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2018年12月に読んだ本まとめ

2018年12月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3217ページ
ナイス数:869ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly

■阪堺電車177号の追憶 (ハヤカワ文庫JA)
うわっ、電車がしゃべってる。きかんしゃトーマスみたいやなと思ったら、ずっと電車目線なわけではありませんでした。戦前、戦時中、戦後、バブル期を経て現代に至るまで、85年にわたって走り続けた路面電車177号の周辺で、本当にこんなことがあったかもしれないと思わされます。普通の人情話かと思いきや、ちょっとしたミステリー仕立てになっている。大阪といっても、淀川と大和川の向こう側。特にこてこての大阪弁なので、大阪弁に抵抗のある人にはツラそう。大阪に思い入れのある人なら懐かしさ満点。淀川より北育ちの私もなぜか懐かしい。
読了日:12月04日 著者:山本巧次
https://bookmeter.com/books/12289931

■瑕死物件 209号室のアオイ (角川ホラー文庫)
怖そうだからやめとこと思っていたのに、つい買ってしまったうえに、うっかり最後の頁を開いてしまったのです。ぎょえ〜っ。瀟洒なマンションの209号室にまつわる怪異。その部屋に住む美少年アオイと関わる者に異変が起きる。少しずつからめとられてゆく心。終始不穏な空気が漂っていて、明るい気持ちになれるところなんてひとつもない。最後は良い結末なんだわとぬか喜びすらできず。だって、最後のひと言を先に見てしまったから(笑)。現在公開中の「直近50年で最も怖い映画」と評判の『ヘレディタリー』よりも私はこっちのほうが怖かった。
読了日:12月07日 著者:櫛木 理宇
https://bookmeter.com/books/13181140

■京へ上った鍋奉行 (集英社文庫)
どんだけ食い意地張ってるねん、このお奉行様(笑)。『みをつくし料理帖』のように上品ではないけれど、大好きなシリーズです。脇を固める用人、同心、飯屋のお婆、皆なんとも魅力的。各章二本立てで進む謎に満ちた話が、食を通じて一つになるのが小気味よし。人はたいてい日に三度、食事をする機会がある。誰かが心を込めてつくってくれたものを真剣に食べるべしということを食いしん坊のお奉行様から教えられている気がします。第3弾までよりも少し印象が薄いけれど、ふき出してしまうシーンもホロリとさせられるシーンもあり、やめられない。
読了日:12月09日 著者:田中 啓文
https://bookmeter.com/books/9018323

■ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】原作では琴子とぼぎわんのバトルが激しすぎ、何がどうなっているのやらわかりにくかったので、こうして映像で見せてもらえるのはいいなぁ。原作と同じかどうかは別として(笑)。もう全国の霊媒師祈禱師ありったけ呼び寄せて祭りのようになっています。ラストは原作よりもずっと和んで落ち着ける、正真正銘のハッピーエンド。しかし白眼むく登場人物が多すぎて、夢には見そうです。いちばん怖かったのは、盛り塩を蹴散らしてニッコリ微笑む黒木華だったかも。小松菜奈は新境地、すごく好きになりました。
読了日:12月11日 著者:澤村伊智
https://bookmeter.com/books/12655058

■ギリギリ (角川文庫)
わざわざつきあう必要もないのにつきあってしまうは何故。「結婚相手の女性の姑」って。夫と死別した女性と結婚することになったとしても、その女性の姑の買い物につきあいますか。その女性は女性で、亡き前夫の不倫相手からの誘いを断れずにいる。わざわざ面倒くさいつきあいに乗ってしまう人たちの連作短編集。そういうつきあいを選ぶのも悪いことばかりじゃないかも。各章のタイトルが4文字の片仮名なのが面白い。女性陣よりもかの男性に肩入れ。さしてギリギリでもない気はするけれど、ちょっぴり切なくて○。読みやすくて息抜きには最適です。
読了日:12月13日 著者:原田 ひ香
https://bookmeter.com/books/13182314

■LEAK 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 (角川ホラー文庫)
同じ作家を続けて読まないように心がけていたのに、このシリーズを3冊続けて読んでしまったのが先々月のこと。そろそろ次に行ってもいいよね自分に尋ねて4冊目。久々に開くとプロローグにもうワクワク。よくもこんなにえぐい殺し方を考えつくものです。遺体の描写については想像力を働かせずに読むのが得策。ホルモンとか焼肉とかやめて(泣)。猟奇殺人と特殊詐欺事件がどこで繋がるのか見もの。切ない読後感も好き。肉まんにホットココアの組み合わせは私は要らん(笑)。あれ?そういえば秋葉原の第一発見者、どうなりました?どうでもえっか。
読了日:12月17日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/10124109

■パンダを自宅で飼う方法 珍獣ペット化シミュレーション (文春文庫)
今月は空いた時間をすべて劇場での映画鑑賞に当てているため、本を読む時間がないんです。でも10冊に満たないのも寂しくて、本屋で目に入ったいちばん薄い本がこれでした。そんな不純な動機で読み始めたら、お、オモロイやんか。入手難易度、飼育難易度、飼育危険度、なつきやすさを5段階で示し、その比較対象が犬だったりするのも可笑しい。スベリ気味のおやじギャグ的一文も時に見受けられますが、それも含めて軽妙かつ真面目。キリンを散歩させるときには毎度許可が要るとかいろいろ驚かされました。手元に置いてたまに読み返したくなりそう。
読了日:12月23日 著者:白輪 剛史
https://bookmeter.com/books/11088611

■メルカトル (角川文庫)
「映画三昧で本を読む時間がつくれないから、とにかく本屋で目についたいちばん薄い本を買う」の第2弾。のはずだったのに、思いのほか読むのに時間がかかってしまい、何やっているんだか(笑)。時間がかかったのはつまらなかったからではなく、その逆。丁寧に読みたくなるし、丁寧に読まないとついていけなくなる。まるで翻訳ものを読んでいるかのようで、乙一『銃とチョコレート』なんかを思い出しました。異国の港町、地図収集館に勤める17歳の静かな日常がミステリーに引き込まれてワクワク。この表紙、素敵です。絵本でも読みたいぐらい。
読了日:12月28日 著者:長野 まゆみ
https://bookmeter.com/books/12687398

■すべてのJ-POPはパクリである (扶桑社文庫)
年の暮れに冊数を稼ぐために積読本の中から読みやすそうな本を選ぶ。マキタスポーツ、インパクトのある芸名の役者ぐらいの認識だったのが、BS12で放映中の『ザ・カセットテープ・ミュージック』で見る目が変わる。序盤はイマイチだけれど、第3章のモノマネ論と第4章の人格/規格の見立て話が出色。『ボヘミアン・ラプソディ』を14回観た私としては(劇場鑑賞294本中)、モノマネについて「その通りにやって感動を起こせるわけではない」に唸りました。ヒット曲の法則になるほど。本よりも、本人が話しているところを聴きたい気はします。
読了日:12月30日 著者:マキタスポーツ
https://bookmeter.com/books/12806632

■今宵、喫茶店メリエスで上映会を (角川文庫)
シャッター街の中にある、かつて映画の上映会をおこなっていた喫茶店。好みの設定だと思って読み始めたけれど、そこに日常の謎も絡むのか。最初のうちはたいした謎でもなさそうだったのに、ヘヴィー級も。しかも虐待を受けている子と親がこんなにあっさり関係を修復できるのがなんだか。みんな善人っぽくて、でもおせっかい。それがこの商店街のいいところだとは思いますが、映画の見方について教育するような雰囲気で、ちょっと説教臭さも感じてしまいました。映画は人それぞれ、好きなように楽しめばいいと思うから、この諭し方には馴染めません。
読了日:12月31日 著者:山田 彩人
https://bookmeter.com/books/8177987

■奇跡の本屋をつくりたい くすみ書房のオヤジが残したもの
自分で読む本は自分で選べばいいと思います。でも、本屋に置かれているのは「売れる本」だという現実。「売れない本」は置かれないことが多いから、ますます売れない。売れない本の中にも誰かの心を動かす本が必ずあるはず。売れない本こそを置いていた本屋。本書を書き上げることもできないままお亡くなりになってしまったのは志なかばで無念でしょう。誰かがその思いを引き継がなければ。いくらネットで本が買えるようになったからって、電子書籍が読めるようになったからって、やっぱり紙の本はなくなってほしくない。本屋に消えてほしくない。
読了日:12月31日 著者:久住邦晴(くすみ書房・店主)
https://bookmeter.com/books/13090762
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今年観た映画50音順〈わ行〉

《わ》
『ワイルド・ドライバー』(原題:Pork Pie)
2017年のニュージーランド作品。日本では未公開。
稼ぎがなくて居候していた友人宅を追い出されたジョン。
別れた恋人スージーとなんとかよりを戻そうと、
彼女が参列する予定の結婚式に潜り込むことを画策。
その道中に愛車のエンジンが火を噴き、途方に暮れる。
そこを通りかかったのが1台のミニクーパー
運転していた男性ルークに同乗させてもらうが、実はミニクーパーは盗難車。
ぶっ飛びの運転テクニックを持つルークと共に追われる運命となったジョン。
途中からハンバーガーショップの女性店員キーラも同乗することになり……。
『ベイビー・ドライバー』(2017)のベイビーとぜひ対決してもらいたい。
DVDスルーがもったいない。笑って笑って楽しめる穴馬作品。

《を》《ん》
なし。なしなんですけれど、
『ヲタクに恋は難しい』という漫画原作のTVアニメにハマリ中。
めちゃくちゃ可笑しくて大好きになっちゃいました。
劇場映画版が2020年に福田雄一監督で予定されているらしく、大きく期待。

2018年にお亡くなりになった著名人をまとめページで見てみたら、
そっか、あの人もこの人も亡くなったちゃったのだっけと、あらためてさびしいですね。

今年は、そんなに映画を観たという自覚はないのに、
数えてみたら年間劇場鑑賞記録を大幅に更新することになりそうです。
〆に本日レイトショーでもう1本観ます。
もちろん、『ボヘミアン・ラプソディ』を(笑)。

今年もおつきあいをありがとうございました。
どうぞ良い年をお迎えください。
—–

今年観た映画50音順〈ら行〉

《ら》
『ラーメン食いてぇ!』
2018年の日本作品。
これで長編映画デビューを飾る熊谷祐紀監督が同名WEB漫画を映画化。
人気ラーメン店“清蘭”の店主・紅烈土(石橋蓮司)は、
二人三脚で店をもり立ててきた最愛の妻を亡くし、悲しみに暮れる。
そんな彼の孫娘・茉莉絵(中村ゆりか)がいじめに遭って自殺を図る。
一命を取り留めた茉莉絵は、烈土が病室に運んできたスープに気持ちを救われ、
ラーメンのすべてを自分に教えてほしいと烈土に懇願する。
食の細い茉莉絵は、食べることが何よりも好きなかつての親友・コジマ(葵わかな)に、
ふたりで世界一のラーメンをつくろうと声をかけるのだが……。
途中はずいぶん偽善的な話だなぁと思いました。
というのも、茉莉絵がいじめられる原因をつくったのはコジマ。
片想いの相手が茉莉絵とつきあいはじめたのが悔しくて、
茉莉絵が援助交際していると学校の裏サイトに書き込み、結果、茉莉絵は自殺未遂。
なのに一緒にラーメン店をしようってか。このふたりのやりとりにうんざり。
ただ、日本から遠く離れた場所で遭難したグルメ評論家・赤星(片桐仁)が面白い。
茉莉絵やコジマの両親には宅間孝行、森尾由美、水橋研二片岡礼子が扮し、
トータルではまぁまぁ楽しめた作品でした。
ところで、麺の食感を表現するのに「ぴろぴろ」という言葉は本当に使うんですか。
ラヲタの方々、教えてください。

《り》
『リングサイド・ストーリー』
2017年の日本作品。
2015年に劇場で観た映画のマイベスト、『百円の恋』(2014)」の武正晴監督による。
カナコ(佐藤江梨子)と売れない俳優のヒデオ(瑛太)は長年同棲中。
ヒデオといえば、いつかカンヌに連れて行ってやると大口ばかり。
ある日、カナコが勤務先のリストラに遭い、
ヒデオが勝手にプロレス団体“WRESTLE-1”の広報にカナコの名前で応募。
プロレス好きのヒデオが熱く語った手紙のおかげで採用される。
ヒデオとちがってプロレスのことなど何も知らなかったカナコだが、
次第にその世界に魅了され、いきいきと仕事をするように。
すると、ヒデオは自分がカナコを送り出したにもかかわらず嫉妬を募らせて……。
プロレスにほぼ興味のない私も好きになってしまいそうなほど。
瑛太は何をやらせても上手いですねぇ。
その中でも、本作で近藤芳正演じるプロダクション社長が言うように、ろくでなしの役がいちばん!

《る》
『ルージュの手紙』(原題:Sage Femme)
2017年のフランス作品。
ベテラン助産師のクレール(カトリーヌ・フロ)は、超まじめ。
息子を医学生に育て上げた後も飲酒せず肉も食べず、禁欲を自分に強いている。
そんな彼女に突然電話をかけてきた継母のベアトリス(カトリーヌ・ドヌーヴ)。
酒とギャンブルに目がないベアトリスは、30年前に理由も告げずに姿を消した。
その直後に有名な競泳選手だったクレールの父親は自殺。
今ごろになって連絡を取ってきたのは、脳腫瘍に冒されているベアトリスが、
死ぬ前に最も愛した男に会いたくなったからだという。
父が他界していることを知り、ベアトリスはショックを受ける。
あいかわらず酒を飲みつづけ、金にもだらしのない継母なのに、
クレールはどうしても無視することがてきず……。
いくつになっても美しく、上品にも下品にも振る舞えるカトリーヌ・ドヌーヴ。
フランスを代表する名女優の共演から目を離せません。

《れ》
『レジェンダリー』(原題:Pilgrimage)
2017年のアイルランド/ベルギー作品。
1209年のアイルランド。修道士の一行がローマに向かって巡礼の旅に出る。
目的は修道院が保管する神聖な聖遺物「マティアの石」を運ぶこと。
しかし最果てともいえるこの地は、何世紀にもわたって部族間の戦争が勃発し、
侵略を狙うノルマン人の上陸も活発化している危険な場所。
旅をどう進めるべきかと悩んでいたところへ、騎士レイモンドが案内を買って出る。
若き修道士ダーマットと口のきけない平修士らは、
レイモンドに警戒しながらも旅を続けるが、
途中、盗賊たちの襲撃に遭い、修道士のうちの何人かが殺されてしまう。
しかもその襲撃はレイモンドの差し金だったことがわかり……。
“スパイダーマン”トム・ホランドがダーマット役。
スパイダーマンのはっちゃけぶりと打って変わって暗いのなんの。上手い。
平修士役のジョン・バーンサルが発する言葉は最期に「地獄だ」のみ。
宗教的な物語はむずかしくて敬遠しがちでしたが、これはなかなか面白かった。
96分と短めなのも嬉しい。

《ろ》
『ローマンという名の男 信念の行方』(原題:Roman J. Israel, Esq.)
2017年のアメリカ作品。
デンゼル・ワシントン主演なのに日本では未公開、DVDスルー。
法律事務所で裏方の仕事を担当する人権弁護士ローマン・J・イズラエル。
ある日、事務所代表を務めるパートナーが倒れて植物人間に。
事務所を畳まざるを得なくなり、凄腕弁護士ジョージ・ピアスに雇われる。
金儲けにはまるで興味のなかったローマンだが、
自分が担当する殺人事件の犯人に懸賞金がかかっていることを知り……。
ジョージ役にコリン・ファレル。これが格好よくて目が釘付け。
理想論だけでは弁護士もやって行けないだなぁと、悲しくもなり。
ローマンが殺されてしまうという悲しい結末ながら、
ジョージの後ろ姿に希望が感じられます。

—–

今年観た映画50音順〈や行〉

《や》
『やっさだるマン』
2017年の日本作品。
愛媛県出身の大森研一監督が宇和島を舞台に撮ったのが『海すずめ』(2016)でした。
広島県三原市の「三原アンバサダー」も務める同監督が、今度はそこを舞台に。
三原市役所に勤務する肇(佐藤永典)は、同級生だった里美(須藤茉麻)とともに、
同市の公式マスコットキャラクター“やっさだるマン”の管理運営を担当。
肇がやっさだるマンの着ぐるみをかぶって広報活動しているが、
全国どころかご当地でも知名度はイマイチ。ゆるキャラグランプリでも散々の結果。
課長(清水美沙=清水美砂から改名)から次は10位以内に入るようにとの指令が下ってゲンナリ。
ところが、新しく配属された優那(竹達彩奈)があまりに可愛くて俄然やる気に。
映画が好きだという優那が先輩職員の向井(宮川一朗太)と話すのを聞いていて、
地元の人たちに参加を募るPVの制作を思いつく。
行きつけのカフェのマスター(目黒祐樹)に曲づくりを頼み、
里美が振付を考えて、その映像を撮るのは向井と優那。
バッチリだと思いきや、マスターから「曲は自分でつくれ」と言われる。
肇はかつてバンド仲間から「おまえのつくる曲は古くさくてやってられねぇ」と
バンドを追い出された苦い経験があり、以来、音楽を避けてきたのだが……。
TSUTAYA DISCASの在庫枚数がわずか4枚で、レンタルするのにひと苦労。
内輪受けするご当地ムービーだろうと期待せずにいたら、思いのほか楽しかった。
ゆるキャラグランプリで上位に入るために市役所の職員が組織票を投じているとニュースになったばかり。
そんなことはこの映画ではもちろんしません。タイムリー。

《ゆ》
『ユージュアル・ネイバー』(原題:The Harvest)
2013年のアメリカ作品。日本では劇場未公開。
親を亡くして引っ越しを余儀なくされた女子高校生マリアンは、祖父母の家に身を寄せる。
祖父母はとても優しいが、悲しみはなかなか消えない。
ある日、近所の散策中に見つけた一軒の家。
窓から中を覗き込むと、同年代で寝たきりの少年アンディがいた。
お互い友だちができたと大喜びするが、
アンディの母親で外科医のキャサリンはマリアンに敵意を露わにし……。
アンディの家の地下室にはもうひとり少年がいて、
マリアンはてっきり地下室の少年が誘拐されたジェイソンだと思い込みますが、
実はアンディこそがジェイソン。
キャサリンはアンディに心臓や肝臓を移植するためにジェイソンを誘拐したという驚愕のお話。
狂っているとしか思えないキャサリンにサマンサ・モートン
本当は善人なのに妻に意義を唱えられない夫リチャードにマイケル・シャノン
予備知識なしに観たおかげで結構おもしろかったけれど、
WOWOW放映時の邦題はなんと『マッド・マザー 生贄の少年』。
このタイトルだけで全部ネタバレしとるがな。ヒドイ(笑)。

《よ》
『歓びのトスカーナ』(原題:La Pazza Gioia)
2016年のイタリア/フランス作品。
イタリア・トスカーナ州の“ヴィラ・ビオンディ”は、精神病患者の診療施設。
患者のひとり、ベアトリーチェは女王様気取りの自称伯爵夫人。
極度の虚言癖を持つ彼女のおしゃべりは止まらない。
ある日、体中にタトゥーを入れた鬱病患者のドナテッラが入居する。
頼まれもしないのに世話を焼こうとするベアトリーチェは、
ドナテッラが幼い息子エリアと無理に引き離されたことを知り、
「会わせてあげる」と言うのだが……。
嘘か誠かわからないベアトリーチェの話に、観るほうも翻弄されます。
ふたりの施設脱出劇も面白ければ、施設職員の温かさも伝わってくる。
エリアの養父母との対面シーンには心を砕かれ、その後の海岸のシーンに涙。
これはぜひとも劇場で観たかった作品です。
2015年に司法精神病院が廃止されたことを本作で知りました。
しかし、グルームホームなどに移れた患者は少ないとのこと、心が痛みます。
—–

今年観た映画50音順〈ま行〉

《ま》
『マクファーランド 栄光への疾走』(原題:McFarland, USA)
2015年のアメリカ作品。
ケヴィン・コスナー主演なのに日本では未公開。実話が基。
高校のアメフト部のコーチ、ジム(ケヴィン・コスナー)は、
すぐに短気を起こしては上司や選手とやり合ってしまう。
そのせいで勤務先をクビになり、ようやく受け入れてくれることになったのは、
カリフォルニア州マクファーランドの高校。
マクファーランドはヒスパニック系住民が多く住むとても貧しい農業地域。
失望する娘たちをと妻のシェリル(マリア・ベロ)をなだめてなんとか着任。
アメフト部の監督を務めるはずが、古参のコーチと意見が合わず。
間に入った校長からアメフト部の話は反古にされ、体育の授業のみ担当することに。
そこでジムは生徒たちの脚力に圧倒される。
早朝から家族とともに農地に出て働き、農地から学校まで走る日々を送っているせいで、
生徒たちにはとんでもない脚力と疾走力、持続力がついていたのだ。
ジムはクロスカントリー部を立ち上げるが、陸上など教えた経験もなく……。
未公開が納得できるほど地味だし、ジムは最初は根性論のみに思えます。
しかし、練習するうちに生徒たちと心を通わせてゆく姿はスポ根の王道。
春に種を蒔き、秋に収穫し、冬に満腹になりたいだけ。そんな彼らの想いが実るとき。

《み》
『ミッシング・チャイルド 呪いの十字架』(原題:Eg Man Pig)
2017年のアイスランド作品。
“未体験ゾーンの映画たち 2017”で上映中にDVDが発売されたので、
わざわざ劇場に行くほどでもないかとレンタルして鑑賞。
精神医学者フレイルは、幼い息子ベンニが3年前に忽然と姿を消して傷心のまま。
ある日、首吊り自殺をした老婆を女刑事とともに調べてみると、
その老婆と同年代で同郷の者たちが何人も変死していることがわかる。
亡くなった老人たちは60年前に失踪した少年をいじめていたらしい。
フレイルは自分が少年の霊によって息子のもとへと導かれているように感じる。
一方、彼が働く病院の向かいの島に、若夫婦のガルザーとカトリーン、
その友人で未亡人のリーフがやってくる。
彼らは島の廃屋を改装して民宿を始めようとしていた。
ところが、赤ん坊を死産したことから立ち直れないでいるカトリーンは、
「ママ」と呼ぶ声を聞いたり、少年の走る姿を見かけたりするようになり……。
結構怖かった。時間軸を上手くずらして見せていて、最後はなるほど。
三角関係の果てに倒壊した建物の下敷きになるガルザーとリーフ。
遺体を見つけてもらって安心したかのように父親のもとへ駆けてゆくベンニの幽霊。
60年前に死亡した少年とともに廃屋に残ることにしたカトリーン。
救いがあるようなないような、とにかく暗い作品です。
スペイン語圏やポルトガル語圏のホラーに似た雰囲気もあり、嫌いじゃない。

《む》
なし(泣)。
なんとか見つけようとしましたが、劇場公開映画では『ムタフカズ』のみ。
DVDセルやレンタル作品にもこれ以外にありませんでした。

《め》
『名探偵シャーロック・ノームズ』(原題:Sherlock Gnomes)
2018年のアメリカ/イギリス作品。日本では未公開のアニメーション。
ガーデンノームといえば、庭に置かれた「白雪姫とこびと」、あれです。
本作は白雪姫はいないけれど、ガーデンノームたちの世界で起こる事件。
ロンドンの新しい庭に引っ越してきたノームのノミオとジュリエット。
仲間たちと平和に暮らしていたのに、出先からふたりが帰ると仲間が全員消えていた。
名探偵シャーロック・ノームズとワトソンと共に仲間の行方を探すうち、
ノームズの宿敵モリアーティの仕業であることがわかり……。
未公開だったけれど、声を担当している俳優陣はかなり豪華。
ジェームズ・マカヴォイエミリー・ブラントキウェテル・イジョフォー
ジョニー・デップマイケル・ケインマギー・スミスオジー・オズボーンまで。
割られないように奮闘するノームたちがカワイイです。

《も》
『モンスター・ホテル クルーズ船の恋は危険がいっぱい?!』(原題:Hotel Transylvania 3: Summer Vacation)
2018年のアメリカ作品。
10月に公開されたところなのに、12月にもうDVD発売。
自らが経営するモンスター・ホテルで働きづめの父・ドラキュラを心配する娘・メイヴィスは、
ここらで気分転換してもらおうと、豪華クルーズ船の旅を提案。
ホテルの従業員を引き連れて船に乗り込んだドラキュラは、船長・エリカに一目惚れ。
父には幸せになってほしいと思うものの、なんとなくエリカは信用できない。
メイヴィスの勘が残念ながら当たり。
エリカの父親はモンスターの殲滅を狙うヴァン・ヘルシング。
エリカは父親の命令を守ってモンスターたちを一掃するために暗躍するが、
なぜかドラキュラのことが気になってしまい……。
大人も子どもも楽しめる安心のアニメーション。
そういえばドラキュラの声を担当するアダム・サンドラー、このごろあまりお見かけしませんね。
声だけでなく姿が見たいので、実写映画に出演してください。
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