の村に身を隠すようにして母親と共に暮らす男デーヴァは、
アディヤを守ってほしいという依頼を極秘に受ける。
 
自分が狙われている理由を知らないアディヤは困惑。
しかし、オブランマらの本当の狙いはデーヴァ。
アディヤの行く先に必ずデーヴァが現れると考えていたのだ。
 
で、話が適当に進んだところで、デーヴァが何者かがわかる話が出てきます。
 
盗賊を生業とする部族によって建国されたカンサール。
かつては3つの部族が良い関係を築いて共存していましたが、諍いが起きて殺し合う。
 
10歳の少年デーヴァは、ちがう部族の王の息子ヴァラダと親友で、
ヴァラダのためならどんな奴にも立ち向かい、倒してきました。
そんなデーヴァがヴァラダの属する部族から殺されそうになったとき、
ヴァラダは自らの領地を犠牲にしてデーヴァとその母を救います。
デーヴァは「名前を呼べば、必ず駆けつける」とヴァラダに誓ってカンサールを去ることに。
 
長い年月が経ち、カンサールでは誰が大領主になるとかならんとか、王位を奪おうじゃないかとか、
すべての人が腹黒く、骨肉の争いを繰り広げようとしています。
25年前に領地を手放したせいで小領主に据え置かれていたヴァラダも
そろそろ許してもいいのではと思い至った父親ラジャ・マンナルから呼び出されます。
ヴァラダが大領主になれば、大領主から下ろされる者がもちろん出る。
ラジャが国外に出て留守にしている隙にヴァラダを殺してしまおうじゃないか。
 
そんなこんなでそれぞれの大領主が海外の傭兵部隊を雇って戦いに備えるなか、
ヴァラダが呼び寄せたのはただひとり、あのデーヴァ。
 
こんな感じでしょうか。
 
デーヴァは怒りに燃えると自分が手をつけられないほど暴力的になることを知っている。
母親もそれを知っているから、デーヴァの暴力を封じてきましたが、
アディヤが拉致されそうになったときに封印を解き、最強のデーヴァ降臨。
 
めっちゃ強いんですよ。まったく心配要らないくらい。
濃すぎる顔だけど筋肉美しく、そのアクションには惚れ惚れしたりも。
 
これ、第1部なのだそうで。
話を忘れないうちに第2部を公開してもらえないでしょうか。頼んます。

—–

『フェラーリ』

『フェラーリ』(原題:Ferrari)
監督:マイケル・マン
出演:アダム・ドライヴァー,ペネロペ・クルス,シェイリーン・ウッドリー,サラ・ガドン,
   ガブリエウ・レオーニ,ジャック・オコンネル,パトリック・デンプシー他
 
イオンシネマ茨木にて2本ハシゴの2本目。
 
ご存じ、イタリアの自動車メーカー“フェラーリ”。
エンツォ・フェラーリが妻ラウラと共に会社を興してからの実話に基づく。
 
監督は御年81歳のマイケル・マン。
懐かしいのはやっぱりアル・パチーノロバート・デ・ニーロが共演した『ヒート』(1995)。
近年はお歳のせいか監督するよりもプロデュースに回ることのほうが多いようで、
『フォードvsフェラーリ』(2019)でもは製作総指揮を務めていました。
でもフェラーリ愛好家としては、これは監督したいと思ったのでしょうね。
 
エンツォ・フェラーリはレーシングドライバーとして活躍したのち、
1947年に妻ラウラと共にフェラーリ社を設立。
それから10年経過した1957年の夏、フェラーリ社は倒産の危機に見舞われる。
業績不振の理由は、エンツォがレースに金を突っ込みすぎるから。
その額はポルトガルの国費に匹敵するほどで、年間100台の車を売る程度ではどうにもならない。
 
私生活では1年前に息子のディーノが亡くなり、ラウラとの関係も冷える一方。
そのうえ、愛人のリナ・ラルディからはエンツォとの息子ピエロの認知を迫られていた。
リナのことは警察署長や銀行関係者を含め、皆が知っているが、ラウラだけが知らない。
 
他社は車を売るためにレースをするが、エンツォはレースをするために車を売りたい。
倒産の危機から脱却するには注目を集めて車を売るしかないと、
過酷な公道レースとして有名な“ミッレミリア”でなんとか勝利しようと考えるのだが……。
 
アダム・ドライヴァーの顔が苦手だとずっと思ってきましたし、今も苦手です。
ただ、演技はめちゃくちゃ上手いし、新旧大御所監督がこぞって起用したがるのがわかる。
そして、苦手な顔でも見続けているといい顔に見えてくるのですよね。
ちょっと色気まで感じて見えたりして。
いずれにせよ、今までは髪型も好きではなかったので、こっちのほうがマシかな(笑)。
 
本妻が愛人に何もかも持って行かれたかのような展開ですが、
ペネロペ・クルス演じるラウラの最後のシーンがカッコよすぎる。
妻というよりも同志。こういう人がいたからこそ、エンツォはこの局面を切り抜けられたのかなと。
 
ラウラが亡くなるまではフェラーリの名前は誰にも継がせない。
その約束を守った点は誠実だったと思います。

—–

『THE MOON』

『THE MOON』(原題:The Moon)
監督:キム・ヨンファ
出演:ソル・ギョング,ド・ギョンス,キム・ヒエ,パク・ビョンウン,チョ・ハンチョル,
   チェ・ビョンモ,ホン・スンヒ,キム・レウォン,イ・イギョン,イ・ソンミン他
 
イオンシネマ茨木にて、2本ハシゴの1本目。
 
有人ロケット月面探査ミッションに失敗して宇宙飛行士3人を失った韓国は、
国際組織の宇宙連合から追い出され、自国のみで研究開発を進めなければならなくなる。
5年後、今度こそ月面着陸を成功させるべく、新たに3人がウリ号に乗って宇宙へ。
 
ところが、月周回軌道への進入目前で太陽風の影響による通信トラブルが発生。
修理のために船外へと出たイ・サンウォンとチョ・ユンジョンが爆発に遭って吹き飛ばされ、
船内には新人宇宙飛行士ファン・ソヌのみが取り残されてしまう。
 
宇宙センターではソヌを生還させるべく策を練るがどうしようもなく、
5年前の事故当時にセンターのフライトディレクターを務めていたキム・ジェグクが呼び戻すことに。
ミッション失敗の責任を取って辞職したジェグクは、ソベク山の天文台でひっそりと暮らす身。
要請を即座に断ろうとするが、ソヌの父親がかつての同僚ファン・ギュテだと知る。
 
ギュテはミッション失敗後に自ら命を絶っていた。
その息子が父の志を継いだというのに、今はたったひとりで宇宙に放り出されたまま。
なんとか救いたい一心で、センターへと駆けつけるのだが……。
 
ちょっと『トップガン マーヴェリック』みたいなところがあります。
マーヴェリックとルースターの関係が、ジェグクとソヌの関係のような。
自分の父親が死んだのは父親の同僚のせいだと思うのはほぼ逆恨みに近い。
恨んでいる相手から結局は救われることになるのですが、
そこに至るまでは、おーい、そんな無茶するなよと言いたくなります(笑)。
 
とにかく、ジェグク役のソル・ギョングが渋い。上手い。内野聖陽に似ていませんか。
そしてソヌ役のド・ギョンス(=D.O.)がカワイイ。
また、亡くなる宇宙飛行士役でキム・レウォンイ・イギョンが特別出演しているのも嬉しい。
天文台のジェグクの部下ハンビョル役のホン・スンヒがまたキュート。
SNSを利用してジェグクとソヌを助けようとするところがイマ風。
 
NASAの統括ディレクターを務めるのがジェグクの元妻ユン・ムニョンという設定で、
彼女の役をキム・ヒエが演じています。
勝手な行動が目立つ韓国には協力しませんよと言いつつ、
最後はムニョンがクビを覚悟でジェグクと共にソヌを救おうと奔走します。
 
ありがちな話だとは思うけれど、キャストが良くてテンポも良い。
適度にイライラさせられつつ、たまには笑えるシーンもあって、最後はやっぱりジワーン。
インド映画も好きだけど、韓国映画もやっぱりいいなぁと再認識するのでした。

—–