『ハリエット』(原題:Harriet)
監督:ケイシー・レモンズ
出演:シンシア・エリヴォ,レスリー・オドム・Jr.,ジョー・アルウィン,ジャネール・モネイ,
クラーク・ピータース,ヴァネッサ・ベル・キャロウェイ,ザカリー・モモー他
TOHOシネマズ西宮にて3本ハシゴの3本目。
多くの奴隷を救って「女モーセ」と呼ばれた解放運動家ハリエット・タブマンの半生。
実在の女性であることも知らずに観て、心を打たれました。
彼女は後に女性解放運動にも心血を注ぎ、
今年アメリカで発行される20ドル紙幣のデザインに起用されるとのこと。
アフリカ系アメリカ人としては初のことだそうです。
と思ったら、デザイン刷新が延期になって、これがまた物議を醸している模様。
トランプ大統領が「2ドル紙幣にしろ」とかも言うているらしい。(–;
19世紀のアメリカ・メリーランド州、ブローダス農場。
奴隷として主に仕えるミンティは、まもなく自分が売り飛ばされることを知る。
農場は経営危機に陥っており、借金の形にされてしまうのだ。
ミンティには自由黒人の夫ジョンがいるが、
もしもジョンと一緒に逃げれば、バレたときに彼にも迷惑がかかるだろう。
同じ農場で働く両親や弟妹たちのことも心配だが、
とりあえず売り飛ばされることになっているのは自分だけ。
ミンティはたったひとりで脱走を図って160キロの旅へ。
血眼になって彼女を探す主の息子ギデオンからなんとか逃げ切る。
そこには「地下鉄道」という組織があり、
奴隷制がはびこる南部諸州から奴隷制を廃止した北部諸州への逃亡を手助けしていた。
ミンティは新しい人生の始めるつもりでハリエット・タブマンと名前を変える。
まずは家族を救出するためにメリーランド州へ戻ろうとするのだが……。
いつも思うことなのですが、奴隷のほうが人数が多いんだから、
みんなで横暴な主に飛びかかってしまえばいいのにって。
そんなに簡単に行くなら、みんなやっていますよね。(^^;
同じ人間なのに、尊厳も何もあったものじゃない、人間以下の扱い方。
これが当たり前だという考え方の人がいる一方、
どんなに差別の根づいた土地であっても、それはおかしいと考える人もいる。
躊躇なく手を貸す人もいたということには安堵します。
辛い目になど遭ったことのない金持ちだからこそ支援の手を差し伸べてくれるのか、
いや、でも、金持ちにだって差別主義者はごろごろいたはずで、
いったいどういう環境が差別する人としない人を生み出すのでしょう。
こういう立派な女性がいたと知ることができてよかった。
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