『猿の惑星:聖戦(グレート・ウォー)』(原題:War for the Planet of the Apes)
監督:マット・リーヴス
出演:アンディ・サーキス,ウディ・ハレルソン,スティーヴ・ザーン,
アミア・ミラー,カリン・コノヴァル,ガブリエル・チャバリア他
すでに遠い昔のことのような気がする、CS(クライマックスシリーズ)のファーストステージ、第2戦の日。
一日中雨の予報だけれど、試合は中止にならんでしょう。
仕方なく甲子園へ向かう前に、TOHOシネマズ西宮にて。
リブート版“猿の惑星”シリーズも最終章を迎えました。
『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』(2011)、
『猿の惑星:新世紀(ライジング)』(2014)、そして本作。
監督は前作に引き続きマット・リーヴス。
人類の実験のせいで生まれた高知能の猿(エイプ)。
そのリーダーであるシーザーは人類との共存を望んでいたが、
人類は猿たちを一掃することしか頭にない。
乗り込んできた兵士らと戦い、圧勝したシーザーらは、
平和を望む証として数名の兵士の命を奪わずに還らせるが、
冷酷非情な大佐にその思いは伝わることなく、
逆に一部の猿の裏切りによって奇襲をかけられる。
大佐によって愛する妻子を殺されたシーザーは復讐の念に駆られる。
猿たちを安住できそうな土地へと向かわせ、
シーザー自身は大佐がいるとおぼしき場所をひとりで目指そうとしたところ、
一部の仲間がどうしてもついていくと言う。
道中、口のきけない人間の少女を発見したシーザーらは、
彼女を見捨てることができずに連れてゆく。
さらには動物園から逃走してきたという猿バッド・エイプと出会う。
やがて、安住の地へ向かったはずの猿たちが大佐に捕まったと知り、
皆を救出すべくシーザーたちは大佐のアジトへ向かうのだが……。
もはや素顔がどんなだったか思い出せないアンディ・サーキス。
“ロード・オブ・ザ・リング”シリーズのゴラム、『キング・コング』(2005)のキング・コング、
『GODZILLA ゴジラ』(2014)のゴジラ、すべてこの人のモーションキャプチャー。
どの役も素晴らしいですが、私は特にこのシーザー役が好き。
人間よりもずっと人間らしい猿です。
大佐役のウディ・ハレルソンもものすごくイイ。
人間と猿の対立を描いているというよりは、
人間世界にはびこる差別について考えさせられているよう。
少数派で賢い人種を恐れ、力でねじ伏せて奴隷とすることで優位を保つ。
戦いなんて望まない、共存が無理なら放っておいてくれればいいのに、
何をされるかわからないからと自分たちの支配下に置きたがる。
とても面白いシリーズです。
そのうちまた新解釈の“猿の惑星”が生まれるのでしょうか。
ちなみに、本作鑑賞後に向かった甲子園は、
球史に残りそうな泥んこ試合となりました。
観戦中は「勘弁してよ」と思ったけれど、振り返れば貴重な体験。
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