MENU
ChatGPT-Image01
ChatGPT-Image02
ChatGPT-Image03
ChatGPT-Image04
ChatGPT-Image05
previous arrow
next arrow

『ドキュメンタリー オブ ベイビーわるきゅーれ』

『ドキュメンタリーオブベイビーわるきゅーれ』
監督:高橋明大
 
シアターセブンにて。
 
同週に鑑賞した『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の撮影現場に密着したドキュメンタリー。
なんとも嬉しい企画ではないですか。
 
いまや大人気となった“ベイビーわるきゅーれ”シリーズが生まれるきっかけは「偶然」なのだそうです。
阪元裕吾監督の『ある用務員』(2020)のプロデューサーだった角田陸氏が、
『ある用務員』に登場する女子高生殺し屋コンビを見て面白いと思い、
このふたりを主人公に脚本を書いてみてよと阪元監督に言ったのがきっかけだとか。
ものすごく面白いシリーズになりました。
 
『ナイスデイズ』を観て池松壮亮ってこんな役もできるんだと惚れ直した私ですが、
彼自身、このシリーズに僕を呼ぶんだと驚いたそうです。
もともとスタントパフォーマーの伊澤彩織は別として、あまりに見事なアクションシーンに、
髙石あかりと池松壮亮はスタントダブルを起用しているのかと思っていたら本人たちがガチで。凄い。
アクション監督の指導を見るのも、こんなふうに撮るのねと楽しい。
 
女性のお腹に蹴りを入れたり顔を殴ったりなんて、生理的に無理だと思ったという池松くん。
しかし、アクション監督が「伊澤は大丈夫です」と言うし、彩織ちゃん本人も「大丈夫ですから」と言う。
実際やってみると、池松くんの想像の遥か上、彩織ちゃんは強かったのだとか。
そりゃ彼女、もとはこれが本職ですもんね。池松くんの手加減無用。
 
このシリーズがなければ俳優を名乗ることはなかったと思うと言う彩織ちゃん。
ずっと台詞のないスタントパフォーマーだったかもしれません。
 
なんとも厳しく、そして楽しい撮影現場の様子を堪能させてもらいました。
もう一度『ナイスデイズ』を、いや、シリーズ第1弾から観直したくなります。

—–

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版』

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版』
監督:古賀豪
声の出演:関俊彦,木内秀信,種崎敦美,小林由美子,白鳥哲,飛田展男,中井和哉,沢海陽子,山路和弘,
     皆口裕子,釘宮理恵,石田彰,古川登志夫,沢城みゆき,庄司宇芽香,松風雅也,野沢雅子他
 
前述の『ふれる。』を観た後、帰宅の動線に沿って109シネマズ箕面へ移動して。
 
10カ月前になるのでしょうかね、『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』(2023)を観たのは。
その映像と音の質を向上させた新たなバージョンがこの「真生版」なのだそうで。
 
「327カットのリテイクに加えて、音も再ダビングを敢行」と聞いてもなんだかよくわかりません。
が、もとはPG12だったレーティングが、恐怖演出が上がっていることからR15+指定になりました。へーっ。
エロに振り気味のアニメでR15+指定という作品はたまにありますが、
エロじゃないのにR15+指定というアニメ作品を劇場で観る機会はそう多くないはず。
 
私は鬼太郎マニアではないので昨年のオリジナル版も1回しか観ていません。
ただ、そのときにもらった来場者特典を希望する人がいたり、パンフレットにプレミアが付いたりと、
驚くべきことがいろいろあって、鬼太郎人気に驚きました。
かなりのロングラン上映になり、劇場は連日満席だった模様で、へーっ、へーっ、へーっ。
 
確かに音が良くなっていると思いました。絵も去年観たときよりなんとなく綺麗。
初日のレイトショーの客入りも良く、あらためて鬼太郎人気に驚く。
 
ゲゲ郎(=後の目玉おやじ)と鬼太郎を身ごもっていた妻を水木に託す辺りは切なくてちょっと涙目。
オリジナル版を観たときに泣きそうになったかどうかは覚えていません。
 
「どこがちゃうねん」と思いながらの2回目でしたが、観に行ってよかったです。

—–

『ふれる。』

『ふれる。』
監督:長井龍雪
声の出演:永瀬廉,坂東龍汰,前田拳太郎,白石晴香,石見舞菜香,
     皆川猿時,津田健次郎,江口拓也,大塚芳忠,平野文他
 
仕事帰りにイオンシネマ茨木にて2本ハシゴの1本目。公開初日でした。
 
『空の青さを知る人よ』(2019)の長井龍雪。
余談ですが、私はこの監督の名前を見ると必ず永井龍雲を思い出し、
その瞬間から頭の中で“道標(しるべ)ない旅”が回りはじめます。って、前にも書いていますね(笑)。
 
メインの声を担当するのが永瀬廉坂東龍汰前田拳太郎の3人。
私が認識できている顔は永瀬廉だけだなと思っていたけれど、あとの2人の出演作も観ているじゃあないか。
全国のTOHOシネマズでは舞台挨拶中継付きの上映回があるのを知り、
伊丹まで行こうかと思わなくもなかったのですが、ハシゴの都合でそれはパス。
 
子どもの頃、思いを口にすることが苦手だった小野寺秋は、暴力で体現しようとするため問題児扱いされていた。
そんなとき秋が見つけた不思議な生き物。ハリネズミのような風貌のそれは、古くから島に伝わる“ふれる”と呼ばれる生き物だった。
触れた者同士が手を繋ぐなどして互いの体に触れ合えば、口に出さずともお互いの心の声を聴けるのだ。
偶然にもふれるに触れた秋と祖父江諒と井ノ原優太は、以降お互いの気持ちを簡単にわかり合えるおかげで親友に。
 
20歳になった3人は、島を出て東京・高田馬場で共同生活を始めていた。
料理が得意な秋はみんなの食事をつくり、料理も出すバーでバイト。
不動産会社に就職した諒は、パワハラ上司のもと頭を下げてばかりの毎日。
デザイナー志望の優太は、服飾専門学校にかよっている。
 
ある日、女性がひったくりに遭う瞬間を見た秋は犯人を追いかけ、彼女の鞄を取り戻す。
いたく感激する彼女がお礼を言う間もないほどとっととその場を去る秋。
後日、秋の住まいを探し出したその女性・浅川奈南(なな)が親友の鴨沢樹里と共に来訪。
 
3人が住む一軒家に部屋が余っていることを知り、奈南と樹里はしばらく同居させてほしいと言う。
なんでも奈南はストーカーに狙われているらしく、ここなら安全だろうと。
安請け合いをする諒にむっとしながらもその話を受け入れる秋。
一方の優太は以前同じ服飾専門学校にかよっていたという奈南にぞっこんで……。
 
秋の視点の物語です。
上手く話せないせいで友達がいないどころか誰からも遠ざけられていた秋。
ふれるのおかげで親友になった諒と優太は、秋にとって非の打ち所のない人物たち。
私はこの時点でちょっとした違和感をおぼえました。
だって、ふれるが現れるまでは、諒も優太もいじめとまでは行かずとも秋を執拗にからかっていたのですから。
そんなふたりが悪い感情を微塵も持たない人物とは考えづらい。
 
話が進んでみれば、やはりそうではなかったことがわかります。
ふれるは、人の心を伝える役目を果たしてくれているけれど、実は良い感情と悪い感情をふるいにかけている。
嫉妬などの気持ちは伝えないばかりか、相手が聞きたくないであろう気持ちは伝えない。
それが悪い感情ではなくて、「あの子のことが好き」だとか、「あいつと俺、つきあっているから」みたいなことでも。
 
聞きたくないことがいっさい入ってこないのですから、相手のことを出来た人物だと考える。
本当は腹黒い感情が渦巻いていることだってあるのに。
自分にとって都合の悪いことを聞かずに済むならつきあいは楽だ。
 
面白い設定だとは思いましたが、私はちょっとイライラ。
「言わなわからん」が信条のせいか、言わずにわかってもらおうという魂胆が嫌(笑)。
どれだけわかってくれていると思ったとしても、実はそうじゃなかったなんてこと、なんぼでもある。
わかってくれていると思いすぎるのはどうかと思うし、自分が相手のことを全部わかっていると思うのは傲慢だと思う。

—–

『野球どアホウ未亡人』

『野球どアホウ未亡人』
監督:小野峻志
出演:森山みつき,藤田健彦,井筒しま,秋斗,工藤潤矢他
 
インディーズ作品でありながら口コミで面白いと評判になり、シネコンでも上映中の『侍タイムスリッパー』
本作もやはり自主制作映画で、東京の劇場では1年という異例のロングランを記録したそうな。
ホンマに面白いのか確かめたくなって、“DVD発売&1年上映記念”上映中のシアターセブンへ。
 
夏子(森山みつき)の夫・賢一(秋斗)は草野球に夢中。
以前は仕事から帰るとくたくたに疲れて暗かったところ、草野球を始めてから見違えるように元気に。
それはありがたいことではあるが、妻としては夫が明けても暮れても野球という状況が面白くない。
所属するチーム“多摩川メッツ”の監督・重野(藤田健彦)を神のように崇めているのもどうかと思う。
 
その日もグラウンドへ向かう賢一を努めて明るく送り出した夏子。
ところが、特訓を受けた賢一は、重野が放ったボールに頭部を直撃されて運悪く死んでしまう。
打ちひしがれる夏子の前に重野が現れ、夏子には類いまれな野球の才能があると言う。
断固拒否する夏子だったが、賢一に借金があることを明かされ、その形(かた)に野球をせざるを得なくなる。
 
最初は重野に反抗的な態度を見せるも、やがて野球の面白さに取りつかれ猛然と練習する夏子。
重野の厳しい特訓にも耐え、投手として才能を開花させるのだが……。
 
いわば昭和のスポ根。
「野球漫画とポルノ映画のエッセンスを掛け合わせた」とのことだけど、エロは無し。
お色気要素を期待して観に行くような作品じゃありませんが、そっちに行くのか!?と思うようなまぎらわしいシーンもあります。
野球をするように詰め寄る重野に押し倒されたときに「後生だから体だけは」と身をよじる夏子には笑った。
「後生だから」って。何もせぇへんっちゅうの(笑)。
 
応援上映なども企画されたことがあるようで、それはさぞかし楽しかろうと思います。
ただ、私は一度でじゅうぶんかなぁ。
ツッコミどころは満載ですから、ひとりで観に行くよりも何人かで観に行って「オイッ!」と言うのがいいかも。
 
なんにせよ、インディーズ映画界で頑張っている人たちを応援したいです。

—–

『Cloud クラウド』

『Cloud クラウド』
監督:黒沢清
出演:菅田将暉,古川琴音,奥平大兼,岡山天音,赤堀雅秋,吉岡睦雄,三河悠冴,
   山田真歩,矢柴俊博,森下能幸,千葉哲也,松重豊,荒川良々,窪田正孝他
 
前述の『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の後、同じくイオンシネマ茨木にて。
 
これまたちょっと苦手というのか、私にはあまり面白いと思えない黒沢清監督。
面白いとは思えないどころか、『クリーピー 偽りの隣人』(2016)なんて大嫌いでしたからね。
それでもオリジナル脚本というだけで凄いと思うし、スルーはできないから観ますけど。
 
クリーニング工場に勤める吉井良介(菅田将暉)は上司の滝本(荒川良々)から高く評価され、
将来の幹部候補と見込まれているが、吉井自身にはその気なし。
帰宅後はパソコンの前に座り、値上がりしそうな商品を見つけては買って転売を繰り返す。
高値で転売することができたときは至上の喜びを感じる。
 
これを仕事にしたいと考え、吉井はついにクリーニング工場を辞めて転売業に専念。
いわゆる“転売ヤー”になろうと会社“ラテール”を興し、東京を離れて群馬の山中に事務所兼自宅を構える。
恋人の秋子(古川琴音)と暮らしはじめ、助手を希望する佐野(奥平大兼)を雇い入れる。
 
ところが、ラテールの商売が軌道に乗った途端、何者かが家に鉄の塊を投げ込むなどの嫌がらせを受けるように。
警察に届けに行くと、転売ヤーであることを揶揄され、偽ブランド品を売っているのではと疑われる。
しかもその噂は宅配業者からもたらされているらしく、この土地の人間を信用できなくなる。
売れた商品の発送をここの宅配業者に任せることは危険だと、吉井は自ら東京まで出向くことにする。
 
やがてここでの生活に飽き飽きした秋子が家を出て行く。

商売が思い通りに行かず、イライラを募らせる吉井は佐野をも解雇してひとりきりに。

すると、吉井に恨みを持つ人々がネットで集結して襲撃を計画し……。
 
吉井を襲撃するメンバーは、同じ転売ヤーの村岡(窪田正孝)とか、
ただむしゃくしゃしている三宅(岡山天音)とか、電子器械を吉井に買い叩かれた殿山宗一(赤堀雅秋)とか。
確かに吉井は誰のことも見下している態度でいけ好かない奴ではあるけれど、
殿山は不良在庫になりそうな商品を吉井に売り渡したのだし、村岡のじゃまなんてしていない。
滝本に至っては、吉井が仕事を辞めたことを恨んでいます。それを恨まれても。
 
拉致監禁されて殺されそうな勢いの吉井を助けにくるのが佐野。
彼がいったい何者なのかはわからないままで、彼に銃などを調達する松重豊の正体も不明。
けれど信用できるのは佐野だけで、まさかの秋子まで吉井の金を狙っていただけという展開。
いったいどういう話にしたかったのか。
 
誰が信頼に足る人かもっとちゃんと見極めましょうということか。
そして、怪しげな組織に助けてもらったらそれが地獄の入口ですってこと!?
 
菅田将暉よりもむしろ奥平大兼がカッコよかった。
彼は若手の注目株ですね。今後も楽しみ。

—–