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『パリに見出されたピアニスト』

『パリに見出されたピアニスト』(原題:Au Bout des Doigts)
監督:ルドヴィク・バーナード
出演:ランベール・ウィルソン,クリスティン・スコット・トーマス,ジュール・ベンシェトリ,
   カリジャ・トゥーレ,エルザ・ルポワーヴル,アンドレ・マルコン,ミシェル・ジョナス他
 
フランス/ベルギー作品。
当たっても行けないと思いつつ試写会に応募したら当たりました。
飲み友だちのお姉さまにピンチヒッターとして行っていただき、
その10日後、テアトル梅田で普通に有料鑑賞。
 
パリ郊外の低所得者層が暮らす団地。
マチューは母親とまだ幼い弟妹との4人暮らし。
不良仲間とつるんで盗みを働くなどしている。
 
そんなマチューが仲間に秘密にしていることがある。
それはピアノを弾くのが大好きだということ。
幼い頃、別の部屋から聞こえるピアノの音色に惹かれるままにたどり着き、
ひとり暮らしの温厚な老人ジャックからピアノを習っていた。
マチューは驚異的な記憶力と絶対音感を持つ天才なのだ。
 
ピアノを見ると弾かずにはいられないマチューは、
パリ北駅に置かれているピアノを弾くときが何よりも幸せ。
そんな彼を偶然見かけて驚いたのが、
パリの名門音楽学校コンセルヴァトワールディレクター、ピエール。
思わずマチューに話しかけ、とにかく連絡をくれと名刺を渡す。
 
ある日、盗み目的で豪邸に押し入ったマチューは、
グランドピアノに魅入っていたせいで逃げ遅れ、警察に捕まる。
実刑を回避するためにやむをえずピエールに連絡したところ、
公益奉仕としてコンセルヴァトワールでの清掃を条件に釈放される。
 
コンセルヴァトワールは長らく国際大会での優勝者を出しておらず、入学希望者は減る一方。
ディレクターのピエールの力量を問われて崖っぷち。
マチューの才能を信じて疑わないピエールは、彼を大会に出場させると決めるのだが……。
 
「音楽×映画」が大好きです。
それがピアノだったりすると、もう絶対に外せない。
ピアニストの映画でも、期待するほど演奏シーンがなくてがっかりすることもありますが、
これはレッスンシーンも含めて堪能しました。
 
マチュー役のジュール・ベンシェトリは、
おじいちゃんもおばあちゃんもお母さんも俳優、お父さんは映画監督。
お母さんとは死別して、お父さんが最近ヴァネッサ・パラディと再婚。
つまりジュールの義母がヴァネッサで、
ヴァネッサと元夫ジョニー・デップの娘とは義兄妹という、
もう何が何だかわからないけど、とにかく映画界の名家出身。
確かに品のある顔立ちで、不良のはずが不良に見えないのが難点(笑)。
 
原題の“Au bout des doigts”は、パリ北駅のピアノの上に掲げられている言葉。
直訳すると「あなたの指先で」。
指先から世界が広がる。夢はあきらめたらおしまい。あきらめなければ叶うのかも。
 
ピエールから借りたジャケットを着て大会に出ていましたが、
いつも練習するときは上着を脱いでいるのに、
かさばって指が動かせないのではという心配は要りません?(笑)

—–

『宮本から君へ』

『宮本から君へ』
監督:真利子哲也
出演:池松壮亮,蒼井優,井浦新,一ノ瀬ワタル,柄本時生,星田英利,
   古舘寛治,ピエール瀧,佐藤二朗,松山ケンイチ,螢雪次朗他
 
梅田ブルク7にて。
しまった、ムビチケを買い忘れていたと思ったけれど、
お誕生日クーポンがあるじゃあないか。
使わせていただきました。
 
原作は1990年から1994年にかけて『モーニング』に掲載された漫画。
新井英樹のデビュー作だったそうですが、傑作だと評判に。
1992年には小学館の漫画賞も受賞、昨年TVドラマ化。
TVドラマ版の監督を務めた真利子哲也が映画版も手がけています。
 
時系列がいじられているので、最初は「ん?」。
歯の有無(笑)や髪型の違いで判断しつつ観ました。
 
文具メーカーの営業マン・宮本浩(池松壮亮)は、
年上のOL・中野靖子(蒼井優)と出会う。
ある日、靖子の部屋を訪ねると、彼女の元恋人・風間裕二(井浦新)が押しかけてくる。
 
ろくでなしの裕二と別れようにも別れられない靖子が
宮本を当て馬として利用しただけだったのだが、
裕二から暴力をふるわれる靖子を見て、宮本は咄嗟に宣言する。
「この女は特別だ。この女は俺が守る」と。
 
話が行きつ戻りつすることにはなかなか慣れません。
前歯3本折れて、腕のどこかも骨折している様子の宮本が、
いったい誰と喧嘩してその結末はどうなったのか。
靖子はおめでたらしいけど、それは果たして宮本との子なのか。
 
両方の実家に挨拶に行ったり、会社の元先輩たちと飲んだり、
取引先の会社の偉いさんに囲まれたり。
 
会社の元先輩に松山ケンイチ
取引先の会社の人にピエール瀧佐藤二朗
宮本の上司は古舘寛治、先輩にはほっしゃん。
靖子の父親に螢雪次朗。みんな一癖あって面白い。
 
靖子がラガーマンに強姦されるシーンは辛い以外の何物でもありません。
ワールドカップで盛り上がるこの時期、ラガーマンはあかんやろなどと思ったりも。
 
そんな凄絶なシーンも含めて、池松壮亮と蒼井優が凄い。
時系列のわかりにくさには慣れないのに、
それが逆に話を面白くして目が離せません。
 
熱すぎるけど、阿呆だけど、こんな奴がいてもいいじゃないか。
思わず応援してしまいます。
えぐいシーンも多いから、人には薦めづらいけど、私は大好き。
宮本浩次が歌うエンディング曲もカッコイイ。

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『見えない目撃者』

『見えない目撃者』
監督:森淳一
出演:吉岡里帆,高杉真宙,浅香航大,大倉孝二,酒向芳,
   松大航也,國村隼,渡辺大知,松田美由紀,田口トモロヲ他
 
日曜日の朝、TOHOシネマズ伊丹にて、1本だけ。
 
初めて予告編を観たとき、タイトルといい、内容といい、
なんかデジャヴだなぁと思っていたら、以前観た作品のリメイクでした。
原題が“我是証人”という2015年の中国作品で、それもリメイク。
オリジナルは中国版と同じ監督による韓国作品でした。
 
中国版がとても面白かったので、日本版の主演が吉岡里帆と聞いてちょっと心配。
だって私は彼女にちっとも良い印象がない。
すごく可愛い女優だとは思うけれど、彼女の出演作が面白いと感じたことがなくて。
だから期待値低めで観に行ったら、彼女のことを見直しました。上手いやん!
これに彼女を起用した森淳一監督、グッジョブ。
 
警察学校を首席で卒業した浜中なつめ(吉岡里帆)。
しかし、助手席に弟の大樹(松大航也)を乗せた車で事故を起こし、
大樹は死亡、なつめも両目の視力を失う。
 
当然のことながら警察官の道も絶たれて3年が経過。
母親の満代(松田美由紀)と暮らし、テープ起こしの仕事に就いている。
出かけるときは盲導犬のパルが頼り。心の傷はまったく癒えないまま。
 
ある日、大樹の墓参りに行くべく満代と家を出たなつめだったが、
どうしてもまだ大樹の墓に近寄る気持ちになれず、
満代と口論した挙句、パルを伴ってひとりで帰ろうとする。
その途中、車が誰かと接触する音を聞いて現場に駆けつけると、
車の後部から助けを求める女性の声が聞こえ、車は急発進。
 
なつめは誘拐事件に違いないと考え、警察に連絡するが、
刑事の木村友一(田口トモロヲ)と吉野直樹(大倉孝二)は信じていない様子。
一歩も引こうとしないなつめを持て余し、
なつめが主張するもうひとりいるという目撃者、すなわち車と接触したらしい人物を探し、
それがスケボーに乗る高校生の国崎春馬(高杉真宙)だと判明するのだが……。
 
絶対に中国版リメイクのほうが面白いだろうと思っていたら、お見それしました。
遜色ないというのか、日本の話である分、こっちのほうが入り込みやすい。
犯人については、韓国版や中国版を観ていなくても途中で想像がつくかと。
だってそいつの態度、あきらかにおかしいから(笑)。
 
ネグレクトによる事件のニュースが後を絶たない昨今、
家出しても気にもかけられない子どもたちがこんな目に遭っている。
かなりグロいシーンも多いので、それが駄目な人はご用心。
 
被害者たち同様に親には無視されてきた春馬が、
なつめの熱意を鬱陶しく思いながらも協力し、
自分の将来に夢を抱きはじめたラストもとても良いです。
 
里帆ちゃん、あなたを見る目がまるで変わったので、今後は期待しています。

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『おいしい家族』

『おいしい家族』
監督:ふくだももこ
出演:松本穂香,浜野謙太,板尾創路,笠松将,モトーラ世理奈,三河悠冴,栁俊太郎他
  
『アド・アストラ』の3本をハシゴした後、テアトル梅田へ。
 
“若手映画作家育成プロジェクト 2015”で短編『父の結婚』を手がけたふくだももこ監督。
それを監督本人が長編化した作品なのだそうです。
 
東京・銀座の化粧品店に勤める橙花(松本穂香)。
客には罵声を浴びせられ、別居中の夫とも離婚が決定的。
母親の三回忌を機会にまとめて有休を取る。
 
故郷の離島(ロケ地は新島)で燈花を出迎えてくれたのは弟の翠(笠松将)。
ちっとも変わらない島の風景に呆れつつ癒されていたが、実家に到着してびっくり。
なんと父親の青治(板尾創路)が亡き母のワンピースを着ているではないか。
 
さらに驚いたことに、実家に見知らぬ他人が2名。
居候の和生(浜野謙太)とその娘で女子高生のダリア(モトーラ世理奈)だと紹介される。
しかも青治は和生と結婚するつもりだと宣言。
 
唖然とする燈花をよそに、翠とその身重の外国人妻は祝福。
どうしても認めることができずに反発心をあらわにする燈花だったが……。
 
とてもよかったです。
 
父親がゲイだったという話かと思ったらそういうわけでもなく、
青治はただただ「母親になりたい」のだと言う。
性的な話にはそれ以上触れられないまま終わるから、どうだったのかはわかりません。
でもなんか、「愛」があれば、男だとか女だとか、どっちが好きだとか、
どうでもいいことのように思えてしまう。どんな形でもええやんって。
 
こんな島は現実にはちょっとないと思います。
青治は島の学校の校長先生で、女装したまま校門で児童を迎える。
でも子どもたちはそれを自然と受け入れていて、
校長先生の「おはよう」に元気に答えるんです。
三回忌に集まる親戚たちもそう。誰も変な目で見ない。嫌な顔をしない。
 
ダリアが想いを寄せる瀧(三河悠冴)だけは青治の女装を毛嫌いするけれど、
それにも深い事情がある。
その事情が発覚したときのダリアがたまらなく可愛かった。
そして彼ら彼女らと共に過ごすうち、少しずつ気持ちに変化があらわれる燈花がすごく良い。
 
現実もこんなふうだったらいいのにと思う。

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『アド・アストラ』

『アド・アストラ』(原題:Ad Astra)
監督:ジェームズ・グレイ
出演:ブラッド・ピット,トミー・リー・ジョーンズ,ルース・ネッガ,
   リヴ・タイラー,ドナルド・サザーランド他
 
TOHOシネマズ梅田にて、前述の『アイネクライネナハトムジーク』の次に。
 
監督はあまり私の印象にないジェームズ・グレイ
それよりもブラッド・ピット主演ということが話題。
映画レビューサイトでは評価が低いですが、駄目ですか?これ。
私は結構好きだったけどなぁ。
でもまぁ地味だからドッカーンガッシャーンというのを期待して行ったら拍子抜けかも。
特にカップルなんかで観に行くと、後の話題に困りそう。(^^;
 
ロイは伝説の宇宙飛行士クリフォード・マクブロイドの息子。
クリフォードは地球外知的生命体を探しに出かけて行方不明に。
ロイ自身も宇宙飛行士となり、その優秀さはほかに並ぶ者がないほど。
 
クリフォードの行方がわからなくなってから16年が経過したある日、
彼がまだ生きているということをロイは上司から聞かされる。
しかもクリフォードは太陽系を滅ぼすほどの力を持つ極秘実験に関わっており、
今もその実験を継続しているらしい。
 
ロイはまず火星の宇宙軍基地へと向かい、
そこからクリフォードに宛てたメッセージを発信せよと命じられる。
一人息子からの声には耳を傾けるはずだから。
軍が用意した当たり障りのないメッセージを読み上げるが、
クリフォードからの応答はなし。
そこでたまらずロイが作り物ではないメッセージを発信すると
どうやら応答があったようだが、ここでロイは御役御免を言い渡される。
 
クリフォードがいるのは海王星。
軍の手で彼が殺されてしまうのは間違いない。
ロイは危険な実験を阻止したうえで父親を連れ帰ろうと、
こっそりと宇宙船に乗り込み、単独で海王星へと向かうのだが……。
 
うちのダンナはタイ出張から帰ってきたその晩に台湾へ向かったことがありました。
それでもたいがいえげつない出張だと思っていたのに、
はい、今から、帰ってきたら火星、その次は海王星ね。あり得ん(笑)。
そんな過酷な仕事であっても家族よりも宇宙を選び、
息子と向き合おうとしなかった、トミー・リー・ジョーンズ演じる父親。
「今でも父さんのことが好きだ」という息子。切なかった。
 
なんぼひとりでいるのが好きだと言っても、
それはいつでも会おうと思えば会える人がいるから言えること。
たったひとりで宇宙をさまよう。気が変になっても不思議じゃない。
それでも宇宙に憧れ、宇宙飛行士を夢見る人がいる理由がわかる気がします。

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