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『インクレディブル・ファミリー』

『インクレディブル・ファミリー』(原題:Incredibles 2)
監督:ブラッド・バード
声の出演:クレイグ・T・ネルソン,ホリー・ハンター,サラ・ヴォーウェル,ハック・ミルナー,
     サミュエル・L・ジャクソン,ブラッド・バード,ソフィア・ブッシュ他

吹替版を上映している劇場はたくさんあるけれど、
字幕版は上映しているとしても夜の時間帯2回だけとかの劇場がほとんど。
そんななか、TOHOシネマズ梅田は字幕版の上映もわりと多い。
ただし、あの見にくいスクリーンのうちのひとつ、シアター6です。

前作『Mr.インクレディブル』(2004)からもう14年。
当時40代だったブラッド・バード監督もすでに還暦。
30歳のときには『ニューヨーク東8番街の奇跡』(1987)の脚本を執筆。
私の大好きだった『レミーのおいしいレストラン』(2007)は
原案から脚本・監督に至るまで全部この人。
監督するのはアニメ一辺倒かと思いきや、
『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(2011)で実写初挑戦。
『ジュラシック・ワールド』(2015)には役者として出演。
どれもこれも楽しい作品です。

スーパーヒーローとして街の平和を守ってきたパー一家。
父親は“Mr.インクレディブル”のボブ。母親は“イラスティガール”のヘレン。
長女ヴァイオレットと長男ダッシュもそれぞれにスーパーパワーを持つ。

ある日、街を襲うアンダーマイナーから人々を救うために戦うが、
破壊行為を咎められ、ヒーローとしての活動を禁じられてしまう。
意気消沈する一家に、ヒーローの復活をかけたミッションの話が舞い込み、
先方の指名により、イラスティガールのヘレンが出動することに。

自分が出動したかったボブだが、そこは気持ちを抑え、
ヘレンが不安なく任務に就けるよう主夫としてサポートを決意。
家事に育児にと励むが、次男ジャック・ジャックはまだ赤ん坊で、
そのスーパーパワーは未知数なものだから、ボブは悪戦苦闘。

一方、ヒーローとして再び活躍するヘレンは、ある陰謀に巻き込まれ……。

字幕版だったせいもあり、アニメながら客の年齢層はわりと高め。
若くても30代といったところではないでしょうか。

アクションシーンはスピードとスリル満点。
インクレディブル・ファミリーそれぞれのキャラも良いし、
彼らと行動を共にするフロゾンも最高。

ボブのヘレンに対する嫉妬心や劣等感がさりげなく描かれていて、
家事と育児に「がんばっていますアピール」が若干強かった『未来のミライ』よりずっとイイ。
観客席のそこら中から楽しげな笑いが漏れていて、鑑賞の雰囲気も満点でした。

ジャック・ジャックが可愛すぎる。
ちなみに、ブラッド・バード監督は本作では声も担当しています。
キャラ強烈なデザイナー、「エドナおばたん」役として。
エドナとジャック・ジャックのコンビ、めっちゃ楽しい!
—–

『劇場版 コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』

『劇場版 コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』
監督:西浦正記
出演:山下智久,新垣結衣,戸田恵梨香,比嘉愛未,浅利陽介,有岡大貴,成田凌,
   新木優子,馬場ふみか,新田真剣佑,かたせ梨乃,山谷花純,椎名桔平他

父が白内障の手術を受けるというので、送迎のために休みを取りました。
手術は午後だったから、早起きして映画を観に行くつもりだったのに、
なんとなくダラダラしてしまって午前中に映画1本も観られず。
手術後に父を実家へ送り届けたあと、半永久的に予約している食パンを取りに箕面へ。
ここでそのまま帰りたくなってしまうところ、TOHOシネマズ伊丹へ向かう。
こうしてほとんどヘロヘロになりながら本作を鑑賞。

大ヒットTVドラマシリーズだそうですが、私は一度も観たことなし。
けれど初日からえらい混みようで、いかに人気があるのかがわかります。

地下鉄トンネル崩落事故から3カ月、と言われても観ていないからわからない。(^^;
とにかくそういう設定。

フライトドクターの藍沢(山下智久)、白石(新垣結衣)、緋山(戸田恵梨香)、
藤川(浅利陽介)、フライトナースの冴島(比嘉愛未)は、
フェロー時代から10年間を一緒に過ごしてきた仲間。
それぞれに旅立つときが近づいている。

そんな折り、成田空港、東京湾の海ほたると立て続けに事故が起こり、出動要請が。
藍沢ら5人は、後輩のドクターやナースたちとともに
ドクターヘリに飛び乗ると、現場へと急行するのだが……。

TV版を一度も観たことがないので、思い入れがありません。
ただ、思うのは、女性ドクターやナースが揃いもそろって綺麗、可愛い。
タイプのちがう美人揃いだから、好みを見つけるのが楽しそう。

もっと山Pが主役を張っている感じなのだと思っていたら、
5人それぞれにきちんと出番があって、TV版もそうだったのだろうと推測します。
椎名桔平演じる橘はいつも良い上司なんでしょうね。

かたせ梨乃演じる雪村(馬場ふみか)の母親はちょっとどうだか。
頭に包丁突き刺してるアル中って。(–;
演技自体も大げさに感じて、この親娘関係には心を動かされませんでした。

TVドラマの拡大版でしかない印象は否めませんが、
TV版のファンにとってはそりゃ嬉しいでしょう。
これで終わりだと思ったら寂しいだろうなぁ。

緋山の台詞、「あんたは私の親友だから」にはグッと来ました。
「親友」って、なかなか使えない言葉だから。
—–

『マイナス21℃』

『マイナス21℃』(原題:6 Below: Miracle on the Mountain)
監督:スコット・ウォー
出演:ジョシュ・ハートネット,ミラ・ソルヴィノ,セーラ・デュモント,
   ジェイソン・コットル,ヴァシ・ネドマンスキー他

実は、雪とか氷とか寒そうなところの話が好きです。
この日は極寒の中の話2連発、『ウインド・リバー』の次に、
同じくシネ・リーブル梅田にて。

シチュエーションスリラーが大好きです。これとかこれとかこれとか。
中でもバカウケしてしまったのが『フローズン』(2010)。
悲惨すぎて大笑いしたのを思い出しますが、
この『マイナス21℃』は実話だというので、笑うに笑えず。

プロのアイスホッケー選手エリックは、まだまだ活躍できるというときに自ら辞めてしまう。
その後はドラッグに手を出し、ほとんどヤク中になったうえに交通事故を起こす。
7日後に裁判を控え、気分転換にシエラネバダ山脈へスノーボードへ。
ついドラッグに手を出しそうになりながらも、必ず出廷するからと母親に約束して。

天候の急変が危ぶまれるなか、単独で滑っていたエリックは遭難する。
たいした装備なく、体温はぐんぐん下がる。
耐えがたい空腹感に襲われ、体のいたるところに凍傷を負い、
夜になれば狼が近づいてくるし、幻覚にも悩まされる。

エリックが山に登る前にかけてきた電話を取らなかった母親は、
その後いくら電話をかけようとも出ない息子を心配しはじめる。
やっと突き止めた息子の宿泊先を尋ねると、着替えが減っている様子なく、
鏡には6日後に出廷することを記した文字。
彼の身に何かあったと確信する母親は、捜索を要請する。

その頃、エリックはたびたび諦めそうになる気持ちを奮い起こし、
とにかく電波を出し続けて誰かに気づいてもらおうと頂上を目指していたのだが……。

みんな生還すると思っていたら死んでしまった実話もありますが、
これはちゃんと生還するのでご安心ください。

凄い話だとは思うのですけれど、そんなにも軽装備で1週間以上も生きられます?
いや、実話だし、あんな格好で生き延びたから余計に凄いのかしらん。

ほんまに実話か?と訝りそうになる半面、
こりゃ実話だわと思うのは、生き延びるための工夫があまりないこと。
フィクションのシチュエーションスリラーならば、
生きるためにあれこれ考えますよね。あの手この手と工夫して。
ところがこのエリックは、ひたすら耐える、歩く、それだけ。
フィクション映画のように工夫するのは普通は無理でしょうから、
これだけ工夫がないのは実話なんだなぁと思えます。

途中、神を恨んで「俺が何をやったというんだ!」と叫ぶシーンがあります。
そこは思わずツッコミを入れたくなりました。
えっ、だって、スタンドプレーを咎められたことに腹立てて辞めたやん。
で、ヤク中になって、山まで来てからもヤクやっとったやん。
ほいでから、立入禁止の立て看を無視して斜面に入ったやん。
それで「何をやったというんだ!」と言われても。やっとるがな。

それでも凄いとは思うのですけれど、最後が説教臭いのは残念。
こうして立派に人生を歩んでいるとかいうのは見ればわかること。
わざわざ言葉にされるとかなり(ものすごく)冷めちゃいます。

万が一遭難したら、雪を食べたらあかんというのは勉強になりました。はい。
久々にジョシュ・ハートネットに会えたのも嬉しかったから、まぁいいや。
—–

『ウインド・リバー』

『ウインド・リバー』(原題:Wind River)
監督:テイラー・シェリダン
出演:ジェレミー・レナー,エリザベス・オルセン,ジョン・バーンサル,
   グレアム・グリーン,ケルシー・アスビル,ギル・バーミンガム他

たいして長期間ではないけれど、ダンナがまた海外出張中。
父が白内障の手術をするというので病院まで送迎したり、
ダンナ実家へいつものように食パンを配達したりと、
ひとりで羽伸ばし放題というわけにもいかないのですが、見つけた時間は大事に。
最近はそうして時間を見つけてもついついまっすぐ帰りたくなってしまうから、
出勤直後に「今日は映画を観に行くから、千里中央まで送る」と同僚に宣言。
こうして宣言しておけば、梅田に向かって車を走らせる気持ちを維持できる。

シネ・リーブル梅田にて。

主演のふたりはいずれも“アベンジャーズ”のメンバーで、
ジェレミー・レナーホークアイエリザベス・オルセンスカーレット・ウィッチ
そんなふたりをこんなミニシアター系サスペンスの秀作で見られるのは嬉しい。

監督は『ボーダーライン』(2015)の脚本家テイラー・シェリダン。
もとはテレビドラマに多く出演している俳優だそうで、
初めてメガホンを取った『バウンド9』(2011)は日本では未公開だったから、
映画監督としての日本デビューは本作と言ってよいのでしょう。
月が替わってしまいましたが、先月の私のNo.1です。

米国中西部ワイオミング州にある、ネイティブアメリカンの保留地ウインド・リバー。
コリー(ジェイミー・レナー)は、野生生物局の職員として活動する優秀なハンター。

ある日、保留地内で飼育されていた牛がピューマに襲われたため、コリーが始末に出向く。
ピューマを追ううちに見つけたのは、雪の上で凍りついている少女の死体。
彼女はネイティブアメリカンの娘ナタリーで、コリーの娘エミリーの親友だった。

コリーは直ちに地元の警察署長ベンに通報、ベンからFBIへ。
FBIが寄越したのは新米の女性捜査官ジェーン(エリザベス・オルセン)、ただひとり。
保留地での事件の重要性なんて、世間にとっては常にこんなもの。
コリーとベンのあきらめ顔に反して、ジェーンは意外と熱い。

検死の結果、ナタリーは生前にレイプされていることが判明。
犯人から逃げようと極寒の中を懸命に走りつづけ、
マイナス30℃の冷気を吸い込んで肺出血を起こし、死に至ったらしい。
死因がそれだと殺人事件にはならないせいで、FBIの増援は受けられない。
ひとりで捜査することを余儀なくされたジェーンは、
この土地に詳しいコリーに協力を求めるのだが……。

事件自体は悲惨だけれどもシンプル。
若い女性が強姦殺人に遭い、FBIと地元の住人が犯人を捜す。それだけです。

しかし、それが起きた土地にまつわる話がつらすぎる。
何も悪いことなんかしていないのに、何もかもを取り上げられ、
一方的にひとところに追いやられたネイティブアメリカンたち。
そこで何が起きようとも、真剣に捜査された試しなどない。

コリー自身は白人ですが、妻はネイティブアメリカン。
義父や地元の人びとと心を通わせているものの、
彼にも何やら悲しい過去がある様子で、それが少しずつ明らかにされます。

生き残るためにはあきらめなければならなかった人たち。
どうか、こうして暮らしてきた人たちがいることを忘れないで。

心まで凍てつくような物語。
—–

『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス』

『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス』(原題:Buena Vista Social Club: Adios)
監督:ルーシー・ウォーカー

ちょうど映画1本分ぐらいの時間がひょこっとできました。
妙な動きをする台風到来の日で、あと数時間でJRが止まることも知らずに劇場へ。
どっちみち晩ごはんをとるお店まで行けば、帰りは車です。
もちろん私はお酒を飲みますから、運転するのは下戸のダンナ。(^o^)
大阪ステーションシティシネマにて。

名ギタリストとして世界に名を馳せるライ・クーダーがキューバに旅行、
そのときに現地の年老いたミュージシャンたちとセッションをしました。
ミュージシャンたちの大半は、かつて実在した会員制音楽クラブ、
“ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ”の会員だったので、
制作したアルバムのタイトルにそのまま採用。1997年のことでした。

これに興味を引かれたのが、ライ・クーダーの友人であるヴィム・ヴェンダース監督。
ドキュメンタリー作品『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(1999)を撮ったら大ヒット。
一躍有名になった老ミュージシャンたちはワールドツアーを組むまでに。
音楽の聖地カーネギーホールでの演奏も果たしました。

あれから20年近くが経ち、そもそも高齢だったミュージシャンたちのうち、
ひとり、またひとりと他界。
女性ボーカルで今も健在のオマーラ・ポルトゥオンドは
“ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ”として最後のワールドツアーを決意。
かつての映像を交えながら、メンバーの音楽と共にあった人生、
そしてキューバ音楽の歴史をたどる作品です。

貧困を極め、人種差別がはびこる国で、彼らが奏でつづけてきた音楽。
急にもてはやされるようになり、喜ぶと同時に戸惑いも見えます。
楽しげに踊る聴衆の姿を見て、「私たちの何がわかっているの?」という疑問をメンバーは持ったりも。

本作を観ると、音楽の楽しさを感じると同時に、切なさで苦しくなります。
亡くなる数週間前、数日前まで音楽を奏で続けた人たち。
最後の音は土の中で。最期まで音楽と一緒。
—–