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『恐竜が教えてくれたこと』

『恐竜が教えてくれたこと』(原題:Mijn Bijzonder Rare Week Met Tess)
監督:ステーフェン・ワウテルロウト
出演:ソニー・コープス・ファン・ウッテレン,ヨゼフィン・アーレントセン,
   ジェニファー・ホフマン,ティーボ・ヘリッツマ,ヨハネス・キーナスト他
 
先週土曜日、西宮で3本ハシゴして、六甲で晩ごはん
めっちゃ飲んで酔っぱらい、日曜日に映画を観に行くのは無理だと思ったけれど、
この頃どれだけ飲もうが早くに目が覚めてしまうのですよねぇ。
せっかく起きたので、シネ・リーブル梅田へ。
ものすごく好みの作品で、早起きして観に行った甲斐がありました。
 
オランダ作品。
原作はアンナ・ウォルツの児童文学『ぼくとテスの秘密の七日間』。
ステーフェン・ワウテルロウト監督は、本作で長編デビュー。
 
11歳の少年サムは、家族と共にオランダ北部のテルスヘリング島へ。
1週間のサマーバカンスを楽しむ予定だ。
 
初日、父と兄ヨーレの3人でビーチでサッカーをしていたところ、
サムが掘った穴にヨーレが落ちて骨折。
ヨーレが診察を受ける間、付近をぶらつくサムは、地元の少女テスと出会う。
 
サムもよく変わっていると言われるけれど、
そんなサムから見てもテスはずいぶん変わっている。
いきなりサルサを踊る練習をしようと誘われ、すっかりテスのペースに。
 
彼女はシングルマザーである自分の母親には内緒で、
父親が誰であるか、また彼がどこに住んでいるかを突き止めたと言う。
12年前、母親は当時の彼氏ヒューホに妊娠を告げずに別れたから、
ヒューホはテスの存在を知らない。
テスは、母親が所有する貸別荘に、ヒューホとその彼女を偽の手紙で招待。
折を見て「あなたは私のパパです」と言うつもりで……。
 
「最後の恐竜は、自分が最後の1匹だって知っていたかな」とふと考えるサム。
自分は末っ子だし、普通に行けばみんな自分より先に死んでしまう。
ひとりになるのはきっととても寂しいから、
ひとりでいられるように毎日訓練をすることを思いつきます。
今日は2時間、明日は4時間というふうに時間を毎日増やして。
 
でも、テスに振り回されるわ、家族は放っておいてくれないわで、
なかなかひとりでいる訓練が進まない。
このサムがめちゃめちゃ可愛くて惚れました。少年、がんばれ。
 
豆知識もいろいろだったなぁ。
ゴ○ブリ(全部は書きたくない(笑))は頭がもげても9日間生き続け、
9日目に餓死するって、ほんとですか。
 
小学生ぐらいの歳だった頃の思い出。
人生の大半は頭の中にあるから、思い出をいっぱいつくればいいのさ。
老人ヒレの言葉が心に沁みます。すごくよかった。

—–

『ハリエット』

『ハリエット』(原題:Harriet)
監督:ケイシー・レモンズ
出演:シンシア・エリヴォ,レスリー・オドム・Jr.,ジョー・アルウィン,ジャネール・モネイ,
   クラーク・ピータース,ヴァネッサ・ベル・キャロウェイ,ザカリー・モモー他
 
TOHOシネマズ西宮にて3本ハシゴの3本目。
 
多くの奴隷を救って「女モーセ」と呼ばれた解放運動家ハリエット・タブマンの半生。
実在の女性であることも知らずに観て、心を打たれました。
彼女は後に女性解放運動にも心血を注ぎ、
今年アメリカで発行される20ドル紙幣のデザインに起用されるとのこと。
アフリカ系アメリカ人としては初のことだそうです。
と思ったら、デザイン刷新が延期になって、これがまた物議を醸している模様。
トランプ大統領が「2ドル紙幣にしろ」とかも言うているらしい。(–;
 
19世紀のアメリカ・メリーランド州、ブローダス農場。
奴隷として主に仕えるミンティは、まもなく自分が売り飛ばされることを知る。
農場は経営危機に陥っており、借金の形にされてしまうのだ。
 
ミンティには自由黒人の夫ジョンがいるが、
もしもジョンと一緒に逃げれば、バレたときに彼にも迷惑がかかるだろう。
同じ農場で働く両親や弟妹たちのことも心配だが、
とりあえず売り飛ばされることになっているのは自分だけ。
ミンティはたったひとりで脱走を図って160キロの旅へ。
血眼になって彼女を探す主の息子ギデオンからなんとか逃げ切る。
 
たどり着いた先は、奴隷制がすでに廃止されているペンシルヴェニア州フィラデルフィア
そこには「地下鉄道」という組織があり、
奴隷制がはびこる南部諸州から奴隷制を廃止した北部諸州への逃亡を手助けしていた。
 
ミンティは新しい人生の始めるつもりでハリエット・タブマンと名前を変える。
まずは家族を救出するためにメリーランド州へ戻ろうとするのだが……。
 
いつも思うことなのですが、奴隷のほうが人数が多いんだから、
みんなで横暴な主に飛びかかってしまえばいいのにって。
そんなに簡単に行くなら、みんなやっていますよね。(^^;
 
同じ人間なのに、尊厳も何もあったものじゃない、人間以下の扱い方。
これが当たり前だという考え方の人がいる一方、
どんなに差別の根づいた土地であっても、それはおかしいと考える人もいる。
躊躇なく手を貸す人もいたということには安堵します。
辛い目になど遭ったことのない金持ちだからこそ支援の手を差し伸べてくれるのか、
いや、でも、金持ちにだって差別主義者はごろごろいたはずで、
いったいどういう環境が差別する人としない人を生み出すのでしょう。
 
こういう立派な女性がいたと知ることができてよかった。

—–

『ポップスター』

『ポップスター』(原題:Vox Lux)
監督:ブラディ・コーベット
出演:ナタリー・ポートマン,ジュード・ロウ,ステイシー・マーティン,
   ジェニファー・イーリー,ラフィー・キャシディ他
 
TOHOシネマズ西宮にて、3本ハシゴの2本目。
 
劇場の営業が再開されてからも、上映されるのは旧作や準新作ばかりでした。
それはそれで名作をスクリーンで観る機会となってよかったのですが、
やっぱり最新作も早くかかってほしいがな。
6月の1週目からぼちぼち最新作が公開されて嬉しい。
で、最新作を片っ端から観ることに。
 
ナタリー・ポートマンは優等生すぎる印象があって、
別に嫌いじゃないけれど、特に好きでもありません。
本作を選んだのは、最新作を片っ端から観るに当たり、
時間的にちょうどよかっただけのこと。
そして家のもっと近くの劇場では上映されていないから、
休日に潰しておこうと思っただけのことです。
 
それゆえ、あらすじなどをまったく知らず、
彼女が落ち目の歌手を演じているのかなと想像していたら、
冒頭に銃乱射事件が出てきて驚いた。想像と違いすぎる幕開け。
 
14歳の少女セレステが通う学校で、同級生が銃を乱射。
教師と多数の生徒が亡くなり、セレステは一命を取り留めたものの、
脊髄に損傷を負い、銃弾は体の中に残されたまま。
 
当日たまたま学校を休んでいた姉エリーは妹の怪我に責任を感じ、
片時もセレステから離れようとしない。
教会でおこなわれた追悼式では、姉妹で作った曲を披露。
エリーがピアノを弾き、セレステが歌う。
その曲が人々の心を揺さぶり、セレステはスターとなる
 
それから17年経った2017年。
31歳になったセレステはさまざまなトラブルを抱えてスターダムから転落。
しかし歌うことをやめようとは考えず、
キャリアの集大成となるアルバムをひっさげてツアーを開始する。
 
原題の“Vox Lux”はラテン語で「光の声」を意味するそうで、
これがセレステの復活をかけたツアーの名前でもあります。
 
歌手になるのはもともとは姉エリーの夢でした。
悲劇のヒロインになった妹セレステがそれを替わって叶えてしまった。
舞い上がるセレステは自身がまだまだ子どもだったのに、
ナンパされて一晩を共に過ごしたバンドのメンバーとの間に子どもができる。
その面倒をすべてエリーに見させておいて、姉に甘えまくりの言いたい放題。
 
目の前で銃が乱射され、人がバタバタと死んでゆく。
私には事件の被害者の気持ちを考えてみることはできても、
彼ら彼女らの気持ちがわかるなんてことは言えません。
凄く凄くつらかったろうと思うけれど、だからってこのセレステの態度は不愉快。
 
と、こちらが不愉快になるほど不安定なセレステの気持ちを
ナタリー・ポートマンは上手く表していると思います。
優等生すぎる彼女が悪態つく女を演じても、やっぱり優等生。でもしっかり演技派。
 
あんな事件だったからこそ、ポップな曲を歌う、踊る。
ちょっとわかる気がします。
 
マネージャー役のジュード・ロウは以前より明らかに髪が増えていると思う。
気のせいじゃないですよね!?

—–

『JAWS/ジョーズ』

『JAWS/ジョーズ』(原題:Jaws)
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:ロイ・シャイダー,ロバート・ショウ,リチャード・ドレイファス,
   ロレイン・ゲイリー,カール・ゴットリーブ,マーレイ・ハミルトン他
 
営業再開後初めてTOHOシネマズ西宮へ。
梅田同様、席はひとつ飛ばしで販売されていて、テープ等は貼られていません。
でも、入場時に検温はするようになっています。
 
1975年のアメリカ作品を“午前十時の映画祭10+”にて。
スティーヴン・スピルバーグの出世作ということでいいでしょうか。
でも私、実はこれも観たことがなかったんです。
だってホラー苦手だったから。
今はこの手のパニックホラー、大好きですけどね。
特に、海に放り出されて怯えるやつには目がありません(笑)。
 
アメリカ東海岸に位置する町アミティ。
ニューヨークから異動してきたばかりの警察署長ブロディは、
浜辺に打ち上げられた遺体の死因が鮫に襲われたせいだと知る。
 
鮫を殺すまでは遊泳禁止にしようとするが、
何もないこの田舎町では夏は掻き入れ時。
人食い鮫の存在を決して皆に悟られてはならぬと市長から命じられる。
 
監視員を増やして警戒を怠らないようにするも次の犠牲者が。
もはや隠し通せず、富裕な住民が鮫を殺した者には懸賞金3千ドルを出すことに。
しかしその3千ドルが安すぎるとイチャモンを付けたのが、漁師クイント。
命懸けで挑むのだから1万ドルは出せと市長に凄む。渋る市長。
 
3千ドル目当てに人々は海へと繰り出し、またしても被害が出る。
ブロディがどうすれば良いものやら困り果てていたところ、
やってきたのが海洋学者のフーパー。
ちょうどそのとき、人食い鮫を捕らえたとの連絡が入るが、
フーパーはその鮫を一目見て、もっと大きな鮫がいると断言。
 
ブロディとフーパーはクイントと共に船に乗り込み、人食い鮫退治に向かうのだが……。
 
本作を撮ったとき、スピルバーグはまだ20代だったとか。凄いなぁ。
ブロディ役にロイ・シャイダー、クイント役にロバート・ショウ
3人とも鮫退治の目的が違うから、臨み方いろいろなのが面白い。
 
犬猿の仲だったはずのクイントとフーパーが酒を酌み交わし、
怪我自慢を始めるシーンが好きです。
ただ、フーパーもクイントを認めざるをえなくなる話が、
広島に原爆を届けた帰りに鮫に遭って」というくだりは、
日本人としては非常に辛いところですね。
 
これも劇場で観ることができてよかった。
市長は鮫に喰われちゃえばなおよかったのにねぇ!?

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『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』

『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』(原題:Tout en Haut du Monde)
監督:レミ・シャイエ
声の出演:クリスタ・テレ,フェオドール・アトキン,ファビアン・ブリシェ,
     レミ・カイユボ,ロイック・ウードレ,ヴィヴィアン・ヴェルメシュ他
 
昨年9月に公開された作品で、ロシアが舞台のアニメだと聞き、
なんとなく睡魔に襲われそうな気がしてパスしました。
TOHOシネマズ伊丹で、寅さん寅さんと来て、
ほかに観るものもなかったためにこれを観たら、めちゃめちゃよかった。
 
19世紀後半のロシア・サンクトペテルブルク
14歳の少女サーシャは名門貴族の一人娘。
祖父で著名な探検家オルキンの血を受け継ぎ、大いなる冒険心を持っている。
 
オルキンは数年前に北極点を目指して砕氷船ダバイ号で航海に出たが、
途中で船からの通信が途絶えたきり、行方不明に。
国の英雄オルキンのこと、皇帝が捜索を指示したものの見つからず、
船長も船員も船もろとも海の底に沈んだと見なされて、捜索は中止に。
 
その皇帝の息子トムスキーが、サーシャの社交界デビューの舞踏会にやってくる。
サーシャは、ダバイ号は決して沈まない船であることをトムスキーに言い募り、
もう一度捜索をしてほしいと頼み込んだところ、トムスキーが激怒。
サーシャの父親までもが、彼女が一族の名を貶めたとして叱りつける。
 
こうなったら私がダバイ号を捜し当てる。
夜中にひとりでこっそりと家を飛び出したサーシャは、
オルキンが残した航路図からダバイ号の進路を予測。
アルハンゲリスクの港へとたどり着き、
停泊していた船の船長を名乗るラルソンに話しかけるのだが……。
 
ロシアが舞台ですが、フランス/デンマーク作品ゆえ、全編フランス語。
スタジオジブリのアニメなどとはまた違って、異国の匂いが良い感じ。
 
面白いのは、サーシャがすぐには船に乗り込めないところ。
船長だと言うから話しかけたのに、ラルソンは実は航海士。
サーシャの大事なイヤリングを騙し取ったうえ、彼女を置き去りにします。
一文無しになったサーシャを助けるのは、港の食堂の女将オルガ。
食事とベッドを提供してやるから店で働け、
一生懸命働いていたら1カ月なんてすぐ経って、
ラルソンの乗った船が帰ってくるさと言うんですね。
 
なにしろお嬢ですから、食堂の仕事なんてしたことあるわけがない。
最初は何もできなかったのに、泣き言はいわず、とにかくよく働く。
そのうちものすごいスピードでジャガイモの皮を剥けるようになり、
海の荒くれ男たちのあしらいも上手くなる。とても頼もしい少女です。
 
ラルソンの乗った船ノルゲ号が港に帰ってきて、
サーシャは本当の船長ルンドと会う。
ルンドは船にぜったい女を乗せようとはしない人なのですが、
サーシャの話を聞いて、ダバイ号を捜すことに決めます。
 
流氷の中をかき分けて進むノルゲ号。
その後はまるで『残された者 北の極地』(2018)の世界。
15歳の少女にそんな怪力ないやろと時折ツッコミ入れたくなるけれど、
あきらめない彼女を応援したくなります。
 
去年はスルーした作品をコロナ禍で上映してくれたおかげで、
鑑賞の機会を得ることができました。よかったなぁ。

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