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『アドリフト 41日間の漂流』

『アドリフト 41日間の漂流』(原題:Adrift)
監督:バルタザール・コルマウクル
出演:シェイリーン・ウッドリー,サム・クラフリン他
 
大阪ステーションシティシネマで2本観た後、梅田ブルク7へ移動。
その間10分しかなくて、このハシゴは結構無謀。
本編が始まるまでには入場できたのでセーフです。
 
極限状態に置かれる作品を私はスルーできないらしい。
そりゃいかに無謀なハシゴになろうとも駆けつけますよ。
 
これも実話が基なのだそうで。
エンドロールが回りはじめたとき、最後列で鑑賞していた男性が、
「すげぇ、すげぇ」と小声で連呼していました。確かにすげぇ。
 
1983年10月。
船の仕事に携わりたくてタヒチに渡った24歳の女性タミーは、
世界中を旅する30歳の男性リチャードと出会う。
共に過ごすようになり、これを運命だと感じたふたりは婚約。
 
そんな折、リチャードのもとへある依頼が舞い込む。
それは富裕な夫婦が所有する豪華ヨットをサンディエゴまで届けてほしいというもの。
タヒチからそこまではおよそ6,400キロ。
高額の報酬と帰りのファーストクラスのチケットを保証すると言われ、
タミーのチケットも手配してくれるならばと了承。
リチャードのオマケだとは思われたくないタミーだったが、
豪華ヨットでふたりで航海するせっかくの機会。
 
順調に海を滑り出したふたりだったが、2週間後、巨大ハリケーンに遭遇。
リチャードは海に投げ出されて瀕死の重傷を負い、
ヨット自体も壊滅的なダメージを受けたため、自力での航行不能に。
無線も当然つながらず、誰かが通ることもないだろう大海原。
 
タミーはなんとか自らを奮い立たせ、生き延びようとするのだが……。
 
オマケだと思われたくないなんて言っていましたけれど、
タミーは凄い女性なんです。船の知識も豊富で、賢くて力もある。
そんな彼女をシェイリーン・ウッドリーが熱演。
41日間漂流して生き延びる。最後列の人のつぶやき、ごもっとも。
 
彼女は今も船に乗りつづけているとのこと。
その映像も観られます。
 
遭難ものも漂流ものも好きだけど、自分がこんな目に遭ったら、
絶対生き延びられるとは思えない。すぐにあきらめちゃいます、たぶん。(–;
そもそもこんな旅には出ん。(^^;

—–

『幸福の黄色いハンカチ』

『幸福の黄色いハンカチ』
監督:山田洋次
出演:高倉健,倍賞千恵子,武田鉄矢,桃井かおり,渥美清他
 
梅田で4本ハシゴの2本目はこれ。
1本目と同じく大阪ステーションシティシネマにて。
 
テレビで観たことはあると思い込んでいたのですが、
どうやら観たのは最後の黄色いハンカチだらけのシーンのみだったみたい。
山田洋次監督、1977年の作品です。寅さん渥美清も友情的出演(笑)。
 
殺人の罪で服役していた中年男・島勇作(高倉健)。
刑期を終えて網走刑務所を出所する。
夕張にいるはずの妻・光枝(倍賞千恵子)に葉書を書いたものの、
自分を待っているとも思えず、向かうべきかどうか迷っている。
 
一方、交際中のガールフレンドにふられた若者・花田欽也(武田鉄矢)は、
むしゃくしゃして勤務先を突然辞めると、退職金をはたいて新車を購入。
派手に遊んでやると北海道へ乗り込む。
ナンパすべく声をかけるも拒絶され、やっと話に乗ってきたのが、
こちらも傷心のひとり旅中の女性・小川朱実(桃井かおり)。
 
オホーツクの海辺でたまたま勇作と出会った欽也と朱美は、
行く当てがまだないという勇作に同乗を進める。
 
こうして始まる3人のロードムービー
 
いま観ると、武田鉄矢演じる欽也が百姓をさんざんバカにしていて問題。(^^;
駐車場で他人の車のボンネットの上に地図を広げるのも無しでしょう。
それに、いくら妻に流産した過去があったからって、
妻がバツイチなことを知っていて口説き落としたわけですから、
卓袱台ひっくり返すほど怒ったらあかんと思うのです。(^o^;
畳の上は割れたガラスだらけやで、危なくしゃあないがな。
そんなふうに、キレたら暴力的になる旦那、待ちます!?
 
そうなんですけどね、健さんカッコよすぎる。
私は寅さんも観たことがなければ、健さんの昔の出演作も観たことがなかったから、
こんな若い健さんを初めて見て、そりゃ人気あったはずだわと思いました。
 
当時ヒット中だったものもタイムリーに盛り込まれていて楽しい。
武田鉄矢のキスシーンのアップは要らんかったけど(笑)。
 
ちなみに、箕面市は毎年1月17日が防災訓練の日で、
無事を知らせるために玄関に黄色いハンカチやタオルをぶらさげておくことになっています。

—–

『ペイン・アンド・グローリー』

『ペイン・アンド・グローリー』(原題:Dolor y Gloria)
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:アントニオ・バンデラス,アシエル・エチェアンディア,レオナルド・スバラーリャ,
   ノラ・ナバス,フリエタ・セラーノ,ペネロペ・クルス,セシリア・ロス他
 
梅田で4本ハシゴの1本目。大阪ステーションシティシネマにて。
ステーションシティシネマは、緊急事態宣言解除のあと、
座席を3つ空けて販売していましたが、1つ置きに変わっていました。
 
スペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督の自伝的要素が強い作品なのだそうです。
やっぱり好きだなぁ、この監督。
シネコンでしか映画を観ないという人には薦められませんが
(これが上映されているのはシネコンだけれども(笑))、
ミニシアター好きな人には推したい。
って、ミニシアター好きな人は推されなくても観るか、これは。
 
世界的に著名な映画監督サルバドールは、心身共に調子が悪く、
今はほぼひきこもって引退同然の毎日を送っている。
そんなとき、彼の昔の作品『風味』が後世に残すべき作品と認められ、
このたび修復されてプレミア上映されることになったと連絡が入る。
ついては、サルバドールおよび主演俳優だったアルベルトを招待したいと。
 
30年以上前の『風味』の撮影時、サルバドールはアルベルトに怒っていた。
アルベルトはヘロインを常用し、撮影時にも吸引してきたうえに、
サルバドールの脚本を無視して演技したから。
しかし今になって改めて見てみれば、その演技が悪くないと思えるようになった。
 
大喧嘩したのを最後に絶縁していたが、サルバドールはアルベルトを訪問。
プレミア上映のことを告げ、一緒に出席する約束をする。
お互い過去を水に流し、再び酒も酌み交わすようになる。
 
ある日、アルベルトはサルバドールの短編を発見。
演技する機会に飢えていたアルベルトは、
この素晴らしい短編をどうか舞台で演じさせてほしいと懇願するのだが……。
 
アルモドバル監督がカミングアウトしたことがあるのかどうか知りませんが、
ゲイであるのは誰もが知ること。
そんな監督の少年時代のことも描かれていて、目が離せません。
特別出演している母親役のペネロペ・クルスの美しいこと。
彼女同様にアルモドバル監督作の常連アントニオ・バンデラスがサルバドール役。
彼とその恋人だったフェデリコの再会シーンは涙ぽろり。
安直にベッドになだれ込んだりしないところもいいじゃないですか。
『色男ホ・セク』のラストシーンに似た感慨。
好きで好きでたまらなかった人との再会には、男も女もない。
 
昔は腹立たしかった俳優の演技も今見れば悪くはないという監督に、
「作品自体は変わっていないのだから、あなたの見る目が変わったのよ」という、
女優の台詞を聞いて、そうなのだろうなぁと思いました。
ということは、昔は良さがちっともわからなかった映画も
そのうちもう一度観てみるのがよさそうですね。
 
現在68歳のアルモドバル監督。
まだまだ長生きしてこんな良作を撮りつづけてくださいね。

—–

『エジソンズ・ゲーム』

『エジソンズ・ゲーム』(原題:The Current War: Director’s Cut)
監督:アルフォンソ・ゴメス=レホン
出演:ベネディクト・カンバーバッチ,マイケル・シャノン,ニコラス・ホルト,
   トム・ホランド,キャサリン・ウォーターストン,マシュー・マクファディン他
 
基本的には観た順に書いてUPしていますが、
そのマイ・ルールを崩して先週末の公開作品を先にUPします。
 
封切り日の最終の回をTOHOシネマズ伊丹にて。
 
誰でも知っている天才発明家トーマス・エジソン。
知っているけれど、こんなビジネスバトルがあったとは知りませんでした。
 
そして本作の撮影に関してハーヴェイ・ワインスタインがらみで
いろいろと難儀なことが起こっていたというのも知りませんでした。
プロデューサーだったワインスタインがあれこれと口出ししてきて大変だったらしく、
その後にワインスタインがセクハラ疑惑で告発されたせいでまた波乱が。
結果的にはその告発のおかげでアルフォンソ・ゴメス=レホン監督は再撮影を開始。
本作の完成に至ったとか。マーティン・スコセッシ監督、グッジョブ。
ウィキペディアに詳しく書かれていますので、興味おありの方はそちらをどうぞ。
 
1880年代のアメリカ。
白熱電球の事業化を成功させたトーマス・エジソンは、
電気の普及のために送電システムの構築に力を入れる。
そんな折、エジソンを一人勝ちさせてなるものかと
彼の前に立ちはだかったのがカリスマ実業家ジョージ・ウェスティングハウス。
 
電力の供給を直流送電にこだわるエジソンに対し、
ウェスティングハウスは交流送電ならばより安価に供給できると唱える。
対立するのではなく、両者共同で電力送電システムを開発しようと、
ウェスティングハウスはエジソン夫妻を招いて晩餐会を催すが、
なんとエジソンはこれを無視。対立が決定的となる。
 
一方、エジソンのもとで働いていた若き発明家ニコラ・テスラは、
自分の処遇に不満を持ち、エジソンの会社から立ち去る。
テスラもまた交流送電を主張していたことから、
ウェスティングハウスはテスラを引き込もうとするのだが……。
 
ウェスティングハウスにマイケル・シャノン
マイケル・シャノンは嫌な奴の役の多い俳優ですが、
本作ではエジソンがあまりにつれなくて、ちょっぴり気の毒な面も。
テスラ役にはニコラス・ホルト
エジソンの助手で秘書も務めるトム・ホランドが良い感じ。
 
これぐらい気難しい人でなければ優れた発明は生まれないのか。
変人ぶりを発揮するカンバーバッチにニヤニヤ。
発明する頭は持っていても、それを具体化する資金がなけりゃどうしようもない。
金持ちの争奪合戦になるのも面白い。
 
地味な感じは否めないけれど、私は結構好きでした。
蛍光灯よりも白熱灯の光のほうが好きですし。
蛍光灯はほぼなし、LEDもいまだに使用せず、白熱灯ばかりのわが家です。

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『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(原題:Little Women)
監督:グレタ・ガーウィグ
出演:シアーシャ・ローナン,エマ・ワトソン,フローレンス・ピュー,エリザ・スカンレン,
   ローラ・ダーン,ティモシー・シャラメ,メリル・ストリープ,クリス・クーパー他
 
仕事帰りに109シネマズ箕面にて1本だけ。
 
女優であり脚本家であるグレタ・ガーウィグのことがもともと好きです。
それにしたって、ルイーザ・メイ・オルコットの『若草物語』といえば、
150年以上も経っても読み継がれてたびたび映画化されている不朽の名作。
いずれの映画版も当時のアカデミー賞にノミネートされるなど、
そこそこ以上の評価を得ていますから、わざわざそれに挑むとは。
 
と心配もするところ、この現代的解釈がとても頼もしくて面白い。
監督デビュー作の『レディ・バード』(2017)もよかったけど、本作のほうが断然好き。
何の役をしても同じに見えてきていたシアーシャ・ローナンは、
本作でもやっぱり同じに見えなくもないけれど、役にピタッとハマっています。
 
1860年代のアメリカ・マサチューセッツ州に暮らすマーチ家。
世は南北戦争の時代。牧師である父親は、奴隷解放を目指す北軍に篤志。
母親と4人の娘が家に残り、父親の留守を守りつづけている。
 
長女メグ(エマ・ワトソン)は結婚こそが女の幸せと信じる、おしとやかな女性。
次女ジョー(シアーシャ・ローナン)は結婚すれば何もかも終わりだという考えを持つ。
小説家になる夢を叶えるべく、執筆に勤しむ毎日。
三女ベス(エリザ・スカンレン)は自分よりも他人の幸せを願う優しい女性。
四女エイミー(フローレンス・ピュー)は金持ちと結婚することが人生の目標。
 
ある日、メグと共に舞踏会に参加したジョーは、
マーチ家の向かいの裕福な家に暮らす若者ローリー(ティモシー・シャラメ)と出会って意気投合。
ほどなくして四姉妹とローリーは、お互いの家を行き来するようになる。
 
四姉妹がそれぞれいきいきとしていて、だれるところがありません。
母親役のローラ・ダーン、伯母役のメリル・ストリープ、どちらも素晴らしい。
シリアスなイメージしかなかった美少年ティモシー・シャラメは
こんな役もできるのだと驚きました。
お向かいのお金持ち、ローレンスさん役のクリス・クーパー
なんだかものすごくお爺さんになっていてこれまたビックリ。でもさすがの上手さ。
 
物語は今と過去を行ったり来たり。
今の話だと思いきや、いきなり過去の話になっていたりしますが、
不思議とややこしくはなく、自然にこっちも回顧しています。
 
『ストーリー・オブ・マイライフ』という邦題はとてもよくできている。
この物語自体がジョーの書く本になっているわけで、
原作者オルコットにジョーをそのまま重ねた仕立てなんですねぇ。
映画が終わるとき、本も完成を見るのでした。
 
『若草物語』を読み返したくなること、間違いなし。

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