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『カセットテープ・ダイアリーズ』

『カセットテープ・ダイアリーズ』(原題:Blinded by the Light)
監督:グリンダ・チャーダ
出演:ヴィヴェイク・カルラ,クルヴィンダー・ギール,ミーラ・ガナトラ,ネル・ウィリアムズ,
   アーロン・ファグラ,ディーン=チャールズ・チャップマン,ロブ・ブライドン他
 
TOHOシネマズなんば別館で『一度も撃ってません』を観たあと、本館に移動して。
 
ブルース・スプリングスティーンのファンはもちろんのこと、
1980年代の洋楽に思い入れのある人は必見のイギリス作品。
ジャーナリスト、サルフラズ・マンズールの回顧録に基づいた実話です。
 
1987年、イギリスの田舎町。
パキスタン移民のジャベドは16歳。将来作家になりたいと思っている。
しかし、父親は経済学を専攻して稼げる人間になることを息子に求めているから、
ジャベドは自分の夢を両親には明かせない。
 
ジャベドたち移民のことを快く思わない住人もいて、
いわれのない差別を受けることしばしば。
世間では白人至上主義が謳われ、国民戦線に賛同する若者も多い。
唯一の友だちは幼なじみのマットだが、
マットには最近彼女ができ、ジャベドにかまっている時間はないらしい。
 
高校に通い始めると、女性教諭クレイ先生がジャベドを後押し。
とにかく書きつづけることを勧めてくれる。
クレイ先生の評は厳しくも優しく的確。
そんなジャベドと先生のやりとりを微笑みながら見つめるのが、
同級生女子で活動家のイライザ。次第に彼女に惹かれるジャベド。
 
ある日、食堂で出会ったシーク教徒のループスが
ジャベドに一方的にカセットテープを押しつける。
聴けば俺に感謝するはずだというループス。
絶望していた夜、何気なくそのテープをウォークマンで聴くと、
それはアメリカのロックスター、ブルース・スプリングスティーンの曲。
自分の心情そのものの歌詞に驚き、激しく共感するジャベドだったが……。
 
私はむしろブルース・スプリングスティーンよりも、
冒頭でかかるペット・ショップ・ボーイズやレベル42を聴いたほうなのですが、
こうして聴くといいですねぇ、ボス。
当時ファンだった人からは「当たり前やん」と言われそう。(^^;
 
どこにだって偏見を持つ人はいて、学校新聞に投稿したいと言っても門前払いされます。
それでもめげないジャベドは、ボスの音楽評を持ち込み、
「ボスを好きなムスリム」は記事として面白いかもしれないと言ってもらえるように。
いつも冷たい目をしていた近所の爺ちゃんが偶然にジャベドの詩が書かれた紙を拾い、
わざわざ「素晴らしい」と言いにきてくれるシーンもよかった。
 
父親に反抗したジャベドだったけど、やはり家族あってこその自分だと気づく。
スピーチのくだりには胸が熱くなりました。
 
音楽は、やはりいつだって人の心を救う。

—–

『一度も撃ってません』

『一度も撃ってません』
監督:阪本順治
出演:石橋蓮司,大楠道代,岸部一徳,桃井かおり,佐藤浩市,豊川悦司,
   江口洋介,妻夫木聡,新崎人生,井上真央,渋川清彦,小野武彦他
 
土曜日は晩ごはんに行くお店に合わせて動線よくと思っているのに、
上手い具合にはハシゴできないもんです。
この日の晩は夙川で食事の予定だったから、
西宮で映画を4本ハシゴできたら最善、でも無理。
動線としてはまるで駄目だけど、致し方なくなんばで4本ハシゴ。
 
その1本目はTOHOシネマズなんばにて本作を。
350ぐらい貯まっているポイントは、何も割引のない日に使いたい。
これもその次の1本も無料鑑賞。
 
1年に1度くらいのペースで新作を撮り続けている阪本順治監督。
前作の『半世界』(2018)とは打って変わってコメディ。
阪本組と言ってもよさそうなキャストで、観客の年齢層はかなり高い。
 
74歳の作家・市川進(石橋蓮司)は、数冊出した後は鳴かず飛ばずだが、
甲斐性のある妻・弥生(大楠道代)のおかげで生活には苦労していない。
 
市川が書き続けているのは、リアリティにこだわったハードボイルド
昔なじみの石田和行(岸部一徳)から密かに殺しの依頼を受けては、
自分が伝説のヒットマンのふりをして本物のヒットマン・今西友也(妻夫木聡)に仕事を回す。
そして今西から殺しの詳細を聴き、それを小説にしているのだ。
 
ところがある日、ヤクザがその伝説のヒットマンを狙っていると知る。
いまさら自分はふりをしているだけだと告げて回るわけにもいかず、
今西に助けを求めたところ、目下恋愛中の今西から今は殺しは無理だと言われ……。
 
おっちゃんらが真面目に歯の浮きそうな台詞を言います。
同年代のオッサンオバハンなら苦笑いもできましょうが、
若い人が観に行っても面白くないと思われ、高齢者にのみオススメ。
 
市川を担当する編集長に佐藤浩市、その部下の若き編集者に寛一郎
この親子共演を今まで見たことってあったかなぁ。
ふたり並ぶとやっぱり顔が似ています。
また、同じシーンに出番はないけれど、ヤクザの組長に柄本明、ヤクの売人に柄本佑という、
こちらはすでに幾度となく見かけている親子共演も。
 
ヤクザお抱えのヒットマン役、豊川悦司がワラける。
組員に渋川清彦というキャストが個人的に嬉しい。結構好きなもんで。
バーのオーナー・ポパイ役の人はどう見ても元プロレスラーだなと思ったらやはりそう。
新崎人生というのですね。WWF(現WWE)でも活躍した人とのこと。へ〜っ。
 
夫の浮気を疑う弥生が、夫の友人・玉淀ひかる(桃井かおり)を見つけ、
最初は詰め寄ったものの、意気投合して飲むシーンが好きでした。
 
まぁ、なんだかんだで楽しかったかな。
クサイ台詞をこうして真顔で言ってのけるオッサン俳優たち、いいかもしれない。

—–

『ソニック・ザ・ムービー』

『ソニック・ザ・ムービー』(原題:Sonic the Hedgehog)
監督:ジェフ・フォウラー
出演:ジェームズ・マースデン,ティカ・サンプター,ジム・キャリー,ナターシャ・ロスウェル他
声の出演:中川大志,中村悠一,山寺宏一,井上麻里奈,斉藤こず恵他
 
この日はなんとなく疲れていて直帰したい気分でしたが、
せっかくのファーストデー、何も観ずに帰るなんてもったいない。
109シネマズ箕面にて17:45から上映の本作1本だけ観ることに。
「洋画は字幕で観る派」の私ですが、やむを得ず吹替版を。
 
知りませんでした、“ソニック・ザ・ヘッジホッグ”って、
日本生まれの人気ゲームキャラクターなんですね。
それをハリウッドが実写とCGを融合して映画化。
ということは、『名探偵ピカチュウ』(2019)みたいなもんか。
とにかく何にも知らないまま観ました。
 
宇宙で育ての親ロングクローと平和に暮らしていたソニック。
しかしある日、ソニックが持つスーパーパワーが狙われて攻撃を受ける。
ロングクローは身を挺してソニックを地球へと逃がす。
別れ際、ソニックに告げられたロングクローの最期の言葉は、
もしも地球でも狙われるようなことがあれば、
秘密のリングを使ってほかの星に逃げなさいということ。
 
ロングクローの心配をよそに、ソニックは地球で過ごして10年経過。
悪事など起こるはずもない田舎の町で、
根っからの善人である保安官トムとその妻で獣医のマディの様子を覗き見しながら、
いたって穏やかに暮らしていた。
 
とはいうものの、人前に姿を現すことのできないソニックは、
誰かと遊ぶこともなければ友だちをつくることもできない。
仕方なく、住民が寝静まった頃、ひとりで野球を楽しんでいたが、
興奮のあまりパワーが炸裂、大停電を発生させてしまう。
 
大停電の原因を突き止めるため、政府が調査を依頼したのは、
悪の天才科学者ドクター・ロボトニック。
ロボトニックに存在を気づかれて追われるはめに陥ったソニックは、
咄嗟にトムとマディの家に逃げ込む。
 
音速の青いハリネズミ、ソニックを見たトムは仰天。
麻酔銃を放ったところ、ソニックに命中。
その拍子に落とした大事なリングを見つけるため、
ソニックとトムの珍道中が始まるのだが……。
 
まったく期待せずに観たということもあるのでしょうが、結構面白かった。
何より、中川大志の声がソニックにピッタリで。
そして、極悪ロボトニックを演じるジム・キャリーの声を担当するのが山寺宏一
キレッキレの演技にキレッキレの声でワラける。
 
クイーンの“Don’t Stop Me Now”がかかるし、ZZトップの話が出るし、
“メン・イン・ブラック”みたいに黒い服を着てるけど
ウィル・スミスみたいに格好良くはない」という台詞があったり、小ネタもいろいろ。
 
こうして観てみると、たまには吹替も楽しい。
私のようにもとのゲームをまったく知らなくても楽しめるのでは。
子どもさんにもオススメです。
 
ファーストデーだというのに、客は私ひとりでしたけどね。(^^;

—–

『その手に触れるまで』

『その手に触れるまで』(原題:Le Jeune Ahmed)
監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ,リュック・ダルデンヌ
出演:イディル・ベン・アディ,オリヴィエ・ボノー,ミリエム・アケディウ,
   ヴィクトリア・ブルック,クレール・ボドソン,オスマン・ムーメン他
 
TOHOシネマズ梅田で『ランボー ラスト・ブラッド』を観てから、
前週と同じく阪急百貨店の地下で買物をしてテアトル梅田へ移動。
 
第72回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した作品。
カンヌ受賞作って芥川賞みたいなもんですよねぇ。
感じ入るところはあるけれど、だからどうって説明しづらい。
ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督の他の作品と比べると、
本作は私はあまり好きになれません。
 
ベルギーに暮らす13歳のアメッド。
ついひと月前まではゲームが大好きなごく普通の少年だったのに、
兄ラシッドと共に小さなモスクに通ううち、イスラム過激思想に染まる。
 
アメッドが通う放課後クラスで教鞭を執るのは女性教師イネス。
彼女は読み書きを教えてくれた、アメッドにとってはいわば恩人。
しかしモスクの導師はイネスのことを背教者と決めつけ、アメッドを煽る。
 
クラス終了時のイネスとの握手も拒むようになったアメッドは、
彼女を聖戦の標的と見るようになる。
そして、ズボンにナイフを忍ばせてイネスのもとを訪ねるのだが……。
 
イネスの殺害を計画したアメッドですが、浅知恵ゆえ上手くは行きません。
ナイフを振りかざしただけで、イネスに逃げられてしまう。
殺害に失敗したことを導師に報告すると、
導師はアメッドを守ってくれるどころか逃げ腰。
でも、導師のことを崇拝しているアメッドにはそれもわかりません。
 
すぐさま少年院に入れられるけれど、そこでも礼拝は欠かさない。
無表情なだけに怖くてたまらない。
改心なんてまったくしていないように見えます。
 
少年院の教育の一環で農場の仕事を手伝うようになり、
そこの娘のことをがちょっといい感じだなと思いはじめる。
彼女のほうもまんざらではないようで、ファーストキス。
すると、ムスリム以外とキスするのは罪だからと彼女に改宗を迫るのです。
んなもん、改宗してくれるはずもなく。
 
ベルギーに暮らすムスリムの人たちがアラビア語の学習法について
議論するシーンにも驚きました。
イネスがアラビア語の習得には歌で覚えるのが有効だと言うと、
賛成する人ももちろんいるけれど、冒涜だという人もいます。
言葉というのは真の信徒を育てるためにあるものだから、
コーランに載っている言葉以外は覚える必要がないという論理。
それだと就職のときに困るよ、先生の教え方は素晴らしいよという人のほうが
いたって常識的に思えるのですが、それが通じない。
 
洗脳ってこういうものなのかと愕然。
最後に救いがあると見ればいいのかもしれませんが、
私にはただ「痛いよぉ、助けてお母さん」というふうにしか見えなかった。
 
玄人受けする作品です。
友だち誘って何か映画というときには絶対不向き。

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『ランボー ラスト・ブラッド』

『ランボー ラスト・ブラッド』(原題:Rambo: Last Blood)
監督:エイドリアン・グランバーグ
出演:シルヴェスター・スタローン,パス・ベガ,セルヒオ・ペリス=メンチェータ,
   アドリアナ・バラーサ,イヴェット・モンレアル,オスカル・ハエナダ他
 
観た順序を入れ替えて30回目の『ボ・ラプ』を先にUPしました。
これは先々週の日曜日の朝イチ、TOHOシネマズ梅田にて。
 
整形してますよねぇ、シルヴェスター・スタローン
なんか顔が怖いし、何の思い入れもないので、別に観なくてもいいんですけど。
だいたい、“ランボー”シリーズは一度も観たことがない気がするんです。
「ランボー」と聞いて私が思い出すのは、『リトル・ランボーズ』(2007)。
ランボーみたいに強くなりたい男の子の話だったような。
 
で、これはシリーズの第5弾。これで完結ですよね!?
 
伝説の元グリーンベレー兵士ジョン・ランボー。
今は故郷のアリゾナ州で旧友マリアの家に身を寄せ、牧場を営んでいる。
マリアの孫娘ガブリエラを実の娘のごとく可愛がり、穏やかに過ごす毎日。
 
ところがある日、ガブリエラが実の父親に会いたいと言い出す。
やめておけというランボーとマリアの言葉を聞き入れたかに思えたが、
ガブリエラは嘘をついてこっそりメキシコへ向かう。
 
父親の居場所を探り当てたのは、ガブリエラの友人ジゼル。
彼女のことはランボーもマリアもまるで信用していない。
 
ジゼルに連れられて父親のもとを訪ねたガブリエラは、
自分と母親を捨てた理由を問うが、あまりにすげない返事に気分はどん底。
ジゼルはガブリエラに気晴らしに飲みに行こうと誘う。
 
ガブリエラがメキシコへ行ったことを知ったランボーは、
ジゼルに行方を問いただすが、ジゼルはシラを切ろうとする。
やがて人身売買カルテルにガブリエラを売り飛ばしたことを告白。
ランボーはたったひとりでカルテルへと乗り込むのだが……。
 
ホラーですよ、ホラー(笑)。
どんだけ派手に人殺すねん。首ちょん切れる、脚ちぎれる。
針の筵に突き落とされる。ランボー、エグすぎ(笑)。
そういうのを見る以外に見所はございません。
復讐の鬼と化すランボーを見るための映画です。
 
ランボーが息絶えたところまでは映らないけれど、さすがにこれで終わりでしょ。
こういうふうに終わらせておいて、大ヒットしたら「実は生きてました」とか?
いや、もう要らんと思う。と言うたら、ランボーファンに怒られるでしょうか。
客は中高年のオッサン率、異様に高し。
 
メキシコは怖いというのを思い出す。

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