『全員死刑』
監督:小林勇貴
出演:間宮祥太朗,毎熊克哉,六平直政,入絵加奈子,清水葉月,落合モトキ,
藤原季節,鳥居みゆき,護あさな,中村祐太郎,松田陸,一ノ瀬ワタル他
シネ・リーブル梅田で3本ハシゴの2本目。
実際にあった事件をモチーフにしています。
こんなタイトルの作品に、気分のよくなるものなんてありえないわけで、
観るかどうかしばし迷いましたけれども、
ならばなおさらDVDでは観る気が起きないだろうと思い、劇場にて。
2004年に福岡で起きた「大牟田4人殺害事件」。
ヤクザの組長一家4人が、別の家族とその友人の計4人を殺害。
加害者の4人とも死刑が確定(現在も収監中)。
家族単位で殺人事件を起こしても、主犯共犯がいるわけで、
家族全員が死刑となるのは異例らしいだそうな。
弱小ヤクザの組長・首塚テツジ(六平直政)と、その妻・ナオミ(入絵加奈子)、
長男・サトシ(毎熊克哉)、次男・タカノリ(間宮祥太朗)。
あるとき、タカノリが刑務所から出てくると、
もともと潤ってはいなかった組が、もはや首の回らない状態になっていた。
上納金も払えずに追い詰められていたテツジとナオミは、
近所の資産家パトラ(鳥居みゆき)から金を奪うことに決める。
ところがそれを聞いたサトシは、金を独り占めしようと考え、
ムショ帰りのタカノリを連れてパトラの家へ。
パトラは留守、次男のショウジだけが在宅。
クスリでハイになっていたタカノリは、ショウジを絞殺してしまう。
金庫を見つけて持ち帰るも、こじ開けると要らないものばかり。
ショウジを家出に見せかけて死体を処分。
パトラの長男・カツユキを見つけて金の在り処を聞き出そうとするのだが……。
はい、つまらなくはありません。
全然眠気に襲われることなく最後まで観ましたけれども、ものすごく不快な話。
一家まるごと、これほどまでに倫理観の欠如しているとは。
何を考えているのかまったくわからず、何も考えていないのかもと思えて、
共感できるシーンも台詞もゼロ。
次男の手記を基にしているそうです。
『消された一家 北九州・連続監禁殺人事件』より耐えがたいということはないだろうと思いますが、
この映画が次男本人の人格にとても忠実なのだとしたら、
こんな人の書く手記を読みたいとは思えない。それでも長男よりはマシか。
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