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『カッティ 刃物と水道管』

『カッティ 刃物と水道管』(原題:Kaththi)
監督:A・R・ムルガダース
出演:ヴィジャイ,サマンタ,ニール・ニティン・ムケーシュ,サティーシュ他
 
前日観た5回目の『JUNG KOOK: I AM STILL』がこの日で上映終了。
再び109シネマズ大阪エキスポシティに行きたくなるところ、
こんなにジョングクに入れ込んでいてはいかんと思い直し、塚口サンサン劇場へ。
 
ヴィジャイ主演、ちょうど10年前の2014年のタミル語作品。
このときは「若大将」と呼ばれていたヴィジャイも今は50歳。
ずっと「大将」であることは変わらないようです。
ヴィジャイとラジニカーントはタミル語映画界で興行収入のトップを競い合うスターらしい。
 
その監督A・R・ムルガダースがそれより前に同じくヴィジャイを主演に起用して撮ったのが本作。
 
コルカタの刑務所に収監されていた大泥棒の“カッティ(=「刃物」の意)”ことカディルは、
脱走した囚人の逃走経路を刑務所長から相談されて解き明かしてみせるが、そのついでに自分が脱獄
刑務所内は騒然とするも、カディルは上手く逃げおおせて行方がわからず。
 
親友ラヴィの協力を得て、まずチェンナイへと渡り、その後バンコクへ高飛びするつもり。
ラヴィは抜かりなくチケットを手配し、カディルと共にすぐ出発しようとする。
ところが、空港でタイプの女性アンキタと出会ってひと目惚れ。
なんとカディルはチケットを破り捨て、アンキタとデートにこぎつけてみせると自信満々。
 
その夜、橋の上にいたカディルとラヴィは、下を走っていた車の運転手が銃撃されるのを目撃。
慌てて駆けつけてみると、その運転手がカディルと瓜二つ。
咄嗟にこの男性を自分の身代わりにして脱獄囚に仕立て上げることを思いつく。
病院で目覚めたこの男ジーヴァは、傷の手当てはされているものの手錠を嵌められていることにビックリ。
 
アンキタには見事に振られたカディルはいよいよ本当にバンコクに行くはずが、
ジーヴァがターヌートゥという村の出身であり、農民たちを守るべく戦っていることを知る。
ターヌートゥのみならず、地方の村の水源は多国籍企業に狙われて困窮を極め、
ここでは生きて行けないと若者たちは村を去るから、残されているのは老人ばかり。
ジーヴァは老人たちが安心して暮らせるよう、老人ホームも建てていた。
 
この村の乗っ取りを狙う多国籍企業のオーナー、シラグを相手にジーヴァは訴訟を起こしている。
まもなく裁判が開かれるらしく、シラグはジーヴァのなりすましカディルを買収しようとする。
一旦は金を受け取って逃げようとするカディルだったが、農民たちに会って気持ちが変わり……。
 
ボリウッドらしく170分の長尺。踊りのシーンもそれなりにあるけれど、序盤はちょっと退屈。
けれどカディルが農民たちのリーダーとなって戦う決心をしたところからはすごくいい。
 
そっくりさんの代わりに刑務所へ送り込まれたことを知ったジーヴァが、
冒頭カディルのせいで脱獄に失敗した囚人にそそのかされて逃走し、村を目指します。
善人だけど弱っちいジーヴァと、喧嘩にめっぽう強いカディル。
シラグが50人の手下を送り込んでジーヴァ(のふりをしているカディル)を殺そうとするも、
ラヴィの絶妙な助けによって全員なぎ倒しちゃうのですから、最高。
 
村を潰してでも金を儲けたい多国籍企業と、自分の国のことなのに田舎には興味がない都会の人。
メディアに訴えようとしても、集団自殺でもしないかぎり取り上げてもらえない。
命懸けで水を止める老人たちを見て、都会の人も初めて田舎の村のことを考えはじめます。
 
「多国籍企業による環境破壊問題と農民の窮状、それを報じない報道機関の責任を世に問うた」として、
批評家にも高く評価されつつ、きっちりと娯楽作品。さすがです。
 
余談ですが、ものすごく驚いたこと。
本作冒頭のコルカタのシーンで音声が二重に聞こえます。
私の耳がおかしいんかと思ったら、どうも吹替の音声とかぶっていてしかも微妙にずれている。
おそらくテルグ語かヒンディー語か、どれかわからんけどインドの何語かなのでしょう。
吹替版の作り方どんだけ雑やねんと思って笑ってしまいました。

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『アイミタガイ』

『アイミタガイ』
監督:草野翔吾
出演:黒木華,中村蒼,藤間爽子,安藤玉恵,近藤華,白鳥玉季,吉岡睦雄,
   松本利夫,升毅,西田尚美,田口トモロヲ,風吹ジュン,草笛光子他
 
109シネマズ大阪エキスポシティで5回目の『JUNG KOOK: I AM STILL』を観たあと、
109シネマズ箕面で21:35からの本作を観るべく移動。
 
中條ていの同名連作短編小説を『世界でいちばん長い写真』(2018)の草野翔吾監督が映画化。
彼は『九月の恋と出会うまで』(2019) の脚本家でもあります。
 
ウェディングプランナーの秋村梓(黒木華)は、恋人の小山澄人(中村蒼)との結婚を迷っている。
澄人はいい奴だが頼りない。だからというよりも、両親が離婚している梓は結婚したくないのだ。
そんな澄人のことを相談できる友だちはただひとり。
カメラマンとして活躍する郷田叶海(藤間爽子)で、いつも梓の想いに寄り添ってくれる得がたい親友。
 
ところがその叶海が海外出張中に事故に遭い、亡くなってしまう。
気持ちの整理をつけられずに、もうこの世にはいない叶海のスマホにLINEを送り続ける梓。
 
一方、叶海の両親は、ある児童養護施設から叶海宛てのカードを受け取る。
妻の朋子(西田尚美)は悪い冗談だと思い、不快感をあらわにするが、
夫の優作(田口トモロヲ)がその施設に連絡を試みると、所長の羽星勝(松本利夫)から折り返し電話がある。
羽星によれば、叶海は季節のイベント毎に施設を訪れ、子どもたちと交流を深めていたらしく……。
 
こんな話に加えてもうひとつメインとなるのは、梓のおばである稲垣範子(安藤玉恵)が絡む話。
訪問ヘルパーの範子が最近担当するようになったのは、独り暮らしの小倉こみち(草笛光子)。
上品だけど気難しげなこみちの機嫌を損ねて担当から外れるヘルパーがいたから、範子はドキドキ。
けれどこみちに気に入られて、こみちがかつてピアノを弾いていたことを知ります。
 
ここからどんどん人が繋がって行く。
範子が梓にこみちを紹介し、こみちがある会場でピアノを弾き、その会場にはまた別に繋がる人がいる。
澄人の電車の中でのおこないがどこに繋がっていたかがわかったときには泣き笑い。
タイトルの「アイミタガイ」とは、梓の父方の祖母(風吹ジュン)から聴く言葉。
「押しつけがましくないお互いさま」みたいなイメージが湧きました。
 
私もが亡くなってからいろいろな繋がりに恵まれ、救われました。
特に本作の舞台はかつて弟が住んでいたことのある桑名市だったため、余計に胸に響きました。
帰宅後、仏前に「桑名の話だったよ」と報告。弟に聞こえたかなぁ。

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5回目の『JUNG KOOK: I AM STILL』

あちこちで上映が終了するなか、109シネマズ大阪エキスポシティではまだ上映しているぞ(先々週時点)。
短期間でこんなにリピートした作品がありましょうか。
だけど上映している劇場があるからには行っておかないと後悔しそうで。
 
5回目の『JUNG KOOK: I AM STILL』もParty Edition版。
1週目から4週目まで毎週観に行って、入場者特典をゲットしていました。
しかし私自身はもう何も集める気はないから、仲良しの姉さんに託す。
姉さんはそれをメルカリに出品し、売り上げは姉さんと私の遊び代として蓄えます。
 
4回目を観終わったとき、Spotifyでさんざん聴いているにもかかわらず、
ついにCDまでほしくなって買ってしまいました、“GOLDEN”を。
笑う姉さんを「一度くらい一緒に観ませんか。4週目の特典がまだ残ってるかもしれんし」とお誘い。
結局特典はもうないことがわかったのがオンラインでチケットを予約した後。
せっかく2セット売るつもりだった姉さんは「えーっ」と言うも、観てほしい。
 
上映終了後、姉さんが「これはハマるのわかるわ」。やっほー。
そうでしょ、めっちゃ可愛いでしょ。
メイクしてシュッとした姿だけのジョングクなら私はこんなに好きにならなかったかも。
そうじゃないときがとにかく可愛いのです(笑)。
 
ファンの人はもちろんのこと、ファンじゃない人にも気に入ってもらえると嬉しいと話すジョングク。
はい、もうめちゃくちゃ気に入りましたとも。
いいかげんに上映終了してくれませんかね。まだ続くのはホント困るんですけど。

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『シン・デレラ』

『シン・デレラ』(原題:Cinderella’s Curse)
監督:ルイーザ・ウォーレン
出演:ケリー・ライアン・サンソン,クリッシー・ウンナ,ダニエル・スコット,
   ローレン・バッド,ナターシャ・トシーニ,サム・バレット他
 
なんばパークスシネマにて『シングル・イン・ソウル』を観た後に。
 
予告編開始とほぼ同時に入場したのですが、えっ、客ほかにおらんやん。
本編が始まるまでにきっと誰か入ってくるよねと思ったのに、誰も来ないじゃあないか。
まさかの今年11度目の“おひとりさま”
「映画館でひとりきりなんて怖くない?」と聞かれるたびに、
「知らんオッサンとふたりになるよりもひとりのほうがよっぽどいい」と答えてきましたが、
こんなスプラッタホラーでひとりきりは怖いじゃあないか。
そういえば『憑依』もひとりで観たけれど、大丈夫だった。じゃあ大丈夫かしら。
 
『プー あくまのくまさん』(2023)の製作陣が『シンデレラ』をモチーフに撮ったホラー作品。
今年は『メリーおばさんのひつじ』なんてのもありました。
童話を基にめちゃくちゃなホラーを作れば当たると思っているんじゃないでしょか。
 
エラは意地悪な継母とその娘である姉妹、イングリットとハンナにいじめぬかれる毎日。
召使いのアーニャとその息子モーリッツと過ごす時間だけが救いだが、その時間さえもほとんどない。
 
ある日、城からレヴィン王子一家がやってくる。
王子の嫁にふさわしい女を捜しに来たらしく、イングリットとハンナのみならず、
用足しに行ったときに見かけたエラのことを「あの灰かぶり姫のシンデレラ」と呼び、
彼女にも一緒に舞踏会に来てほしいと招待する。
 
継母は苦い顔をして、エラの代わりにアーニャを痛めつけると、
断末魔のアーニャへの最後のひと突きをエラにさせる。悲しみに暮れるエラ。
そんなエラにイングリットとハンナは「王子が好きなのはアナタよ」と期待を持たせる。
嫁に選ばれるのは自分だと思い込んだエラは有頂天に。
 
しかし舞踏会当日、継母はエラを連れて行こうとしない。
屋敷にひとりでいたエラの前に現れたのは、フェアリーゴッドマザー。
願いを3つ叶えてやると言われ、エラは舞踏会に行くことを希望するのだが……。
 
極めて下品で、悪趣味もいいところです(笑)。
嫁選びの基準として王子の両親が挙げるのも「あの尻がいい」とか「胸はどうだ」とか。
 
そもそも王子とイングリットはデキていて、すべてふたりの策略。
田舎者のエラをからかって遊んでやろうという魂胆で、
舞踏会にのこのことやってきたエラをほかの客たちの前に差し出し、
みんなで殴る蹴るの袋叩きにしたうえに、服を破って全裸にしてしまうというおぞましさ。
こんな作品でヌードをさらす女優って悲惨じゃないでしょか。(–;
 
もちろんエラの願いは叶って、舞踏会場に居合わせた客を皆殺しにする勢い。
逃げ出した継母とイングリット、ハンナ、王子を追いかけ、屋敷で順番に殺して行きます。
ハンナ→イングリット→王子の順で最後は継母を。
ガラスの靴のヒールで姉妹の顔面を打ち抜くところなんてえげつない(笑)。
 
復讐を遂げたらフェアリーゴッドマザーに仕える約束だったのに、
その段になると「もう奴隷になるのは嫌なの」とフェアリーゴッドマザーすら殺害します。
えっ、殺せるもんなの?フェアリーゴッドマザーって。(^^;
 
残念なのは、エラ役のケリー・ライアン・サンソンが全然綺麗じゃないこと。
ハンナ役のナターシャ・トシーニはちょっと背が低すぎるけどブレイク・ライヴリー似の美人。
てか、もしかするとイングリット役のローレン・バッドが長身すぎるのか。
彼女はキーラ・ナイトレイに似た美人で、エラ役がどう見てもいちばん可愛くないんですよねぇ。
これじゃとてもじゃないけどエラ/シンデレラを応援する気持ちにはなれませぬ。(T_T)
 
追記:ナターシャ・トシーニの身長を調べたら、147cmでした。
   ローレン・バッドは180cmですって。そりゃ並んだら身長差ありすぎ。

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『シングル・イン・ソウル』

『シングル・イン・ソウル』(英題:Single in Seoul)
監督:パク・ボムス
出演:イ・ドンウク,イム・スジョン,イ・ソム,チャン・ヒョンソン,
   キム・ジヨン,イ・サンイ,イ・ミド,チ・イース,ユン・ゲサン他
 
五十日(ごとび)っていつの時代になっても道が混むんですよね。
そんな日にミナミまで車で行かんでもええやんと思いつつ、
本作のことが気になってなんばパークスシネマへ。18:45上映開始なら五十日の新御でも間に合う。
 
「街の本出版社」という小さな出版社編集長を務めるヒョンジン(イム・スジョン)は、
仕事の面では辣腕を振るう有能な編集者だが、恋愛に関してはからっきし駄目。
男性との距離がわからず、いつも勘違いしてはひとりよがりな恋に撃沈してばかり。
 
ソウルバルセロナそれぞれでシングルライフを送る作家のエッセイ本企画が出る。
バルセロナ版を執筆することになったのは、あちら在住の韓国人で売れっ子の女性作家ホン(イ・ソム)。
一方、ソウル版を頼むはずだった作家は妊娠が判明し、企画のテーマにそぐわないと降板。
社長のジンピョはこの機会に新人作家を発掘しようとSNSに当たった結果、
塾講師で独身イケメン男性のヨンホ(イ・ドンウク)を発見。写真も文章もセンスの良さを感じさせる。
 
会ってみればヨンホはヒョンジンと同じ大学の先輩。
ヨンホの本をヒョンジンが担当することになるが、「独身もいい」というスタンスで書いてほしいのに、
「独身がいい」としか言いたくないというヨンホ。
編集担当者を変えてほしいとジンピョに直訴するも、有能な編集者だからと言いくるめられる。
 
こうしてああだこうだと言いながらも執筆を続けて……。
 
全然売れそうにない話を書くヨンホに、ヒョンジンは初恋の話を書くように勧めます。
この段階で、バルセロナ版を書く女性作家がヨンホのその相手だろうという推測が観客にはつくでしょう。
世の中がそこまで狭いわけはなく、これは社長の策略だということも。
「なんとバルセロナ版とソウル版の作家が初恋の相手同士だった」と宣伝して売りたいわけです。
しかしヨンホがそれに気づく由もなく、ヒョンジンも社長から聞かされていないから知らない。
どちらの原稿もできあがったときにようやく真相を知ることになって怒ります。
 
最初は合いそうにもなかったふたりがお互いを意識しはじめて恋に落ちる話は珍しくもありませんが、
本好きとしては、出版に絡む話がいろいろ聞けて楽しかった。
なぜ編集者になったのかと問われたヒョンジンが、「大学を出てなんとなく就職したけれど、
あるとき自分が編集した本を読んでいる人を見かけてたまらぬ嬉しさを感じた」と話すシーンがあります。
ヨンホのエッセイ本はさほど評判よくなく売れなかったものの、
彼の本を携えた人がサインを求めてきて、大好きであることを伝えてくれたとき、
ヨンホにもあのときのヒョンジンの気持ちがわかったようで、その表情がとてもいい。
 
後味の良い作品です。こうしてまた本が好きになる

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