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好きだった映画、嫌いだった映画〈2023年〉

2023年に劇場鑑賞した作品は339本、配信やDVD鑑賞した作品は61本で、合計400本。
2022年は300本ちょうど、2021年は278本、2020年は337本、2019年も300本ちょうどでした。
昨年は人生5度目の300本超で、劇場鑑賞数は自己最多です。
 
各月の鑑賞本数は、
1月26本、2月31本、3月27本、4月30本、5月30本、6月28本、
7月28本、8月31本、9月27本、10月30本、11月27本、12月24本。
 
これだけ劇場で鑑賞するとなると、家で映画を観る機会は激減し、
DVDや配信で鑑賞するのはほぼ「今年観た映画50音順」のためになってしまいました(笑)。
 
さて、例年どおり、ここに挙げるのは劇場鑑賞した作品に限ります。
毎年ベストの前にワーストを挙げるのですが、今年はワーストというほどの作品はなかったような。
ただ、国際的に評価された作品にもかかわらず私がどうしても好きになれなかったのは、この2本でしょうか。
お下劣極まりない『スラムドッグス』ですら上記2本よりは楽しんだ気がするぐらい(笑)。
 
ワーストに挙げるものを決めかねるぐらいなので、好きだった作品はとても多い。
基本的には、鑑賞後に「良かったなぁ」と温かい気持ちに包まれる作品が好きです。
と言いつつ、こうして挙げた作品を再び眺めると、そんなのばかりでもないような。
 
というわけで、好きだった作品を観た日付順になんとか20本に絞って挙げます。
 
ほかに、
『The Witch/魔女 増殖』は再上映だった『The Witch/魔女』(2018)と込みで、すごく面白かった。
 
そして、下記は強烈に印象に残っている作品です。つまり、きつい話だったりイヤな話だったり。
最悪のオチの話は『スイート・マイホーム』でしょう。原作も併せてどうぞ。
 
以下3本は「ふざけてんのか!」と言いたくなる設定に笑いました。
 
苦手だったホラーも、年々観る率が高くなっています。
 
配信鑑賞作品では『僕と幽霊が家族になった件』が断然いちばん。
 
『タイタニック』のリマスター版に若いカップルが押し寄せているのが嬉しかった。
ライブ音響上映で鑑賞した『バーレスク』、再上映の『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』、最高でした。
 
カッコよすぎるヒョンビンは毎年欠かさず見たい人。今年も待ってまーす。
 
劇場通いのせいで読書の時間が激減してしまったのが気がかりです。
かろうじて一昨年と同じ93冊は読みましたが、今年は映画と本の時間配分をどうするかが悩みどころ。
 
本年もどうぞおつきあいのほどよろしくお願い申し上げます。

—–

2023年12月に読んだ本まとめ

2023年12月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2077ページ
ナイス数:631ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2023/12
■こちら空港警察 第4話 【単話】こちら空港警察 (野性時代連載)
第3話は思いっきり途中で終わってしまうので、第4話を続けて読まねばなりません。搭乗間際に慌てさせられたものの、なんとか無事搭乗したトラブルメーカーの客。しかしやっぱりそのままでは終わらず、爆弾テロ騒ぎに発展。が、仁志村署長が狙いを定めていたのはそいつだけじゃなかったんですねぇ。……なんて書きはじめると、15分あれば読めてしまう話を全部ネタバレしてしまうことになりそうです(笑)。毎回だいたい2話完結型の事件が発生すると思ってよろしいですかね。12月中に既刊の全話を読めば、読了冊数を荒稼ぎできるでしょうか。
読了日:12月01日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/20932600
■【2019年・第17回「このミステリーがすごい! 大賞」大賞受賞作】怪物の木こり (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
映画版は公開初日のレイトショーにて、この原作をまだ半ばほどまでしか読んでいない状態で鑑賞しました。そうですか、菜々緒演じる戸城を刑事ではなくプロファイラーということにしたのですね。それも含めて、登場人物を若干減らしたからか、映画版のほうがスッキリしている印象。原作の二宮よりも映画の二宮のほうがずっと好きだと思えるのは亀梨和也のおかげなのか。原作ではこうなる日が来るだろうと剣持から示唆されていたことが映画のラストシーンになっています。人の心を持った二宮が映美に対して取った行動がちょっぴり切なくもありました。
読了日:12月03日 著者:倉井 眉介
https://bookmeter.com/books/15100550
■僕が死んだあの森 (文春文庫 ル 6-7)
そうよ、あのルメートルだよと覚悟はできていたはずなのに、またしても絶望の底に叩き落とされました。友達のいない12歳のアントワーヌ。そんな彼に唯一なついていた6歳のレミを故意ではないとはいえ殺してしまった。いつバレるのだろうかと、私たちはアントワーヌと共に緊張を強いられることになります。しかしバレない。ずっとバレない。その年も、10年以上が経過しても。だけど、バレていなかったわけではないと知ったら。彼のことは好きになれません。でも、彼がこの先どう生きていくのかは気になる。確かにあの時、あの森で死んだも同然。
読了日:12月13日 著者:ピエール・ルメートル
https://bookmeter.com/books/21511805
■アイズ 猟奇死体観察官・児玉永久 (角川ホラー文庫)
あらっ、内藤さんの新シリーズ!?と一瞬思い、スピンオフかと少し遅れて気づく。名前を見ただけで気づかなきゃいけなかったよ、永久くん、ごめん。おそらくこの1冊だけを読んでも話についていけなくはないと思いますが、シリーズを読んでいた者にとっては感慨ひとしお。たぶん、親のような気持ちになる。さらにはオールスターキャストでウハウハ状態に。さすがに曳き屋までは出てきてくれませんけれども(笑)。生来邪悪なものというのは存在して、おそらくそれは変わらないと思っている派ですが、永久を見ていると、変わるのだと思う。思いたい。
読了日:12月17日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/21619038
■花腐し (講談社文庫)
やっぱり私には芥川賞を理解するアタマがありません。一字下げの段落にはなっているものの、行は詰まったままだから、どこで休めばいいのか困惑したまま最後まで一気に読む。きっと私にはわからないと思っていたので、先に映画版を鑑賞しました。そうしたら主人公の職業も違う、心中もしない、同じ女性を巡る話でもなくて再び困惑(笑)。わかりやすいぶん、映画版のほうに惹かれるものの、比べてみるのはとても面白い体験。映画版は芥川賞受賞作を直木賞にちょっと寄せたふうに私には思えましたが、最後だけは芥川賞。でもエンドロールは直木賞か。
読了日:12月19日 著者:松浦 寿輝
https://bookmeter.com/books/467202
■八月の銀の雪 (新潮文庫 い 123-13)
凄く良かったかと聞かれるとそうでもなかった気がするのに、妙な心地良さが残ります。ぎすぎすした世の中で、自分の思うようには事が運ばず、ふて腐れているところを人に見せたりはしないけれど、鬱々とした気持ちで毎日を過ごしている主人公たち。でも意外とまわりには幸せな瞬間が落ちていて、それを拾えば前向きになれるかもしれない。少なくとも、嫌いだった自分のことが好きになれそうに思います。どの話も好きでしたが、『アルノーと檸檬』が心に残りました。伝書鳩に詳しくなり、苦手だった鳩の見方が180度変わる。愛らしくすら感じます。
読了日:12月25日 著者:伊与原 新
https://bookmeter.com/books/21243042
■虐殺のスイッチ ――一人すら殺せない人が、なぜ多くの人を殺せるのか? (ちくま文庫 も-19-3)
ロングラン上映中の映画『福田村事件』の森達也監督。私が彼の名前を知ったのは20年以上前のこと、映画監督としてではなく『放送禁止歌』の著者としてでした。何も知らずに過ごした小学校時代。中学校に入って初めて同和地区の存在を知って驚いたものです。そして大人になって『放送禁止歌』を読み、また衝撃を受けました。本作でその衝撃再び。映画『シティ・オブ・ゴッド』のことも思い出す。平然と殺戮を繰り返す少年たちには、自分が生きるためなら良い悪いもないのだと。誰かの指示がなくても虐殺は起きる。ひとりひとりは優しいはずなのに。
読了日:12月26日 著者:森 達也
https://bookmeter.com/books/21349028
■BEAST 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花 (角川ホラー文庫)
“よろず建物因縁帳”の春菜のことをあまり好きでないという人は結構多かったかと思いますが、私は春菜のことは好きで、それよりもこっちの清花のことのほうが最初は鼻についたものです。それが今やこんなにも温かみのある人になっている。彼女の義母がまた素晴らしくて、私はひそかに澄江ファン。親による虐待が頻繁にニュースとなる昨今、少年のことを思うと胸が苦しい。襲ったわけではない、助けてくれたのだとわかったときは涙が溢れました。星が見えるほうが幸せだと人間の尺度で思いがちだけど、そうとは限らない。チームの決断に賛同します。
読了日:12月29日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/21619039

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今年観た映画50音順〈わ行〉

《わ》
『ワム!』(原題:Wham!)
2023年のイギリス作品。Netflixにて配信。
1980年代に洋楽を聴いていた人なら誰でも知っているイギリスのポップデュオ、ワム!
ジョージ・マイケルとアンドリュー・リッジリーの出会いからワム!結成、
世に認められるまでの紆余曲折、ジョージのソロ活動と解散に至るまでのドキュメンタリー。
観はじめて驚いたのが、「私、ジョージ・マイケルの相方の名前知らんやん」ということ。
そうですか、アンドリューという人だったのですね。顔もわかりませんでした。
それだけジョージの印象が強かったワム!だけど、
小学校のときに転校してきたジョージの案内役を買って出たのがアンドリュー。
当時のジョージといえば眼鏡で小太りの少年で、アンドリューのほうがイケてます。
20歳を前にしてヒットメーカーとなるも、モテモテのイメージにじゃまをされて、
曲の評価が低いことに悩んでいたジョージ。
また、19歳のときにアンドリューにはゲイであることをカミングアウトしていたけれども、
なかなか公表はできずにいた苛立ちなども収められています。
ワム!のファンとまでは行かずとも、ワム!を知っている人には興味深い作品。
本作を観てからしばらくはワム!の曲が頭の中を流れっぱなしでした。
 
《を》《ん》
今年もありませんでした。誰か、これで始まるタイトルの映画を作ってくだ〜い。
 
今年も1日たりとも休まずに更新することができました。
毎度おつきあいをありがとうございました。
どうぞ良い年をお迎えください。

—–

今年観た映画50音順〈ら行〉

《ら》
『ランナウェイ・シーフ』(原題:Chor Nikal Ke Bhaga)
2023年のインド作品。Netflixにて配信。
マックス・アジア航空の客室乗務員ネハは、乗客のアンキットにナンパされ、
最初は鬱陶しく思うも、根気強く誘われるうちに惹かれて交際開始。
気をつけていたはずが妊娠し、アンキットに打ち明けるとまさかのプロポーズを受ける。
喜ぶネハだったが、アンキットには多額の負債があることが判明。
彼はダイヤモンドの保険を扱う会社の社長だが、従業員がダイヤを紛失したため、
その返済を迫られて大変な立場にいると言うのだ。
お互いに別れることなど考えられないアンキットとネハが妙案はないかと考えたところ、
ネハが搭乗する旅客機でダイヤの密輸がおこなわれることを知る。
この場を乗り切るにはそれを盗んで返済に充てるするしかない。
ふたりで万全の計画を立てたうえで、当該便にアンキットも客として搭乗。
計画どおりに上手く進むと思いきや、その旅客機がハイジャックされて……。
こんなの、詐欺師の常套手段じゃあないか。アンキットが明らかに怪しいと思っていたら。
とっくにアンキットに騙されたことを知っていたネハによる、すべてが復讐劇。
信頼のおける男性スダンシュに相談してチームを編成し、偽ハイジャックを仕組んだのでした。
ハイジャック騒ぎを起こし、本物のダイヤを偽のダイヤとすり替えて頂戴する。
密輸を企てていたのは国家の偉いさんで、窃盗の罪はアンキットにかぶせることに成功。
実に小気味の良い仕返しだったけれど、ラストシーンは要らないと思いました。
アンキットも生き残らせておいて続編を作る気なら、かなりウザい(笑)。
 
《り》
『リトル・バットマン クリスマスの大冒険』(原題:Merry Little Batman)
2023年のアメリカ/イタリア/フィンランド作品。Amazonプライムビデオにて配信。
“バットマン”=ブルース・ウェインの息子ダミアンは、父親のようなスーパーヒーローを夢見る少年。
クリスマスイブに父親からベルトをプレゼントされて有頂天。
これはきっと父親が自分も一人前だと認めてくれた証だと信じて疑わないが、
任務に就くように連絡を受けたブルースについて行こうとすると拒否される。
ふて腐れながらも、訓練を積めば父親と共に戦うことが許されるはずだと、
執事のアルフレッドがマシュマロを買いに出かけるように仕向けて家の中で猛特訓。
ところがその折にクリスマスプレゼントを狙う泥棒がやってくる。
応戦したものの、ベルトを盗まれたダミアンは奮起し、ベルトを取り返しに外へと飛び出す。
泥棒はあの“ジョーカー”の手下で、戦利品がベルトだけなのを知って激怒するが、
手下が撮影していた小さなバットマンの動画を見て狂喜。
この小さなバットマンにベルトを奪い返しに来させてホリデーシーズンの街を壊すことを思いつく。
まんまとそれに乗せられて、破壊屋となってしまったダミアンだったが……。
楽しいアニメーション作品です。
最後はダミアンの想い同様にジョーカーが可哀想になってくる。
ジョーカーはゴッサムシティを壊したかったわけではなく、仲間と行動したかっただけ。
手錠をかけられたジョーカーがブルース父子とテーブルに着くシーンに笑った。
アルフレッドの声を担当するのはジェームズ・クロムウェル。もう83歳ですか。長生きしてほしい。
ブルースの声はルーク・ウィルソン。兄オーウェン・ウィルソンより見る機会が少ないけれど、まだ50代前半。頑張れ。
 
《る》
『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』(原題:The Electrical Life of Louis Wain)
2021年のイギリス作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、擬人化された猫のイラストで人気を博した画家ルイス・ウェイン。
英国の上流階級に生まれながら、父親が早世し、6人兄妹の長男だった彼は、
一家の大黒柱となることを余儀なくされる。
純粋で変わり者の彼が恋したのは、長女が妹の家庭教師として雇ったエミリー。
紳士と下流階級の女性の恋愛は非難の的となるが、周囲の反対を押し切ってふたりは結婚。
妹たちとは別に居を構えながらも、絵で稼いだ金を仕送りして家族を支え続ける。
エミリーが乳癌を患ったのをきっかけに猫を飼い始め、ピーターと名付けて可愛がる。
しかしやがてエミリーは他界、失意のどん底にあったルイスは、絵を描くことに没頭し……。
青年時代のルイスから老人のルイスまで、ベネディクト・カンバーバッチが違和感なく演じています。
エミリーにはクレア・フォイ、キレ者の妹キャロライン役にはアンドレア・ライズボロー
また、ルイスの絵を最初に評価したウィリアム卿をトビー・ジョーンズが演じています。
いくら描いても版権は出版社にあったりして、騙されていたといわざるを得ない。
ずっと金の心配をする暮らしを強いられていたことには胸が痛む。
猫が上流階級でも飼われるようになったきっかけは彼の絵なんですね。
 
《れ》
『レンフィールド』(原題:Renfield)
2023年のアメリカ作品。日本では劇場未公開。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
20世紀初頭、不動産弁護士だったレンフィールド(ニコラス・ホルト)は、
つい吸血鬼ドラキュラ(ニコラス・ケイジ)の提案に乗ってしまった結果、
90年経った今もドラキュラのために食事(つまり人間)を用意したり、
ドラキュラが殺されそうになれば駆けつけて守ったりと、すっかり下僕に。
共依存症の人々のグループカウンセリングに参加したレンフィールドが、
パワハラ上司から逃れたいと思い切って打ち明けたところ、人々が後押ししてくれる。
一方、犯罪組織を追っていた女性警察官レベッカ(オークワフィナ)は
殺し屋のテディに狙われたところをレンフィールドに救われる。
レンフィールドのことを英雄と称えるレベッカだったが、
人間を殺戮しつづけている者の正体がドラキュラで、その手下がレンフィールドだと知る。
一旦はレンフィールドを敵視したものの、レベッカの姉カミールが犯罪組織に拉致され、
しかも犯罪組織にドラキュラが接触中だと判明し、
ふたりは協力してカミールを救出、ドラキュラを地獄へ送り込むと決めて……。
ニコラス・ケイジとニコラス・ホルトとオークワフィナまで出演しているのに未公開とは。
でも確かに、劇場で観たいほどの作品ではありません。家でじゅうぶんでした。
ニコラス・ケイジ扮するドラキュラの顔をこれ以上大画面では観たくない(笑)。
 
《ろ》
『六月十三日の夜』(原題:The Night of June)
なんと90年近く前の1932年アメリカ作品が今年DVD化されました。
TSUTAYA DISCASにてレンタル。
スティーヴン・ロバーツ監督と聞いても知らないし、俳優も知らない人ばかり。
なぜに今頃DVD化したのかわかりませんが、確かに面白い。
郊外の町に並ぶ4軒の家、カリー家、モロー家、ストローン家、ブレイク家。
カリー家の主人ジョンの妻エレナはピアニストだったが、
事故で負傷してから情緒不安定になり、夫とモロー家の娘トルーディの浮気を疑っている。
ブレイク家の娘ジンジャーとモロー家の息子ハーバートは恋人同士だが、まだ未成年
両家の母親がふたりの交際に反対しており、口やかましく言われて敵わない。
ストローン家は夫婦と息子、夫の父親が同居しているが、舅と嫁の間で諍いが絶えない。
ある日、嫉妬に駆られたエレナが銃で自殺。第一発見者は夫のジョン。
銃に残された指紋から、ジョンが容疑者として逮捕されて……。
こんな展開で自殺かどうかなんてすぐにわかりそうなものなのに、
そうはならないのがこの時代の作品らしいところだなぁと思います。
ジョンには事件当時のアリバイがあるけれど、トルーディに迷惑がかかるから言えない。
隣人たちもそれぞれ言えない事情があって、それを隠そうとすると、
ジョンに不利な証言ばかりになってしまいます。
裁判が始まってからがとても面白かった。昔の作品もいいなぁと思わされます。

—–

今年観た映画50音順〈や行〉

《や》
『屋根裏のアーネスト』(原題:We Have a Gohst)
2023年のアメリカ作品。Netflixにて配信。
これ、邦題が『屋根裏のアーネスト』なのか『ウィー・ハブ・ア・ゴースト!』なのか不明。
後者の場合は「や行」ではなくて「あ行」の作品になってしまいます(笑)。
Netflixのオリジナル映画一覧では前者になっているので、そっち採用ということで。
夫婦と息子2人、4人家族のプレスリー家は、歴史的建造物だという一軒家に引っ越し。
そのわりに安価なのを訝るが、不動産屋は顔をひきつらせながらながら事故物件ではないと言う。
しかしそれは真っ赤な嘘で、この家の屋根裏にはアーネストという幽霊が住み着いていた。
最初にアーネストと遭遇したのは、次男の高校生ケヴィン。
これまでの住人と同じように脅せば出て行くだろうとアーネストは思っていたのに、
儲け話にすぐに乗っては失敗する父親フランクのせいで引っ越しばかり強いられたケヴィンは、
幽霊などまるで怖くない、自分の今までの人生のほうが千倍怖かったのだからと言う。
アーネストは姿を見せることができても声を発することができない。
しかも記憶障害を起こしており、生前の自分が何者で何が起きたのかさっぱりわからないらしい。
成仏できないのは何か理由があるからにちがいないと、ケヴィンはアーネストに協力を申し出る。
隣家の変わり者女子ジョイも一緒に調べてくれることになり……。
アンソニー・マッキー演じるフランクが終盤まではどうしようもない(最後に挽回するけれども)親父。
長男のフルトンと共にアーネストを利用して金を稼ぐことしか考えていません。
母親のメラニーも夫と長男の行動を黙認しているところはありますが、最後はやっぱりケヴィンの味方。
コメディ色が強い作品を期待していたらそうでもなくて、その代わりにミステリー色が強い。
アーネストがとどまっていた理由が想像以上に悲しいものでした。
なんといってもアーネスト役がデヴィッド・ハーバーですもの。台詞はなくても表情だけで泣かせる。
 
《ゆ》
『赦し』
2022年の日本作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
監督は、インド出身で日本を拠点に活動するアンシュル・チョウハン。
17歳の女子高生だったときに、同級生を殺害した福田夏奈(松浦りょう)は、
20年の刑を言い渡されて7年服役したところ。
弁護団は殺人の事実は認めつつも、未成年の犯罪で20年の刑は重すぎるとして再審請求
事件をきっかけに別れた被害者の両親(尚玄MEGUMI)は再び過去と対峙することを余儀なくされる。
やがて、夏奈は被害者・樋口恵未(鳴海花音)から凄絶ないじめを受けていたことがわかり……。
少年犯罪の加害者と被害者遺族を描いたドラマですね。
こういうテーマの作品を観るとどちらかに肩入れしたくなるものですが、
松浦りょうの容貌は決して美人とか可愛いとかいったタイプではないし、
見た目から同情するようなことにはなりません。
それを監督は狙ってキャスティングしたのかと思うほど。
肩入れはできないけれど、尚玄演じる被害者の父親が、
若気の至りでいじめたら、殺されてもいいというのか」という台詞はすごく嫌でした。
若気の至りならいじめてもいいのかっちゅう話です。そんな言葉で済まさないでほしい。
 
《よ》
『夜明けまでバス停で』
2022年の日本作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
実在のホームレス女性殺人事件をモチーフにした作品で、監督は高橋伴明
居酒屋に長年アルバイトとして勤務する北林三知子(板谷由夏)。
アクセサリー作家でもあり、如月マリ(筒井真理子)が経営するカフェで教室も開いているが、
コロナの煽りを受けてどちらもしばらく休業に追い込まれてしまう。
その結果、三知子は同僚の小泉純子(片岡礼子)や石川マリア(ルビー・モレノ)と共にクビに。
介護施設での住み込み職員にオンライン面接で採用されて安心したのも束の間、
出勤してみるとコロナ禍で雇えないと言われて途方に暮れる。
住むところも金もなく、それを誰にも言えず、インターネットカフェまでもが休業中。
致し方なく長距離バスが出払った後のバス停で過ごす日々が続くのだが……。
居酒屋チェーンの社長の息子を演じるのが三浦貴大
役だということを忘れるぐらい嫌な奴で、しばらく彼の顔を見たくない(笑)。
同類かと思われた店長の寺島千春(大西礼芳)を途中から大いに応援しました。
「元気なんてありません。ランチするお金なんてありません」、そう言えたら。
でも言えたからって、誰が助けてくれるのでしょう。
そりゃ爆弾のひとつも作って何もかも吹っ飛ばしたくなるわ。
根岸季衣柄本明など、公園に集うホームレスに励まされるけど、現実はこんなもんじゃ済まないのかな。

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