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3回目の『ボヘミアン・ラプソディ』

2回目を観たのが勤労感謝の日。
土曜日は映画を観る時間なく、日曜日を迎えました。
ほかに観たい作品はいろいろあったのですが、
ちょうどこの日曜日は大阪マラソンの開催日。
梅田まで車で行って渋滞に遭ったら嫌だから、伊丹で手を打つことに。
そうしたら、選択肢があまりない。
たいして興味のない作品を観るよりも、何度でも観たいこれがいい。
というわけで、3回目の『ボヘミアン・ラプソディ』
3回目ともなると、台詞もほとんど頭に入っています。
運命の人だと言われながら、バイセクシュアルだと打ち明けられ、
バイセクシュアルじゃなくてあなたはゲイよと答えるメアリー。
彼女が窓辺に向かって「私はいつもこう」と涙を流すシーン。
“I love you, Mary. But…”と、繰り返される“But”。
「つらいのは、あなたは何も悪くないということ」。ほんとにつらい。
フレディと父親が終盤に抱き合うシーンも当然泣けますが、
好きなシーンを挙げてみると、やはりなんらかの演奏シーンが圧倒的。
車を売り払って最初のアルバムをレコーディングするシーンのなんと楽しいこと。
音を右に左に振ったりドラムの上にコインをちりばめたりと、めっちゃ楽しそう。
“Bohemian Rhapsody”のレコーディングシーンでは、ブライアンとフレディの会話が好き。
「譜面どおりだな」「このパートは僕が作ったからね」「もっとロックンロールしろ」「望むところだ」とか。
フレディが、反対されるのを予想しながら「この次にオペラパートが来る」と言ったら、
ブライアンが目を輝かせて「I love it!」と言うところ。
ロジャーが「もっと高く、高く」と言われて「犬笛みたいだ」というところ。
4人がハモって笑い転げるシーンもめちゃくちゃ楽しい。
フレディの遅刻にしびれを切らしたブライアンが、
“We Will Rock You”のもととなるドンドンパッを始めるところ。
そこから繋がるライブシーンも最高。
あ、そうそう。演奏シーンじゃないけれど、
歌詞がショボいとからかわれたロジャーが怒って
そこらのものを次々にブライアンとディーキーに投げつけるとこ。
ふたりが声を揃えて「コーヒーマシンは止めとけ!」と叫ぶのには3回目も笑いました。
ひそかにイイのが弁護士のマイアミことジム・ビーチ。
フレディに“マイアミ”と命名されたときに「常に背後に陽が落ちる」というスベる台詞が笑えるし、
「オペラ、私も好きだよ」とさりげなく援護射撃する良い人。
フレディが勝手にマネージャーのジョン・リードをクビにした後、
いきなりマネージャーを命じられて保留。
ディーキーがベースでリフを奏ではじめるのを聴いて
「マネージャー、引き受けるよ」と言うときも可笑しい。誰も聞いてないし(笑)。
彼がライヴ会場で小さく声を合わせて歌うシーン、ボリュームを密かに上げちゃうシーンも大好きです。
トム・ホランダー、いい声していますよねぇ。
出演作をいっぱい観てきたはずなのに、いい声だなんて思ったことなかった。
バンドのメンバーでもないのに、弁護士役のときにいい声だと気づかされるなんて。
喧嘩別れした彼らがジムの事務所で会うシーンも好きです。
深刻でもユーモアの効いた会話にクスッと笑ってしまうことしばしば。
TOHOシネマズ伊丹で本作を観て、6,000マイルを超えました。
1ヶ月フリーパスポートをつくったら、あと何回か観るかもです。
頭の中は毎日クイーン。

—–

2回目の『ボヘミアン・ラプソディ』

大阪ステーションシティシネマで2本観たあと、北浜のギャラリーへ。
それから再び大阪駅に戻ってJR尼崎へ。
待ちに待った2度目の爆音映画祭、MOVIXあまがさきにて。

1回目の『ボヘミアン・ラプソディ』は109シネマズ箕面で通常上映を観ました。
このときは日曜日の晩の回で、客席にはちらほらとお客さん。
そして2回目は爆音上映で、満席ですよ満席。
先月『ベイビー・ドライバー』の爆音上映を観たときも満席でした。
爆音上映って、職人さんの仕事だと思えます。1,800円、安い!

正直なところ、『ベイビー・ドライバー』のときほどは
爆音の良さを感じづらかった。
『ベイビー・ドライバー』は難聴の主人公という設定だから、
彼が拾う音自体が特殊な意味を持っていました。
本作はそうじゃないから、音の特別感がないというのか。
そもそも客のほうも、爆音を楽しもうと思っているよりは、
普通に『ボヘミアン・ラプソディ』を観に来た客なんじゃないかと思うのです。

そうはいっても、爆音上映はやっぱり楽しい。
カフェの隣のテーブルの人の会話などが耳に入ってきて、
私たちも本当にその場に居合わせたように感じられます。
演奏シーンでは思わずリズムを取りたくなるし、実際、そうしているひと多数。

エンドロールが終わったときには拍手が沸き起こりました。でも若干控えめ。
きっと、拍手したくてたまらない人がいっぱいいるんですよね。
でも拍手する勇気がない。どことなく恥ずかしくて。
誰かがエイッと拍手したら、絶対ウォーッとなると思うんですけど。

にわかクイーンファンになった私が2回目に観たときに気づいたこと。
エンドロールで“Don’t Stop Me Now”のPVの次に流れる“The Show Must Go On”は、
クイーン全員の名義になっていましたから、
これはあの会談がおこなわれた後の曲なのですね。
で、調べたら、なるほど、フレディが亡くなる直前に作られた曲なのか。

もうひとつ、プロデューサーの名前にジム・ビーチがあるのも発見。
マイアミは本作のプロデュースに当たっていたのかと嬉しくなりました。

何回観ても楽しそうだから、また観に行っちゃうかも♪
—–

2018年11月に読んだ本まとめ

2018年11月の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:5040ページ
ナイス数:1757ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly

■真実は間取り図の中に 半間建築社の欠陥ファイル (角川文庫)
欠陥案件って、手抜き工事などの見つかった物件のことかと思ったら、そうではないのですね。住人に体調不良が生じたり、幽霊騒ぎが起きたり。だけどその原因はオカルトではない。主人公の女大工・環奈が勤める建築会社の半間社長は、それを解決すること(だけ)が得意。増改築を繰り返す家の話に、うおっ、これはウィンチェスターハウスのようだわと思ったら、半間からその名前が出てきてワクワク。優しい目上の顧客にも敬語を使わない半間と、なんぼなんでもエラそすぎる環奈にちょっとイラッ。でも、間取り図って、見ているだけで楽しいんだなぁ。
読了日:11月01日 著者:皆藤 黒助
https://bookmeter.com/books/13068844

■静子の日常 (中公文庫)
爆発的に面白いわけではありません。だって、ここに描かれているのは、後期高齢者となったおばあちゃんの日常。息子一家と同居する静子さんは一見おっとり可愛らしい。しかしその実を知れば、やるな、婆ちゃんとニヤリ。何度かふきそうに。静子さんは、人が決めたことはそうでもないけれど自分で決めたことは絶対に守る人。まったくぶれない。そんな静子さんのことを家族が認め、畏れ、敬意を払っているのがいい。孫娘が爪切りを借りにきて言葉を交わすシーンがとても好き。すっとぼけた雰囲気なのに、ちょっぴり切ない。浮かないときには缶ビール。
読了日:11月03日 著者:井上 荒野
https://bookmeter.com/books/5052871

■スマホを落としただけなのに (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】原作と同じく、深みはないけれど娯楽性の高い作品でした。『ビブリア古書堂の事件手帖』とハシゴしたら、どちらも成田凌が怖すぎて笑いました。田中圭のなせる技か、原作の富田くんよりアホっぽくも軽くもなくて誠実そう。麻美の監禁場所は映画ならでは。蛭にビビる新人刑事役で千葉雄大が大活躍。キャストがそれぞれハマっていて楽しかったです。ラストの少し前、富田くんがスマホのフォルダを見るシーンで期せずして涙ぐんでしまい、こんなんで泣くか私とまた笑う。最後は中田監督らしく、嫌な感じで。
読了日:11月04日 著者:志駕 晃
https://bookmeter.com/books/11648502

■人魚の眠る家 (幻冬舎文庫)
脳の機能が停止したときを死とするか、心臓が停止したときを死とするか。ミステリー的要素は特になし。意識のない人が笑顔を浮かべるところを想像するとやはり怖い。しかしこれが自分の子どもなら、奇跡にすがりたくなるでしょう。娘の死と家族がどう向き合い、気持ちの整理をつけるかがドラマティックに描かれていて、470頁を一気に読ませるのはさすが。最近の東野圭吾には切なさが足りんと個人的には思うのですが(過去に何度もぼやいてすみません)、プロローグとエピローグは好き。「感涙」の映画になるかどうか。人は二度は死なない、か。
読了日:11月07日 著者:東野 圭吾
https://bookmeter.com/books/12828764

■間取りの手帖remix (ちくま文庫)
『真実は間取り図の中に』を読んだあと勢いづいて。全部で180頁足らず、そのほとんどが1頁につき1件の間取り図だから、30分もあれば一応「読了」はできます。しかし、間取り図の奥深さよ。何度でも繰り返し眺めたくなる。どの間取り図にもタイトルが付けられていて、最初の3件でふきました。ぐるり。つるり。ずるり。よくもこんなに楽しいタイトルを思いつく。「平成の人身御供」の記事は、ホントにあった話かと思ってしまいました。でも、六畳一間にそんなにワサワサと人は入って行けんやろ(笑)。妄想を掻き立てられる、愛おしい本です。
読了日:11月08日 著者:佐藤 和歌子
https://bookmeter.com/books/519105

■死刑にいたる病 (ハヤカワ文庫JA)
死刑判決を下された連続殺人鬼が、「8人は確かに殺したけれど、最後の1人はオレが殺したんとちゃう」とのたまう。その殺人鬼から請われて、「冤罪」を調べ始める大学生。美形で、礼儀正しくて、話術に富んでいて、誰もを虜にしてしまう殺人鬼。そんな奴がいると信じたくはないけれど、実際に巷で起きている事件を見れば、魅入られたように犯人のそばから動けなくなっているケースが多い。小説の中だけのことだとは言い切れません。絶望的。『赤と白』を読んだとき、もうちょい重さがほしいと書きました。今やもう、「おみそれしました」。絶望的。
読了日:11月09日 著者:櫛木理宇
https://bookmeter.com/books/12368771

■アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫)
斉藤和義の『ベリーベリーストロング』の基となったこの連作短編集には、泥棒も殺し屋も出てこなければ大がかりな陰謀もありません。でも、この「出会い」に唸る。最初の2編で幸福感に包まれ、こりゃ私にとっては満点だと感極まりそうになったものの、全編そうとは行かなかったので、「かなり良かった伊坂幸太郎」ということで。テキトーだったりズケズケものを言ったりするけれど、人を傷つけない。そんな人たちに救われる。「あの時、あれがあの人でよかった」と思える相手に、もっと感謝しなくちゃ。最後は登場人物の相関図がほしいっす(笑)。
読了日:11月14日 著者:伊坂 幸太郎
https://bookmeter.com/books/12136344

■ちょっと一杯のはずだったのに (宝島社文庫 「このミス」大賞シリーズ)
スマホを落として殺人鬼に狙われるのと、酔っぱらって殺人犯の容疑をかけられるのとどちらがマシか。冤罪は大変だけど、サイコパスに追われるのは凄く怖い。『スマホ』のほうが面白かったよなぁと思いつつ、軽くて速攻で読めるのは同じ。B級映画にありがちな誤字「貸りる」が出てきてテンションが下がり、ここは酒の力を借りようと、ちょっと1杯、いや2杯。そうしたら、トリックが明かされる肝心のところで酔っぱらってしまい、理解できず。やっぱり読み終わるまでは飲んだらあかん。なんだこの最後のいい感じは。グッときちゃったじゃあないか。
読了日:11月15日 著者:志駕 晃
https://bookmeter.com/books/12861543

■もものかんづめ (集英社文庫)
かつて、う○こが立った経験を持つ私は、「快便の友」が聞いて聞いてと電話してこられた気持ちがよくわかります(笑)。しかし、う○こネタはまず間違いなくウケる。ゆえにこれで笑いを取ろうとするのはズルイ。早世されたらなおのこと、快便のお友達は思い出して笑い泣きしてしまいそう。さくらさんがお元気だったときに読むのと今読むのとではきっとずいぶん印象が変わる。健康に気を遣っていたのもわかる数々の話を切なく感じます。みんなが思い出してニッコリ笑ってくれたらいい、空の上でそうお思いになっているかもしれません。
読了日:11月16日 著者:さくら ももこ
https://bookmeter.com/books/550753

■人魚の眠る家 (幻冬舎文庫)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】原作では存在感のあった、読み聞かせをする教師は映画版には出てきません。募金に関わるのは妻ではなく夫。へ〜っ。大人の演技がヒートアップしすぎて、私は若干冷め気味。しかし子役三人の演技には泣かずにいられない。眠ったまま睫毛一本動かさない女の子。そんな彼女を見続ける弟と従妹。プロローグとエピローグは映画版でも健在ですが、原作で印象的だった台詞が削られて、その代わりに映画版にしかないシーンや会話があります。わかりやすく泣けて万人受けしそう。奇跡を信じた人も多いのでは。
読了日:11月18日 著者:東野 圭吾
https://bookmeter.com/books/12828764

■カラヴィンカ (角川文庫)
彼女はそんなに酷い女ですか。最低の女ですか。凄まじい美貌の不幸な少女。男たちが勝手に、彼女をわかってやれるのは自分だけだと思い込んでいたように感じます。彼女は思わせぶりなことなんて何もしていない。彼女は人をかばって嘘をつく。結局、相手のことをいちばん考えていたのは彼女なのでは。『雪の鉄樹』と『アンチェルの蝶』と同様に重くて暗いけど、その2作ほどの圧倒的な余韻はありません。信頼していた人が急に変わる様子などにもいささか引き気味。それでも、たったひと言、彼女が聞きたかった言葉が明らかになったときはたまらない。
読了日:11月20日 著者:遠田 潤子
https://bookmeter.com/books/12341775

■億男 (文春文庫)
飛行機が墜落するよりも低い確率だというのに、宝くじの高額当選者ってそんなにいるのかとビックリ。お金では買えない幸せは確かにあるだろうけれど、悲しいかなそれがわかるのはお金を持ったことのある人だけなのでは。限られた額でちまちま買い物をする楽しさを私たちが知っていたとしても、金持ちならばちまちま買うことも店ごと買うこともできる。お金がないと選択肢もないわけで。おそらく著者は億男。そうなるまでに金に困った時期もあったなら、説得力のある話です。必要なのは勇気と想像力と少しの金、そう言えるようになってみたい(笑)。
読了日:11月22日 著者:川村 元気
https://bookmeter.com/books/12630164

■エンジェルフライト 国際霊柩送還士 (集英社文庫)
日本人が海外で死ぬ、外国人が日本で死ぬ。そんな場合の遺体の処置や移送も、普通の葬儀社がおこなっているのだと思っていました。国際霊柩送還士という職業があるなんて。遺体をゴミ同然に扱う国もあれば、扱う術を知らない国もある。各国各地に出向き、遺族の気持ちに寄り添った仕事をするエアハース社の面々に頭が下がります。まるで生きているかのようにではなく、故人は故人として、遺族がきちんとお別れできるように施すエンバーミング。しかし、故人の最期の願いを凄絶な遺体から知り得る場合もあるのですね。遺体と向き合い、払われる敬意。
読了日:11月26日 著者:佐々 涼子
https://bookmeter.com/books/8648447

■などらきの首 (角川ホラー文庫)
「こわいでしょお?」「こわいけど、面白いから、観てください」が楽しい、映画『来る』の予告編。映画では松たか子と小松菜奈演じる比嘉姉妹のシリーズだと聞いたら、やっぱり読むでしょ。『ぼぎわん』か『ずうのめ』か、せめて1作は読んでいないとつまらないかも。正統派の怪談もあれば、お口直し的な話も。映画で岡田准一演じるところの野崎が登場する話では、ほろり切ないものとぼぎわんを思わせるものと。いずれの話も小粒は小粒。でもいっそう比嘉シスターズのファンになりました。怖くてもちゃんと物を見なくてはという言葉、肝に銘じます。
読了日:11月28日 著者:澤村伊智
https://bookmeter.com/books/13135542

■ビストロ三軒亭の謎めく晩餐 (角川文庫)
フルネームで予約して初めて行った店で、「○○様ですね」と姓名の名のほうで呼ばれたら、引く。テーブルを担当してくれるギャルソンが「○○です」と名乗ったら、引く。そのギャルソンがエチケットの意味を知らなかったら、引く。職業や荷物の中身を詮索されても、引く。とにかく冒頭から引くことだらけで、どないやねんこれと思いました。こんなビストロがほんとにあっても私は行きたいとは思えないけれど、そのわりに最後まで結構楽しく読めたことは否定しません。軽いから、ドン引きも尾を引かない。良い暗示ならかかりたい。思い込みって大事。
読了日:11月29日 著者:斎藤 千輪
https://bookmeter.com/books/13068809

■本当はちがうんだ日記 (集英社文庫)
明日、私はとても怖い映画を観に行くのです。ここ50年でいちばん怖いという評判の。それで、怖くてどうしようもなくなったときに楽しい話を思い出せるように、穂村さんを読みました。なのに、嫉妬に狂って畳に箸をぷすぷすと刺した話とか、おふだのように貼り紙だらけのコンビニの話とか、怖いやんか。可笑しくて仕方のなかった『絶叫委員会』か『にょにょっ記』を再読すべきだったろうかとちょっぴり悔やみ、しかし「ツナ夫」に爆笑、以降そこそこ笑う。そういえば「ネ」は何処へ。なんだか恋しい。明日、怖くなったら「金額換算」を思い出そう。
読了日:11月30日 著者:穂村 弘
https://bookmeter.com/books/557451
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『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』

『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』(原題:Sicario: Day of the Soldado)
監督:ステファノ・ソッリマ
出演:ベニチオ・デル・トロ,ジョシュ・ブローリン,イザベラ・モナー,
   マシュー・モディーン,イライジャ・ロドリゲス,キャサリン・キーナー他

前述の『エリック・クラプトン 12小節の人生』の後、
同じく大阪ステーションシティシネマにて。
なにせ『クラプトン』は7:50からの上映でしたから、本作の上映開始時間はまだ10:30。
こんな時間にすでに2本目を観られると思うと、なんて充実した日だと嬉しくなります。

『ボーダーライン』(2015)の続編。
前作の監督はドゥニ・ヴィルヌーヴでしたが、本作の監督ステファノ・ソッリマは知らない人。
ウィキペディアの日本版にはまだ名前がありません。
しかし脚本はテイラー・シェリダンだし、出演陣も渋く豪華。
男臭さがウケるのか、予想以上に客が入っていました。
『クラプトン』もオッサンばかりだったけど、これもオッサンだらけ(笑)。

アメリカ・カンザス州カンザスシティの商業施設で、
子どもを含む多くの民間人を巻き込む自爆テロ発生。
アメリカ合衆国国土安全保障省は、犯人らを不法入国者と推測し、
メキシコの麻薬カルテルが彼らにテロ資金を提供していると仮定する。

大統領からカルテルの殲滅を命じられたCIAエージェントのマット・グレイヴァーは、
かつてカルテルに家族を殺されたコロンビアの元検察官アレハンドロ・ギリックをリクルート。
そのほか、信頼できる精鋭部隊を率いて極秘ミッションに取りかかる。

マットが考えたのは、カルテル同士の抗争を誘発させる手段。
巨大カルテル、レイエス家の娘イサベルを学校帰りに誘拐すると、
それを敵対するカルテルの仕業だと思い込ませるのだが……。

前作から3年経っていますから、話なんてほとんど忘れています。
観ているうちに少しずつ場面を思い出したものの、全部はとても思い出せない。
しかし何も知らなくても楽しめる作品です。

アレハンドロ役のベニチオ・デル・トロがとにかく切ない。
一時すごい中年太りで、もともと下ぶくれの顔がよりたるんだ印象でしたが、
どことなく引き締まり、渋い格好良さがあります。
イサベルを連れて国境へ向かうシーンは『レオン』(1994)のよう。

昔、このブログにも確か書いたことがある話。
メキシコに旅行した知人が、向こうの空港で「大阪は怖い」とメキシコ人が話しているのを聞いたとか。
これを観たら、どこが大阪怖いねん、メキシコの比やないやろとまたツッコミ入れたくなります。

幼い頃から犯罪に手を染め、やがて暗殺者になるかもしれない子どもたち。
生きるためにはそうするしかないのかと思ってしまう。
お金がなくても幸せだなんて、言えない。

で、続編あるんですね。いつになるか知らないけど、待ってます。
—–

『エリック・クラプトン 12小節の人生』

『エリック・クラプトン 12小節の人生』(原題:Eric Clapton: Life in 12 Bars)
監督:リリ・フィニー・ザナック

勤労感謝の日。
午後にMOVIXあまがさきでおこなわれる爆音映画祭を予約済み。
それまでに1本、頑張れば2本観られなくもない。
2本観るには朝6:55に家を出て大阪駅へ向かわないと。
休日に仕事に行く日より早く出かけるなんてと思いつつも、目が覚めてしまう。
大阪ステーションシティシネマにて7:50上映開始の本作を。

クイーン同様、エリック・クラプトンについてもそんなには知りません。
有名な曲を知っている程度で、ファンとは言えない。
それでも心に残る曲はいくつかあります。
7:50から映画を上映していることも驚きですが、
こんな朝も早くから劇場へ足を運ぶ奴なんておるんか?
いましたねぇ、30人ぐらい。オッサンばっかり(笑)。

クイーンのフレディ・マーキュリーが史上最高のリードボーカリストと評されるならば、
エリック・クラプトンはローリング・ストーン誌が選出する、
「最も偉大な100人のギタリスト」の第2位。
第1位はジミ・ヘンドリックスなのだそうです。

本作はクラプトンの人生を綴るドキュメンタリー。
『ボヘミアン・ラプソディ』に比べるとかなり地味で、
私程度にしかクラプトンを知らずに観に行くと睡魔に襲われる箇所も。(^^;
もっとクラプトンの曲がバンバンかかっていたら眠らなかったかも。

それでも面白いと思える作品であったことは間違いありません。
なにしろ私は知らないことばかり。
実姉だと思っていた人が母親だったとか、その生い立ちからして衝撃的。

美形だったんですねぇ。でもずっと変人呼ばわりされていた少年時代。
そんな彼を救ったのが音楽、そしてギター。

親友だったジョージ・ハリスンの妻に恋して、実らせて結婚。
しかし別の女性との間に女児をもうけ、
また別の女性との間に生まれた男児を目の中に入れても痛くないほど可愛がり、
そのおかげでアルコール依存症からも脱却。
なのに、幼い息子は高層ホテルから転落死して、また周囲が心配するなか、
亡くなってから届いた息子の葉書が酒への逃避を思いとどまらせたとのこと。
このとき書き上げた曲が“Tears in Heaven”。心に突き刺さりました。

「天に召されるとき、最期に君の声を聴きたい」。
偉大なミュージシャンからそんな言葉を贈られるクラプトン。
まだまだギターを弾き続けてくれますよね?
—–