MENU
ChatGPT-Image01
ChatGPT-Image02
ChatGPT-Image03
ChatGPT-Image04
ChatGPT-Image05
previous arrow
next arrow

『君がいる、いた、そんな時。』

『君がいる、いた、そんな時。』
監督:迫田公介
出演:マサマヨール忠,坂本いろは,小島藤子,阪田マサノブ,岸本雄二他
 
観た順にUPして行くはずが、このところ劇場に通いすぎていて、
1日1本観た順にUPするマイルールを守っていると、
どの作品もUPする頃には上映終了間際になってしまうのです。
かと言って1日複数回UPするのはしんどいから、
どうしても先にご紹介したい作品は順序を無視してUPすることにしました。
 
テアトル梅田の上映スケジュールをぼんやりと眺めていたとき、
本作の舞台挨拶付きの回があると知りました。
どんな作品なのかなと思ったら図書室がどうとかこうとか書いてある。
図書館が出てくる作品は外せないでしょ、観てみよう。
 
舞台は広島県呉市の小学校。
その呉市出身の迫田公介監督の長編映画デビュー作なのだそうです。
 
岸本正哉(マサマヨール忠)は、父親が日本人、母親がフィリピン人。
ハーフであることをからかわれ、そこそこに酷いいじめを受けている。
そんな彼の心の支えは、毎日放課後に図書室へ行くこと。
本を読むのが好きで、自ら小説を執筆中の正哉に対して、
司書の山崎祥子(小島藤子)だけが優しく接してくれる。
 
同じクラスの香山涼太(坂本いろは)は変わり者として有名。
放送委員の涼太は、DJカヤマを名乗って校内放送に力を注ぐが、
うるさいだけでちっとも面白くない放送をみんな鬱陶しがって嘲笑うだけ。
それでも気にせずにマイペースで放送を続ける涼太に正哉は半ば呆れている。
 
ある日、またいじめられた正哉が、誰もいない屋上で鬱憤を晴らそうとしたところ、
どこからともなく現れた涼太が、「英語が話せるなら放送に参加して」と言う。
冗談じゃないと断る正哉だったが、涼太はしつこくつきまとう。
挙句、図書室までやってくると、正哉が祥子と過ごす時間に割り込んできて……。
 
演技初挑戦の小学生が主役とあって、上手だとは言いがたいのですが、
そのぶん、とても初々しい。
役の上での彼のことも、俳優としての彼のことも応援したくなります。
 
心ない言葉に傷つけられ、いじめに遭っているのに、
気づかないのか気づかないふりをしているのか、てんで頼りにならない担任教師。
自分がこんなにも悩んでいるのに、いじめられる原因の母親は能天気に見える。
でも、母親が口ずさむ歌の意味を知れば、能天気なばかりではないことがわかります。
 
フィリピーナだといじめられる正哉だけど、彼には愛情深い両親がいる。
一方、明るくふるまっている涼太は家庭環境に問題があり、
また、祥子の心にもとてつもなく大きな闇がある。
「自分だけどうしてこんな目に」みたいにふてくされた顔をしていた正哉が、
涼太や祥子の心の傷、そして母親の心の裡を感じて立ち向かいます。
 
この前日に観た『コンフィデンスマンJP プリンセス編』の豪華な舞台挨拶とは異なり、
監督がたったひとりで乗り込んできた舞台挨拶。
髪の毛金色なのに(笑)訥々と話す監督の真摯な態度に、頑張れと声をかけたくなりました。
監督が涙声になるもんだから、一緒に泣きそうになってしまった。(^^;
そんな監督に情が移り、書き溜めてある15本以上を保留してこれを先にUPする次第です。

—–

『コンフィデンスマンJP プリンセス編』

『コンフィデンスマンJP プリンセス編』
監督:田中亮
出演:長澤まさみ,東出昌大,小手伸也,小日向文世,関水渚,ビビアン・スー,白濱亜嵐,古川雄大,
   滝藤賢一,濱田岳,柴田恭兵,北大路欣也,竹内結子,三浦春馬,広末涼子,江口洋介他
 
前述の『ゲド戦記』からここまでの間に観た作品は15本以上あるのですが、
せっかくなので封切りしたばかりの本作を先にUP。
 
タダで観られる回にすりゃよかったんです。
でも時間的にちょうどいいのが公開初日だった昨日の初回、舞台挨拶生中継付きの回で。
昼から動楽亭でおこなわれる寄席に行く前にTOHOシネマズ梅田にて。
 
劇場版第2弾。
TVドラマ版はまったく観たことのないまま第1弾を観に行きました。
めっちゃ面白かったけど、その後もTVドラマ版の再放送等は観ず。
んなもん手を出したらきっとハマって、映画を観る時間も本を読む時間も無くなってしまう。
 
10兆円の資産を持つ大富豪レイモンド・フウ(北大路欣也)が亡くなる。
遺産を相続するであろうフウの子どもは、長女ブリジット(ビビアン・スー)、
長男クリストファー(古川雄大)、次男アンドリュー(白濱亜嵐)の3人。
ところが、フウの忠実な執事トニー(柴田恭兵)が読み上げた遺言書には、
誰もその存在すら知らなかった4番目の子ども、ミシェルに全財産を遺すと書かれていた。
 
世界中から自分こそミシェルだと名乗る人間が現れるが、もちろん偽物。
そこでダー子(長澤まさみ)がミシェルに仕立て上げたのは、
こくりこくりとうなずくことしかできない身寄りのない少女コックリ(関水渚)。
ダー子が母親として彼女に付き添い、フウの遺産を丸ごと頂戴すべくシンガポールへと乗り込む。
 
TVドラマ版や第1弾を観ていない人も問題なく楽しめると思います。
出てくるひと皆、無名な人はいないぐらいの豪華キャスト。
舞台挨拶では「あの人を観に、この人を観にという感じで観に来てもらえれば、
20回でも30回でも楽しめます」と言うてましたが、
 
誰も死なない。誰も傷つかない。
騙されたほうすら喜んでいる。←江口洋介演じる赤星のカワイイこと。(^O^)
ボクちゃん役の東出昌大は、本作のおかげで復帰できるんじゃないかと思うぐらい、
なんかいい感じで、モテるのもわかると初めて思えました。
関水渚って、広瀬すずに似てるなぁと思ったら、ネットでもそう噂されている。
観ている間じゅう、これは広瀬すずか?違うよね?やっぱりそうか?と思い、
エンドロールで違うということを確認してしまいました。そこまでは似てない?
デヴィ夫人、ワラける。劇場内、大爆笑。
 
三浦春馬が亡くなったことに触れられるかと思ったけれど、それは無し。
追悼の言葉があってもよかったようには思います。
彼が自ら命を絶ってしまったのは本当に残念です。もういないなんて。
彼の本作での華麗なプレイボーイぶりを目と心に焼き付けました。

—–

『ゲド戦記』

『ゲド戦記』
監督:宮崎吾朗
声の出演:岡田准一,手嶌葵,菅原文太,田中裕子,香川照之,
     風吹ジュン,内藤剛志,倍賞美津子,夏川結衣,小林薫他
 
宮崎駿監督の息子・吾郎の初監督作品ということで
2006年に鳴り物入りで公開されたジブリ作品も現在あちこちで上映中。
イオンシネマ茨木で『アンチグラビティ』を観た後、
そや、これも劇場で観たことないんやったわとついでに観て帰ることに。
 
SF作家アーシュラ・K・ル=グウィンの世界的に有名なファンタジー。
もともとは宮崎駿が原作の大ファンだったそうです。
原作者のル=グウィンは、もしも映画化する話があれば、
OKを出せるのは宮崎駿だけだと言ったとか。
それを聞いた駿さんは喜んだものの、日程的に無理があって見送り、
ジブリでどうしても映画化をという話になり、
結局監督することになったのが息子の吾郎さん。
 
均衡が崩れつつある世界で、自分の父親である国王を刺してしまった王子アレン。
宮殿を飛び出し逃げる途中で出会った偉大な魔法使いハイタカ(ゲド)と共に旅へ。
ハイタカは心に闇を持ち怯えるアレンをを旧知の女性テナーのもとへと連れてゆきます。
そこには親に捨てられた少女テルーも住んでいますが、
彼女は、自分の命を大切にしようとしないアレンを嫌悪している様子。
 
当時、ヴェネツィア国際映画祭で特別招待作品として上映されましたが、評判は散々。
国内外で2006年度の最低映画との評価を受けました。
そこまで酷く言われる映画を観ておかなきゃと観に行ったわけですが、
かろうじて寝ませんでした(笑)。
 
なんだか「ぶつ切り」な印象で、これは脚本がよくないんですかね。
と思ったら、吾郎さん本人が脚本も書いている。
辻褄の合わないシーンが多くて、まぁ、そりゃ酷評されるかなぁ。
 
でも、これ、デビュー作ですもんね。
スタジオジブリのお膳立てがあるとはいえ、1本目がこれならいいのでは。
 
偉大すぎる父親を持つと常に比較されて大変ですが、応援しています。

—–

『アンチグラビティ』

『アンチグラビティ』(原題:Кома)
監督:ニキータ・アルグノフ
出演:リナル・ムハメトフ,アントン・パンプーシュニー,ルボフ・アクショノーヴァ,
   ミロシュ・ビコヴィッチ,コンスタンチン・ラヴロネンコ他
 
緊急事態宣言解除後、初めてイオンシネマ茨木へ。
 
本作は全国のイオンシネマでしか上映されていないからか、情報が少ない。
私も全然知らなくて、何気なく上映スケジュールを開いてみたら、
なんとなくB級感漂う邦題で、しかもロシア作品だという。
ハズレの可能性高いなぁと思ったけれど、
『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』(2018)の製作陣だというじゃないですか。
俄然期待値が上がり、さっそく観に行くことにしました。
 
原題の“Koma”は英語では“Coma”、昏睡状態を指します。
 
部屋の中のものが塵のように粉々になって霧散する現象に見舞われる。
それに驚いて表へと飛び出した若者は、
街全体が重力の法則を無視した世界になっていることに気づく。
行き交う人も通り過ぎる車もすべてが霧散してゆき、戸惑うしかない若者。
 
すると突然、謎の黒い怪物が現れ、彼に襲いかかる。
間一髪のところで武装した集団に助けられる若者。
ここにいるのは現実世界で昏睡状態に陥った人間で、
この世界は彼らの記憶によって創られているのだと教えられる。
 
自分の名前さえ思い出せない若者だったが、
建築の仕事に携わっていたという記憶だけがあり、
武装集団を統率するヤンから「建築家」と呼ばれるように。
 
昏睡状態から脱する方法はなく、ここで生きていくしかないらしい。
彼らが死に神と呼ぶ黒い怪物から逃れて安全に暮らせる場所を求め、
ヤンたちは行動を開始するのだが……。
 
もともとSFを読むのは苦手です。ややこしくて私の頭ではついていけなくて。
それが映画になるとグンとわかりやすくなるから、SF映画大好き
説明しようとするとやっぱり私はよくわかっていないことに気づく(笑)。
でも、暗くて、重くて、この世界観がすごく面白い。
ロシア語のごつごつした雰囲気が本作にはよく合っています。
 
大画面で観ると迫力の1本。
ロシア作品を観たことがない人にはお薦めしづらいけれど、
こんなんもどうですか。

—–

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』(原題:A Rainy Day in New York)
監督:ウディ・アレン
出演:ティモシー・シャラメ,エル・ファニング,セレーナ・ゴメス,
   ジュード・ロウ,ディエゴ・ルナ,リーヴ・シュレイバー他
 
TOHOシネマズ伊丹で前述の『MOTHER マザー』を観終えたのが20:10。
本作は109シネマズ箕面にて20:35から上映。
これまた結構キワキワというのか、無謀なハシゴです。
でも間に合いました~。
 
ウディ・アレンがかつて同棲していたミア・ファローから告発されたのは1992年のことでした。
彼らの養女がアレンから性的虐待を受けていたとのことで、
しかしこれはファローが親権を取るためにでっちあげたものとして訴追されず。
その後も映画を撮り続けて、各賞にノミネートされることも多々あったアレンだから、
あれはアレン側の主張通り、でっちあげだったのだろうと私は思っていたのですけれど。
 
数年前からハリウッド女優による#MeToo運動が盛んになり、
約30年前のアレンへの容疑がふたたび話題にのぼるように。
その結果、本作を製作したアマゾン・スタジオが非難されるに至り、
アマゾン・スタジオはアレンとの既契約をすべてキャンセル。
本作もアメリカでは未公開となっています。
 
本作の出演者らが、「出演したことを後悔している」と話しているのは残念なこと。
そんななか、アレンと同棲していたことのあるダイアン・キートンが「彼を信じる」と言い、
スカーレット・ヨハンソンが「アレンとは今後もいつでも仕事をする」と言っているのは嬉しい。
真実は闇の中、アレンが本当にそんなことをしたのかどうかわかりませんが、私は信じたくないなぁ。
だって、あの顔ですよ。と言ったら怒られるか。
 
ギャツビーとアシュレーは郊外の同じ大学に通うカップル。
ジャーナリスト志望のアシュレーは、著名な映画監督ローランドにインタビューできることになって大喜び。
面会場所がマンハッタンと聞き、生粋のニューヨーカーであるギャツビーも同行。
インタビューが無事終わったら、ニューヨークのあちこちをアシュレーに案内するつもり。
 
ところが、ローランドは若い美人アマチュア記者を気に入ったのか、
新作の試写を観ていけとアシュレーを誘う。
取材は長引き、ギャツビーが立てた入念なデートプランは丸ごとおじゃんに。
がっかりするギャツビーの気持ちも知らず、
アシュレーは人気俳優とも会う機会を得てはしゃぎまくるのだが……。
 
ギャツビーにティモシー・シャラメ、アシュレーにエル・ファニング
ローランドにはリーヴ・シュレイバー、人気俳優フランシスコにディエゴ・ルナ
ローランドのお付きの人にジュード・ロウ
この間、ジュードの髪が増えたと思ったのは気のせいだったみたい。(^^;
元カノの妹チャン役のセレーナ・ゴメスがめちゃくちゃイイ。
 
お嬢で素直なアシュレーが実に嫌な感じなんです(笑)。
ギャツビーのことを知り合ったばかりの他人にアスペルガーかもと話したり、
清純なふりして誘われる計算ありありだったり。
そもそも中年男性へのインタビューにそんな丈短いひらひらスカートで行くか?
んで、オヤジの目の前で脚組むか?
 
と、最近よくありがちな「イライラし通し」でしたが、このラストは最高。
これだけでこの映画を観た甲斐があるというものです。100点。
とても皮肉なオチながら「だから人は映画を観る」と思えた『カイロの紫のバラ』(1985)。
それとは異なるハッピーエンドで、「こういうことがあるから私は映画を観る」と思えます。
ニューヨークをこよなく愛するアレン監督ならでは。
 
追記:『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)をこよなく愛する私の上司が、
   「人間を粗末に扱う人に、あんな映画が撮れるわけがない」と言ってます。
   それを聞いて、ちょっと泣きそうになりました。同感。

—–