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『ソワレ』

『ソワレ』
監督:外山文治
出演:村上虹郎,芋生悠,岡部たかし,康すおん,塚原大助,
   花王おさむ,田川可奈美,江口のりこ,石橋けい,山本浩司他
 
TOHOシネマズなんばにて4本ハシゴの1本目。
 
2018年9月に設立された映像プロダクション“新世界合同会社”。
設立メンバーは、俳優の豊原功補小泉今日子森岡龍と、
フリーのPR&コーディネーターの水野優子、そして本作の監督である外山文治。
同社の記念すべき初プロデュース作品がこうして公開されました。
 
正直言って、鑑賞にあまり乗り気ではありませんでした。
予告編から受けた印象は超暗そう。
暗い作品は嫌いどころかむしろ好きですが、村上虹郎が得意じゃない。
村上淳とUAの息子だから応援してはいるのです。
しかし濃いめの顔なのかなぁ、演技なのかなぁ、なんか苦手。
私の中でのイメージとしてはかつての柳楽優弥
柳楽くんのこともずいぶん長いあいだ苦手だったけど、
いい役者だと思うようになるにつれて顔も苦手じゃなくなったから、
虹郎くんも見ているうちに苦手じゃなくなるかもしれません。
で、意を決して(←大げさ(^^;)観に行ったわけです。
 
俳優志望の翔太(村上虹郎)は和歌山から上京したものの鳴かず飛ばず。
日銭を稼ぐためにオレオレ詐欺の受け子をしている。
 
あるとき、仲間と共に和歌山の老人介護施設で演劇を教えることに。
そこには高校を中退してから勤めているという女性タカラ(芋生悠)がいた。
夏祭りの日、翔太らは職員の中でも年齢の近いタカラを誘う。
浴衣に着替えに一旦自室に戻ったタカラを翔太が呼びに行くと……。
 
想像通りの暗さ。以下、ネタバレバレです。
 
タカラは実父から性的虐待を受けていました。
そのせいで服役していた父親が出所してタカラに会いに来ます。
家族でやり直したいという父親を受け入れられるはずもなく、
恐怖に震え上がっていると、またしても父親に襲いかかられる。
そこへちょうどやってきた翔太と父親が揉み合いになり、
タカラは父親の腹にハサミを突き立てます。
自首するというタカラを翔太が引き止め、ふたりの逃亡生活が始まります。
 
こんな父親は絶対に許せない。
頼れるのは母親だけでしょうに、母親もタカラを救おうとはしない。
映画の中だけでなく、実際にこういう親がいることが悲しすぎる。
 
一方の翔太も正義感に駆られてかタカラを救いますが、
彼の日常も褒められたものではない。
逃亡生活中も、善意で泊めてくれた夫婦の金を盗もうとする。
何もかも上手く行かなくて、タカラのせいで人生を潰されたと怒るけど、
潰すも何も、彼のこれまでの人生はちゃらんぽらん。
 
絶望しかないと思える展開でしたが、最後には涙。
ハッピーエンドじゃありません。
でも、「意味のあることしか起こらんのやね」。
 
芋生悠ちゃんの脱ぎっぷりの良さにビビったことも付け加えます(笑)。
キョンキョンが女優人生の中で脱がずに来たのに、
キョンキョンプロデュースの映画で悠ちゃん脱ぐんや!今後も楽しみな女優。

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『海の上のピアニスト』【4Kデジタル修復版】

『海の上のピアニスト』(原題:The Legend of 1900)
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
出演:ティム・ロス,プルイット・テイラー・ヴィンス,メラニー・ティエリー,
   クラレンス・ウィリアムズ三世,ビル・ナン,ピーター・ヴォーン他
 
同じくシネ・リーブル梅田にて。
 
ジュゼッペ・トルナトーレ監督の1998年のイタリア/アメリカ作品。
1999年の日本公開当時に劇場で観た覚えがなく、
このたび4Kデジタル修復版が公開された機会に鑑賞。
DVDでは当然観たことがありますが、やはり劇場のほうが断然イイ。
 
大西洋を往復する豪華客船ヴァージニアン号のダンスホール。
ピアノの上に捨てられている赤ん坊を見つけたのは、
金持ち客が何か落としていないかと探しにきた黒人機関師ダニー。
一等船室区内に捨てられていたのは、きっと親が金持ちに拾われるように願っていたから。
金持ちとは程遠いダニーが拾ったわけだが、
彼は赤ん坊に“1900(ナインティーン・ハンドレッド)”と名づけて育てる。
 
ダニーと船員たちの愛情を受けてすくすくと育った1900。
しかしある日、ダニーが船内で事故に遭い、還らぬ人となってしまう。
ひとり遺された1900はダンスホールのピアノに近づくと、
居合わせたすべての人が仰天するほどの演奏を見せる。
 
船の上で生まれ、船から一度も下りることなく生涯を閉じた1900。
その物語は言うまでもなく劇的ですが、
『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989)といい本作といい、
エンニオ・モリコーネの音楽が本当に素晴らしい。
 
テーマ曲はもちろんのこと、途中のピアノ演奏のバトルの面白さと言ったら。
ジャズピアノを生み出したといわれるジェリーが勝負を挑みに来たとき、
別に勝負など望んでいない1900は茶化したかのような態度を取ります。
でも、本気のスイッチが入ったら誰も止められない。
 
それよりもっと前の、荒波に揉まれる船のダンスホールで
グランドピアノがぐるぐる回る様子もいいですよねぇ。
 
このとき1900を演じたティム・ロス
最近映画で観たときとあまり変わっていないような。
並べて見たらそれなりに老けているのか。
 
エンニオ・モリコーネがもうこの世にいないのは寂しいなぁ。
 
イタリア完全版も9月4日から公開されています。
170分と長尺ゆえ、観に行くかどうか悩み中。

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『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』

『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』(原題:Booksmart)
監督:オリヴィア・ワイルド
出演:ケイトリン・デヴァー,ジェシカ・ウィリアムズ,リサ・クドロー,
   ウィル・フォーテ,ジェイソン・サダイキス,ビリー・ロード他
声の出演:マーヤ・ルドルフ

コロナ禍で劇場が休業していた期間があったにもかかわらず、
今年はすでに200本以上鑑賞していることに気づきました。
なんてったって、6月は36本、7月は40本観ましたからね。
4月と5月の分を取り返すべくがんばりすぎてしまった。
で、もうそんなにがんばらんでもええやろと思い、
8月終盤に差しかかったこの週は全然劇場へ行かず。
全然というのも寂しいから申し訳程度に、木曜日の終業後に2本。
 
ハリウッドには“ブラックリスト”なるプロジェクトが存在します。
私たちの思うブラックリストではなくて、
知名度は低いけど優秀な脚本家を発掘することを目的に発足したプロジェクトで、
映画化されていない面白い脚本と映画製作関係者のマッチングをおこなう。
本作もそうしたブラックリストに登録されていたうちの1本で、
登録されてから10年以上経った今、映画化の日の目を見た脚本。
 
メガホンを取るのは、これが監督デビュー作となる美人女優オリヴィア・ワイルド
批評家から絶賛されているそうで、すごく期待してリネ・リーブル梅田へ。
 
エイミーとモリーは同じ高校に通う大親友。
阿呆で幼稚なことばかりしている同級生たちを蔑み、
高校生活のすべてを勉学に捧げてきたふたり。
生徒会長を務めるモリーはイェール大への進学を決め、
まともに勉強していない同級生たちを鼻で笑うつもりだったのに。
 
なんと、ヤリマンで有名なアナベルもイェール大に合格しているほか、
どう見ても遊んでばかりの連中がそれぞれスタンフォード大ハーバード大など、
名門中の名門に合格したと聞き、呆然とする。
 
今までの高校生活はいったい何だったのか。
卒業式を明日に控え、モリーとエイミーは呼ばれてもいないパーティーに出席、
ひと晩であれこれ体験しようと考えるのだが……。
 
期待しすぎたせいもあったのか、中盤までは全然話に乗れませんでした。
アメリカ人と日本人、笑いの違いを見せつけられるかのような、ちっとも笑えないギャグ。
笑っている客もいましたから、お国柄の違いというわけではないのか。
ゲロネタの苦手な私にはつらいシーンも(笑)。
 
批評家絶賛って、どの辺りがオモロイねん!と理解に苦しんでいましたが、
なんでしょう、これ。観終わったときには意外に爽やか。
この感覚は『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』(2018)を観たときとそっくり。
 
つまり青春とは、こんなふうにイライラむかむかイジイジすることの連続で、
それでも振り返ってみれば阿呆だった自分を笑えて、時折切なかったりする。
そういうものなのかもしれません。でしょ!?
UPするタイミングを逃し続けていたせいで、
鑑賞してから1カ月経過してしまいましたが、
今でも思い出すと爽やかな気持ちです。

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『2分の1の魔法』

『2分の1の魔法』(原題:Onward)
監督:ダン・スキャンロン
声の出演:トム・ホランド,クリス・プラット,ジュリア・ルイス=ドレイファス,オクタヴィア・スペンサー,
     カイル・ボーンハイマー,トレイシー・ウルマン,ウィルマー・バルデラマ,ジョン・ラッツェンバーガー他
 
同じくなんばパークスシネマにて。
吹替版のみを上映している劇場が多いなか、こちらでは字幕版も上映しています。
主人公の声を担当するのは“スパイダーマン”トム・ホランド
何気なく“アベンジャーズ”(笑)。
 
かつて世界は魔法の国だった。しかし魔法を使いこなすには鍛錬が必要。
魔法を使わずとも火をつけることができたり、
何でもできるように文明の利器が発達したりして、だんだん魔法は不要に。
イアンはそんな魔法が消えかけた世界に暮らす少年。
 
内気で自分にまるで自信のない彼は、16歳の誕生日に母親からプレゼントを受け取る。
それは、亡き父親から母親が預かっていたもので、
16歳になったら渡してほしいと託されていたそうだ。
 
プレゼントを開けてみると、魔法の杖。
イアンとその兄バーリーは、この杖を使って父親を復活させようとするが、
魔法が半分しか効かなかったため、甦ったのは父親の下半身だけ。
ふたりは父親を丸ごと甦らせようと、冒険に旅立つのだが……。
 
逢いたさあまりに死んだ父親を生き返らせようとするなんて、
ちょっと悪趣味じゃないかい?と思っておりましたが、
生き返ることができるのはたった1日なんですね。
それを聞いて安心してしまい、そうしたらところどころまた寝てしまった(笑)。
 
中盤以降はしっかり目が覚めました。
自分が生まれる前に亡くなってしまったお父さん。
自分には父親との想い出が何もないと思っていたけれど、
実はお兄ちゃんがその役目をしっかり果たしてくれていたのだと気づくときがよかった。
ありゃ、めちゃくちゃネタバレですね。すみません。
 
吹替版のエンディング曲になっているスキマスイッチの“全力少年”も聴きたいし、
余力があれば、吹替版も観ようと思います。今度は寝ずに。
……と思っていたのですが、これを書いたのは1カ月以上前。
もう上映している劇場が少ないと思うんですよねぇ。
オンラインかDVDで観られるようになるまでたいして時間かからんかも。(^o^;

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『ポルトガル、夏の終わり』

『ポルトガル、夏の終わり』(原題:Frakie)
監督:アイラ・サックス
出演:イザベル・ユペール,ブレンダン・グリーソン,マリサ・トメイ,ジェレミー・レニエ,パスカル・グレゴリー,
   ヴィネット・ロビンソン,グレッグ・キニア,アリヨン・バカレ,セニア・ナニュア他
 
なんばパークスシネマにて、フランス/ポルトガル作品を。
監督は当然フランス人だろうと思ったら、意外にもアメリカ人のアイラ・サックス
予告編のポルトガルの風景がとても美しかったので観に行きましたが、
私はイザベル・ユペールがあんまり得意じゃないかも。
凄い女優だとは思うけれど、どこか鼻につく感じです。(^^;
 
ヨーロッパを代表する女優のフランキーは、ポルトガルの避暑地シントラでバカンス中。
彼女の声掛けによりそこに集められた家族や友人。
息子や義理の娘夫婦、現在の夫はもちろんのこと、前夫もいれば、
アメリカ滞在中に世話になったヘアメイクの係も呼ばれている。
フランキーの言うことは絶対で断ることなんてできず、現地へやってきた人々。
翌日に山頂に集合するまでの間、それぞれの思いを胸に過ごすのだが……。
 
世界遺産にも選ばれているシントラはとても美しい。
でもそこでうだうだ言うてるだけっちゃだけで、だから何!?と思わなくもない。
途中まではそれでも面白く観ていたのですが、終盤睡魔に襲われ。
 
結局フランキーの思惑が何だったのか、私にはわかりません。
自分の死後に誰と誰がくっついたらいいなんて大きなお世話だし。
 
私にとっては、街並みや海を見るだけで終わってしまった作品です。

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