MENU
ChatGPT-Image01
ChatGPT-Image02
ChatGPT-Image03
ChatGPT-Image04
ChatGPT-Image05
previous arrow
next arrow

『フォルトゥナの瞳』

『フォルトゥナの瞳』
監督:三木孝浩
出演:神木隆之介,有村架純,志尊淳,DAIGO,松井愛莉,
   北村有起哉,斉藤由貴,時任三郎他

TOHOシネマズ梅田にて2本ハシゴ。
ほかにも観たい作品がいろいろあったけど、時間の効率のみで本作を選択。

原作未読。というのも実は百田尚樹があんまり得意じゃないのです。
いちばん好きだったのは、たぶん『探偵!ナイトスクープ』の番組構成をされていた頃。
『永遠の0』(2015)は読んだけどイマイチ、
『海賊とよばれた男』(2016)は人から借りて読まないまま。
唯一好きだったのが『ボックス!』(2010)で、
でもこれも先に映画版を観ていたから、原作に入り込みやすかったのかと。

そんなわけで、本作の原作も積極的に読む気になれず。
とか、うだうだ思いながら鑑賞。
青春恋愛ものが十八番の三木孝浩監督らしい仕上がりだと思います。

原作では横浜が舞台なのだそうですが、映画版はオール関西ロケだとか。
そのわりに関西臭がゼロなのは、みんな標準語だからですね(笑)。
神戸は三宮、塩屋、ポートアイランドにハーバーランド、須磨など、
奈良は橿原神宮に榛原、桜井の病院といったところが登場します。
見慣れている人ならば「おっ!」と思えるかもしれません。

高級車のコーティングを主としたメンテナンス店に勤める木山慎一郎(神木隆之介)。
幼い頃、家族と共に搭乗した飛行機が墜落、自分だけが生き残った。
彼の父親代わりとなって面倒を見てくれたのが社長の遠藤哲也(時任三郎)。

このたび2号店を出すことになり、遠藤はその店長に慎一郎を抜擢。
そのせいで、先輩社員で腕も確かな金田大輝(志尊淳)から妬まれ、
突き飛ばされた拍子にケータイが壊れてしまう。

ケータイショップで応対してくれた店員・桐生葵(有村架純)を見て慎一郎は驚く。
葵の手の一部が透けて見えたから。
慎一郎には「死が近づいている人間が透けて見える」という能力があるのだ。
葵を救いたい一心で、大事な話があるからと終業後に待ち合わせ。
ところが、再び会った葵はどこも透けて見えなかった。安心する慎一郎。

後日、わざわざ慎一郎の店を訪ねてきた葵は、慎一郎のことを命の恩人だという。
もしも終業後に会うことなくまっすぐ家に帰っていたら、
葵がふだん通る道に面した工場で起きた爆発事故に巻き込まれていたはずだと。

運命を感じた慎一郎は、葵に交際を申し込む。
こうしてふたりの幸せに満ちた日々が始まるのだが……。

鑑賞したら読んでみたいという気にさせられました。
原作に忠実なのかどうかわかりませんが、
百田さんの作品なら、戦争と関係のない話のほうが私は好きなのかも。

社長の妻に斉藤由貴。遊び人で上から目線の常連客にDAIGO
私がめっちゃ気に入ったのは、医者役の北村有起哉
この人はいつも存在感のある立派なバイプレイヤーですね。

これって、みんなオチを知っている話なのでしょうか。
私は知らずに観たのでより面白かった。
だから知らないほうがいいと思うのですが、ネタばらしすると。

葵も同じ力を持つ人間でした。
目の前に死が近い人がいるとき、慎一郎の選択と葵の選択と。
泣けるなぁと思っていたら、いくつか向こうの席に座っていたオッサンがボロ泣きで笑った。

いいよねぇ、オッサンだってこんな純愛に泣いたって。
—–

『半世界』

『半世界』
監督:阪本順治
出演:稲垣吾郎,長谷川博己,渋川清彦,池脇千鶴,杉田雷麟,信太昌之,菅原あき,
   堀部圭亮,岡本智礼,原田麻由,牧口元美,小野武彦,石橋蓮司他

TOHOシネマズなんば別館へ、土曜日のレイトショーを観に行きました。
昨日じゃなくて、1週間前のこと。

『北のカナリアたち』(2012)も『エルネスト』(2017)も阪本順治監督の作品ですが、
私にとっては『顔』(2000)の「お日さんが西からのぼったら、
うちと一緒になってください」という台詞のインパクトが強すぎて、
同監督のその後の作品をいくら観ても『顔』しか出てこないのです。

オープニングは沖田修一監督の『キツツキと雨』(2011)みたいな感じ。
単に木こりのいそうな風景だからというだけか。(^^;

過疎化の進む地方都市(車のナンバーは三重でした)。
39歳の高村紘(稲垣吾郎)は妻・初乃(池脇千鶴)と息子・明(杉田雷麟)の三人暮らし。
意地で父の仕事だった備長炭づくりを継いだが、生活は決して楽ではない。
中学生の明は学校でいじめに遭っている様子。
しかし紘は家庭のことを初乃に任せっきりで、明はそんな父親と口もきかない。

自衛隊員になった親友・沖山瑛介(長谷川博己)がある日突然帰郷する。
瑛介は妻子と別れ、仕事も辞めてきたという。
今は誰もいない実家を掃除して住むつもりらしく、
紘は地元で中古車店を営むもうひとりの親友・岩井光彦(渋川清彦)を誘うと、
3人で久々に酒を酌み交わす。

酒を呑んでいる間はたまに笑顔を見せるものの、瑛介は明らかに昔と違う。
暗い表情の彼のことを紘も光彦も心配するが、瑛介は何も話そうとしない。

一方、明へのいじめはエスカレート。
紘が自分の息子に対して無関心であることを明は見抜いていた。
それを指摘され、どうしていいのかわからない紘だったが……。

『まんぷく』ですっかりおっちゃんおばちゃんたちの馴染みになった長谷川博己。
いえいえ、その前から大河ドラマですっかり知られているのですよね。
だけど朝の連ドラも大河も観ていない私には、
彼はいつまで経っても一風変わった不思議な役者。
そもそも私が彼を認識したのは『映画 鈴木先生』(2012)と『地獄でなぜ悪い』(2013)ですから。
そのイメージが抜けきれないまま(好きだけど)今まで来ましたが、
本作で印象が変わりました。上手いなぁ。

自衛隊で部下を統率する立場にあった瑛介は、ある出来事にとても責任を感じている。
それを払拭できずに辞職して帰郷した彼の心の傷はいつか癒えるのか。
稲垣くんの映画なのでしょうけれど、印象に残るのは長谷川博己のほう。

住む世界がちがうと感じることってよくあると思うけど、
その世界が大きくても小さくても、みんなそれなりにいろいろある。
大小に関わらず、自分が住む世界以外に住む人のことも考えてみることは必要。
—–

『ファースト・マン』

『ファースト・マン』(原題:First Man)
監督:デイミアン・チャゼル
出演:ライアン・ゴズリング,クレア・フォイ,ジェイソン・クラーク,カイル・チャンドラー,コリー・ストール,
   クリストファー・アボット,キアラン・ハインズ,パトリック・フュジット,ルーカス・ハース他

TOHOシネマズ伊丹にて、『アクアマン』とハシゴ。

デイミアン・チャゼル監督には『セッション』(2014)で魂を射貫かれました。
『ラ・ラ・ランド』(2016)よりも断然『セッション』が好きでした。
今度は音楽もの以外に手を出しちゃうのですね。
封切り直後の評判がイマイチだったので、期待値は下げて観に行きました。
そうしたら、そんなに悪くないやん。

1969年7月に打ち上げられたアポロ11号
このときの船長で、人類で初めて月に降り立ったのがニール・アームストロング。
彼の半生を映画化した伝記ドラマです。

空軍でテストパイロットを務めるニール。
妻ジャネット、息子、娘の三人家族だったが、娘は悪性の脳腫瘍に冒されている。
娘のことが頭にあるから、パイロットとしては非常に優秀だが、時折注意散漫に。
ほどなくして娘を亡くしたニールは、悲しみを押し隠したまま出勤。
上司から飛行禁止処分を下されたちょうどそのとき、
NASAのジェミニ計画で宇宙飛行士を募集していることを知る。

宇宙開発競争でソ連に後れを取っていたアメリカは、
何が何でも先に月へ降り立とうと必死。
そのためには欠かせない技術を確立しようと考えての募集。
さっそく応募したニールはみごと採用される。

次男を授かり、一見平穏なアームストロング家だが、
亡くなった長女のことを一切口にしようとしないニールをジャネットは心配する。

課される過酷な訓練をこなし、飛行士仲間との絆も深まった頃、
親しかった仲間のうち何人かが命を落とし……。

何がびっくりしたって、ジャネット役のクレア・フォイですよね。
『蜘蛛の巣を払う女』でリスベットを演じて超カッコよかった彼女が、
本作では悲しみをこらえつつ夫を支えて息子たちに愛情をかける、普通の、強い母親役。
確かに同じ顔だけど、とても同じ女優が演じているとは思えません。
彼女を見ていると、確かに「世の中に弱い女なんておらん」かなと。

そんなに悪くなかったとはいえ、『セッション』には遠く及びません。
肝心の月面着陸のシーンでは睡魔に襲われてうとうとしちゃったし。

チャゼル監督は次の作品を考えるときには相当苦心していると思われます。
そりゃそうだ、『セッション』なんて凄い作品を撮っちゃったら、
世間の次作への期待は否応が高まるでしょう。大変だ。
—–

『アクアマン』

『アクアマン』(原題:Aquaman)
監督:ジェームズ・ワン
出演:ジェイソン・モモア,アンバー・ハード,ウィレム・デフォー,
   パトリック・ウィルソン,ドルフ・ラングレン,ニコール・キッドマン他
声の出演:ジュリー・アンドリュース,ジョン・リス=デイヴィス,ジャイモン・フンスー他

前日にめっちゃ飲み、後から聞いた話によれば、ご一緒した皆さんは二日酔い状態。
3連休最後の日を一日中ごろごろして過ごしたとのことですが、
私は這うようにして起き上がり、TOHOシネマズ伊丹で2本。

『ジャスティス・リーグ』(2017)で初登場したスーパーヒーロー“アクアマン”。
ハワイ出身、先住民の血を引くジェイソン・モモア。格好いい。
奥さんがリサ・ボネットと聞いて驚きました。
だって、思い出すのは『エンゼル・ハート』(1987)。レニー・クラヴィツの元嫁だし。
ものすごく年上なんじゃないの?と思ったら、一回り上なんですね。

本作のヒロインを演じるのがアンバー・ハード
これまたどこかで聞いたことある名前やなと思ったら、ジョニー・デップの元嫁。
スピード離婚して慰謝料だか和解金だかをガッツリ取った姉ちゃんではないですか。
イメージ悪いけど美人だわ。

ジェームズ・ワン監督といえば“ソウ”シリーズ。
最初の『ソウ』(2004)を撮ったとき、こんな大作を手がけることになるなんて、
自分も周囲の人も予想できなかっただろうなぁ。おめでとうございます。

知られざる海底の巨大帝国アトランティス王国の女王アトランナは、
政略結婚させられるのが嫌で地上へと逃亡。
負傷して打ち上げられているのを灯台守トムが見つけて介抱する。
恋に落ちたふたりの間に生まれたのがアーサー。
彼は海の生物すべてと意思疎通できる能力を持つ“アクアマン”。

しかしアーサーがまだ幼い頃、アトランティス王国の兵士たちが
アトランナを連れ戻しにやってくる。
自分が戻らねば夫と息子が殺されてしまうと、アトランナは戻ってゆく。

時が経った今も母とは会えないまま。
いつか必ず帰ってくるというアトランナの言葉を信じ、
トムは毎朝日の出の時刻に桟橋に出向いて妻を待つ。
そんな父の様子を見て心を痛めるアーサー。

ある日、アーサーの前に海底国ゼベルの王女メラが現れ、
アーサーの異父弟でアトランティス王国の王オームが地上征服を目論んでいると聞かされる。
オームの暴走を止めてほしいと頼まれ、渋々受け入れるアーサーだったが……。

2D通常版を鑑賞しました。
3Dは要らんけど、これはエキスポシティのIMAXで観るとより楽しいでしょうね。

アトランナ役のニコール・キッドマンの美しいこと。
アトランティス王国の相談役を演じるウィレム・デフォーもすごくイイ。
ゼベルの王でメラの父親役にはドルフ・ラングレン
あんな髪型されたら一瞬誰かわからんかった。
つるっとした顔のパトリック・ウィルソンがオーム役。
この人、善人役のほうが似合うイメージがありましたが、悪人役のほうがいいかも。

実在したといわれるアトランティス王国。
こんな成り立ちだったとしたら面白い。
ギャグが少々スベっている感があるのはともかくとして、(^^;
スケールの大きな楽しい作品です。
—–

『アイ(子ども)たちの学校』

『アイ(子ども)たちの学校』
監督:髙賛侑

ナナゲイにて、『ぼけますから、よろしくお願いします。』の次に。

ノンフィクション作家の髙賛侑氏が初めて撮るドキュメンタリー。

朝鮮学校に密着取材した作品なら、『60万回のトライ』(2013)を観たことがあります。
存在は知っていても、どのような授業がおこなわれているのかを知らなかったので、
いろいろと目からウロコだったのを覚えています。
『60万回のトライ』では、ラグビー部員の日常が描かれていましたが、
本作はより広く、朝鮮学校の歴史と現状が浮き彫りにされています。

私が通う中学校は、校区に同和地区があったため、促進学級なるものがありました。
小学校にはなかったから、中学進学と同時に始まった同和教育が最初は理解できず、
英・数・国の主要3教科の授業時に教室から出て行く数名の生徒について、
これはいったいどういうことなんだろうと不思議でした。
単にものすごく勉強のできない子が呼ばれるのが促進学級なのかなと。

しばらくしてわかったのは、同和地区に生まれた場合、学力が著しく低い場合がある。
その生徒の親が十分な教育を受けていないために、子どもに教えることが困難。
だから、普通の学力を身につけられるように設けられたのが促進学級。

今はどうなのか知りませんが、私が高校や大学に通っていた頃、
同和教育の盛んな校区では学校間の学力の差を小さくするために、
成績の良し悪しではなく、自宅からいちばん近い高校に行くことがほぼ定められているところもありました。
私が通っていた校区だと、おそらく10校以上選択肢があったところ、
その校区では、簡単に言うと「賢い子はこっち、そうでない子はこっち」みたいに、
選択肢が2校しかなかったりする。
これってどうなん?ほんまにええこと?とずっと思っていました。

本作を観て、その当時のことを思い出しつつ、それ以前の問題なんだなと思いました。
差別の大小を言うつもりはまったくないし、被差別部落に住む人も不当な扱いを受けてきたかもしれない。
でも少なくとも、同和地区に住んでいることで、
自分の通う学校が学校として認められないなんてことはなかったでしょう。

朝鮮学校の子どもたちは、日本人と同じように小・中・高校に通いながら、
朝鮮学校だからと授業料無償化制度の対象から除外されてしまう。

学校の前でヘイトスピーチをおこなう大人たち。
何を憎んでそんなスピーチをするのか、まったくわかりません。

子どもは子ども。みんなが笑顔になれたらいいのに。
—–