『SUNNY 強い気持ち・強い愛』
監督:大根仁
出演:篠原涼子,広瀬すず,小池栄子,ともさかりえ,渡辺直美,池田エライザ,山本舞香,
野田美桜,田辺桃子,富田望生,三浦春馬,リリー・フランキー,板谷由夏他
土曜日に『アントマン&ワスプ』を観たTOHOシネマズ西宮へ日曜日も行く。
あ、先週のことです。
2本ハシゴの1本目はこれ。
6年前にシネマート心斎橋で観た韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』(2011)。
すごく良かったのをずっと覚えていたので、
日本でリメイクされると聞いたときは嬉しいよりも心配に。
あんなに良かった作品をあれ以上の作品にできるのかと思って。
だけど監督は大根仁。面白いことを期待しようではないですか。
そもそもオリジナルの『サニー』は、彼女たちが歌う曲そのものが“SUNNY”なのです。
オリジナル版のレビューにも書きましたが、“SUNNY”はボビー・ヘブの1966年の曲。
私は小学生のときに岩崎宏美のライブアルバムで知りました。
にもかかわらず、リメイク版には曲としての“SUNNY”は「さ」の字も出てきません。
別にいいけど、ちょっと寂しいような気も。
奈美(篠原涼子)は出張しがちな夫と高校生の娘を持つ専業主婦。
経済的には何も苦労はしていないが、なんとなく空虚な毎日。
入院中の母親(キムラ緑子)の見舞いに夫婦そろって行くはずだったのに、
すっかり忘れていたらしい夫は、奈美に金だけ渡して出かけてしまう。
母親を見舞ったあと、女性が苦しげな声を上げている個室の前を通りかかる。
ふと病室の名札を見てびっくり。入院患者は芹香(板谷由夏)、高校の同級生だった。
芹香に話を聞くと、彼女は独身のままでいくつも会社を経営しているらしい。
しかし末期癌に冒され、余命はあと1カ月。
芹香は一緒に高校時代を過ごした奈美を含む仲間5人にもう一度会いたいと言う。
ちょうど奈美の夫は1カ月間の海外出張。
芹香の最期の願いを叶えるべく、奈美は行動を開始するのだが……。
今の彼女たちと20年前の女子高生の彼女たちを演じるのはこんな面々。
奈美:篠原涼子 ← 広瀬すず
芹香:板谷由夏 ← 山本舞香
裕子:小池栄子 ← 野田美桜
心 :ともさかりえ ← 田辺桃子
梅 :渡辺直美 ← 富田望生
奈々:池田エライザ(なぜか彼女だけ老けメイクでどちらも)
あとは、高校時代の奈美の憧れの人に三浦春馬。
彼女たちの行方を捜す探偵にリリー・フランキー。
安室奈美恵ほか、1990年代に流行ったJ-POPのオンパレード。
コギャルブームに湧いたその時代に高校生活を送った人ならさぞかし楽しいでしょう。
私の場合はもう少し(だいぶ?)上の年代のため、
90年代のJ-POPだらけの映画よりは、80年代の洋楽だらけの映画のほうがワクワクします。
すごく親しかった友だちと音信不通になるのはなぜなんでしょうね。
私はそれぞれの学校時代に親しかった友だちとは今もつきあっているので、
こんなに仲がよかったのに探偵を雇うほど疎遠になるのは不思議。
韓国版だと、同じアジアといえどもよその国のこと、ちょっと遠めに楽しく観られたのが、
日本版では一気にいろんなことが身近な話に思えて、
こんなにも当時と生活環境が変わった友だちと普通につきあえるか疑問。
どれだけつらい思いをしたか知らんけど、
ずっと疎遠だった人からこんなもん貰えますか。
と、ちょっと冷ややかな目で見てしまったりもするのでした。
なんだかんだで楽しく観ていたのに、ラストでテンションが下がったのは、
リリー・フランキー演じる探偵の「さ入れ」のせいです。
「遺言を読まさせていただきます」って、最悪。
その後ちゃんと「来られない人もいるだろうけれど」って、
「ら抜き」にはならなかったのに。
それにしても不思議だなぁ。
「読まさせていただきます」とか「言わさせていただきます」とかの「さ入れ」。
そんな台詞を自分が言わされそうになったとき、
「これ、誤った日本語ですよ」って誰も言わないの?
字幕のときだって誰か「これおかしい」って言わないのかなぁ。
はい、こんなことで作品自体の評価を下げる私は心が狭いです。(^^;
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