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『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の1本目@西宮)

『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』(原題:Nebraska)
監督:アレクサンダー・ペイン
出演:ブルース・ダーン,ウィル・フォーテ,ジューン・スキッブ,
   ステイシー・キーチ,ボブ・オデンカーク他

TOHOシネマズのマイルが去年10月の時点で6,000マイルを超え、
いったいいつ1ヶ月フリーパスポートの特典と引き換えようかと悩んでいました。
2年前までは、ダンナが年間の半分ほど出張だったので、
出張期間の長いときを選んでフリーパスポートと引き換えればよかったでしょうが、
去年から出張激減、今年はこの出張が最後だろうと言うのです。まだ3月やん。
だとしたらいま引き換えるしかないでしょ。

というわけで、先週中に1週間分の上映スケジュールを調査。
TOHOシネマズ梅田、なんば、伊丹、西宮のHPを開け、
鑑賞可能な日のスケジュールをすべて書き出しました。

今週の日曜日、まだダンナ出張中ではないけれど、夕方までサッカーの練習あり。
私も夕方までに帰ればよし、とりあえず2本は観られそう。
選択肢をいろいろ掲げたなかから、西宮へ行くことに。8時半すぎに到着。

チケット販売システム“vit”でマイル特典交換から「1ヶ月フリーパスポート」を選び、カウンターへ。
フリーパスポートを申請するとその場で写真を撮られて貼付されると聞いていましたが、
どうやらここ数ヶ月の間にそれがなくなった模様。
「本日ご覧になる作品はお決まりですか」と尋ねられ、2本答えると、
1本目の鑑賞中にフリーパスポートを作成しておいてくれるとのこと。
1本目と2本目の間にもぎりのところで受け取る手はず。

で、フリーパスポートの1本目に観たのが本作でした。
『サイドウェイ』(2004)、『ファミリー・ツリー』(2011)など、
いずれもちょっと情けない主人公に人生の機微を見せられて、
アレクサンダー・ペイン監督の作品にはいつも切なさとともに温かさを感じます。

アメリカ北西部のモンタナ州に暮らす老人ウディは、
100万ドルの賞金が当たったという手紙を受け取る。
誰が見てもインチキなこの手紙を本物だと信じて疑わないウディは、
100万ドルを受け取りに1,500kmも離れたネブラスカ州リンカーンへ行くと言い、
あきれる妻ケイトが目を離したすきに出かけてしまう。

そうして高速道路をひとりで歩いていたウディが警察に保護される。
ニュースキャスターの長男ロス、AV機器店に勤務する次男デイビッドが自宅に駆けつけ、
ウディに言い聞かせようとするがあきらめる気配なし。
ウディから「息子ならリンカーンまで連れて行け」と言われたデイビッドは、
納得させるには連れて行くしかないと腹をくくったか、
仕事を休んでスバルに乗り込み、ウディとリンカーンへと向かうのだが……。

出来のいいロスと何かにつけて比べられるデイビッド。
同棲していた女性に馬鹿なことを言って逃げられてしまう情けない男ですが、
アル中で毒舌ですっとぼけた父親ウディをどうしても見捨てられません。

途中立ち寄ったウディの生まれ故郷では、
ウディの話を鵜呑みにして100万ドルに群がる輩が続出。
急に親しげな顔を見せたり、金を貸していたと言ってきたり。
デイビッドの呆れ顔、怒り顔、どれも○。

たまたまウディが結婚前につきあっていた女性ペグと出会い、
彼女から聞く、息子が知らなかった父親の顔。
アル中になった原因、そして優しすぎてすぐに騙されてしまう性格。
こんなところにも戦争の影があります。

夫に対して辛辣なことしか言わなかった妻ケイトが、
群がる親戚一同に「おんどりゃ~」とばかりに投げ返す言葉や、
つれない態度しか見せなかった長男ロスが、
父親が過去に盗まれたというものをデイビッドと取り返しに行く様子に、
家族の愛情がいっぱい込められていました。

100万ドルの受け渡し先とされる会社の女性事務員の対応、
そしてウディが退出してからのデイビッドとの会話、
その後デイビッドがウディを連れて寄った場所。
どれもこれも心がほのかに温かくなります。秀作。
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