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『ニセコイ』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の12本目@伊丹)

『ニセコイ』
監督:河合勇人
出演:中島健人,中条あやみ,池間夏海,島崎遥香,岸優太,青野楓,河村花,
   GENKING,松本まりか,丸山智己,加藤諒,団時朗,宅麻伸,DAIGO他

中断していた2018年の暮れに劇場で観た作品のレビューを再開します。

12月の第4週、翌日ダンナがタイ出張から帰国するという金曜日。
最後のチャンスだから『ボヘミアン・ラプソディ』応援上映を西宮で観たかった。
その気満々で終業後に西へ向かって車を走らせたのですが、
師走の夕刻の道路はあっちもこっちも大渋滞。
18:30に西宮北口にはとてもたどり着けそうになくて断念し、
伊丹で18:20上映開始の本作を観ることにしました。

原作は古味直志の同名コミック。
『チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話』(2017)や
『兄に愛されすぎて困ってます』(2017)の河合勇人監督が実写映画化。

集英組というヤクザの一人息子として生まれた一条楽(中島健人)。
普通の高校生活を送りたいのに、組員たちから「二代目」と呼ばれ、
学校へはもちろんのこと、どこへ行くにも彼らが護衛についてくる。
そんな彼に普通に声をかけてくれる同級生・小野寺小咲(池間夏海)に
ひそかに想いを寄せているのだが、打ち明けることができない。

ある日、組長で父親の一征(宅麻伸)から呼び出され、
ビーハイブというギャング組織との対立について聞かされる。
一征とビーハイブのボスであるアーデルト桐崎(団時朗)が会談し、
子分たちの暴走を鎮めるために一策を講じることで意見が一致。

その策とは、楽とアーデルトの一人娘・千棘(中条あやみ)が恋仲であると
子分たちに思い込ませるというもの。
彼らが坊ちゃん嬢ちゃんと可愛がる楽と千棘がつきあっているとなれば、
両者はおとなしく見守るしかない。

それ以前に学校で最悪の出会いを果たしていたふたりだったが、
親の言いつけどおりにラブラブのふりをするしかなくなり……。

去年はなかなかキュンキュンできる高校生の青春ラブストーリーに出会えませんでした。
そんななかでこれはわりとマシだったようにも思いますが、それでもキュンキュンには程遠い。
そもそもこの年齢になって高校生を見てキュンキュンしようというのが間違いか(笑)。

文化祭で演じることになった“ロミオとジュリエット”
これが凄いセットで、高校の文化祭でこんなステージは無理だよねと冷ややかに。
ヤクザやギャングが観覧する様子はまぁ可笑しかったけれど。

かつて、ダンナの同級生にヤクザの息子がいました。
その話が相当可笑しかったから、本作を観るといろいろ思い出し笑い。
ヤクザの息子がみんなと普通につきあいたいと思うのはわかる。
でもやっぱり無理でしょう、だってヤクザなんだから。(^^;
—–

好きだった映画、嫌いだった映画〈2018年〉

あけましておめでとうございます。
本年もおつきあいよろしくお願いいたします。

一応フルタイムで仕事をしています。
ダンナが晩ごはん不要の日でない限り、ちゃんとごはんをつくって一緒に食べています。
だから、映画を観に行けるのは、有休を取った日の昼間か休日、
もしくはダンナが出張中のときだけです。

2015年までは、年間の劇場鑑賞本数はせいぜい220本前後だったはず。
その程度しか無理だと思っていたのに、2016年に250本超え。
2017年もなんとか250本は維持。
着実に歳も重ねていることだし、体力的にこれ以上はムリ、そう思っていました。
2018年はあまり無謀なハシゴをした記憶もなく、たいした本数は観ていないだろうと思っていたのですけれど。

電卓を叩いてみたら。
1月16本、2月20本、3月31本、4月19本、5月28本、6月23本、
7月24本、8月25本、9月30本、10月22本、11月18本、12月39本。
あれ?なんか250本余裕で超えてるし。えっ、足したら295本やん?
DVD鑑賞した作品は76本で、合計371本。1日1本超えてるでぇ。

こうなると、あと5本なんとかならんかったんかいと悔やまれます。
時間はあったのにしんどいからやめとこと思ったことが何度かあったから、
そこをがんばっていたら300本超えできたはず。倒れてたかもしれませんが(笑)。

ベストとかワーストとか決めるのは相変わらず苦手だから、
ざっくばらんに「好き」「嫌い」で書いてみます。
ワーストのほうがシュシュッと出てくるので、まずはそちらから。

おそらく世間の評判はそう悪くなかったはずですが、
私がどうしても好きになれなかったのはこの5本。思い出してもイライラします。

『ミッドナイト・バス』
『今夜、ロマンス劇場で』
『終わった人』
『猫は抱くもの』
『パーフェクトワールド 君といる奇跡』

鳴り物入りだったのにちっとも面白くなかったり不愉快だったりしたのは次の3本。

『空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎』
『サバービコン 仮面を被った街』
『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』

それから、例年キュンキュンする高校生の青春ものが今年は軒並みダメでした。特に下記4本。

『ママレード・ボーイ』
『青夏 きみに恋した30日』
『覚悟はいいかそこの女子。』
『ういらぶ。』

もっともドン引きした台詞は、70歳を過ぎた吉永小百合に向かって吐かれる台詞。
「いい女だ。やっちまおう」。アンタら、おかしいんとちゃうか。(–;

『北の桜守』

あとは、好きだった作品を観た日付順に。

『5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生』
『ルイの9番目の人生』
『スリー・ビルボード』
『ロープ/戦場の生命線』
『犬猿』
『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』
『シェイプ・オブ・ウォーター』
『恋するシェフの最強レシピ』
『ラブレス』
『女は二度決断する』
『タクシー運転手 約束は海を越えて』
『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』
『心と体と』
『恋は雨上がりのように』
『ファントム・スレッド』
『ウインド・リバー』
『最初で最後のキス』
『1987、ある闘いの真実』
『ファイティン!』
『彼が愛したケーキ職人』

劇場の雰囲気その他、いろんなもの込みで、ものすごく楽しかったのは次の5本。

『SHOGO HAMADA ON THE ROAD 2015-2016 旅するソングライター “Journey of a Songwriter”』
『バーフバリ 伝説誕生』
『バーフバリ 王の凱旋』
『カメラを止めるな!』
『ボヘミアン・ラプソディ』

好きとか楽しかったというのとはちょっと違うけれど、印象に残っているのは以下5本です。

『殺人者の記憶法』
『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』
『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』
『ブリグズビー・ベア』
『判決、ふたつの希望』

ベストを1本だけ選ぶなら、『1987、ある闘いの真実』。
えっ!? 大晦日に15回目を観たくせに『ボヘミアン・ラプソディ』じゃないの!?と思われるかもしれません。
泣ける映画が最高の映画というわけではないですから(笑)。
ただし、『1987、ある闘いの真実』は2回はよう観ません。
私の棺桶に映画のDVDを1枚入れるなら、もちろん『ボ・ラプ』でお願いします。(^O^)

ついでに、2018年に読んだ本は150冊ちょうど。
ワーストは『終わった人』
ベストは1冊に決められず、ツボにハマった5冊は読んだ順に、
『アンチェルの蝶』『腐葉土』『クローバー・レイン』
『拳に聞け!』『アイネクライネナハトムジーク』
内藤了の“よろず建物因縁帳”シリーズと“猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子”シリーズにどハマリ中。

本年も映画と本と甲子園と食べることで心もお腹もいっぱいになりたいです。
—–

2018年12月に読んだ本まとめ

2018年12月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3217ページ
ナイス数:869ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly

■阪堺電車177号の追憶 (ハヤカワ文庫JA)
うわっ、電車がしゃべってる。きかんしゃトーマスみたいやなと思ったら、ずっと電車目線なわけではありませんでした。戦前、戦時中、戦後、バブル期を経て現代に至るまで、85年にわたって走り続けた路面電車177号の周辺で、本当にこんなことがあったかもしれないと思わされます。普通の人情話かと思いきや、ちょっとしたミステリー仕立てになっている。大阪といっても、淀川と大和川の向こう側。特にこてこての大阪弁なので、大阪弁に抵抗のある人にはツラそう。大阪に思い入れのある人なら懐かしさ満点。淀川より北育ちの私もなぜか懐かしい。
読了日:12月04日 著者:山本巧次
https://bookmeter.com/books/12289931

■瑕死物件 209号室のアオイ (角川ホラー文庫)
怖そうだからやめとこと思っていたのに、つい買ってしまったうえに、うっかり最後の頁を開いてしまったのです。ぎょえ〜っ。瀟洒なマンションの209号室にまつわる怪異。その部屋に住む美少年アオイと関わる者に異変が起きる。少しずつからめとられてゆく心。終始不穏な空気が漂っていて、明るい気持ちになれるところなんてひとつもない。最後は良い結末なんだわとぬか喜びすらできず。だって、最後のひと言を先に見てしまったから(笑)。現在公開中の「直近50年で最も怖い映画」と評判の『ヘレディタリー』よりも私はこっちのほうが怖かった。
読了日:12月07日 著者:櫛木 理宇
https://bookmeter.com/books/13181140

■京へ上った鍋奉行 (集英社文庫)
どんだけ食い意地張ってるねん、このお奉行様(笑)。『みをつくし料理帖』のように上品ではないけれど、大好きなシリーズです。脇を固める用人、同心、飯屋のお婆、皆なんとも魅力的。各章二本立てで進む謎に満ちた話が、食を通じて一つになるのが小気味よし。人はたいてい日に三度、食事をする機会がある。誰かが心を込めてつくってくれたものを真剣に食べるべしということを食いしん坊のお奉行様から教えられている気がします。第3弾までよりも少し印象が薄いけれど、ふき出してしまうシーンもホロリとさせられるシーンもあり、やめられない。
読了日:12月09日 著者:田中 啓文
https://bookmeter.com/books/9018323

■ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】原作では琴子とぼぎわんのバトルが激しすぎ、何がどうなっているのやらわかりにくかったので、こうして映像で見せてもらえるのはいいなぁ。原作と同じかどうかは別として(笑)。もう全国の霊媒師祈禱師ありったけ呼び寄せて祭りのようになっています。ラストは原作よりもずっと和んで落ち着ける、正真正銘のハッピーエンド。しかし白眼むく登場人物が多すぎて、夢には見そうです。いちばん怖かったのは、盛り塩を蹴散らしてニッコリ微笑む黒木華だったかも。小松菜奈は新境地、すごく好きになりました。
読了日:12月11日 著者:澤村伊智
https://bookmeter.com/books/12655058

■ギリギリ (角川文庫)
わざわざつきあう必要もないのにつきあってしまうは何故。「結婚相手の女性の姑」って。夫と死別した女性と結婚することになったとしても、その女性の姑の買い物につきあいますか。その女性は女性で、亡き前夫の不倫相手からの誘いを断れずにいる。わざわざ面倒くさいつきあいに乗ってしまう人たちの連作短編集。そういうつきあいを選ぶのも悪いことばかりじゃないかも。各章のタイトルが4文字の片仮名なのが面白い。女性陣よりもかの男性に肩入れ。さしてギリギリでもない気はするけれど、ちょっぴり切なくて○。読みやすくて息抜きには最適です。
読了日:12月13日 著者:原田 ひ香
https://bookmeter.com/books/13182314

■LEAK 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 (角川ホラー文庫)
同じ作家を続けて読まないように心がけていたのに、このシリーズを3冊続けて読んでしまったのが先々月のこと。そろそろ次に行ってもいいよね自分に尋ねて4冊目。久々に開くとプロローグにもうワクワク。よくもこんなにえぐい殺し方を考えつくものです。遺体の描写については想像力を働かせずに読むのが得策。ホルモンとか焼肉とかやめて(泣)。猟奇殺人と特殊詐欺事件がどこで繋がるのか見もの。切ない読後感も好き。肉まんにホットココアの組み合わせは私は要らん(笑)。あれ?そういえば秋葉原の第一発見者、どうなりました?どうでもえっか。
読了日:12月17日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/10124109

■パンダを自宅で飼う方法 珍獣ペット化シミュレーション (文春文庫)
今月は空いた時間をすべて劇場での映画鑑賞に当てているため、本を読む時間がないんです。でも10冊に満たないのも寂しくて、本屋で目に入ったいちばん薄い本がこれでした。そんな不純な動機で読み始めたら、お、オモロイやんか。入手難易度、飼育難易度、飼育危険度、なつきやすさを5段階で示し、その比較対象が犬だったりするのも可笑しい。スベリ気味のおやじギャグ的一文も時に見受けられますが、それも含めて軽妙かつ真面目。キリンを散歩させるときには毎度許可が要るとかいろいろ驚かされました。手元に置いてたまに読み返したくなりそう。
読了日:12月23日 著者:白輪 剛史
https://bookmeter.com/books/11088611

■メルカトル (角川文庫)
「映画三昧で本を読む時間がつくれないから、とにかく本屋で目についたいちばん薄い本を買う」の第2弾。のはずだったのに、思いのほか読むのに時間がかかってしまい、何やっているんだか(笑)。時間がかかったのはつまらなかったからではなく、その逆。丁寧に読みたくなるし、丁寧に読まないとついていけなくなる。まるで翻訳ものを読んでいるかのようで、乙一『銃とチョコレート』なんかを思い出しました。異国の港町、地図収集館に勤める17歳の静かな日常がミステリーに引き込まれてワクワク。この表紙、素敵です。絵本でも読みたいぐらい。
読了日:12月28日 著者:長野 まゆみ
https://bookmeter.com/books/12687398

■すべてのJ-POPはパクリである (扶桑社文庫)
年の暮れに冊数を稼ぐために積読本の中から読みやすそうな本を選ぶ。マキタスポーツ、インパクトのある芸名の役者ぐらいの認識だったのが、BS12で放映中の『ザ・カセットテープ・ミュージック』で見る目が変わる。序盤はイマイチだけれど、第3章のモノマネ論と第4章の人格/規格の見立て話が出色。『ボヘミアン・ラプソディ』を14回観た私としては(劇場鑑賞294本中)、モノマネについて「その通りにやって感動を起こせるわけではない」に唸りました。ヒット曲の法則になるほど。本よりも、本人が話しているところを聴きたい気はします。
読了日:12月30日 著者:マキタスポーツ
https://bookmeter.com/books/12806632

■今宵、喫茶店メリエスで上映会を (角川文庫)
シャッター街の中にある、かつて映画の上映会をおこなっていた喫茶店。好みの設定だと思って読み始めたけれど、そこに日常の謎も絡むのか。最初のうちはたいした謎でもなさそうだったのに、ヘヴィー級も。しかも虐待を受けている子と親がこんなにあっさり関係を修復できるのがなんだか。みんな善人っぽくて、でもおせっかい。それがこの商店街のいいところだとは思いますが、映画の見方について教育するような雰囲気で、ちょっと説教臭さも感じてしまいました。映画は人それぞれ、好きなように楽しめばいいと思うから、この諭し方には馴染めません。
読了日:12月31日 著者:山田 彩人
https://bookmeter.com/books/8177987

■奇跡の本屋をつくりたい くすみ書房のオヤジが残したもの
自分で読む本は自分で選べばいいと思います。でも、本屋に置かれているのは「売れる本」だという現実。「売れない本」は置かれないことが多いから、ますます売れない。売れない本の中にも誰かの心を動かす本が必ずあるはず。売れない本こそを置いていた本屋。本書を書き上げることもできないままお亡くなりになってしまったのは志なかばで無念でしょう。誰かがその思いを引き継がなければ。いくらネットで本が買えるようになったからって、電子書籍が読めるようになったからって、やっぱり紙の本はなくなってほしくない。本屋に消えてほしくない。
読了日:12月31日 著者:久住邦晴(くすみ書房・店主)
https://bookmeter.com/books/13090762
—–

今年観た映画50音順〈わ行〉

《わ》
『ワイルド・ドライバー』(原題:Pork Pie)
2017年のニュージーランド作品。日本では未公開。
稼ぎがなくて居候していた友人宅を追い出されたジョン。
別れた恋人スージーとなんとかよりを戻そうと、
彼女が参列する予定の結婚式に潜り込むことを画策。
その道中に愛車のエンジンが火を噴き、途方に暮れる。
そこを通りかかったのが1台のミニクーパー
運転していた男性ルークに同乗させてもらうが、実はミニクーパーは盗難車。
ぶっ飛びの運転テクニックを持つルークと共に追われる運命となったジョン。
途中からハンバーガーショップの女性店員キーラも同乗することになり……。
『ベイビー・ドライバー』(2017)のベイビーとぜひ対決してもらいたい。
DVDスルーがもったいない。笑って笑って楽しめる穴馬作品。

《を》《ん》
なし。なしなんですけれど、
『ヲタクに恋は難しい』という漫画原作のTVアニメにハマリ中。
めちゃくちゃ可笑しくて大好きになっちゃいました。
劇場映画版が2020年に福田雄一監督で予定されているらしく、大きく期待。

2018年にお亡くなりになった著名人をまとめページで見てみたら、
そっか、あの人もこの人も亡くなったちゃったのだっけと、あらためてさびしいですね。

今年は、そんなに映画を観たという自覚はないのに、
数えてみたら年間劇場鑑賞記録を大幅に更新することになりそうです。
〆に本日レイトショーでもう1本観ます。
もちろん、『ボヘミアン・ラプソディ』を(笑)。

今年もおつきあいをありがとうございました。
どうぞ良い年をお迎えください。
—–

今年観た映画50音順〈ら行〉

《ら》
『ラーメン食いてぇ!』
2018年の日本作品。
これで長編映画デビューを飾る熊谷祐紀監督が同名WEB漫画を映画化。
人気ラーメン店“清蘭”の店主・紅烈土(石橋蓮司)は、
二人三脚で店をもり立ててきた最愛の妻を亡くし、悲しみに暮れる。
そんな彼の孫娘・茉莉絵(中村ゆりか)がいじめに遭って自殺を図る。
一命を取り留めた茉莉絵は、烈土が病室に運んできたスープに気持ちを救われ、
ラーメンのすべてを自分に教えてほしいと烈土に懇願する。
食の細い茉莉絵は、食べることが何よりも好きなかつての親友・コジマ(葵わかな)に、
ふたりで世界一のラーメンをつくろうと声をかけるのだが……。
途中はずいぶん偽善的な話だなぁと思いました。
というのも、茉莉絵がいじめられる原因をつくったのはコジマ。
片想いの相手が茉莉絵とつきあいはじめたのが悔しくて、
茉莉絵が援助交際していると学校の裏サイトに書き込み、結果、茉莉絵は自殺未遂。
なのに一緒にラーメン店をしようってか。このふたりのやりとりにうんざり。
ただ、日本から遠く離れた場所で遭難したグルメ評論家・赤星(片桐仁)が面白い。
茉莉絵やコジマの両親には宅間孝行、森尾由美、水橋研二片岡礼子が扮し、
トータルではまぁまぁ楽しめた作品でした。
ところで、麺の食感を表現するのに「ぴろぴろ」という言葉は本当に使うんですか。
ラヲタの方々、教えてください。

《り》
『リングサイド・ストーリー』
2017年の日本作品。
2015年に劇場で観た映画のマイベスト、『百円の恋』(2014)」の武正晴監督による。
カナコ(佐藤江梨子)と売れない俳優のヒデオ(瑛太)は長年同棲中。
ヒデオといえば、いつかカンヌに連れて行ってやると大口ばかり。
ある日、カナコが勤務先のリストラに遭い、
ヒデオが勝手にプロレス団体“WRESTLE-1”の広報にカナコの名前で応募。
プロレス好きのヒデオが熱く語った手紙のおかげで採用される。
ヒデオとちがってプロレスのことなど何も知らなかったカナコだが、
次第にその世界に魅了され、いきいきと仕事をするように。
すると、ヒデオは自分がカナコを送り出したにもかかわらず嫉妬を募らせて……。
プロレスにほぼ興味のない私も好きになってしまいそうなほど。
瑛太は何をやらせても上手いですねぇ。
その中でも、本作で近藤芳正演じるプロダクション社長が言うように、ろくでなしの役がいちばん!

《る》
『ルージュの手紙』(原題:Sage Femme)
2017年のフランス作品。
ベテラン助産師のクレール(カトリーヌ・フロ)は、超まじめ。
息子を医学生に育て上げた後も飲酒せず肉も食べず、禁欲を自分に強いている。
そんな彼女に突然電話をかけてきた継母のベアトリス(カトリーヌ・ドヌーヴ)。
酒とギャンブルに目がないベアトリスは、30年前に理由も告げずに姿を消した。
その直後に有名な競泳選手だったクレールの父親は自殺。
今ごろになって連絡を取ってきたのは、脳腫瘍に冒されているベアトリスが、
死ぬ前に最も愛した男に会いたくなったからだという。
父が他界していることを知り、ベアトリスはショックを受ける。
あいかわらず酒を飲みつづけ、金にもだらしのない継母なのに、
クレールはどうしても無視することがてきず……。
いくつになっても美しく、上品にも下品にも振る舞えるカトリーヌ・ドヌーヴ。
フランスを代表する名女優の共演から目を離せません。

《れ》
『レジェンダリー』(原題:Pilgrimage)
2017年のアイルランド/ベルギー作品。
1209年のアイルランド。修道士の一行がローマに向かって巡礼の旅に出る。
目的は修道院が保管する神聖な聖遺物「マティアの石」を運ぶこと。
しかし最果てともいえるこの地は、何世紀にもわたって部族間の戦争が勃発し、
侵略を狙うノルマン人の上陸も活発化している危険な場所。
旅をどう進めるべきかと悩んでいたところへ、騎士レイモンドが案内を買って出る。
若き修道士ダーマットと口のきけない平修士らは、
レイモンドに警戒しながらも旅を続けるが、
途中、盗賊たちの襲撃に遭い、修道士のうちの何人かが殺されてしまう。
しかもその襲撃はレイモンドの差し金だったことがわかり……。
“スパイダーマン”トム・ホランドがダーマット役。
スパイダーマンのはっちゃけぶりと打って変わって暗いのなんの。上手い。
平修士役のジョン・バーンサルが発する言葉は最期に「地獄だ」のみ。
宗教的な物語はむずかしくて敬遠しがちでしたが、これはなかなか面白かった。
96分と短めなのも嬉しい。

《ろ》
『ローマンという名の男 信念の行方』(原題:Roman J. Israel, Esq.)
2017年のアメリカ作品。
デンゼル・ワシントン主演なのに日本では未公開、DVDスルー。
法律事務所で裏方の仕事を担当する人権弁護士ローマン・J・イズラエル。
ある日、事務所代表を務めるパートナーが倒れて植物人間に。
事務所を畳まざるを得なくなり、凄腕弁護士ジョージ・ピアスに雇われる。
金儲けにはまるで興味のなかったローマンだが、
自分が担当する殺人事件の犯人に懸賞金がかかっていることを知り……。
ジョージ役にコリン・ファレル。これが格好よくて目が釘付け。
理想論だけでは弁護士もやって行けないだなぁと、悲しくもなり。
ローマンが殺されてしまうという悲しい結末ながら、
ジョージの後ろ姿に希望が感じられます。

—–