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『ウエスト・サイド・ストーリー』

『ウエスト・サイド・ストーリー』(原題:West Side Story)
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:アンセル・エルゴート,レイチェル・ゼグラー,アリアナ・デボーズ,
   マイク・フェイスト,デヴィッド・アルヴァレス,リタ・モレノ他
 
前述の『グレート・インディアン・キッチン』の次に、同じくイオンシネマ茨木にて。
 
説明は要らないですよねぇ。
もとは1957年に発表されたブロードウェイミュージカルで、
初の映画化だった1961年の作品は大ヒット。不朽の名作との声が高い。
 
スピルバーグ監督がリメイクに興味を持ったのは今から10年近く前らしい。
そのときさっさと映画化の権利を取得し、脚本家が執筆にも取りかかったそうです。
なぜリメイクしたいと思ったのか、映画に興味を持った世代的なものなんですかね。
 
設定はオリジナルと同じです。たぶん。
時代は1950年代だし、舞台もニューヨークのウエストサイド・マンハッタン。
場所を変えちゃったらタイトルまで変えなきゃいけませんもんね(笑)。
 
ポーランド系アメリカ人の不良グループ“ジェッツ”のリーダー、リフ役はマイク・フェスト。
プエルトリコ系アメリカ人の不良グループ“シャークス”のリーダー、ベルナルド役はデヴィッド・アルヴァレス。
ジェッツの創設者だが釈放中の身のため、
今はジェッツから距離を置いている主人公トニーにアンセル・エルゴート
ベルナルドの妹で、トニーと恋に落ちるマリアにレイチェル・ゼグラー。
 
オーディションで選ばれたというレイチェルはもちろん素晴らしいんですが、
それ以上に目を惹かれたのが、ベルナルドの恋人、アニータ役のアリアナ・デボーズ
彼女のダンスが最高です。
 
半世紀以上経っても移民の争いはあるんでしょうか。あるんですよね。
ジェッツのメンバーになりたいのに認めてもらえない人物が性同一性障害という設定は今ならでは。
 
オリジナルに思い入れも何もないので、リメイクもこんなもんかな程度。
ただ、オリジナルでアニータ役を演じたリタ・モレノが、
トニーの更生に手を貸すバレンティーナ役で出演していたのには驚きました。
90歳には全然見えなくて、その若さにビックリです。
 
両グループの出演者の中から何人が俳優として売れるのか、それが気になります。

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『グレート・インディアン・キッチン』

『グレート・インディアン・キッチン』(原題:The Great Indian Kitchen)
監督:ジヨー・ベービ
出演:ニミシャ・サジャヤン,スラージ・ヴェニャーラムード,T・スレーシュ・バーブ,
   アジータ・V・M,シッダールト・シヴァ,アヌパマ・V・P他
 
シネ・リーブル梅田で先月見そびれました。
イオンシネマ茨木でも上映するからいいやと思っていたら、
1週間の限定上映で、1日1回、15:40の回のみ。
致し方ないので、半端に刻んで使ってしまった時間休の残りを当てて鑑賞。
 
台所で鍋を持ってニッコリする妻を後ろから抱きすくめる夫。
HPトップに現れるこんな幸せそうな画像を観たら、
詐欺ですよ、この画像(笑)。とんでもない話でした。
 
インド南西部のケーララ州
教職に就く名家の男性と中東で教育を受けたダンサーの女性がお見合い結婚をする。
幸せな暮らしが待っているかと思いきや、
妻に求められるのはすべての家事と夫の身勝手なセックスに応えることで……。
 
あらすじに書くとこれだけです。
 
バーレーンの首都マナーマで育った妻は、都会的な感覚を持っています。
姑が自分の娘のお産を手伝いに行って留守にした折、
舅と夫のための家事がまるごと妻の身ひとりにふりかかる。
炊飯器や洗濯機を当たり前のように使っていたら、
飯は釜で炊け、洗濯機は服が傷むから手で洗えと言われる。
 
仕事をしたいといえば、この家にふさわしくないから応募するな。
専業主婦は官僚よりも尊い仕事だぞ、などと言いながら、
お茶の1杯も自分で注ごうとせず、歯ブラシまで持って来させる舅。
名士なんだからさぞかしマナーにうるさいのだろうと思うと、舅と夫の食べ方の汚いこと。
食べカスは皿の上ではなく食卓の上に直置きにしやがる(笑)。
 
前日の残りものは手を変えて調理し直したところで絶対に食べないし、
時世にまったくそぐわないフードロス。
毎日大量に出る残飯の悪臭に嘔吐いてしまいます。
おかげで配管が詰まっても、夫は自分で直さないし、業者を呼ぶ呼ぶと口先ばかり。
 
客人で料理のできる男性がやってきて、妻の代わりに料理してくれると言う。
美味しい料理を作ってくれたのはいいけれど、後片付けまではしないから、
壮絶な汚れっぷりの台所を見て妻は愕然とします。
食事後に談笑する家人と客人からゆっくりしろと言われ、「片付けがあるから」と断ると、
「全部やってやっただろ。今さら何の片付けがあると言うのだ」。
もうほんと、呆れるしかない。
 
こんなに男どものために働いているというのに、
生理が来たと告げると不浄なものとして薄暗い部屋に閉じ込められる。
男性だけがそういう扱いをするのではなく、それが当然と思っている女性も多い。
妻が親や兄弟姉妹にぼやいても同意は得られません。
 
どうしてこんなに我慢するの。早く逃げて。ずっとそう思って観ていました。
『めぐり逢わせのお弁当』(2013)を観たときに感じた理不尽さ。
本作ではより強くそれを感じます。
やっぱりどうしようもないのねと思わされて終わるインド作品もありますが、
これはその点、少しはスッキリ。まだまだ足りませんけれど。
 
詐欺みたいな、というのか、思いっきり詐欺の画像で誘うのは止めて(笑)。
こんな考えの男たちはとっとといなくなればいい。
ひとりでは生きて行けなくなって飢え死にしろ!とマジで思う。

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『ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ』

『ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ』(原題:The United States vs. Billie Holiday)
監督:リー・ダニエルズ
出演:アンドラ・デイ,トレヴァンテ・ローズ,ギャレット・ヘドランド,ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ,
   ローレンス・ワシントン,ロブ・モーガン,ナターシャ・リオン,トーン・ベル,エリック・ラレイ・ハーヴェイ他
 
109シネマズ箕面にて、前述の『嘘喰い』とハシゴ。
 
上限3時間のサービスしか受けさせてくれないから、
2本ハシゴするときも、1本目と2本目の間にいったん出庫しなくちゃいけない。
現在はその上限を撤廃して特別対応ではない当然のサービスとして受けられます。
それにひきかえ……(怒)と心の中で文句を垂れながら入庫し直して鑑賞。
 
黒人の女性ジャズシンガー、ビリー・ホリデイの人生を映画化した伝記ドラマ。
監督は『大統領の執事の涙』(2013)のリー・ダニエルズ。
原作もありまして、ヨハン・ハリの全米ベストセラー『麻薬と人間 100年の物語』。
 
本名はエレオノーラ・フェイガン。ビリー・ホリデイは1915年生まれ。
10代半ばに至る頃にはナイトクラブで歌いはじめ、
20代に差しかかると“カフェ・ソサエティ”の専属歌手として活躍。
そして、アメリカ南部の人種差別について歌った『奇妙な果実』という曲が大ヒット。
 
大人気歌手になっても、ホテルや飲食店で差別を受けることは変わらない。
マイルス・デイヴィスと同じですよね。
黒人専用のエレベーターって、意味がわからない。なぜこんなものが存在するのか。
 
ビリーの歌が公民権運動に影響することを恐れる政府は、
なんとか彼女の粗を探し出して彼女を潰そうとします。
ヘロインの常習者だった彼女を挙げることはそう難しいことではないと思われますが、
麻薬取締局の長官アンスリンガーは、麻薬撲滅を謳いつつ、
本音は麻薬以上に黒人をこの世から消し去りたい。
 
ビリーを叩くために利用される黒人捜査官ジミー・フレッチャー。
ファンになりすました彼をビリーに近づけて彼女の身辺調査をおこなわせます。
見事成功してビリーを挙げ、出世したように見えても、
アンスリンガーの下では結局使い捨て。黒人はただの道具として扱われているのです。
 
恋多き女でもあった彼女が時を一緒に過ごした男性たち。中には女性もいる。
いつのときも彼女のそばにいた仲間たち。
ビリー役のアンドラ・デイの圧巻の歌を挟みながら、彼女の人生が描かれます。
 
アレサ・フランクリンもビリー・ホリデイも子どもの頃にレイプされていたというのは衝撃的。
こんな過酷な日々を生き抜けたのは、ドラッグのおかげだとは。
 
それにしても当局の執拗さと言ったら。
1930年代に通らなかった「黒人へのリンチを禁止する法案」が
今も通っていないという事実に驚きました。
 
44歳の若さでこの世を去ったビリー。何を思っているでしょうか。

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『嘘喰い』

『嘘喰い』
監督:中田秀夫
出演:横浜流星,佐野勇斗,白石麻衣,本郷奏多,森崎ウィン,
   櫻井海音,木村了,鶴見辰吾,村上弘明,三浦翔平他
 
109シネマズ箕面にて、平日の仕事帰り、ヨレヨレになりながら2本ハシゴ。
その1本目に観たのが本作でした。
 
『週刊ヤングジャンプ』に2006年から2018年まで連載されていた、
迫稔雄の人気漫画を中田秀夫監督が実写映画化。
原作は読んだことがないので、比べようもありません。
 
“倶楽部賭郎(かけろう)”は、さまざまな闇ギャンブルを仕切る組織。
相手にバレなければどんなイカサマもOKというルールのもと、
裏社会の人間はもちろんのこと、日本の財政界の人間までも会員になって、
日々巨額を賭けたギャンブルがおこなわれている。
 
“嘘喰い”の異名を持つ天才ギャンブラーの斑目貘(横浜流星)は、
賭郎の頂点であるお屋形様の座をいただこうと勝負に挑んで敗北を喫す。
通常、敗者は命を奪われるものだが、奪う価値もない命だと蔑まれ、
会員権を剥奪されて街を出ることに。
 
数年が経ち、新たに屋形越えを狙う者が現れたとの噂が貘のもとへ届く。
その人物とはかつて世紀の発見をなしとげた研究者・佐田国一輝(三浦翔平)。
世界に羽ばたく発見だったにもかかわらず、
研究所が不運な火災事故に遭い、佐田国の部下は全員死亡していた。
その佐田国がなぜ賭郎に現れたのか。
 
賭郎に戻ることを考えた貘は、なんとか会員権を手に入れることを目論む。
ちょうどそのとき、闇金から逃げる青年・梶隆臣(佐野勇斗)を救い、
すっかり梶に懐かれた貘は、梶に会員権を取らせて賭郎に乗り込もうとするのだが……。
 
漫画が原作の物語って、登場人物の名前が特徴的ですよね。
本作でも主人公はまだ控えめなほう(笑)。
賭郎のギャンブルの場で立会人を務める2名の名前は、
夜行妃古壱(やこうひこいち)(村上弘明)と目蒲鬼郎(めかまきろう)(本郷奏多)だし。
前者の夜行に関しては昨年スピンオフが出ているそうで、確かにこの人の話は面白そう。
 
闇ギャンブルだとしても、そのイカサマを見抜く過程を私は見たい。
期待外れに終わりそうな予感がありましたが、まぁまぁ、納得できたような気も。
佐田国との対決前、徳井優演じる殺人大好き金持ちジジイと賭けをするとき、
貘と梶ちゃんコンビがハンターから逃げるところのほうが面白かったかな。
ジジイに飼われていた巨人ロデム/マルコ(野村祐希)を救うところも好きでした。
ヤクザの女組長、鞍馬蘭子役の白石麻衣も可愛かったし。
 
ギャンブル映画としては2019年の私のワースト5入り、
『映画 賭ケグルイ』(2019)よりは楽しめました。
とはいうものの、おそらくこれは原作ファンの間では非難囂々では。
なんというのか、半端に漫画チックなんです(笑)。わざわざ実写にせんでも。
中途半端って、最近の映画のキーワードになりそう。(^^;
 
これも続編を狙っているのでしょうねぇ。
何がどうなろうが映画であれば私は観ると思いますので、お好きにどうぞ。

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『ちょっと思い出しただけ』

『ちょっと思い出しただけ』
監督:松井大悟
出演:池松壮亮,伊藤沙莉,河合優実,大関れいか,屋敷裕政,
   尾崎世界観,成田凌,鈴木慶一,國村隼,永瀬正敏他
 
シネ・リーブル梅田にて『マザーズ』を観て怖い思いをした後、
本作を観て脳内を明るいほうに切り替える。と思ったら、想定外の切なさでした。
 
尾崎世界観が大好きな作品として挙げる『ナイト・オン・ザ・プラネット』(1991)。
彼のバンド、クリープパイプの楽曲には『ナイトオンザプラネット』というものがあるそうで。
松居監督がその曲に着想を得て撮り上げた作品です。
 
本作の公開記念として『ナイト・オン・ザ・プラネット』もリバイバル上映中。
本作の中にも同作品のシーンがいくつも登場します。
『ナイト・オン・ザ・プラネット』の監督はジム・ジャームッシュですが、
会話の中に「ジム? ジャームッシュ? キャリー? ジム違いか」なんて台詞も。
この辺りは、どっちのジムも思い浮かばない人には意味不明の会話だな。
 
それはそれで置いておくとして、予備知識なしで観に行ったので、
最初はどういう設定なのかわかりませんでした。
ところどころで刻まれる数字は月日のようだけど、どーゆーこと?
途中でこれが1年ごとの7月26日を示していることに気づきました。
私のように最初は知らないまま観たほうがより面白いかもしれません。
 
その日は佐伯照生(池松壮亮)の誕生日。彼の現在の仕事は舞台の照明スタッフ。
一方の野原葉(伊藤沙莉)はタクシー運転手
今はもう別れてしまったふたりの6年を、照生の誕生日のみ切り取って描いています。
これは、『弥生、三月 君を愛した30年』(2019)と同じと言えなくもない。
どちらも切ないですよねぇ。
 
6年分の同じ日。過去から現在へではなく、現在から過去へと遡ります。
今の照生は裏方の仕事をしているけれど、どうやら以前はダンサーだったらしい。
そしてその頃、葉と出会い、つきあいはじめたようだ。
遡って行くため、ふたりの出会いがわかるのはずいぶん後になってから。
 
今は別れているから、遡るほど幸せそうなんです。
それがもう切なくて切なくて。
あの頃に戻りたいわけじゃない。でもちょっと思い出しただけ。
本当にそうなのかな、なんて考えたりもします。
 
薄くなっているような。
切ない気分のところ、水を差すようですみません。(^^;

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