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『サニー 永遠の仲間たち』

『サニー 永遠の仲間たち』(英題:Sunny)
監督:カン・ヒョンチョル
出演:ユ・ホジョン,チン・ヒギョン,コ・スヒ,ホン・ジニ,イ・ヨンギョン,キム・ソンギョン,
   シム・ウンギョン,カン・ソラ,キム・ミニョン,パク・チンジュ,ミン・ヒョリン他

私が“SUNNY”という曲を知ったのは小学生のとき。
岩崎宏美のライブアルバムにそのカバーが収録されていました。
オリジナルはボビー・ヘブの1966年の曲で、カバーした人、実に500人以上とか。
岩崎宏美のカバーは、サビの部分以外は日本語で歌われていて、
いま思い返すと結構恥ずかしい歌詞です。
「サニー、もう何も言わないで~、あ~なたと巡り逢えたから~」、こんな感じでした。

心斎橋シネマート、『ムサン 白い犬』の次に観たのは、
そんな“SUNNY”をタイトルにした韓国の大ヒット作品です。
岩崎宏美の歌詞同様、ベタだけど笑えます、泣けます。

出世街道まっしぐらの夫と高校生の娘と暮らす専業主婦ナミ。
洒落たインテリアに囲まれて、目覚めとともにかける曲は“Time After Time”。
カフェ並みの朝食で優雅にといきたいところだが、
夫は音楽など聴いておらず、ニュースに変えてくれと鬱陶しそう。
娘は朝食には見向きもせずに学校へ。
入院中の母親に見舞いの電話を掛けてほしいと夫に言うと、
おまえに全部任せるからという風で、見舞いを買う金だけを渡される。

ブランド物のバッグを買って母親を見舞い、ふと目に留まる別の病室の名札。
それは高校時代の親友と同じ姓名だった。
遠慮がちに中をのぞいてみると、そこにはまさに親友チュナの姿が。

当時、田舎からソウルの高校へ転校してきたナミ。
訛った言葉で挨拶する彼女をあざ笑う女子から守ってくれたのがチュナだった。
25年ぶりに再会したチュナは相変わらず美しいが、末期癌患者。
死ぬ前にあのときの仲間たちに会いたいというチュナの願いを叶えるため、
ナミは母校を訪れて仲間の消息を調べはじめるのだが……。

一緒に“SUNNY”を歌った仲間は、ナミとチュナ以外に5名。
二重まぶたに憧れるポッチャリおどけ役のチャンミ、
罵詈雑言を並べることなら誰にも負けないジニ、
そこら中のものを武器にして戦いたがるクムオク、
将来はミスコリアになると自ら信じるオシャレなポッキ、
そして、冷ややかな超美人のスジ。

そこそこ幸せな者もいれば、悲惨な人生を送っている者も。
いずれにせよ、あのころの夢を実現したという者はいません。
けれど、互いの人生に嫉妬することなく、人を当てにする風でもない。
お金を持っている者はお金を持っている者にしかできないことをサラリとやってのけるし、
そうされたからと言って卑屈になることもありません。
偽善や自己満足には全然見えないところがお見事。

高校時代と現在を交互に見せ、友情はもちろんのこと、恋愛もあり。
現在の自分の娘のいじめにまで立ち向かうものだから、
結局2時間超えの長編になりましたが、飽きることはなし。

同時期に学生だった人には世界的なヒット曲もいろいろで懐かしいはず。
遺言を伝えにきた弁護士役ソン・ジルの優しい笑顔が最高です。
彼と一緒にノリノリの“SUNNY”をお聴きください。(^^)
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