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『アダムス・ファミリー』

『アダムス・ファミリー』(原題:The Addams Family)
監督:コンラッド・ヴァーノン,グレッグ・ティアナン
声の出演:オスカー・アイザック,シャーリーズ・セロン,クロエ・グレース・モレッツ,
     フィン・ウォルフハード,ベット・ミドラー,アリソン・ジャネイ他
 
シネ・リーブル梅田で『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』を観た後、
TOHOシネマズ梅田へ移動して本作を。
関西で字幕版を上映しているのは、TOHOシネマズ梅田となんばだけ。
どっこも上映していないならあきらめるけれど、
上映しているならやっぱり洋画は字幕で観たいです。
 
人間から迫害を受け、丘の上の廃墟に住まうことになったアダムス家。
夫ゴメズ、妻モーティシア、長女ウェンズデー、長男パグズリー。
まもなくパグズリーを一人前と認めるための儀式がおこなわれる予定で、
きちんとこなせるかどうかを心配するおじさんやおばあちゃんが来訪。
屋敷は賑やかな毎日が続いている。
 
そんななか、ウェンズデーは丘の下に暮らしている「普通」の人々に興味津々。
テレビの人気司会者マーゴの娘パーカーと友だちになったウェンズデーは、
「普通」の中学校に通いはじめるのだが……。
 
「普通」に面白かったです。
人間とモンスターと、どっちが「普通」なんだろうと考えさせられもする。
何か悪いことをしでかしたわけではないモンスター。ただ見た目が怖いだけ。
 
えげつないのはマーゴで、人気を取るために何でもする。
彼女に虐げられている娘のパーカーが反旗を翻してスッキリです。
そして教育的にも良いのは、マーゴがばっさりやられて終わりではないところ。
 
ゴメズの顔は生瀬勝久にしか見えません。
吹替版も観るしかないなぁ。

—–

『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』

『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』(英題:Bring Me Home)
監督:キム・スンウ
出演:イ・ヨンエ,ユ・ジェミョン,パク・ヘジュン,イ・ウォングン,
   キム・イーキョン,パク・キョンヘ他
 
日曜日の朝、シネ・リーブル梅田にて、絶対暗いにちがいない韓国作品を。
 
主演のイ・ヨンエは『親切なクムジャさん』(2005)以来、14年ぶりのスクリーン復帰。
復帰作にもこんなヘヴィーな作品を選ぶのですね。(^^;
 
ソウルの病院で看護師として働くジョンヨンは、
6年前に当時7歳だった息子ユンスと出かけたさいにはぐれ、
以来、行方不明のままのユンスを捜しつづけている。
 
教師だった夫は仕事を辞め、車であちこち捜し回る日々だったが、
ある日、いたずら心から送られてきた偽のユンス目撃情報を受け、
それを信じた夫は駆けつける途中に事故に遭って死んでしまう。
 
心の支えを何もかも失ったジョンヨンは死ぬことすら考えるが、
懸賞金を目当てに寄せられた匿名の情報には信憑性があり、
ユンスがいるらしい場所に向かう。
 
そこは海釣り場として金を取って営業されている場所。
ユンスの写真を持参して経営者家族や地元の警官に話を聞くが、
誰もユンスを見たことがないと言い張り……。
 
この悪夢が一刻も早く終わりますようにと思いながら観ていました。
なかなか終わってくれません。
 
最初のいたずらも酷いし、夫まで失って抜け殻のようになったジョンヨンに、
金と引き換えに情報を提供する匿名の人物はなんと親族。
ジョンヨンの息子は行方不明なんだし、夫も死んだんだから、
自分たちの子どもの教育費に頂いてしまおうという魂胆。
しかし金をくれとか貸せとか直接は言いづらいから、
知り得た情報をジョンヨンに教える代わりに金を出せと言うのです。
 
地元の警官がまた最悪。
釣り場でこき使われている少年がユンスだと知りながら、
ジョンヨンには嘘をつく。
こんな警官、死んでしまえと心の底から願ってしまった。
 
日本ではどれくらいの数の子どもたちが行方不明になっているのでしょう。
韓国ではさらわれた子どもたちがこんなふうに働かされ、
発見されたとしても精神病院に送られたりするという事実に驚愕。
精神的に病んでなどいない、自分の名前を言える子であったとしても、
病院はその子を患者として置いておくだけで金が入るから、
身元を確かめて報告することはしないそうです。
 
ハッピーエンドではありません。観るには覚悟が必要。

—–

『マティアス&マキシム』

『マティアス&マキシム』(原題:Matthias & Maxime)
監督:グザヴィエ・ドラン
出演:ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス,グザヴィエ・ドラン,ピア=リュック・ファンク,
   サミュエル・ゴチエ,アントワーヌ・ピロン,アディブ・アルクハリデイ他
 
MOVIX京都にて3本ハシゴの3本目。
 
グザヴィエ・ドランは類い稀な才能を持つ監督であり脚本家であり俳優。
11年前、まだ19歳のときに撮った初監督作が高い評価を受け、
20代半ばでカンヌ国際映画祭の審査員を務めました。
 
ルックスもカワイイ。前歯がリスみたいでキュートです。
俳優としても一流ですが、監督作では監督に徹して出演しないこともある。
本作は監督も主演も彼が務めています。
 
マティアスとマキシムは30歳、幼なじみ。
ある日、仲間たちと同じく幼なじみのリヴェットの別荘に集合したところ、
リヴェットの妹が撮る短編映画への協力を求められる。
挙手したマキシムと賭けに負けたマティアスが出演することになるが、
そこにはふたりのキスシーンが含まれていた。
 
お遊びにつきあっただけだと思っていたが、
そのキス以来、マティアスの心にさざ波が沸き起こり、
マキシムと会っても普通に話すことができず……。
 
早くからカミングアウトしているドラン監督は、
一貫してゲイを主人公に作品を撮り続けています。
かつ、そこには母親との確執を描いていることが多い。
本作もマキシムには薬物中毒酒飲みでヘヴィスモーカーの母親がいます。
 
マキシムのほうはずっと前からマティアスを好きだったことがわかる。
一方のマティアスはそんな想いが自分の中にあるとは想像だにしていなかったと思われます。
自分に戸惑い、どうしていいのかわからなくなっている。
そんな彼が、マキシムのふとした仕草を窓越しに見て、ふっと笑うシーンが好きでした。
あ、やっぱり俺はあいつのことが好きだと自覚したかどうか。
 
『君の名前で僕を呼んで』(2017)に触発されて撮った作品とのこと。
私はやっぱりドラン監督の作品が好きだなと思ったけれど、
この人のわかりやすい作品は批評家に受けないのが定め(笑)。
酷評された『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』ほどではないにしろ、
本作も平々凡々な作品とみなされているようです。
批評家の意見は置いておいて、好きな作品を撮り続けてほしい。
 
どうでもいいことですが、
ツンツン頭の若者に対する「ベジータはそこにいる必要があるのか」という台詞がちょっとツボ。
まさかドラン監督も“ドラゴンボール ”をご存じとは。(^O^)

—–

『甘いお酒でうがい』

『甘いお酒でうがい』
監督:大九明子
出演:松雪泰子,黒木華,清水尋也,古舘寛治,前野朋哉,渡辺大知他
 
MOVIX京都で3本ハシゴの2本目。『無職の大卒』の次に。
 
吉本興業と各テレビ局のコラボで映画を製作する沖縄国際映画祭恒例企画、
“TV DIRECTOR’S MOVIE”の1本としてテレビ朝日との共同で製作されたもの。
お笑い芸人のシソンヌじろうがコントで演じている、
OLの日記として書籍化された同名小説の映画化なのだそうです。
 
なんばパークスシネマで幾度となく予告編を観て、
ちょっといい感じだなと思っていた作品。
私は大九明子監督のこと、もしかするとわりとお気に入りかもしれません。
 
川嶋佳子(松雪泰子)は40代の独身OL。
「これは私の日記」という言葉から始まります。
その言葉どおり、日付が表示されて、日々の出来事が淡々と綴られるだけ。
でも退屈ではありません。睡魔にも襲われず(笑)。
日常って、綴ってみればそれだけでドラマなのかも。
 
サドルを撫でたくなるほど愛してやまない自転車なのに、
駐輪場ではないところに置いて出社、帰ってきたら、ない。
放置自転車の管理場所へ取りに行ったらベルがなかったり。
 
職場の同僚である若林ちゃん(黒木華)とお昼ごはんによく食べるのはお蕎麦。
たまたまそこで出会った若林ちゃんの後輩、岡本くん(清水尋也)は二回り近く年下。
だけどいとも簡単に好きになってしまう佳子さん。
 
主な登場人物は上記の3名で、あとはみんなちょっとだけ出演。
独り言をまくし立てる怪しいおじさんが古舘寛治とか、
不動産屋の前で「高い」とぼやく青年が前野朋哉とか、
ちょっと来てすぐ来なくなる新入社員が渡辺大知とか。
 
コメディという触れ込みですが、私にはコメディに思えませんでした。
佳子さんには若林ちゃん以外に友だちがいなくて、
でもひとりでいることを好んでいるふうでもない。
すごく寂しそうだから、まるでひとりが好きな私も駄目出しされている気になる。
だけど終盤、彼女がとてつもない悲しみを抱えていることがわかる。
最後までそれについて明言されることはないけれど、たぶん、大事な誰かを失ったひと。
 
この辺り、原作がどうなっているのか知りませんが、
これも気持ちの整理のつけ方を描いた作品だと思いました。
 
ところで佳子さんが流し台の前でいつも最後に飲むのはグラッパ
甘い? それよりもキューッときつい気がする。

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『無職の大卒』

『無職の大卒』(原題:Velaiilla Pattadhari)
監督:ヴェールラージ
出演:ダヌーシュ,サムティラカニ,アマラー・ポール,サラーニャ・ポンヴァンナン,ヴィヴェーク他
 
晩ごはんは京都
動線の良い劇場で面白そうな映画を上映していないかなと調べたら、
MOVIX京都で“インディアンムービーウィーク 2020”開催中。
どないやねんこの邦題と思いながら、興味を惹かれて観に行くことに。
 
タミル語のインド作品です。
公開年の2014年に大ヒットを飛ばし、南インドの主要な映画賞で各賞多数受賞。
めっちゃよかった。
 
インドには何千という工科大学が存在するそうですが、
学んだ専門分野を卒業後に活かすことができる人はごくわずか。
就職するには家業を継ぐか、はたまた親のコネに頼るか、
専門分野で働くことはあきらめて職種を問わないかしかないそうな。
 
大学で土木工学を学んだラグヴァランは、コネがないから就職できず。
毎日求人情報を見ては設計図を持参して応募するが、
信じられないことに面接の席で違法建築を求められたりする。
賄賂がまかりとおる業界で不正を取り除きたくて学んだのに、
それを意志を曲げてまで就職なんてしたくない。
 
そんなラグヴァランと違い、弟のカルティークは一流企業に就職。
親の期待を一身に集め、兄弟でえらく待遇が異なる。
母親は優しいが、父親といえばラグヴァランを罵倒してばかり。
 
ほとほと嫌気が差して、泥酔するまで飲んだ夜、
バイクでふらふら走っていたところ、車と接触。
運転していた美女は隣家に越してきたばかりのシャーリニで……。
 
と書くと恋愛ものみたいですが、違うんです。
母親の死や父親との確執など、いろいろと乗り越えたのち、
ラグヴァランは縁あって中堅の建設会社に就職。
スラム街の再開発プロジェクトのリーダーに抜擢されます。
 
このプロジェクトを入札できなかった大手建設会社のボンクラ息子が
ラグヴァランを潰そうと必死になり、嫌がらせを仕掛けるんですねぇ。
ちょっと半沢直樹っぽくないですか。というよりも池井戸潤っぽいのかな(笑)。
 
ラグヴァランがめっちゃカッコええんです。
優男かと思いきや、喧嘩にもめっぽう強い。
むやみやたらとは手を出さず、ここぞというときの凄いこと。
華やかではない、むさ苦しい男ばかりの踊りもイイ。
 
しかしインドの建設業界ってほんまにこうなの? 酷すぎて呆れる。
この間観た『きっと、またあえる』よりこっちのほうが断然上。
なんとなく行ってみたインディアンムービーウィーク、正解!
ボリウッドはサイコーです。
 
登場人物が喫煙したり飲酒したりするシーンのたびに
画面左端に「健康に悪いです」というテロップが出るのも笑った。

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