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『デーヴァラ』

『デーヴァラ』(原題:Devara Part 1)
監督:コラターラ・シヴァ
出演:N・T・ラーマ・ラオ・Jr. ,ジャンヴィ・カプール,サイーフ・アリー・カーン,プラカーシュ・ラージ他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて、IMAXレーザーGT版を鑑賞しました。
 
『RRR』(2022)の主演でテルグ語映画界のスーパースター、NTRジュニアがその『RRR』以降初めて出演する作品。
なんてったって『RRR』は17回観ましたからね。
いくらNTRジュニアよりもラーム・チャランのほうが好きだといっても、スルーすることはできません。
 
長いわ、これも。172分。
いったいどれぐらいの数の言語で吹き替えているのか知りませんが、冒頭、音声がかぶっています。
『カッティ 刃物と水道管』(2014)で同様の現象を初体験して驚きました。
これはインド作品では普通のことなんですかね。最後までこれだったら嫌だと思ったけれど、最初だけでした。
 
音声がかぶっているのは、政府高官による会議のシーン。
インドでクリケットワールドカップが開催されるに当たり、安全保障について討議中。
武器商人密輸のせいで危険にさらされるのを懸念し、業者に扮した警官たちがある村に乗り込みます。
親玉をそこで捕らえるはずだった警官に向かって長老シンガッパが話しはじめたの英雄デーヴァラの物語。
 
英国の植民地だった時代、赤海沿いの4つの村の住民は他国の侵略から海を守る戦士だったが、
インドの独立後、その必要もなくなり、生活のために密輸を請け負う業者に成り下がった。
密輸に関わる男たちを統率するのは誰よりも強いデーヴァラ。
武器を積んだ船からそれらをかっさらい、悪徳政治家のもとへ運んで報酬を得るのだ。
 
しかし、バスの爆破事件が起き、武装した輩に乗客だった住民が殺されてしまう。
こんな生活は間違っていると悟ったデーヴァラは、今後いっさい密輸には手を貸さないと決める。
海に出るのは本来の漁のときだけ。
もしも密輸のためにこっそり海に出る者がいれば、どこからともなくデーヴァラが現れて斬りつけられる。
 
穏やかな日々が戻るかと思いきや、報酬を得られなくて不満をおぼえる住民も続出。
以前はデーヴァラの友人だったバイラが先頭に立ち、デーヴァラ殺害計画を立てて海辺におびき出し、
50名以上で彼に襲いかかるもデーヴァラは負けず、全員を殺す。
 
その後、村から姿を消したデーヴァラ。妻子と母親がいるというのに。
やがて成長した息子ヴァラは、見た目はデーヴァラそっくりだが力がまるで違う。
住民たちはヴァラとデーヴァラを比較しては冷ややかに笑うのみ。
父親に捨てられたと思っているヴァラは、いつまでもデーヴァラを心配する母親と祖母に怒りすら見せて……。
 
最初、音声かぶりに気をとられて高官たちの話が頭に入ってこず、
警官が何の目的で村を訪れたのかわかなくなりました。でも全然大丈夫(笑)。
 
3時間近いのに眠くなるところはひとつもなし。
父親のデーヴァラと息子のヴァラを特殊メイクもなしにNTRジュニアが演じるのは歳を感じさせられすぎるけど、
特殊メイクが苦手な私としてはこのほうがありがたい。
 
武器に対するインドの人たちの思いって、私たちには理解しづらい。
他国に支配されていた人たちは、武器さえあれば立ち上がれる、勝てる、そう思ってきたのでしょう。
武器を山盛りにした鉾を作り、4つの村から2人ずつ出して決闘し、
勝った村が次の1年その鉾を自分たちの村で預かることができるという。
きっとこの風習を実際に持っている村もあるでしょうね。
 
デーヴァラが海と村を守っていると思っていたら、実は……の展開。
とても面白かったけれど、やはり『RRR』には敵わない。1回でじゅうぶんです。

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『ミッキー17』

『ミッキー17』(原題:Mickey 17)
監督:ポン・ジュノ
出演:ロバート・パティンソン,ナオミ・アッキー,スティーヴン・ユァン,トニ・コレット,マーク・ラファロ,
   アナマリア・ヴァルトロメイ,キャメロン・ブリットン,パッツィ・フェラン,ダニエル・ヘンシュオール他
 
イオンシネマ茨木にて『ネムルバカ』を観た後、109シネマズ箕面で本作のIMAX版を鑑賞。
 
『パラサイト 半地下の家族』(2019)ですっかり時の人となったポン・ジュノ監督が、
ニューオーリンズ出身の作家エドワード・アシュトンの小説『ミッキー7』を映画化。
そうですか、映画版では原作より10回も多く死んでいるのですね。(^^;
 
ミッキー・バーンズは友人ティモが「ハンバーガーよりもマカロンのほうが売れる時代が来る」と言うのを真に受ける。
人が死ぬのを見るのが大好きな高利貸しダリウスから借りた金を返せるはずがない。
返済期限までに金を用意できなければチェーンソーでぶった切ると言われて逃げたい。
しかし、ダリウスは世界の果てまでも追いかけてくるはず。ならば宇宙へ逃げようと考える。
 
宗教団体の教祖のごとく信者を擁するケネス・マーシャルは、その妻イルファと共に惑星ニフルハイムへの移住計画を実施。
移民となる者を募っており、ミッキーとティモも応募を決めるが、凄い倍率。
特殊な資格や技術を持っていれば採用される望みはあるが、ミッキーには何もない。
そこで、ただ1人の枠が用意されていた“エクスペンダブル”に応募することに。
志願者がいるとは誰も予想していなかった枠で、ミッキーは直ちに採用となり、宇宙船に乗り込む。
 
エクスペンダブルとはその名のとおり、使い捨ての消耗品。
研究者たちによって開発された機械で死んでも死んでもクローン体がリプリントされるのだ。
未知の惑星にはどんなウイルスが存在するかわからないから、とにかくミッキーで試す。
実験しづらいこともミッキーで試して、人体がどうなるのか、どれくらい耐えられるのかを研究。
ミッキーが死にまくったおかげでワクチンも完成する。
 
何度死んでも、死ぬのは怖い。
そんなミッキーを支え続けてくれたのは、優秀なエージェントとして乗船している女性ナーシャ・バリッジ。
ナーシャはミッキー1から17まで、すべてを愛してくれている。
 
ある日、ミッキー17が船外にいる間に事故に遭う。
後に“クリーパー”と呼ばれるようになる謎の生物に食われるかと思いきや、クリーパーに助けられて生還。
ところが、ミッキー17は死んだと思われていたものだから、すでにミッキー18がそこにいた。
同じ記憶が刷り込まれているものの、性格は微妙にどころか大いに異なる。
優しく気弱なミッキー17と短気で暴力的なミッキー18。
モーティプル(=重複)は厳禁とされているため、17と18が存在していることが知られては困るのだが……。
 
IMAX版なんかで観なきゃよかったと思うぐらい、クリーパーの造形が気持ち悪い(笑)。
意思の疎通ができるとわかった頃には多少見慣れはするけれど、やっぱりキモイよ。
 
でもすごく面白い。
話もわかりやすくて、娯楽に徹した感のあるポン・ジュノ監督。
ロバート・パティンソンの演技も素晴らしく上手くて、この人こんなにいい役者だったんだと思いました。
ミッキー17と18はまるで別人に見えるんです。
 
ついついミッキー17に肩入れしたくなるところ、最後はかっこよかったなぁ、ミッキー18。
ケネスを演じるのマーク・ラファロの悪役ぶりがえげつないけど、イルファ役のトニ・コレットはもっと怖い。
クリーパーよりトニ・コレットのほうが迫力あるやんと思ったぐらい。
 
最後に出るタイトルが“Micky 17”から変わるところ。良かった。

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『ネムルバカ』

『ネムルバカ』
監督:阪元裕吾
出演:久保史緒里,平祐奈,綱啓永,樋口幸平,兎(ロングコートダディ),
   儀間陽柄,高尾悠希,長谷川大,志田こはく,伊能昌幸,山下徳久,吉沢悠他
 
イオンシネマ茨木にて。
 
阪元裕吾監督作品と聞けば観に行かずにはいられないでしょう。
“ベイビーわるきゅーれ”が好きな人ならきっとこれも好き。
同監督作品『最強殺し屋伝説国岡』(2021)で国岡役だった伊能昌幸も出演しています。
 
本作もオリジナル脚本かと思ったらそうじゃなかった。
原作は人気漫画家・石黒正数の同名漫画で、『月刊COMICリュウ』に2006年から2008年にかけて不定期連載されていたそうです。
今春、新装版が発行されたとのこと。根強い人気を持つ作品なんですね。
 
大学の“冴羽女子寮”で同室の鯨井ルカ(平祐奈)と入巣(いりす)柚実(久保史緒里)は先輩・後輩の関係。
ルカはインディーズバンド“PEAT MOTH(ピートモス)”でボーカルとギターを担当している。
一方の入巣は古本屋“古本MAX”でアルバイトする以外にはこれと言って趣味もなければ没頭するものもない。
 
ライブを開けば大盛り上がりを見せるピートモスだが、メジャーデビューにはなかなか至れない。
壊れた炊飯器を折半して買い換えようと入巣が言うけれど、ピートモスのライブチケット代と同額だと思うと凹む。
入巣のバイト代だって知れているから、美味しいものもなかなか食べられない。
こういうときは入巣の友人でボンボンの田口(綱啓永)を呼びつけて食べ物と酒を持ってこさせよう。
 
ところが、呼べばホイホイやってくる田口のことを入巣目当てだと思っていたのに、実は田口はルカのことが好きだと判明。
腹を立てて田口の電話を無視するようになった入巣だが、鈍感な田口は理由がわからない。
田口から相談を受けた伊藤(樋口幸平)がそれに気づき、4人で会うのだが……。
 
と、あらすじを書いてみましたが、こんな話がゆるゆると進むだけ。
ただ、会話がかなり面白くて何度かふきだしました。
たとえば、正直すぎる田口は入巣のことを貶めるつもりなどなくクソミソに言う。
泣きじゃくる入巣に呆れるルカの台詞は「そんなにショックを受けるようなことか。
田口なんて、楽器できないし、金持ちだけど親の金だし、あんな奴に脳の容量使うなんて」。脳の容量か(笑)。
 
ルカは男性3人とバンドを組んでいましたが、メジャーデビューの話が来たのはルカにだけ。
全員でデビューできると思っていたほかのメンバーたちが、ルカのじゃまをしないように努める態度が切ないです。
 
アイドルになったルカを見て、入巣は「こんなことがしたかったのか」とムカつく。
けれど最後の最後にステージでルカが歌うのは。
 
やっぱり大好きです、阪元監督の撮る作品。

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『山田くんとLv999の恋をする』

『山田くんとLv999の恋をする』
監督:安川有果
出演:作間龍斗,山下美月,NOA,月島琉衣,鈴木もぐら,甲田まひる,茅島みずき,前田旺志郎他
 
NGKの前に前述の『ベイビーガール』を観て、NGKの後に本作を。TOHOシネマズなんばです。
『ベイビーガール』を観たときにトイレに傘を忘れたことに気づく。
今回もトイレからはすでに回収されていたけれど、「それらしき傘をお預かりしています」とのこと。
この傘、もう3度ぐらい忘れているんですが、毎回きちんと出てきます。
 
作間龍斗のことは『うちの弟どもがすみません』(2024)で認識しました。
愛想のない役が多いのでしょうか。最近の男子の中ではかなりお気に入りです。
監督は『よだかの片想い』(2022)の安川有果。
原作はましろの同名人気漫画で、TVアニメ化もされているそうな。
 
女子大生の木之下茜(山下美月)は古川たくま(山下永玖)にフラれて立ち直れない。
ゲームオタクのたくまに好かれたい一心でネトゲを始めたのに、たくまはそのネトゲでほかの女子を好きになったのだ。
しかもフラれた後にたくまからLINEで「レアアイテムは返してほしい」と言われてガックリ。
仕方なくネトゲにログインしてアイテムを返したあと、同じギルドにいた「アフロの山田」に愚痴をこぼすが、
彼はそんな話にまったく興味がない様子で冷たい。
 
ネトゲのファンミーティングがおこなわれると知った茜は、そこでたくまと再会できるかもしれないと考える。
見違えるほど綺麗になってもう一度たくまを振り向かせてやると誓い、
親友の前田桃子(甲田まひる)に活を入れられながら、ダイエットとメイクと服選びに邁進。
 
当日、たくまと新しい彼女がいるのを見かけて慌てたさいに転倒。
脱げて飛んでいった靴を拾ってくれた男子のしゃべり方を聞いて、彼はあの山田だと確信する。
その直後、たくまが駆け寄ってきたかと思いきや、たくまのお目当てはなんと山田。
 
彼、山田秋斗(作間龍斗)は高校生にしてプロゲーマーの超有名人らしい。
ルックスも抜群なことから、目撃者が彼を撮って勝手にSNSにUPするのが日常茶飯事のスター。
山田の隣にいるのが茜だと気づいたたくまは「なんで?」。
咄嗟に茜は山田こそが自分の新しい彼氏だとたくまに言う。
否定しようとする山田に茜はどうか彼氏のふりをしてほしいとひそかに懇願。山田は乗ってくれる。
 
お礼に山田にお茶をごちそうしつつ、自分は飲酒してべろべろに酔っぱった茜。
介抱をしてくれた山田とはもう会うことはないはずだったが、後日、同じギルドのオフ会で山田と再会して……。
 
悪意がないのがいいですよね。
オフ会で会ったのは、ネトゲの世界で人気者の瑠璃姫の“中の人”でまさかの男子、佐々木瑛太(NOA)。
瑛太の妹で中学生の瑠奈(月島琉衣)は山田に憧れているから、新参者の茜が入ってきたのが面白くなくて敵意あらわ。
その割に、いったん茜と仲良くなると、山田との仲を積極的に取り持とうとします。
また、山田にずっと想いを寄せている学級委員長の椿ゆかり(茅島みずき)にしても、茜の登場に焦り、
山田の親友である岡本武明(前田旺志郎)にたきつけられてコクったのに、なんじゃその身の引き方はというぐらい素直。
安心して観ていられます。
 
冒頭、傷心の茜が聴く曲がプリンセスプリンセスの“M”だったのには笑ってしまいました。
若い子が聴くにはちょっと古くないかい。いえいえ、やっぱり名曲です。
あと、お笑いコンビ“空気階段”の鈴木もぐらの相方、水川かたまりが台詞なしのカメオ出演しているのも可笑しかった。
 
しかし、モテモテなのに女子に興味がなくて今までつきあった経験もないという男子がこんなキスはないと思う。(^^;
そして女子、こんな酔っぱらい方もアカンと思う(笑)。

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『ベイビーガール』

『ベイビーガール』(原題:Babygirl)
監督:ハリナ・ライン
出演:ニコール・キッドマン,ハリス・ディキンソン,ソフィー・ワイルド,アントニオ・バンデラス,
   エスター・マクレガー,ヴォーン・ライリー,ヴィクター・スレザック,レスリー・シルヴァ他
 
休日、NGKで漫才吉本新喜劇を観る前後にTOHOシネマズなんばで映画を1本ずつ。本作は「前」に鑑賞。
 
ニューヨークの大企業でCEOの座に就くロミー。
倉庫配送システム用のロボットを開発した彼女は時の人となり、女性活躍の象徴として崇められている。
売れっ子舞台演出家の夫ジェイコブは限りなく優しく、娘ふたり、イザベルとノラは多感な時期で、
特に長女のイザベルは時に反抗的な態度を取るが、レズビアンの彼女のことを両親はしっかり認めている。
絵に描いたような幸せな家族と、成功の一途をたどる誰もが羨む人生。
 
しかしロミーには人には言えない秘密があった。それは性生活への不満。
ジェイコブとのありふれたセックスに満足できず、まったく刺激を感じられない。
 
そんなとき、インターンとしてやってきた学生サミュエルのことが気になりはじめる。
彼はロミーの心の裡を見透かしているかのようで、挑発的なアプローチを繰り返す。
スルーするつもりがサミュエルの術中にハマるかのように受け入れてしまうロミー。
やがてCEOのロミーとインターンのサミュエルの力関係は完全に逆転。
ロミーはサミュエルに対して性的に服従することを余儀なくされるのだが……。
 
ロミー役のニコール・キッドマンは6月に58歳の誕生日を迎えます。
サミュエル役のハリス・ディキンソンは同じく6月に28歳になる。
そりゃキッドマンはいくつになっても綺麗です。けれど、老いを感じさせる撮り方をしていることもあり、きつい。
息子といってもいいほど歳の離れた男性に入れ込み、彼が別の女性と話しているだけで嫉妬心メラメラ。
キッドマンの実際の喘ぎ声がどんなだかは知らんけど(笑)、ロミーの獣みたいな喘ぎ声は怖すぎる。
 
痛々しい思いは終始ありますが、面白いのは面白い。
アントニオ・バンデラス演じるジェイコブはロミーの不満を察することができず、終盤、妻の浮気を知ると激怒。
ロミーを追い出しておきながら気になって、彼女がいるとおぼしき別荘に赴いたら、そこにサミュエルもいる。
半狂乱になるジェイコブの気持ちを鎮めるのはロミーではなくて、なんとサミュエル。
まるで吠える犬をおとなしくさせるときと同じように。
 
母親の変化に気づき心配するイザベルの存在もとてもいい。
イザベル役のエスター・マクレガーはユアン・マクレガーの娘なんですね。
クララ・マクレガーのことしか知らなかったから、もうひとり娘がいたのかとビックリ。
 
最後はサミュエルが去り、その理由を知ったのか肉体関係を迫るような発言をするオッサンに言い返すロミーがちょっとカッコイイ。
家族のもとへ戻って、妻の性的嗜好を知った夫がそっちに寄せる。
妻も満足しているかと思いきや、想像しているのはサミュエルのことという皮肉。怖っ。

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