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『ジェミニマン』

『ジェミニマン』(原題:Gemini Man)
監督:アン・リー
出演:ウィル・スミス,メアリー・エリザベス・ウィンステッド,
   クライヴ・オーウェン,ベネディクト・ウォン他
 
109シネマズ箕面にてレイトショー。
 
監督は巨匠と言っていいでしょう、アン・リー
ウィル・スミスを起用した本作の予告編を観て、
こんなのも撮るのねとちょっぴり驚きました。
私の中のアン・リーは、いつまでも『ウェディング・バンケット』(1993)や
『恋人たちの食卓』(1994)だから。
 
ヘンリーはDIA(アメリカ国防情報局)に所属する凄腕のスナイパー
これまでに70人以上もの悪党を暗殺する任務を成功させてきたが、
若かりし頃にはなかった時折生じる迷いに引退を決める。
 
最後の仕事で殺した人物は、生物兵器を用いるテロリスト
ところが、かつての同僚で親友のジャックから、
実はターゲットはテロリストなどではなかったことを知らされる。
政府にとって何かしら都合のよくない人物で、
ヘンリーを利用してこの世から消したということを。
 
政府はヘンリーの監視役をDIAの女性潜入捜査官ダニーに命じていたが、
それを見破ったヘンリーがダニーを問い詰めたところ、
彼女は陰謀については本当に何も知らない様子。
 
真偽を確かめるためにロシアまで行こうとしたところ命を狙われ、
ヘンリーはダニーを連れて逃げることを余儀なくされる。
 
なぜかヘンリーの行動はすべて読まれているようで、行く先々に刺客が。
DIAいちばんのスナイパーだったヘンリーは、難なく敵をなぎ倒していくが、
ただひとり、倒せないかもしれない相手が現れる。
それは30年前の自分とそっくりの刺客。
やがてその刺客がヘンリーのクローンであることがわかり……。
 
結論からいうと、まぁまぁです(笑)。
面白くないわけじゃないけど、そんなに面白いわけでもない。
なんというのか、キレがあまりよくない印象。

でもその金のかかり方のわりに地味なのです。

 
自分の若い頃とそっくりのクローンというのもなんだか気味が悪い。
でも、自分とまったく同じDNAを持つからこそ、
お互いの動きがわかるというのは面白い。
ダニーについて、50代の今は眼中にないけど30年前なら自分の好みのタイプ、
だからクローンもダニーを守ろうとするはず、なんてところも可笑しい。
そんなダニー役のメアリー・エリザベス・ウィンステッド、知的で○。
 
20年前にディズニーが製作して公開する予定だったそうです。
当時はこれを完成させるほどの技術がなくて、話は流れたとのこと。
そのころ監督として名前が挙がっていた面々や、
主演候補だった俳優たちの顔ぶれが凄いです。
凄すぎてワラけるほどなので、興味おありの方はウィキペディアをご覧ください。
 
結局ウィル・スミスに落ち着いたわけだけど、
ほかの俳優だったところでそんなに出来が変わったとも思えず、
まぁこれでよかったのかなぁ。

—–

『たわわな気持ち』

『たわわな気持ち』
監督:古澤健
出演:松本菜奈実,あけみみう,加藤ツバキ,古澤健,川瀬陽太,後藤ユウミ他
 
コインパーキングの値段がアホみたいに高くなりました。
以前なら終業後に梅田まで車を飛ばしてシネ・リーブル梅田で2本ハシゴしても、
駐車場代は500円とかだったのに、今はその3倍くらい取られる。
なんとか最大料金1,320円のタイムズを見つけて駐車。
それにしてもこの10月から駐車料金に端数が付くとこ多すぎ。(^^;
 
前述の『トスカーナの幸せレシピ』だけ観て帰るつもりでしたが、
20分220円の駐車場で最大料金分を払って1本観るだけってなんかもったいない。
やっぱり2本観ることにしました。
 
選択肢いろいろ。
村上春樹のドキュメンタリーも気になるし、観そびれていたフランス作品もある。
で、ノーマークだったのが本作。21:00からの回で舞台挨拶付きってどーゆーこと?
 
劇場のリーフレットで調べてみたら、“OP PICTURES+フェス”なるものを開催中。
日本で最初にピンク映画を配給したのが大蔵映画株式会社。1962年のこと。
以後、大蔵映画は「OP PICTURES(オーピー ピクチャーズ)」名義で36本のピンク映画を製作。
ピンク映画をより多くの人に観てもらえるようにと企画されたのがこれらしい。
2015年に始動したプロジェクトだそうで、
そういえば去年もシネ・リーブルでピンク映画やってるなと思った記憶が。
せっかく舞台挨拶付きの回を観る機会に恵まれたのですから、これは観たい。
ちなみに本作にはR15+とR18+バージョンがあり、上映していたのはR15+バージョンでした。
 
エロ雑誌ライターの綾(松本菜奈実)は肇(古澤健)と同棲中。
しかし肇はモラハラ気味で、綾の仕事を貶めるようなことばかり言う。
AVのような行為を求めるとはしたないと叱られ、どうしていいのか悩む日々。
 
ある日、肇が脱ぎ捨てた上着のポケットから風俗のスタンプカードを発見。
肇はカレン(あけみみう)という風俗嬢をいつも指名しているらしく、
カレンと会ってみたくなった綾は、取材のふりをして面会を申し込む。
 
取材の途中で、綾は自分が肇の恋人であることをカレンに伝え、
いつも肇がどういうプレイに勤しんでいるのかを尋ねる。
すると驚くことに、肇はコスプレを好み、自分はコンビニの店長役、
カレンにはそのアルバイト役を務めさせていることがわかり……。
 
女性客がいることで男性客が楽しめないかもしれないとも思いますし(笑)。
これが新世界の劇場とかなら絶対観に行けませんが、シネ・リーブルならもちろん大丈夫。
 
知っている俳優は綾の同僚で見た目冴えないけどモテる男、一郎役の川瀬陽太のみ。
お世辞にも上手いとは言えない女優陣の演技に萎えそうになっていたのですが、

彼女たちれっきとしたAV女優なんですね。

そらそうか、私がAV女優いろいろ知ってたらおかしいですよね。(^^;
彼女たちの一生懸命さは伝わってくる。
 
上映終了後の舞台挨拶、古澤健監督の話がすごく面白かった。
AV女優は目の前にカメラがあるのが普通だから、
カメラが遠くにあると逆に落ち着かないそぶりを見せるとか。なるほど。
 
肇役を監督自ら演じています。
自分で濡れ場を演じていいものか考えているときに
ロマン・ポランスキー監督の『テナント/恐怖を借りた男』(1976)を観て、
なぁんだ監督本人がずっぽりこんなことやってるじゃん、
じゃあ僕もやっちゃおうと思ったそうな(笑)。
 
監督曰く、「いつから映画に“余韻”が求められるようになったのか」。
昔は余韻なんて求められていなかったのに、
実生活っぽい映画、つまり余韻を皆が望むようになったのではと。
余韻要らんやんと笑う監督。そう言いつつ、ありますよね、余韻(笑)。

女も観られるピンク映画、観に行ける環境を歓迎します。

—–

『トスカーナの幸せレシピ』

『トスカーナの幸せレシピ』(原題:Quanto Basta)
監督:フランチェスコ・ファラスキ
出演:ヴィニーチョ・マルキオーニ,ヴァレリア・ソラリーノ,ルイジ・フェデーレ,ニコラ・シリ,
   ミルコ・フレッツァ,ベネデッタ・ポルカローリ,ジャンフランコ・ガッロ,アレッサンドロ・アベル他
 
へろっへろの日々が続くけど、観逃したくなかった作品がこれ。
土日祝は工事で新御が混むから、平日の仕事帰りにシネ・リーブル梅田へ。
 
中年男のアルトゥーロは、自他共に認める一流の料理の腕を持ち、
三ツ星レストランのシェフを務めていたのに、
短気な性格ゆえ怒りを抑えられず、職場で暴力を働いて刑務所入り。
出所の条件として社会奉仕活動を命じられ、
自立支援施設でアスペルガー症候群の若者たちに料理を教えることに。
 
さまざまな若者たちのなかに、絶対的な味覚と嗅覚の持ち主グイドがいた。
施設の指導者アンナは、祖父母と一緒に暮らすグイドの将来を特に心配。
高齢の祖父母にいつまで頼れるかわからず、早く自立させたいからだ。
 
料理が大好きなグイドは、有名シェフだったアルトゥーロのこともよく知っている。
アルトゥーロが来てくれたことを喜び、“若手料理人コンテスト”に出場したいと言い出す。
無理に決まっているとあきれるアルトゥーロだったが、
聞き入れようとしないグイドを見たアンナに懇願され、渋々引き受ける。
 
コンテストの会場であるトスカーナへと向かうアルトゥーロとグイドだったが……。
 
出所して自分の店を持ちたいのに金がない。
師匠に頼みに行くと短気な性格のせいで何度裏切られたことかと断られ、
友人に相談したときに言われることが面白い。
一ツ星だと腕が勝ちすぎる、三ツ星なら性格が問題視される。
腕さえよければ店が持てるというわけではないのですね。
 
これがハリウッド映画なら、もっと煽って感動的な話に仕立て上げたはず。
わりと淡々と進み、ラストもわりとあっさりと。
でも、師匠がいい味を出していてニヤリとさせられます。
小品だけど良い作品。
 
必要なのは完璧なポモドーロ。チョコレートソースなんてもってのほかですって。
ティンバッロ、食べたい!

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『ホームステイ ボクと僕の100日間』

『ホームステイ ボクと僕の100日間』(英題:Homestay)
監督:パークプム・ウォンプム
出演:ティーラドン・スパパンピンヨー,チャープラン・アーリークン他
 
テアトル梅田にて3本ハシゴの3本目。
 
森絵都の児童文学『カラフル』を映画化したタイ作品
ヒロイン役のチャープラン・アーリークンは、BNK48のキャプテンだそうな。
秋元康プロデュースのグループがタイにもあるって知らなんだ。
 
遺体安置室の中で目覚めたボク。死人が生き返ったと看護師が卒倒しかける。
記憶はまったくなく、何がどうなっているのやらわからずに戸惑っていると、
「管理人」を名乗る男が現れて言うには、一旦死んだボクは「抽選」に当たり、
自殺したばかりの男子高校生ミンの肉体に「ホームステイ」する権利を得た。
病院で息を吹き返したミンとして人生を再スタートさせることができる。
 
ただし、ミンの自殺の原因を100日以内に突き止めよとのこと。
もしも突き止められなかった場合はボクの魂は永遠に消える。
突き止められた場合はそのままミンとして生きることができるのだと。
 
家族のことも同級生たちのことも何も覚えていないながらも、
なんとかミンのことを探って自殺の原因を調べようとするボク。
母親はミンのことを誰よりも大事に思っている様子。
父親はひとでなしのようだし、兄はボクを嫌っているようだ。
学校では同じ応援部に所属する女子リーがボクの親友。
優等生の後輩パイのことをボクは好きで、向こうもたぶんボクのことが好き。
 
さまざまな状況からまず自殺の原因を兄ではないかと考えるボクだったが……。
 
20年くらい前のタイ作品と比較して、どんどん洗練されてきているように思います。
昔はムエタイかニューハーフの印象が強かったですから。
 
ミン、パイ、リーが初々しくて、特に私はリー役のSaruda Kiatwarawutが好き。
日本語のサイトがなくてなんと読めばいいかわかりません。(^^;
親友としてつきあっているけれど、ミンに寄せる想いが切なさいっぱい。
 
『バッド・ジーニアス』でも感じた、良い成績を収めることがとにかく必要な社会。
特にあまり裕福でない家庭では、よからぬことを求められても応じるしかない状況らしい。
そんなこともわかって、興味を引かれます。
 
誰もわかってくれない。自分はひとりぼっちだと思い込んで命を絶つ人がいる。
本当にそんな境遇にある人もいるかもしれないけれど、
もしこれまでの人生を見つめ直してみたら、こんなこともあるかも。
 
あの人にもこの人にも好きだと伝えたい、そんな気持ちになる作品だと思います。

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『お料理帖 息子に遺す記憶のレシピ』

『お料理帖 息子に遺す記憶のレシピ』(英題:Notebook from My Mother)
監督:キム・ソンホ
出演:イ・ジュシル,イ・ジョンヒョク,キム・ソンウン,
   キム・ソンファ,イ・ヨンア,イ・ジュンヒョク他
 
テアトル梅田にて、3本ハシゴの2本目。
 
韓国と日本の関係がニュースになるたびに心がしくしくと痛む私は、
ラグビー日本代表の具智元選手がテレビ出演しているのを見ると嬉しくなる。
劇場で韓国作品を観るときも同じ気持ち。
日本人も韓国人も同じものに感動できるはずなのになぁ。
 
監督は『犬どろぼう完全計画』(2014)のキム・ソンホ。
4年前に劇場で観てボロ泣きしたのを思い出す。
あれほどは泣かなかったけど、これもほんのちょっぴり涙。
 
30年続く惣菜店をひとりで切り盛りするエラン。
息子のギュヒョンは万年非常勤講師で実入りが少ないから、
嫁のスジンは幼い子どもたちの食事をエランに頼っている。
今度こそ教授になるべくよろしく取り計らってもらおうと、
友人を通じて宴席を設けてもらったところ、
教授になるには大学への寄付金5千万ウォンが必要だと耳打ちされる。
どうやって金を工面すればよいのか。
 
そんな折り、エランに認知症の兆候が現れはじめる。
ギュヒョンは妹のヘウォンと相談するが、どちらも母親を引き取る余裕はない。
家と店を手放したくはない、でも息子や娘の世話にはなりたくないエランを
金銭的になんとかなりそうな施設に入れることに決め、
店を閉めて売り払う準備に取りかかるギュヒョンだったが……。

住宅街の中にある、店舗と一体型の家がまず面白くて興味を惹かれます。
また、こういう家はすぐに売れるとのこと。
5千万ウォンつくれたらいいと思っていたら、
不動産屋から2億ウォンになると聞かされてギュヒョンの目は真ん丸に。
 
どうしようもないし、どうする気もないのに
そして、一旦は施設に入れるけれどやはり引き取るというのも映画に多い。
施設に入れるのは可哀想、最後まで家で面倒を見るのがいいこと。
この意識が根底にあることは気になります。
 
韓国料理店に並んでいるような料理とは一味も二味もちがう数々の家庭料理。
好き嫌いのある子どもたちが美味しいと言って食べられるようになされる母親の工夫。
母親に愛されていないと思っていた息子が、自分のためにつくられた料理を思い出すとき。
 
いい話にされすぎている印象はあるけれど、シンプルに、美味しそうでした。
このおにぎりは食べたい。

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