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『ヘルプ 心がつなぐストーリー』

『ヘルプ 心がつなぐストーリー』(原題:The Help)
監督:テイト・テイラー
出演:エマ・ストーン,ヴィオラ・デイヴィス,オクタヴィア・スペンサー,
   ブライス・ダラス・ハワード,ジェシカ・チャステイン,アリソン・ジャネイ他

今週限りで終映の劇場が多いかと思います。
昼から半休を取っていた先週平日、12:00に終業して12:20に劇場へ滑り込み。
観賞後に車を自宅へ置きに帰って出かけたという荒技。(^^;

原作はキャスリン・ストケットの処女作にして全米ベストセラー小説。
彼女の幼なじみである新鋭監督テイト・テイラーが、
原作の発売前にすでに映画化権を買っていたそうです。
長編2作目とのことですが、1作目は日本では未公開。
DVD化もされていないため、監督作としてはこれが初お目見え。
役者としては『ウィンターズ・ボーン』(2010)に出演していたと知りましたが、
住民のひとりだったのか、どんな人だったのかはまったくわかりません。

1960年代初頭、アメリカ南部のミシシッピ州ジャクソン。
裕福な家庭に生まれたスキーターは、黒人メイドのコンスタンティンに育てられた。
作家志望の彼女は、大学を卒業後、地元の新聞社に応募。
家庭欄のコラム執筆者が休業中のため、代筆係として採用される。

家事のことならメイドに相談するのがいちばんだが、
スキーターが自宅を離れている間になぜかコンスタンティンは辞めてしまった。
友人のエリザベス宅の黒人メイド、エイビリーンに相談するが、
やがてスキーターはメイドたちの置かれた状況に違和感を覚えはじめる。

信念に基づいて書こう。
スキーターは、黒人メイドの証言を集めて本を書くことを決意。
ところが、エイビリーンはなかなか話そうとしない。
この地で黒人メイドの実情を話せば生きてゆけなくなると言い……。

万人にお薦めしたい作品です。
ミシシッピといえば黒人差別が色濃く残る州だというのは有名ですが、
こんなにも人間の尊厳を無視することがあっていいのかと唖然。
黒人と同じトイレを使えば病気がうつる、だから専用トイレを家の外につくるべき。
そう言いつつ黒人メイドに子どもをまかせるなんて、んなアホな。

若奥様連中を仕切るヒリーは本当に悪魔のようです。
ヒリー役を演じたロン・ハワード監督の愛娘ブライス・ダラス・ハワードは、
顔立ちと言い物腰と言いハマりすぎで、
今後はけなげな女性役よりこういうビッチな役が多くなりそう。

さて、ミシシッピの白人みんながみんなそうだったわけではなく、
黒人に味方をすればどんな目に遭うかわからないなか、
メイドを守ろうとした人だって少なからずいます。
また、白人でありながら上流階級からつまはじきにされる女性もいて、
本作ではアーパーギャル、シーリアがその役どころ。
シーリアには壁がなく、素直に感情を表して、メイドに抱きつきます。
彼女と彼女が雇ったメイドのミニーの料理のシーンは素晴らしい。

シーリアがフライドチキンをほおばるときには、これを思い出しました。
こっちはバーベキューだったのですけれど、
そう、これも「この世の天国の味」、そんな顔でしょ。
料理も心をつなぐ。
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