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『ルイスと不思議の時計』〈字幕版〉

『ルイスと不思議の時計』(原題:The House with a Clock in Its Walls)
監督:イーライ・ロス
出演:ジャック・ブラック,ケイト・ブランシェット,オーウェン・ヴァカーロ,
   レネー・エリス・ゴールズベリー,サニー・スリッチ,カイル・マクラクラン他

わざわざ〈字幕版〉と書いたのは、上映館が非常に多いにもかかわらず、
字幕版を上映している劇場がものすごく少ないからです。
たぶん全国で20館ぐらい。その大半が東京だったりします。
関西ではイオンシネマ京都桂川とイオンシネマ茨木のみが吹替版と字幕版の両方を上映。
桂川まではちょっと遠すぎるし、茨木という選択肢しかありません。
しかし字幕版は上映回数が少なくて、どこででも観られる吹替版で手を打つべきか。

でもねぇ、ジャック・ブラックですよ。ケイト・ブランシェットですよ。
これを違う人の声で観てどうする。
佐藤二朗宮沢りえに文句をつける気はないけれど、やっぱりヤダ。
悩みに悩んで、茨木で字幕版を観たいがために午後休を取りました。

吹替版ならスルーする可能性もあったので、ムビチケは買っておらず。
劇場窓口でイオンカードを提示すれば1,600円にはなる。
でももっと安く観る方法はないかなと調べたら、あるではないですか!
イオンカード所有者限定、ポップコーン付きで1,300円になるクーポンが。
ポップコーンは要らないから貰わずに、チケットのみ1,300円で。でも十分お得。

原作はジョン・ベレアーズのベストセラー“ルイスと魔法使い協会”シリーズの第1作。
児童向けゴシックホラー・ファンタジー小説という括りになるそうで、
確かに子どもが読んだら怖いと思います。
アメリカで1973年に出版され、挿絵は熱狂的コレクターを持つエドワード・ゴーリー。
幻想的で怪奇な雰囲気を漂わせる面白い絵です。

舞台は1955年、ミシガン州のニューゼベディ(架空の町)。
事故で両親を亡くした少年ルイスは、母方の伯父ジョナサンに引き取られることに。
初めて会う伯父は愉快で優しい人のようだが、
彼が暮らす屋敷はとても古く、なぜだかいたるところに時計が置かれている。
ジョナサンと隣人のフローレンスが夜中に屋敷の壁の中を探っている様子で、
不気味な現象が次々に起こるものだから、ルイスは怖くて逃げ出したくなる。

そんなルイスにジョナサンは明かす、自分とフローレンスは魔法使いなのだと。
ルイスはジョナサンに魔法を教えてくれるように懇願し、修行をはじめる。

ジョナサンとフローレンスによれば、
この屋敷にはかつてアイザックという魔法使いが暮らしていた。
良からぬことを企てたアイザックが屋敷のどこかに隠した魔法の時計を
何が何でも見つけなければ、世界は滅亡してしまうらしい。
ルイスも時計探しに協力しようと、謎に挑むのだが……。

これは字幕版で観るべきです。
吹替版を観ていないから確かなことは言えませんが、吹替版だときっとスベる(笑)。
ジョナサン役のジャック・ブラック、フローレンス役のケイト・ブランシェット、
そしてとっても上手い子役のオーウェン・ヴァカーロについても、
彼らの声そのままで観るほうが絶対楽しい。笑えます。

屋敷の中の出来事のみならず、学校での出来事も描かれています。
転校生となったルイスが遭う仕打ち。
同級生に取り入ろうとする姿が悲しいだけに、最後はスカッと痛快。

続編をぜひ望みたいところですが、吹替版の評価がイマイチ高くないだけに、
続編がつくられても日本での公開が危ぶまれます。
字幕版の上映館をもっと増やすべきだったと思うのですけれど。なんともったいない。
—–

『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』

『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』
監督:三木聡
出演:阿部サダヲ,吉岡里帆,千葉雄大,麻生久美子,小峠英二,片山友希,
   中村優子,池津祥子,森下能幸,岩松了,ふせえり,田中哲司,松尾スズキ他

TOHOシネマズなんばで8:40-10:40の『劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ』を観て、
なんばパークスシネマで10:50-12:35の『覚悟はいいかそこの女子。』を観て、
またまた小走りで大阪メトロなんば駅へ向かい、乗車。
TOHOシネマズ梅田で13:00-14:55の本作を観る。過酷な3本ハシゴ、できました。

1本目に観た『夏目友人帳』はよく知らなかったこともあり、期待薄。でも良かった。
2本目の『覚悟はいいか』は中川くん狙い。でもつまらなくてガッカリ。
そういう意味ではいちばん期待していたのはこの3本目だったんですけど。
全然おもしろくねぇんだよ!!
ちなみに三木聡監督本人による原作もあんまりおもしろくなくて。
駄目出しを控えたレビューはこちら

声の小さすぎるストリートミュージシャンのふうか(吉岡里帆)は、
ある夜、ピザ宅配の単車に乗った男が転倒するのを目撃。
慌てて駆け寄り、意識を失っていた彼を女医(麻生久美子)のもとへと運ぶ。
翌朝様子をうかがいに行ってみると、女医曰く、男は逃げたらしい。

後日、路上で歌っていたふうかの目の前にその男が。
気づいてびっくり、彼はカリスマロックスターのシン(阿部サダヲ)だった。
圧倒的な声量と美声で人気を誇るシンだったが、
実は声帯ドーピングをしており、喉が崩壊寸前。
少し前のライブでも喉から血を噴き出したばかり。
ふうかの歌を聴いたシンは、ふうかを罵倒。ふうかはすっかり自信をなくし……。

最初の喉から血が噴き出すシーンがゲテモノ。
スプラッタホラーじゃないんだからと目を覆いたくなりました。
その後しばらくすると睡魔に襲われ、耐えがたい時間。

三木監督の作品といえば、もっとゆるりとしていて、
クスッと笑ってしまう小ネタが多かった。好きでした。
なのにこれはいったいどうしたことでしょう。
麻生久美子、森下能幸岩松了ふせえり松尾スズキといった、
三木監督作品の常連組が出ているのが楽しいだけで、全然笑えない。

テンションが高すぎるんです。
息を抜くところもないまま最初から最後まで突っ走っていて、
だったら眠くはならないだろうところ、
こっちのテンションを上げる計らいはなく、あっちが勝手に上がっているだけ。
ちっともついていけないから、置いてけぼりを喰らって睡魔に襲われてしまう。

終盤のふうかとシンのキスシーンは、
キスした瞬間は「イイ!」と思ったものの、無駄に長すぎる。
結局何も楽しめないまま終了。

必死のハシゴのラストにわざわざ持ってきたのに、なんだかなぁ。
今年のワースト入りかも。(–;
—–

『覚悟はいいかそこの女子。』

『覚悟はいいかそこの女子。』
監督:井口昇
出演:中川大志,唐田えりか,伊藤健太郎,甲斐翔真,若林時英,荒川良々,小池徹平他

TOHOシネマズなんばで『劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ』を観終わったのが10:40。
なんばパークスシネマまで最短距離を小走りで突き進み、10:50からの本作を。
予告編が始まったところぐらい。かなりぜぇぜぇ言ってます(笑)。
誕生日に配信されるクーポンあり、1,000円で鑑賞しました。

なんと楽しそうなタイトル。原作は椎葉ナナの同名少女コミックなのだそうです。
『坂道のアポロン』(2017)のときの中川大志くんがお気に入り。
彼が出演していなかったら、こんな過酷なハシゴはしなかったかも。
しかし過酷な思いをしたわりには残念。っちゅうのか、話が若すぎる!(^o^;

イケメンの古谷斗和(ふるやとわ)(中川大志)は幼い頃からモテモテ。
周囲には常に女子が群がり、わぁわぁキャーキャー。
同じ学校にかよう幼なじみたちはそんな斗和を羨ましげに見ているが、
あるとき彼女ができた友人から指摘される。
いくらモテたって、斗和には彼女がいたことがないじゃないかと。
所詮斗和は鑑賞用、恋愛対象にはなっていないのだと言われ、
ムキになった斗和は、彼女をつくると宣言する。

こんなにモテるのだから、そんじょそこらの女子では駄目。
幼なじみの新見律(伊藤健太郎)、澤田惟智也(甲斐翔真)、久瀬龍生(若林時英)は、
いろんなタイプの美人女子の名前を挙げて薦めるが、斗和が頷かない。
そんな斗和の目に映ったのは、学年一のモテ女、
しかし誰にもなびかないことで有名な同級生、三輪美苑(みわみその)(唐田えりか)。
フラれる可能性などこれっぽっちも考えずに即コクりに行ったところ、
「安っぽい」と冷ややかに言われて撃沈。
女子高生が好きそうなシチュエーション設定で何度か告白するも相手にされず……。

高校生の恋愛ものはいくつになってもキュンキュンできそうで嫌いじゃないのに、
まったく魅力的に思えなくて、ため息ばかり出てしまう。

男子も女子も確かにみんな可愛いですよ。
ヒロインを演じるぐらいだから、そりゃ特に可愛いです、唐田えりかちゃん。
だけど、学年一のモテ女というわりにはいつもひとりぼっち。
クールで近づきがたくたって、同性の友だちはそれなりにいてもいいでしょ。
彼女が学校で話す相手といえば、美術教師の柾木先生(小池徹平)のみ。
宿泊学習のときも彼女に話しかける人はいなくて、寂しすぎ。

美苑は父親を早くに亡くして母親は水商売、だからいつも家にひとりという設定。
借金取り役の荒川良々がちょっぴり笑わせてはくれるけど、
コメディにしてはほとんど笑えないんですよねぇ。つまらない。

定価で観たら暴れていたかもしれません(笑)。
これも『パーフェクトワールド 君といる奇跡』同様、
もっと若い世代の、もっと素直な人たちが鑑賞するのがよさそう。

発熱して倒れて自力で歩けない状態なのに、
先生にコクったあとはなんでそんなにシャキッとしてるねん、女子高生。
と、そんなところにまでツッコミ入れたくなってしまいました。

さて、ぼやくヒマもなく次へ。なんばから梅田へ移動します。
—–

『劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ』

『劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ』
総監督:大森貴弘
監督:伊藤秀樹
声の出演:神谷浩史,井上和彦,小林沙苗,伊藤美紀,伊藤栄次,
     石田彰,堀江一眞,佐藤利奈,高良健吾,島本須美他

先週の日曜日にかなり無理のあるハシゴを決行。
TOHOシネマズデーだったから、TOHOシネマズで観ないともったいない。
でも、先月なんばパークスシネマから届いた誕生日クーポンも期限間近。
じゃあどっちにも行けばいいんだと、両劇場のサイトを開けてにらめっこ。
無謀かと思われましたが、3本ハシゴをなんとか完遂できました。

まず1本目はTOHOシネマズなんばへ。
眠気に挫折しかけながらも朝7時半に家を出て、8時半過ぎから上映の本作を。

友だちから常々おもしろいと聞いていて、
TSUTAYA DISCASの月額レンタル枚数消化のために観ようとしたことがあります。
TVアニメ版はすでに10年近く続き、第6期まで進んでいる。
全部観るには相当な時間が必要だろうし、お試しに最初の2話だけ。
噂に違わずおもしろかったから、続きも観るべくレンタルしたら、
DVDに傷が入っていたようで、止まる止まる。ちっとも前に進めない。
これで気分が萎えてしまい、たった2話で観るのをやめたきり。

それでもずっと気になっていたので、この劇場版は嬉しい。
根強いファンが多いのか、封切り週はほかの話題作を引き離して興行成績首位の座に。

高校生の夏目貴志は、普通の人には見えない妖(あやかし)を見ることができる。
その力のせいで、幼い頃から嘘つき呼ばわりされたり気味悪がられたりしてきた。
両親を亡くしたのち、親戚の間をたらい回しにされていた彼を引き取ったのは、
心優しき夫婦、藤原滋と塔子。おかげで普通の高校生として穏やかに過ごせている。

貴志にはレイコという祖母がいた。
貴志以上に強い妖力を持っていたレイコは、人とつきあうことを避け、
妖たちに勝負を挑んではあっさりと勝って子分にしていた。
レイコに負けた妖は帳面に名前を書かされ、それが子分になった証。
「友人帳」と呼ばれるその帳面を持つレイコに、子分となった妖は従わざるを得ない。
レイコの亡き後、友人帳を引き継いだ貴志は、妖たちに名前を返してやることに。
しかし友人帳を手に入れて妖たちを統べようと狙う者も多いため、
見た目デブ猫のニャンコ先生、その正体は斑(まだら)という強力な妖に用心棒になってもらっている。

ある日、貴志は切り絵作家の津村容莉枝と知り合う。
容莉枝が中学生の頃のレイコと面識があるとわかり、貴志は驚く。
容莉枝の家を訪ねると、そこには彼女の一人息子だという椋雄がいた。
以来、貴志はしばしば津村家に立ち寄るように。

一方、ニャンコ先生が尻にくっつけてきた何かの種を庭に放ると、
翌朝、大木に育っていた。しかもその大木は貴志と妖にしか見えないらしい。
にゃんこ先生が大木になっていた果物のような3つの実を食すと、
なんとニャンコ先生が子猫3匹に変身してしまい……。

2話だけでも以前観ていたのがよかったようで、導入部にも違和感なし。
何も知らずに観に行っていたら、戸惑ったかもしれません。
とはいうものの、わかりやすくつくられているので、
原作もTV版も知らないという人もじゅうぶんに楽しめると思います。

田舎暮らしをしたことがないのに、なんだか懐かしい。
『散り椿』でなぜか風景が美しいと思えないと書いたところ。
この『夏目友人帳』は町の風景に和まされます。
また、貴志を取りまく人たちは思いやりのある人ばかり。人だけでなく妖もそう。
優しい気持ちにさせてくれます。

ニャンコ先生、食い意地張りすぎ(笑)。
こんなグルメな猫が家にいたら困るよねぇ。でも可愛くて心強い。

今さらですけれど、3話以降も観たくなりました。
—–

『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』

『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(原題:Chalard Games Goeng)
監督:ナタウット・プーンピリヤ
出演:チュティモン・ジョンジャルーンスックジン,チャーノン・サンティナトーンクン,
   イッサヤー・ホースワン,ティーラドン・スパパンピンヨー他

TOHOシネマズ梅田で前述の『あの頃、君を追いかけた』を観てから
シネ・リーブル梅田へ移動して本作を鑑賞。

年間を通じてタイ作品にお目にかかる機会はそうそうありません。
それが約1カ月の間に2本も観ることになるなんて。
しかも、当日早朝にオンライン予約したさいは空席がいっぱいあったのですが、
上映10分前にたどり着いたら「満席」のアナウンスが。
口コミで面白いと評判になっているようです。うん、面白かった。

女子高生リンは、教師である父親と二人暮らし。
勤勉実直な父親の稼ぎは少なく、慎ましやかだが穏やかな暮らし。
しかし、父親は成績優秀なリンをなんとか進学校に転入させたい。
ふたりで校長との面接に臨み、リンは特待奨学生の座を手に入れる。

転入したリンに最初に声をかけてきた同級生はグレース。
裕福な家庭に育つグレースの悩みは成績が悪いこと。
目標点を取ることができなければ、課外活動を禁じられるらしい。
グレースに泣きつかれたリンは、消しゴムを使って彼女を助ける。

それからしばらく後、グレースの彼氏パットの家に招かれたリン。
プールまである豪邸に驚きつつも平静を装っていると、
カンニングの件をグレースから聞いていたパットがビジネスを持ちかける。
どの生徒も経済的にはまったく不自由していないが、成績不良。
1人1教科につき3千バーツ(=約1万円)払うと言われ、乗ることに。
バレれば奨学金を貰えなくなってしまうから、消しゴムなどという方法は使えない。
ピアノを弾いているときにリンが思いついたのは完璧な方法。

こうしてビジネスを拡大させてゆくリンだったが、
あるとき1学年下にリンと同じく貧しい暮らしを送る男子バンクが転入してきて……。

日本でも金持ちと貧乏人の間にはものすごい差があるのでしょうけれど、
タイの金持ちはとんでもなく金持ち。と、タイに出張の多いダンナが言っております。
百貨店で車を買うとか普通ですもんね(笑)。
そんな貧富の差をありありと見せつけられるシーンに目が釘付け。

金持ちでいじめっ子という、よくありそうな構図がここにはありません。
リンは貧乏だけど、金持ちの中にいておどおどしたりしないし、悲観もしない。
自分のできることをよく知っていて、上手く金持ちとつきあいます。
金持ちで美人で無敵と思われるグレースはどうにも勉強ができない。
でも、お金でなんとかできることもわかっている。
双方の間に上下は感じられず、むしろリンのほうが上にいるのが小気味よい。
あ、これは貧乏人のひがみですね。(^^;

悪いことに決まっているカンニングもこう鮮やかなら痛快。
終盤のその方法は、カンニングですら金持ちじゃなければ無理だと苦笑い。
もちろん、カンニング万歳!とはなりません。
教育的にも良い作品かと。

リンの父親役の人、見たことあると思ったら、
先月観たばかりの『ポップ・アイ』で象を引いていたおじさん(つまり主役)でした。(^O^)
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