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『ハロー!?ゴースト』

『ハロー!?ゴースト』(英題:Hello Ghost)
監督:キム・ヨンタク
出演:チャ・テヒョン,コ・チャンソク,チャン・ヨンナム,
   イ・ムンス,チョン・ボグン,カン・イェウォン他

韓流を多く上映しているシネマート心斎橋。
“チャン・グンソク祭”の開催中などは、オバチャンの群れに恐れおののき、
自分は絶対仲間入りするまいと誓いました。アマノジャクなもので。(^^)
だもんで、いわゆるイケメン俳優が出演する韓流には手を出せずにいます。

だけど、ちょっと三枚目俳優が出ている韓国作品は大好き。
韓国人俳優の名前はややこしくてなかなか覚えられず、
本作の主演チャ・テヒョンについてもそうなのですが、
『猟奇的な彼女』(2001)や『過速スキャンダル』(2009)の彼であることはわかります。
いつも笑わされ、ボロ泣きさせられますから。

何度自殺を図ろうとも、いつも死ねずに終わる青年サンマン。
今回も大量の睡眠薬を用いて自殺を図り、一旦息が止まったのに生還。
ところが、この臨死以降、彼にゴーストがまとわりつくようになる。
しかも4人ものゴーストが。

1人目はヘヴィースモーカーのおっさん。2人目は泣き虫のおばちゃん。
3人目はエロじじい、4人目は食いしん坊の少年。
病院では頭がおかしくなったと思われる。
霊媒師に相談すると、ゴーストはこの世に思い残すことがあるから成仏できない、
追い払いたいのなら、彼らひとりひとりの望みを聞いて叶えてやれと。
仕方なく、サンマンは覚悟を決めるのだが……。

主人公にだけゴーストが見えるというのはたまにある話ですが、
このゴーストたちは主人公サンマンの体を乗っ取って、
自分の好きなことをしでかし、好き勝手に話します。
だから、乗っ取られている間はサンマンは別人格に。

自殺願望がありながら健康には気を遣ってきたサンマンがそもそも可笑しいけれど、
タバコも酒もやらないのに、乗っ取られてどちらもしこたま。
近所づきあいが苦手だったのに、図らずも泣き落としで近隣住民の同情を買う。
気になる女性にはいやらしい目つきを投げかける。
子どもが食べているお菓子を横取りしようとする。
その間も意識があるサンマンにとってはたまったものではありません。

「いつ何時も困った顔」のハリウッド俳優といえばこの人たちですが、
チャ・テヒョンの場合は「いつ何時も」ではなく、必要に応じたその顔が天下一品。

終盤を迎え、普通に笑って普通に泣けて、まぁよかったと思っていたら、
ラスト10分となったところでエライ目に。これはやられました。
その困り顔のチャ・テヒョン演じるサンマンが、海苔巻きをほおばりながら、
あることに気づいたときの表情はとてつもなくイイ。
その顔を見た瞬間に、私たちもゴーストたちの本当の望みに気づき、号泣。
『カエル少年失踪殺人事件』に匹敵する私の泣きっぷり。
しかも、こっちは悲しいだけじゃない涙ですから。

黙っていなくならないで。一緒に風をつかまえよう。
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