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『ミナリ』

『ミナリ』(原題:Minari)
監督:リー・アイザック・チョン
出演:スティーヴン・ユァン,ハン・イェリ, ユン・ヨジョン,ウィル・パットン,
   スコット・ヘイズ,アラン・キム,ノエル・ケイト・チョー他
 
109シネマズ箕面にて、封切り日のレイトショーにて。
 
監督のリー・アイザック・チョンは韓国系の移民二世。
アメリカの田舎町で育った自らの体験を基にして撮った作品とのこと。
 
舞台は1980年代のアメリカ。
カリフォルニア州からアーカンソー州へと引っ越してきた韓国系移民のイ・ファミリー。
ジェイコブとその妻モニカ、長女アンと長男デビッドの4人家族。
 
「ガーデン」を造り上げることを夢見るジェイコブが買ったのは、
かつての持ち主が一文無しになって自殺した曰く付きの荒れ果てた土地。
彼が独断で決めたことにつきあわされたモニカは、連れてこられた場所を見て唖然。
新居は竜巻でも来れば飛んでしまいそうなトレーラーハウスだったから。
 
ジェイコブは韓国の農作物を育てて売ろうと目論むが、そう上手くは行かない。
そんな夫に苛立つモニカは自分が稼がねばと思うが、
心臓疾患のあるデビッドを置いて働きに行くのが気がかり。
そこで、韓国から母スンジャを呼び寄せて子どもたちの世話を任せようとするのだが……。
 
世界的に評価が高いようですが、ごめんなさい、私はあまり好きになれません。
モニカには共感できるところがあるものの、ジェイコブとスンジャ、
それから何人か出てくるアメリカ人が胡散くさすぎて嫌い。
宗教くさいところも多分にあるので、日本人としてはわかりづらいのかも。
 
スンジャ役のユン・ヨジョンは確かに素晴らしい女優ですが、
ほかの作品の彼女のほうがずっとよくないですか。
おばあちゃんらしくなくて、口が悪くて、品がなくて、
脳卒中を起こしても「私は役に立ちます」アピールが強くて、
結果、火事を起こしてしまうおばあちゃん。
 
火事のシーンがまるで『バーニング 劇場版』(2018)だったから、
そのシーンを思い出していたら、そうか、出演俳優も同じでしたか。
 
本作の「いい映画でしょ?」的なところが私は嫌い。
結局、ジェイコブはどうしてこの地に固執するのでしょう。
アメリカンドリームって、どこまで行けば叶ったと言えるのでしょうか。

—–

シアタス心斎橋のグランシアターで映画を観る。

イオンシネマ茨木に行ったとき、気になるCMが流れていました。
心斎橋に新しくイオンシネマができたらしい。そんなん知らんし。
心斎橋のどこに今さら映画館をつくるというのかと訝りながら、
帰宅してから調べてみたら、心斎橋パルコの12階ですと。
スクリーンは7つもあるという。シネコンやん!
 
シアタス心斎橋。さっそく行ってみなくちゃと、午後休を取りました。
7つあるスクリーンのうち、1つはグランシアターという名の超ハイグレードシアター。
客席はわずか9つ。しかも現在はコロナ対策で席を空けて販売しているから、
5人入れば完売です。でも前日にも完売になっていないのは何故?
 
鑑賞料金が4,000円もするんです。
イオンシネマは55歳以上1,100円で鑑賞できるというのに、
グランシアターでの鑑賞にはそれが使えないどころか、
レディースデーだとかレイトショーだとかの割引も一切なし。
そりゃ誰でも躊躇しますよねぇ。
 
躊躇はしても、一度くらい観てからじゃないと文句も言えん(笑)。
まずは『グレイテスト・ショーマン』(2017)のチケットを確保。
4,000円だけど、ワンドリンクとおつまみが付いてきます。
 
入場前にコンセッションスタンドでチケットを見せると、
グランシアター用のメニューを見せてくれます。
選択肢の中にはソフトドリンクのほか、ビールにワインにスパークリングもあり。
おつまみはミックスナッツかチョコレートを選ぶ。
 
そんな程度のおつまみかと侮ることなかれ。
ミックスナッツは飛行機で配られるやつみたいな小さいやつではない。
その場で食べきったら食べ過ぎやろというぐらいのサイズです。
チョコレートはフェレロのもので3個入り。
ビールはアサヒドライプレミアムのほか、コエドの缶もあります。
ワインはプラスチックカップに注がれたものですが、たっぷりなみなみ。
 
これらを自分で運ばなくていいんです。
グランシアター入口へ行くと、赤い絨毯の敷き詰められた通路をスタッフに案内されて座席へ。
その後、さきほど注文したドリンクとおつまみが席まで運ばれ、
スタッフがかしづいて渡してくれるのですから、こっちが緊張する(笑)。
 
荷物置きの籠と靴を置くトレイも各座席前に用意され、
足を目一杯伸ばせるリクライニングシート。こりゃ寝てしまいそう。
ちなみに無料で貸し出してくれるブランケットは持ち帰っていいそうです。
スクリーンは目の前に広がり、音の大きさもちょうど良い加減。
こんなホームシアターがある家に住みたいなぁ。そんな感じ。
 いや~、この4,000円はアリですな。
映像との一体感がまったくない4DXなんかよりずっと価値があると私は思う。
一度くらいいかがですか。

—–

『ブラック・リッジ』

『ブラック・リッジ』(原題:Let It Snow)
監督:スタニスラフ・キャプラーロフ
出演:イヴァンナ・ザクノ,アレックス・ハフネル,ティナティン・ダラキシュヴィリ他
 
絶対しょうもないだろうと思いながらレンタルしてしまう、
それが雪山の話だったりすると、絶対スルーできないんですよ、私。
これはTSUTAYA DISCASでジャケットを見て即レンタル。
ウクライナ/ジョージア作品というところがまた変わっていていいでしょ。
 
“パシフィック・リム”のイヴァンナ・ザクノが禁断のゲレンデに踏み込んだことから、
凶悪な謎の殺人鬼に遭遇し、大雪崩の危機に見舞われるサバイバルホラー
ってなってるけど、そないに怖くないから(笑)。
ホラー苦手な私でも怖くなさすぎて笑ってしまうぐらい。
だいたい“パシフィック・リム”のイヴァンナ・ザクノっていうけど、
イヴァンナ・ザクノっていったい何役を演じた女優やねん。知らんっちゅうねん!
 
ジョージアのスキー場、フリーライダーたちが好むゲレンデ、ブラック・リッジ。
3年前、ここでスキーをしていた女児の死亡事件が起きる。
スノーボードで上から滑ってきたカップルの男性が女児に激突、
騒ぎになるのを恐れて女児をその場に置き去りにした結果のこと。
 
以来、ブラック・リッジでは不可解な現象が頻発するように。
滑りに行った客が何人も行方不明になった挙げ句、遺体となって発見される。
これ以上被害が出てはとブラック・リッジは進入禁止に。
 
アメリカからやってきたカップル、マックスとミア。
この旅行中にブラック・リッジでプロポーズを目論むマックスは、
ホテルのコンシェルジュが止めるのも聞かず、
ヘリコプターの操縦士にチップをはずんで強引に現地へ。
 
案の定、何者かに連れ去られたマックス。
ひとりぼっちとなったミアは、殺人鬼から逃げようと必死で……。
 
冒頭から不謹慎にも笑ってしまった。
だって、転倒した女の子を見下ろすカップルの女性が、
ちょっと見ただけで「大変、息をしてないわ!」って。
わかるんかい!その距離で、触れもせんと!
 
これも誰も観そうにないからネタバレすると、
というのか、犯人はそれしかないけれど、
娘を殺された親が復讐の鬼となってしでかしたこと。
男親のほうだと思ったら女親のほうだったのはちょっとびっくり。
女児の祖父もミアを助けようとしたがために殺されちゃいます。
 
バリバリB級以下なのに、マニアックな小ネタを盛り込みたがる。
カップルがホテルに到着したさい、「廊下に双子がいたりして」という台詞があります。
『シャイニング』(1980)に絡めた台詞なんですけれども、
誰がわかるねん、そんな台詞入れたかて、と思いました。
けど、よくよく考えてみれば、こんなC級作品を観る人は、
むしろそういうネタも拾う人なのかもしれません。
あ、これ、私もそうですよという自慢になりますか、もしかして!?
ロケーションだけは私好み。
まぁ、こんなサバイバルホラーがあったら絶対また観ますけどね。
だって、可笑しいんだもの。
数日前にラジオを聞いていたら、
コロナで学校の建築様式も変わるかもしれないというニュースが流れていました。
教室と廊下の間の仕切りを取っ払うとのこと。
そうなったらもう『シャイニング』のジャック・ニコルソンの真似はできませんね。(–;

—–

『ターコイズの空の下で』

『ターコイズの空の下で』
監督:KENTARO
出演:柳楽優弥,アムラ・バルジンヤム,麿赤兒,ツェツゲ・ビャンバ,
   サラントゥーヤ・サンブ,サヘル・ローズ,諏訪太朗他
 
前述の『天空の結婚式』とハシゴ。同じくシネ・リーブル梅田にて。
 
日本/モンゴル/フランス作品。
4カ国語を操る俳優KENTAROの長編映画監督デビュー作。
最近観たチベット作品で爆睡してしまった私は、
同じ香りのするモンゴル作品もそうなるのではと懸念していましたが、
麿赤兒の顔を見て眠くなることはないでしょう(笑)。
 
幼い頃に両親を亡くしたタケシ(柳楽優弥)のことを
その祖父で大会社を仕切る三郎(麿赤兒)は甘やかして育てたため、
タケシは酒に女をはべらせて毎日贅沢三昧。
会社をタケシに継がせるつもりではあるものの、このままでは無理。
 
ある日、三郎の所有する馬が厩舎から盗まれる。
犯人はモンゴル人の中年男性アムラで、
盗んだ馬で東京の街なかを疾走し、逮捕された。
理由を語ろうとしないアムラに三郎は懲罰を望まず、
懇意の警察署長(諏訪太郎)にアムラの身元引受人になりたいと申し出る。
 
三郎は戦時中にモンゴルで労働に従事させられていたことがあり、
そのときに知り合った現地の女性との間にツェルマという娘を授かった。
しかし三郎が日本へ帰国してそれっきり。
現在60歳ぐらいであるとおぼしきツェルマを探しに、
アムラがタケシを連れてモンゴルへ行ってほしいというのが三郎の依頼で……。
 
アムラとタケシは一緒にモンゴルへ行くといっても、
タケシはファーストクラス、アムラと会うのは飛行機を降りてから。
立派なリムジンのお迎えで、タケシのみ一流ホテルに泊まります。
アムラはリムジンの運転手を捕まえて、明日から来なくていいとこっそり言い渡し、
翌朝ボロ車で自らタケシのお迎えに。
 
柳楽くん、良いです。
道楽に明け暮れている青年だといってもそこはボンボン。
モンゴルへ行っても着ているのはスーツに革靴。
育ちがいいからか根は素直なようで、
アムラが連れ回して野宿させられてもわりと平気。
 
彼がだんだん変わっていくのがわかるのが面白い。
豪胆なはずが、立ち小便なんてしたことがないから、
最初は車の陰に隠れてこっそり。
それが最後は大自然を前にして堂々と立ちションできるようになる。
 
アムラとはぐれ、地元の女性に助けられ、彼女の出産に立ち会う。
新しい生命が誕生する瞬間に居合わせた彼の頬を伝う涙。
 
ツェルマはちゃんと見つかります。
「感動」という言葉を安易に使いたくはないけれど、感動的。
モンゴルの大自然も堪能しました。

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『天空の結婚式』

『天空の結婚式』(原題:Puoi Baciare Lo Sposo)
監督:アレッサンドロ・ジェノヴェージ
出演:クリスティアーノ・カッカモ,サルヴァトーレ・エスポジト,
   ディエゴ・アバタントゥオーノ,モニカ・グェリトーレ他
 
午後休を取った日、シネ・リーブル梅田へ。
 
ニューヨークのオフ・ブロードウェイでロングランヒットした舞台劇が基。
イタリアでの同性婚がテーマの本作をイタリアで映画化。
 
いきなりイケメンのどアップ。
「出会いを覚えてる?」なんて甘い台詞でこちらに語りかけてくるのですけれど、
なんというのか、このイケメンがニヤけた顔つきなんです。
日本人でいうと、そうだなぁ、要潤をもっとニヤけさせた感じ。
そのせいでイマイチ乗れずに始まり、語りかけられている相手にカメラが切り替わると、
これまたまったく違うタイプのマッチョ、いや、ちょい太めというべきか。
主役となるカップルはそんなふたり。
 
イタリア、ラツィオ州の小さな集落チヴィタ・ディ・バニョレージョは、
ベルリンに暮らすアントニオの故郷。
このたび、アントニオは同棲中のパオロにプロポーズ。
それを受け入れたパオロは、アントニオの両親に会うことを切望する。
 
パオロ自身は3年前に母親にカミングアウト。以来、絶縁状態。
アントニオはゲイであることすら両親に話していない。
復活祭に帰郷する機会にパオロを連れて行く決意をする。
 
アントニオとパオロ、ふたりの友人ベネデッタ(♀)、
なりゆきで同行することになったドナート(♂)の4人は
アントニオの両親が待つ故郷へと向かうのだが……。
 
アントニオは両親のどちらにもゲイだと告白したことはないけれど、
母親アンナは気づいていたし、気づいていたと言う。
父親ロベルトも気づいていたくせに、気づいていたとは絶対に言わない。
 
ロベルトは保守的な村にあってリベラルで通っています。
村で難民を受け入れようと提案したりもしているのに、ゲイは受け入れようとしない。
そこを指摘されるとふてくされる。
 
そんな夫に業を煮やしたアンナは、アントニオとパオロの結婚を祝福し、
但しこの村で挙式すること、式にはパオロの母親にも出席してもらうこと、
そして式をロベルトが執りおこなうことを条件にします。
しかしその条件を飲めないロベルトはついに妻から離婚を言われてしまうんですねぇ。
 
そこまで強情な父親でもありません。
村人たちの前で勢い余って「ゲイは認めない」と宣言した後、
ちゃんとアントニオやパオロに謝りに来たのに、妻は冷淡。
ちょっと気の毒になってしまうほどでした。(^^;
 
帰郷になりゆきで同行することになったドナートは、
舞台で観ると可笑しいかもしれませんが、映画ではそれほどでも。
女装癖がバレて妻子と別れるはめになった彼は、
たまたまアントニオたちの部屋を間借りしにきただけ。
部屋の主たちが帰郷すると知り、
傷心の自分はひとりになると何をしでかすかわからないからと帰郷についてきます。
また、アントニオの元カノのストーカーぶりが残念すぎて不要。
 
最後はミュージカルと化して唖然としたりも。
概ね楽しめますが、これは圧倒的に舞台のほうが楽しいでしょうね。
 
ところで、序盤に「ベルリンはゲイにとって天国」という台詞がありました。
そうなんですか。偏見がなくて暮らしやすい街ということなのかな。

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