『累―かさね―』
監督:佐藤祐市
出演:土屋太鳳,芳根京子,横山裕,筒井真理子,生田智子,檀れい,浅野忠信他
なんばで4本ハシゴの2本目。
なんばパークスシネマで1本目の『500ページの夢の束』を観てから
TOHOシネマズなんばへ移動しました。ここで3本観ます。
原作は松浦だるまの同名コミックとのこと。未読だけど、どんな絵か気になる。
佐藤祐市監督の作品はあまり好んで観た記憶がありません。
『キサラギ』(2007)は小栗くんがカッコイイのだとわかった記念すべき映画ですが、
『ストロベリーナイト』(2013)は竹内結子が脱がないラブシーンが嘘くさく(笑)。
TVシリーズを多く撮っていらっしゃるようですが、なんか暗い。
映像的にも凹みそうだなぁと思いつつ、とりあえず観てみる。
今は亡き大女優・淵透世(檀れい)の娘・累(芳根京子)。
母の血を引いたか、天才的な演技力に恵まれながら、
右頬に口元から醜く裂けたような傷を持っているために、
幼い頃からいじめられ、身を寄せる親戚一家からも疎まれてきた。
母の十三回忌の日に現れた男・羽生田釿互(浅野忠信)は、
累にある舞台のチケットを渡す。
それは美人女優・丹沢ニナ(土屋太鳳)が主演を務める芝居の舞台。
興味を抑えられずに観に行った累は、芝居に魅了されながらも、
ニナよりも自分の演技力のほうがずっと上であると内心思う。
芝居が終わると、羽生田は累とニナを引き合わせ、
スランプ中のニナに代わって累が舞台に立つ話を持ち出す。
こんな醜い顔の累に自分の代役などできるわけがないとニナが怒ると、
累は母から授けられた口紅を取り出し、ニナにキスをする。
すると、累とニナの容姿が入れ替わるではないか。
利害関係の一致したふたりは、契約を交わす。
一度のキスで入れ替わる時間はきっかり12時間。
ニナとなった累は、有名演出家・烏合零太(横山裕)のオーディションに合格。
その後の舞台でも烏合の期待通りの演技を見せる。
烏合に想いを寄せるニナは累に嫉妬するのだが……。
鑑賞後にちょっとネットで調べてみたら、
原作は母親の秘密がもっと詳しく書かれていて、その死には羽生田が関わっている様子。
映画版もたいがいドロドロしているのに、ほんとはもっとドロドロしているのですね。
暗すぎて気が滅入りますが、つまらないわけじゃない。
睡魔に襲われることもありませんでしたし(笑)。
土屋太鳳と芳根京子の演技もなかなか凄いです。
顔が入れ替わるだけでなくて人格まで変わるわけで、
一人二役しているのと同じこと。
凄いなぁとは思うけれど、どちらの性格も好きにはなれないから、
よかったという感想にはなりません。
ただ演技のぶつかり合いを見られたのは面白かったかな。
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