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『ニューヨーク 親切なロシア料理店』

『ニューヨーク 親切なロシア料理店』(原題:The Kindness of Strangers)
監督:ロネ・シェルフィグ
出演:ゾーイ・カザン,アンドレア・ライズボロー,タハール・ラヒム,
   ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ,ジェイ・バルシェル,ビル・ナイ他
 
同じくシネ・リーブル梅田にて。
 
デンマーク/カナダ/スウェーデン/フランス/ドイツ/イギリス/アメリカ作品。
どんだけようさんの国の合作やねんと思いますが、なるほど、いろんな国の匂いがします。
ただ、邦題から受けるイメージとはちょっと違う。
 
ロネ・シェルフィグ監督はデンマーク・コペンハーゲン出身。
今度の舞台はニューヨークです。
 
訳あって服役していた男マークが出所祝いに弁護士ジョン・ピーターと訪れたのは、
マンハッタンの老舗ロシア料理店“ウィンター・パレス”。
 
ジョン・ピーターが帰った後、マークは勘定書を持ってレジに向かうが誰もいない。
奥の部屋を覗くと、そこではオーナーのティモフェイたちが飲んでいた。
酒を勧められ、店の感想を求められて、つい「サービスも料理もまずい」と答える。
その正直さが気に入られたか、飲食店の知識を持つマークは住み込みの職を得る。
 
一方、暴力をふるう夫から幼い息子たちを守ろうと一大決意をしたクララは、
夫の就寝中に長男アンソニーと次男ジュードを連れて家を抜け出す。
車で向かった先はやはりマンハッタンで……。
 
邦題だけ見ていると、このロシア料理店が駆け込み寺みたいに思うじゃないですか。
そういうわけじゃないのです。
クララがウィンター・パレスに世話になるのはずいぶん後になってから。
最初はマンハッタンまで来たものの、経済的DVも受けていたから金もない。
明らかに踏み倒しそうな服装ゆえ、どこの宿にも泊めてもらえません。
ウィンター・パレスで催されているパーティーに忍び込み、
料理をお盆ごと持ち去ってすたこらさっさと退場、子どもたちに与えます。
そのときに彼女を見かけたのがマークでした。
 
暴力夫がまた警官だから、クララはどれだけ毎日に困っても警察に駆け込めない。
寒くてひもじくて大変でも、子どもたちは泣き言を言わないし、
母親と一緒に居たい、父親のもとには絶対に帰りたくないと思っている。
彼女に差し伸べられる手はあるのか。それが原題です。
 
看護師であり、心に闇を抱える人たちを救おうとする女性アリス役に
アンドレア・ライズボロー。彼女はまさしく聖母です。
そして彼ら彼女らを見守るオーナー役のビル・ナイ
この人が物語に与える温かみといったら。長生きしてほしい俳優さん。
 
肝心のロシア料理はほとんど出てこなかったけど(笑)。

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『ハッピー・オールド・イヤー』

『ハッピー・オールド・イヤー』(原題:Happy Old Year)
監督:ナワポン・タムロンラタナリット
出演:チュティモン・ジョンジャルーンスックジン,サニー・スワンメーターノン,サリカー・サートシンスパー,
   ティラワット・ゴーサワン,パッチャー・キットチャイジャルーン,アパシリ・チャンタラッサミー他
 
まだ正月三が日中。シネ・リーブル梅田にて。
見逃しそうになっていたタイ作品がどうしても気になって。
 
世界的ヒットを飛ばした『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017)で
カンニングに知恵を絞るヒロインを演じて注目されたチュティモン・ジョンジャルーンスックジンが
今度は断捨離を決意したヒロインを演じます。
それにしてもどうしてこんなに長いの、タイ人の名前。絶対覚えられん。
 
タイ・バンコクに暮らす家具デザイナーのジーン。
スウェーデンを訪れたさいにミニマルなライフスタイルに目覚め、
自宅を理想の家にリフォームしようと思い立つ。
 
友人ピンクにリフォームを依頼すると、
技術的には希望を叶えることが可能だが、まずは家族を説得するようにとのこと。
家族の歴史を一掃するようなリフォームは、家族をバラバラにしがちだからと。
 
ジーンの両親はずっと前に離婚して、今は自宅に母親と兄の3人暮らし。
とにかく物を捨てようというジーンに兄は賛成してくれたが、
母親は激しく反対し、父親との思い出をひとつも捨て去りたくない様子で……。
 
面白いです。
 
当初、ジーンはなんでもかんでも捨てようとします。
ところが、断捨離中に訪れたピンクから「これも捨てるの?」と聞かれる。
「今はCDなんて古い。要るならあげるから持って行って」と答えると、
それは昔ピンクからもらったCDだったんですねぇ。
しかもケースを開けるとそこにはピンクからの手紙も入っている。
「ほしがってたCD見つけたよ」と。
バツが悪くなって取り繕うジーンですが、絶対に謝罪の言葉は口にしない。
ピンクは呆れて「あんたはいつもそう。人の気持ちを考えない」と言います。
 
そこで急に罪悪感を持ったジーンは、ゴミ袋をもう一度開けて、断捨離を見直しはじめます。
笑ったのは、彼女が人から借りていたもののなんと多いことよ。
誰から借りたものかはちゃんと覚えていて、
それでも片っ端から捨てようとしていたところ、思い直して全部返すことに。
「ジーンが人から借りたものを返しまくっている」とSNSで話題になるのも可笑しい。
もしかしてタイ人って、人から物を借りるのが普通なのでしょうか。
 
元彼への連絡を自分から絶ったために、借りたカメラを持ったままだったジーン。
お別れも言わず、帰国後にまったく連絡しなかったことも詫びます。
結局、また連絡を取って詫びるのは、自分のためなんですよね。
それなりに歳を取ると、このまま死んだら心残りだなぁなどと私は思ってしまう。
でも、自分をスッキリさせるために連絡を取るのって駄目ですかね!?
 
音楽がまたちょっぴり切なくて良い感じ。
捨てるときには感謝して。

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『新感染半島 ファイナル・ステージ』

『新感染半島 ファイナル・ステージ』(英題:Peninsula)
監督:ヨン・サンホ
出演:カン・ドンウォン,イ・ジョンヒョン,イ・レ,クォン・ヘヒョ,
   キム・ミンジェ,ク・ギョファン,キム・ドユン,イ・イェウォン他
 
新年1本目に観たのはこれ。109シネマズ箕面にて。
お正月のキューズモールの駐車場はさぞかし混んでいるだろうと、
12:35から上映のところ、1時間半も前に家を出たのに
(家から車で5分の距離だけど、混雑時は入庫にもありえないぐらい時間がかかる)、
西駐車場の1階駐車場ガラガラで拍子抜け。
 
面白かったですよねぇ、『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)。
思えば私がマ・ドンソクに惚れた(笑)のはそれがきっかけでした。
その続編である本作も監督は同じ、ヨン・サンホ。期待できます。
 
朝鮮半島が謎のウイルスに感染、ゾンビだらけに。
軍人ジョンソクは姉一家を連れて日本へと向かう船に乗るが、
船内で感染者が出て、姉と甥を失ってしまう。
感染を免れた義兄チョルミンと共に亡命して香港へとたどり着くが、
家族を守れなかった無念から、ジョンソクもチョルミンも廃人同然。
 
4年が経ったある日、そんな2人に仕事の話が舞い込む。
今なお完全封鎖されている半島に乗り捨てられたトラックがあり、
荷台にはなんと2000万USドルが積まれたままらしい。
3日以内にそのトラックを見つけて金を回収してくれば、
半分を自分たちのものにして良いというのだ。
 
到底正気の話とは思えず、ジョンソクは断ろうとするが、
早くこの生活から抜け出したいチョルミンと、
同じく半島から脱出したほかの3人が引き受けるという。
チョルミンのことを気にかけるジョンソクは一緒に行くことに。
裏社会を仕切る雇い主の手下は、港で5人を降ろす。
 
上陸を果たした5人を待っていたのは、ゾンビの大群。
それでもなんとかトラックを見つけて港に戻ろうとするが、
終末世界と化した半島で生きる民兵集団631部隊に阻まれる。
 
仲間3人が次々に殺られ、あるいはゾンビに噛まれ、
トラックの荷台に隠れたチョルミンは631部隊の基地へ連れて行かれる。
危機に直面したジョンソクを助けたのは幼い姉妹で……。
 
『新感染 ファイナル・エクスプレス』のコン・ユよりも
断然カッコイイ、本作のカン・ドンウォン
無敵じゃないし、何度も「もう駄目かも」な状態になるけれど、
最後は死ぬわけないと予定調和を信じているから、それほどハラハラしません(笑)。
そしてそのとおりなんですけど、なんかもうカッコイイなぁ。
 
その上を行く格好よさなのが、イ・レ演じる姉妹の姉ちゃん。
ジョンソクを拾ってゾンビの間を車で爆走。
このドライビングテクニックは“名探偵コナン”の安室さん以上でしょ。
ラジコンカーで敵を欺く妹ユジン役のイ・イェウォンも◯。
子どもたちを守ろうとする母、イ・ジョンヒョンは美しく強い。
これが母性というものか。泣かされます。
 
クォン・ヘヒョ演じる、頭がイカレていると思われていたジイちゃん。
もしかしてもしかすると……の予想通りのオチが嬉しい。
この世は悪いことばかりじゃないと思えるから。

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『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』

『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』
監督:滝沢秀明
 
2020年最後に観たのが本作でした。
タッキーのファンでもないし(嫌いでもないけど)、
Snow Manのことも誰ひとりとしてわからんし、でもほかに観るものがない。
だからって3,000円払ってファンでもないのに観るか!?とは思いましたけれど、
派手なやつのほうが〆にはふさわしいかなと思って。
大晦日、18時半からの回をイオンシネマ茨木にて。
 
そもそも『滝沢歌舞伎』の存在を知りませんでした。
滝沢秀明が主演を務める歌舞伎なんですってね。
そのタッキーが演出を手掛け、Snow Manをメインキャストに好評を博した舞台だそうで。
本作は2020年に新橋演舞場で開催された無観客公演。
 
弁慶と牛若の話がよくわかって楽しかった。
『鼠小僧次郎吉』もコミカルなストーリーで楽しめました。
 
しかしこういったお芝居以上に目が釘付けになったのは腹筋太鼓。
全員上半身ハダカで、太ももの間に太鼓を挟んで、
腹筋ピキピキさせながら太鼓を叩くって、凄すぎる。ちょっとワロた。
 
Snow Manの中にタイプがひとりもいないので、ところどころ退屈で寝ましたが、
まぁこれだけいろいろ楽しませてくれるなら、
3,000円払ってもいいんじゃないかと思います。昨年の〆にはふさわしかった。
 
こうして2020年の337本目を観終わったのでした。

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『サルカール 1票の革命』

『サルカール 1票の革命』(原題:Sarkar)
監督:A・R・ムルガドス
出演:ヴィジャイ,キールティ・スレーシュ,ヴァララクシュミ・サラトクマール,
   ラーダー・ラヴィ,A・R・ムルガドス,ヨーギ・バーブ他
 
テアトル梅田で前述の『FUNAN フナン』を観てから
なんばパークスシネマへ移動。
動線が良いとは思えないハシゴだけれど、どうしてもこれを観たかったから。
163分という長尺ですが、眠くなる隙は1秒もなし。
 
タミルナードゥ州出身で、現在はアメリカに住むスンダル。
彼に目をつけられた企業はただちに倒産に追い込まれるという噂。
そうして財を成してきた彼は今や世界に名を轟かせる大富豪。
そんなスンダルが一時帰国すると聞き、地元の企業は戦々恐々。
 
ところが彼が帰郷したのは州議会選挙に投票するためだった。
ボディガードに囲まれてチェンナイの投票所を訪れたスンダルは、
何者かが彼になりすまして既に投票を終えていたことを知る。
不正投票を許すまじとスンダルは司法に訴え、再投票の権利を勝ち取るのだが……。
 
めちゃめちゃ熱くて面白いです。大興奮。
 
たかが1票、されど1票。
その1票にスンダルがこだわったことにより、世界が大きく変わります。
 
インドでは投票の権利が5,000ルピー(約7,000円)で買い取られる。
貧しい人たちはこれで稼げるから、とにかく売る。
不正投票の嵐なんですね。びっくり。
 
スンダルがSNSなどを通じて訴えたことにより、
自分も再投票したいと考え直した人の数、33万人。
自分たちの立場は揺らがないとスンダルを嘲笑っていた政治家たちが
徹底的にやり込められる様子が楽しいのなんのって。
 
ボリウッドらしい踊りも堪能。
『無職の大卒』の主人公もそうでしたが、賢いだけじゃなくて強いんです。無敵(笑)。
アクションシーンではストップモーションだったりして、
邦画でこれをやられたら笑ってしまうかもしれないけれど、これぞ超娯楽。
その中にインドの人々の願いが込められているようで、最高。観て!

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