MENU
ChatGPT-Image01
ChatGPT-Image02
ChatGPT-Image03
ChatGPT-Image04
ChatGPT-Image05
previous arrow
next arrow

『十二人の死にたい子どもたち』

『十二人の死にたい子どもたち』
監督:堤幸彦
出演:杉咲花,新田真剣佑,北村匠海,高杉真宙,黒島結菜,橋本環奈,吉川愛,
   萩原利久,渕野右登,坂東龍汰,古川琴音,竹内愛紗,とまん他
TOHOシネマズ伊丹で『ミスター・ガラス』だけ観て帰るつもりでしたが、
どうせ来たんだからもう1本観ようという気持ちになり、本作を。
堤幸彦監督は、私の中ではちょっとビミョーです。
エンターテインメント性は総じて高いけれど、
ものすごく面白かったとかものすごく良かった思える作品はない。
でも、いつも言うとおり、観なきゃ文句も言えませんから。
期待度は低かったからか、あらら、意外に面白い。
原作は冲方丁の同名小説。未読です。読まなくちゃ。
人気若手俳優を集めるだけ集めて出しました、みたいなキャストです。
みんな上手いねぇ。
廃病院でおこなわれる「集い」に参加するためにやってきた未成年男女12人。
発案者のサトシ(高杉真宙)が用意した部屋で、今から集団安楽死をする予定。
12人はお互いに面識なく、今日が初対面。
アンリ(杉咲花)、シンジロウ(新田真剣佑)、ノブオ(北村匠海)、メイコ(黒島結菜)、
リョウコ(橋本環奈)、マイ(吉川愛)、タカヒロ(萩原利久)、ケンイチ(渕野右登)、
セイゴ(坂東龍汰)、ミツエ(古川琴音)、ユキ(竹内愛紗)が一室に集まる。
集団安楽死するためのルールはひとつ。12人全員の意見が一致すること。
死ぬために集まったのが目的なのだから、当然意見は即一致するはず。
ところが事態はそうはいかない。
というのも、参加者は12人のはずなのに、なぜか13人目がいる。
皆が集まったときにはすでにその部屋で死んでいる様子で
ベッドに寝かされている13人目はいったい誰なのか。
状況から見て、自ら死を選んだのではなく殺されたようだ。
その謎が解明されてからでなければ死にたくない。
1人がそう言い出したせいで、自殺できなくなるのだが……。
議論を重ねるうち、自殺を考えるに至る思いをそれぞれが発露します。
いつ何が起きていたのか推理する誰かさんは賢すぎて、
そんなに簡単にわかるかよとツッコミどころいろいろで、
『ミスター・ガラス』に続いて失笑してしまうシーンも数知れず。
若い時分に死ぬことを考えるとき、命をあまりにも軽く考えすぎているのではと思うけれど、
意外にこんなものかもしれないと思ったりも。
12人の理由も、そりゃ死にたくなるよねと思えるものもあれば、
えっ、そんな理由で!?と思ってしまうものもあります。
だけど本人にとっては大問題。これからの人生の中では些細なことだとしても、
今の彼らにはそんなふうには決して思えない。
こうして誰かと話ができたらいいのに。
あまりに恋愛ものが似合わなすぎてアカンと思いましたが、こういう役を演じるとド迫力。
彼女には今後も甘っちょろいラブストーリーに出てほしくない。
この路線でお願いします。(^^)

—–

『ミスター・ガラス』

『ミスター・ガラス』(原題:Glass)
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:ジェームズ・マカヴォイ,ブルース・ウィリス,アニャ・テイラー=ジョイ,サラ・ポールソン,
   スペンサー・トリート・クラーク,シャーレイン・ウッダード,サミュエル・L・ジャクソン他
いくらダンナが出張中で終業後に遊び呆けられるといっても、
さすがに毎日お酒を飲む or 映画を2本というのはツライ。
ええ加減まっすぐ帰ろうと思いつつも、この日はレディースデー。
映画を観ないのはもったいないなぁとTOHOシネマズ伊丹へ。
前週から安い日に観ようと目論んでいた本作。
なんだかんだ言ってもM・ナイト・シャマラン監督の作品は外せません。
『アンブレイカブル』(2000)と『スプリット』(2017)の続編とのこと。
後者は一昨年の話だからまだいいとして、
20年近く前の映画のことなんて、一度観たきりで覚えているわけがない。
『スプリット』のエンディングでブルース・ウィリスが登場したときも、
いったいなんのこっちゃ全然わかりませんでしたからね。
復習もせずに観に行ったから、いろいろとわからない。
しかし、わからないなりにも面白い。
自作にちょっとした役で出演するお遊びでも有名なシャマラン監督、
本作では買い物客として最初のほうに出演していました。
デヴィッド(ブルース・ウィリス)はセキュリティ機材の販売店を経営。
息子ジョセフの協力を得て、ひそかに犯罪者を取り締まる活動を続けている。
自身の特殊能力を駆使して人びとを守る姿から、
いつしかデヴィッドは「監視者」と呼ばれて崇められるように。
ジョセフから、ケヴィン(ジェームズ・マカヴォイ)という多重人格者
複数の女子高生をどこかに監禁していると聞いたデヴィッドは、
さっそく付近を捜索し、ケヴィンの潜伏している倉庫を発見。
女子高生をなんとか逃がすことに成功したものの、
ケヴィンの人格のひとつであるビーストと対決している途中に警察に取り囲まれ、
両者は身柄を拘束されて精神病院へと搬送されてしまう。
同じ病院に入院させられていたのが、イライジャ(サミュエル・L・ジャクソン)。
彼はかつて列車事故を仕組み、その事故の唯一の生存者がデヴィッドだった。
大量殺人を犯したイライジャをデヴィッドは激しく憎み、いわば仇敵。
こんな3人の前に現れた女性精神科医エリーは、
この世に特殊能力を持つスーパーヒーローなど存在しないと断定。
3人を単なる妄想癖のある精神病患者として治療すると言う。
エリーの話を聞くうち、デヴィッドとケヴィンは自身の特殊能力を疑いはじめるのだが……。
ツッコミどころは満載です。
正義の味方ではあるけれど怪力のデヴィッドと、
ビーストの人格が現れた場合には人間を食いちぎってしまうケヴィンと、
力はなくとも優れた知性を持つイライジャと。
そんな3人を入院させる施設がこんなセキュリティでええんかいなと失笑。
それでも私は楽しかった。
最初は、応援したくなるのはデヴィッドのみ。
サラ・ポールソン演じるエリーがとにかく傲慢で嫌なオバハン。
こいつもやられてしまえと思ってしまうほど(笑)。
イライジャの意図がわかるラストではちょっぴり泣きそうになりました。
好きで自らに備わったわけではない特殊能力。
それを真っ向から否定され、ただの馬鹿な思い込みで病気だと言われる。
スーパーヒーローとは言わずとも、こんな目に遭った人はいるはず。
人と違うのは駄目なことだと思わされて育ったら。
その才能をいい方向に伸ばせる人と出会えればいいのにと思わずにはいられません。

—–

『サイバー・ミッション』

『サイバー・ミッション』(原題:解碼遊戯)
監督:リー・ハイロン
出演:ハンギョン,リディアン・ヴォーン,リー・ユアン,山下智久,
   マイケル・パパジョン,リウ・カイチー他

終業後に109シネマズ箕面にて1本だけ。

前週の終業後に109シネマズ大阪エキスポシティで『チワワちゃん』を観たさい、
久々に“おひとりさま”でした。
まさかシネコンで2週続けて“おひとりさま”状態を味わえるなんて想像もせず。
巷でそれほど話題になっていないとはいえ、山Pが出演しているのですよ。
別に山Pファンじゃない私が貸し切ってええもんなのでしょうか。
なんという贅沢。

中国/香港作品。ダブル主演と言ってもいいでしょう。
ひとりはハンギョン。中国出身の歌手で、韓国の男性アイドルグループ“SUPERJUNIOR”の元メンバー。
知らんがな。雰囲気は“嵐”の大野くんみたいな感じ。愛嬌があります。
もうひとりは台湾人俳優のリディアン・ヴォーン。
イギリス人と台湾人を両親に持つハーフなのだそうです。
男前だけど、ぽよんとしたトム・クルーズかな。伝わらんか、この感じ(笑)。
リー・ ユエンも有名な中国人モデルらしい。
ここに山Pが加わっているというのに、“おひとりさま”はやはりおかしい。

ハオミンはオタクなプログラマー。ほぼ引きこもりではあるが、天才。
世の中の悪事を見つけるとサッと現れては鉄拳制裁を下すのもお手の物。

ある日、コンビニへ出かけたハオミンは、
スマホが使えなくて困っている美少女スー・イーを助ける。
ところが実は彼女はコードネーム“ゼブラ”というハッカーのパートナー。
彼女がハオミンのリュックに仕込んだ器械でゼブラから監視される。

盗撮されていることに気づかないハオミンに香港警察の刑事が近づき、
ゼブラが裏社会の仕事のためにハオミンを協力させようとしていると知らされる。
なぜそんな迷惑な白羽の矢を立てられたのかと記憶をたどると、
かつて世界中のオタクが競うハッキング大会でハオミンが優勝し、
そのとき最後に対決した相手がゼブラだったことを思い出す。

ゼブラの仕事の依頼者は、裏社会の大物モリタケシ。
ゼブラとスー・イーに拉致されたハオミンは、刑事にひそかに連絡を取りつつ、
モリの依頼を片づけざるを得なくなるのだが……。

天才ハッカーが自分のリュックにわかりやすく盗撮器を仕掛けられて
長らく気づかないものだろうかとツッコミを入れたくなりますが、
美少女から声をかけられたらそんな用心もしなくなっちゃうものですか。
あ、このときのスー・イーは女子高生の制服みたいなのを着用しています。
彼女役のリー・ユアンが何歳だか知らないけど、女子高生の制服はさすがに引く。
なんぼ美人だからって、この顔にこの化粧だとコスプレにしか見えんから(笑)。

山Pは、能面師でありハッカーであり、裏社会の大物という設定。
なんだかものすごく流暢に英語をお話しになります。知的でした。
でも本作の中でいちばん悪い奴。そんな役の山Pを見られるのは珍しい。

しかしハッキングの世界って、何が何やらわかりません。
電車を止めたり、信号を操作したり、飛行機を墜落させたり。
どんなものでもハッキングできればどないとでもできるんですね。
怖い怖い!
—–

『教誨師』

『教誨師』
監督:佐向大
出演:大杉漣,玉置玲央,烏丸せつこ,五頭岳夫,小川登,古舘寛治,光石研他

これも前述の『マイ・サンシャイン』同様、
昨年の公開時にテアトルグループの劇場で観そびれたやつ。
塚口サンサン劇場で上映している間に行かなくては。
漣さんが急逝してからまもなく1年経つのですね。
本作は彼が初めてプロデュースも務めた作品で、かつ最後の主演作品。

教誨師とは、拘置所内で受刑者に対して教え諭す宗教家。
死刑囚と面会できる唯一の民間人なのだそうです。

牧師の佐伯(大杉漣)は月に2度、教誨師として拘置所を訪れる。

面会の相手は6人。
目を瞑ったままでまったく話をしようとしない鈴木(古舘寛治)。
関西弁でまくしたてる美容師の野口(烏丸せつこ)。
キリスト教に改宗したいというホームレス、進藤(五頭岳夫)。
訥々と自分のことを語る小川(小川登)。
気前のいいヤクザの組長、吉田(光石研)。
大量殺人犯の生意気な若者、高宮(玉置玲央)。

彼らが自らの罪ときちんと向き合い、悔い改めて、
死を迎えられるようにするのが佐伯の仕事。
実兄が殺人者だった佐伯は、時にはその話を受刑者にする。
自身の言葉が正しいものなのかどうか迷い、葛藤する佐伯だったが……。

死刑囚のドキュメンタリーならば過去にいろいろ観てきたはずなのに、
初めて知ることがいっぱいあって驚きました。
死刑囚は服装も髪型も自由、刑務作業もしなくてよい。
死をもって償うから、死刑が確定すればある程度の自由が許されるということでしょうか。

刑の執行が当日の朝に本人に知らされるのは『獄友』(2018)で知りました。
毎朝彼らがどう感じるのかを想像すると、キューッと胸が痛みます。
殺人犯の手に掛かった被害者のことを思えば、
そんな恐ろしさぐらい感じて当然だとも思ったりするわけですが、
それが冤罪だった場合にはあり得ない。
本作の死刑囚たちは冤罪ではないという設定だけれども、
自分に刑が執行されるとわかったときのある人物の演技が凄いです。

この本のレビューにも書きましたが、
私は漣さんの演技が上手いなぁと思ったこと、正直に言うとありません。
かといっていかにも演技をしているふうでもない。
教誨師を演じる漣さんは、まるで教誨師そのものでした。
つまりこれこそが演技が上手いということなのですよね、きっと。

あらためて、漣さんのご冥福をお祈りします。
—–

『マイ・サンシャイン』

『マイ・サンシャイン』(原題:Kings)
監督:デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン
出演:ハル・ベリー,ダニエル・クレイグ,ラマー・ジョンソン,
   カーラン・KR・ウォーカー,レイチェル・ヒルソン他

『銃』を観た翌日も塚口サンサン劇場へ。
サンサン劇場での過去2度の鑑賞は、いずれもシアター1でした。
ここが席数50に満たない小さなシアターだったから、
あと3つあるシアターもそのぐらいの広さというのか狭さだと思い込んでいました。
そうしたらそうじゃなかった。シアター3は席数165。広っ!

ハル・ベリーダニエル・クレイグが出ているから観たかったのに、
12月の公開時にシネ・リーブル梅田で観そびれたやつ。
こうして書こうとしてビックリ、アメリカ作品じゃないのですね。
フランス/ベルギー作品とは、へ~っ。
しかも監督はトルコ出身、デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン。40歳の女性です。
ロサンゼルス暴動について調べるために、何度も現地へかよったとか。

1990年代初めのロサンゼルス、決して裕福とはいえない層が暮らす地域。
ミリーはケーキを焼いて日々の生活費を稼いでいる。
なんらかの事情で両親と暮らせない子どもを見ると放っておけず、
次から次へと自宅へ引き取ってきて世話をするホストマザー。

隣人の男性オビーは荒々しい気性の持ち主。
なにかと騒がしいミリーの子どもたちも怒鳴りつけられることしょっちゅう。
しかしそんなオビーが実は優しいことを知っているのか、
子どもたちは怖がるどころかむしろ面白がったりもしている。

巷ではロドニー・キングが白人警官に殴打される事件が起こり、
また、ラターシャ・ハーリンズが万引きを疑われて
韓国系アメリカ人の店主によって射殺される事件も起きたばかり。
人種間の対立が深まり、大規模な暴動が巻き起こるなか、
家を飛び出した子どもたちを探そうと駆けずり回るミリーにオビーは協力するのだが……。

原題の“Kings”はロドニー・キングとキング牧師を示すのでしょう。

10年以上前に本作を企画して取材を始めたという監督。
本作を観れば、ロサンゼルス暴動がいかにして起こったのかは知り得ます。
しかし、全体としてはなんだか散漫なイメージ。
オビーの人となりもよくわからないので、いきなりいい人になるところは目が点に。
ダニエル・クレイグだから許せるものの、
名も知らない俳優が同じ役を演じていたら、「はぁ?」と言いたくなったでしょう。

シリアスな状況のなかでのミリーとオビーの会話も、
笑わそうとしているのかどうなのかわかりません。
結局私は笑ってしまったけれど、笑うところじゃなかったのかも。

実際の主役は、ミリーと暮らす子どものうち最年長者のジェシーなのに、
ミリーとオビーに焦点を合わせたいふうにも感じられてどっちつかず。
バランスの悪い作品だと感じました。ちょっと残念。
—–