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『ネクスト・ゴール・ウィンズ』

『ネクスト・ゴール・ウィンズ』(原題:Next Goal Wins)
監督:タイカ・ワイティティ
出演:マイケル・ファスベンダー,オスカー・ナイトリー,デヴィッド・フェイン,ビューラ・コアレ,
   レイ・ファレパパランギ,セム・フィリッポ,ウリ・ラトゥケフ,レイチェル・ハウス,
   カイマナ,ウィル・アーネット,リス・ダービー,タイカ・ワイティティ,エリザベス・モス他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて、前述の『QUEEN ROCK MONTREAL』の後に観ました。
21:40からの回だから、もう寝たいぐらいの時間です。でも面白かったから寝なかった。
 
サッカーのアメリカ領サモア代表チームは、2001年に0-31というワールドカップ予選史上最悪の大敗を記録したチーム。
公式戦で勝利したことがないのはもちろんのこと、1ゴールすら決めたことがなかったそうです。
2011年におこなわれた2014年のワールドカップのオセアニア予選1次で初勝利を決めたときの実話に基づく
大好きなタイカ・ワイティティ監督が自らおちゃらけた役でチラリ登場するのも毎度のこと。
この監督とかM・ナイト・シャマラン監督が自作に登場するシーンを探すのはいつも楽しい。
 
不名誉な記録で笑い者にされながらもサッカーを楽しむアメリカ領サモアの代表チームだったが、
とにかくなんとしてでも1ゴール決めてほしいというのが島民たちの願い。
村の中心人物でサッカーチームの面倒も見ているタビタは、外国人監督を招聘すべきだと考える。
 
この世界最弱チームにやってきたのは、性格が災いしてアメリカのチームを追われたトーマス。
無職になるかアメリカ領サモアに行くか、選択肢は2つのみ。致し方なく後者を選ぶ。
 
覚悟を決めて現地入りしたはいいが、これでよく代表と言えたものだと思うくらい酷いチーム。
何も知らず、何も知ろうともしない選手たちに呆れ果て、すっかりやる気を失い……。
 
勝たなくてもいいんです。1点取るだけでいいんです。でもその見込みがまるでない。
この手の話はどう進むか決まりきっていて、新鮮さはありません。
でも、オセアニアの自然と陽気すぎる人々を見ているだけでもじゅうぶん楽しい。
 
選手の中で特にユニークなのは性同一性障害のジャイヤ。
いずれ性別適合手術を受ける予定ですが、今はホルモン剤を摂取しているだけでまだ男性。
だからまだ出場権はある。
彼、いや、彼女のような人のことをサモアでは「ファファヒネ」と呼ぶらしくて、
誰もがそれを理解し、差別するどころかむしろ彼女を信頼してチームを引っ張らせている。
 
短気でどうしようもない監督だと思われていたトーマスにはかつてとても辛い出来事があって、
それを引きずったまま生きていたことがわかります。ここは少し涙を誘われる。
 
トンガとの対戦はエキサイティングで、ゴールのシーンは手を叩きたくなる。
単純明快、でもお涙頂戴には走っていない。スカッとします。

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『QUEEN ROCK MONTREAL』

『QUEEN ROCK MONTREAL』(原題:We Will Rock You: Queen Live in Concert)
監督:ソウル・スウィマー
 
3連休に合わせて2月22日から25日まで全国のIMAXシアターで4日間限定上映。
いくつかの劇場ではさらに2日間追加して27日まで上映されていた模様。
私は23日に109シネマズ大阪エキスポシティのIMAXレーザーGT版を鑑賞しました。
 
『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)は劇場で31回観ました。
そのせいか、私はもともとクイーンのファンだと思われているふしがあるのですが、
何曲かを知っていた程度で、別にファンというわけじゃないんです。
だから、先日のクイーンのコンサートにも行ってませんし、是が非でも行きたいとは思わず。
私が好きなのはスクリーンで観るクイーンだから。
 
それでも『ボ・ラプ』を観た後はかなりクイーンを聴きまくったので、
こんなコンサート映像を観られるのは嬉しい。
 
1981年の11月にモントリオールでおこなわれたライブの模様を収めた作品なのだそうです。
クイーン史上最高のパフォーマンスと言われていたとのこと。
エキスポシティのIMAXシアター、やっぱり最高。最後列で堪能しました。
 
ラミ・マレックより本物のフレディ・マーキュリーのほうが良いことも確かです。(^^)

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『劇場版 マーダー★ミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血』

『劇場版 マーダー★ミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血』
監督:光岡麦
出演:劇団ひとり,剛力彩芽,木村了,犬飼貴丈,文音,北原里英,
   村松沙友理,堀田眞三,八嶋智人,高橋克典他
 
イオンシネマ茨木にて。
 
そもそも“マーダーミステリー”というのはパーティーゲームのうちのひとつなのだそうです。
宴会等パーティーに参加した人たちが配布されたシナリオを読み、
殺人事件現場に居合わせた登場人物たちを自ら演じながら犯人を推理するという。
 
本作はそんなマーダーミステリーをベースにしたTVドラマ“マーダー★ミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿”シリーズの劇場版。
そんなことはまったく知らずに、ほかに観るものがないから観たまでです。
だけど、役者の台詞はほぼすべてアドリブだということだけは知っていました。
出演俳優たち各々にキャラクター設定と行動についての指示が与えられるものの、
自分の背景と動きについてあらかじめ知らされているだけであって、自分以外の俳優がどう動くかは知りません。
俳優たちのアドリブ対応力と演技力が問われるわけで、どれほどのプレッシャーがかかることか。
 
さて、劇団ひとり演じる班目瑞男は、自分が探偵であることを隠して鬼灯村(ほおずきむら)を訪れます。
その村には「ひと晩に3人の生贄の血を滴らせると死者が蘇る」という伝説がありました。
この伝説にちなんで「三つ首祭り」というなんだか不気味な祭りもおこなわれています。
 
祭りの夜、村の長を務める一乗寺家当主(堀田眞三)の邸宅に集まった友人知人たち。
一乗寺が銀座のクラブで見初めて妻にした元ホステス・初乃(文音)、
村への移住者で初乃と親しくなった七尾優子(北原里英)、
生まれたときからこの村に住む・五階堂猛(高橋克典)、若い医師・六車聡(犬飼貴丈)。
彼らをもてなす一乗寺家の執事・四谷茂(八嶋智人)、
料理人・二宮純平(木村了)と二宮を慕うメイド・三宅麗(村松沙友理)。
 
食事が済み、少し疲れたのか一乗寺は先に休むと言って自室に戻りますが、
しばらくしてから息絶えているところを発見されます。
一乗寺の姿を見て騒然となっているところに現れた班目。あくまで偶然を装って。
やがて一乗寺の遺体を安置しに行った四谷まで殺され、これは鬼灯村の伝説に基づいているのかと。
 
まぁなんというのかアドリブ丸出しで、役者が思わず笑ってしまうのを堪えているのも見えます。
たいして面白くもないし、茶番だろと思うものの、
どう転ぶかわからない話を即興で演じるのはさぞ楽しかったろうと思います。
 

剛力彩芽の役どころは班目の助手らしく、この劇場版では最初と最後にチラリとだけ。

どうでもええけど。(^^;
 
「カット!」の掛け声があった後のエンドロールは結構面白かった。
絶対この仕事は断ろうと思っていたという高橋克典の談話にも笑いましたし、
全編アドリブのこんな映画もあるということで、金返せとは思いません。
でも続編がもし作られたとしても観るかどうかはビミョーです。
やはり「ほかに観るものがなければ」になるでしょうね。

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『ナイト・オン・ザ・プラネット』

『ナイト・オン・ザ・プラネット』(原題:Night on Earth)
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:ウィノナ・ライダー,ジーナ・ローランズ,アーミン・ミューラー=スタール,ジャンカルロ・エスポジート,
   ロージー・ペレス,イザック・ド・バンコレ,ベアトリス・ダル,ロベルト・ベニーニ,マッティ・ペロンパー他
 
この日こそは梅田まで行こうと思っていたのに、結構激しい雨降り。
そんな中で帰りが遅くなるのも嫌になり、イオンシネマ茨木で何か観ることに。
何かと言ってももうほとんど未見のものが残っていない。
んじゃ、この日で上映終了の本作で手を打つことにしましょうか。
 
このところ昔の作品を上映している劇場をちらほら見かけると思っていました。
4Kレストア版ではなくて、普通のリバイバル上映
単に『オペレーション・フォーチュン』(2023)の上映に合わせたのだと思っていたら、
Filmarksによる企画“Filmarks 90’s”だったようで。
これは1990年代の名作を映画館でリバイバル上映するという企画で、
『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』はその第1弾、本作はその第6弾らしい。
 
1991年のジム・ジャームッシュ監督作品。
もちろん観たことはあって、印象に残っている作品ですが、劇場では観ていません。
おそらくDVDをレンタルして観たのだと思います。
 
欧米の5都市で同じ冬の日の夜から明け方にかけて、それぞれの町のタクシー運転手が客を乗せる。
ほとんどがタクシーの中で繰り広げられる会話で成立している作品なのですが、こうして改めて観るとやっぱり面白い。
本作の話は『ちょっと思い出しただけ』(2021)にも出てきます。
 
第1話はロサンゼルス
タクシー運転手のコーキーを演じるのはウィノナ・ライダー
くわえタバコで尻の下には電話帳を敷き、女だてらに夜の街を激走。
空港で拾った客ヴィクトリアにジーナ・ローランズ。これがまたカッコイイ。
ビバリーヒルズの邸宅に帰る彼女はキャスティングディレクターで、
コーキーをスカウトしようとする話でした。
このときのウィノナ・ライダーの可愛さと言ったら。このときがピークかなぁ。
 
第2話はニューヨーク
黒人男性ヨーヨーは、寒さに震えながらブルックリンの自宅へ帰ろうとしますが、
タクシーが全然止まってくれない。止まっても、行き先を伝えるや否や走り去ってしまう。
やっと1台捕まえたけれど、そのタクシー運転手の東ドイツから来たばかりのヘルムートは、
オートマ車に慣れていなくて恐ろしいほど運転が下手なうえに英語も片言。
いくら何でもこりゃ無理だと乗るのをやめようとすると、ヘルムートに縋りつかれます。
致し方なくヨーヨーが運転を代わり、ヘルムートを助手席に乗せてブルックリンヘ。
ヘルムートは元の場所へ自力で戻れたでしょうか。
 
第3話はパリ
コートジボワール移民のタクシー運転手は、上から目線の男性2人客に腹を立てて下車させる。
金をもらい忘れてツイていない自分を呪っていたところ、
若い盲目の女性がタクシーを待っているのを見つけて乗せます。
盲目ならば面倒なこともないだろうと思っていたのに、彼女はやけに気が強くて辛辣。
女性を演じているのはベアトリス・ダル。
ちょうど『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』を観て彼女を思い出していたからタイムリー。
 
第4話はローマ
タクシー運転手のジーノは夜中でもハイテンション。
無線にも冗談で返し、一方通行を無視しまくり、ほかの車とぶつかりかけても気にしない。
たまたま乗せた客が神父だったことから、この機会にと懺悔を始めます。
ジーノ役にはロベルト・ベニーニ。よくこれだけ口が回るものです。
懺悔の内容が、性に目覚めた少年時代にカボチャでやったとか羊相手にしたとかで、ドン引き。
そうそう、昔観たときも引いたなぁと思い出す。ちょっと辟易。
男性ウケはいいかもしれないけれど、神父が亡くなってしまうところも含めて私は笑えません。
 
第5話はヘルシンキ
無線連絡を受けたタクシー運転手ミカが指定場所へ向かうと、そこには3人の酔っぱらい。
そのうちの1人アキは完全に酔い潰れていて乗車後も眠りこけたまま。
残りの2人によれば、アキにとって今日というのか昨日は人生最悪の日だったらしく、
ローンを完済したばかりの車で会社に行って遅刻して、度重なる遅刻のせいでクビを告げられ、
車に戻ると当て逃げされてボコボコになっていた、帰宅するとまだ10代の娘が妊娠したとのこと、
自分のクビを告げると妻から離婚を言い渡されたのだと、アキの「不幸」を聞かされます。
そこで口を開いたミカは、不幸ってその程度かと言い、自らの不幸を語りはじめます。
このアキ・カウリスマキ感は凄いですね。客の名前もカウリスマキ兄弟に倣ってミカだし。
アキ役のマッティ・ペロンパーは本作公開の3年後、わずか44歳で他界していますが、
フィンランド人の著名俳優として、フィンランド映画100周年記念切手に登場しているし、
「マッティ・ペロンパー賞」なる映画賞も設けられているそうです。
 
第2話と第5話が好きです。
もちろん可愛いすぎるウィノナ・ライダーも。ロベルト・ベニーニは要らない。(^^;

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『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』

『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』(原題:Jeanne du Barry)
監督:マイウェン
出演:マイウェン,ジョニー・デップ,バンジャマン・ラヴェルネ,ピエール・リシャール,
   メルヴィル・プポー,パスカル・グレゴリー,ディエゴ・ルファー,ポーリン・ポールマン他
 
そろそろ上映終了になりそうで、見逃してももういいかと思っていましたが、
梅田までほかの映画を観に行くのも面倒になって109シネマズ箕面でこれを。
そうしたら、思っていたよりもずっと面白かった。観てよかった。
 
ジャンヌ・デュ・バリーといえば、『ベルサイユのばら』のイメージが強烈。
卑しい出自でありながらルイ15世を虜に。しかしマリー・アントワネットと激しく対立。
皇太子妃マリーに無視されつづけて苛立っていたジャンヌが、
ついに声をかけられて勝ち誇った顔をしていた漫画のシーンをよく覚えています。
徹底して嫌な女として描かれていた印象がありました。それが一転。
どれが本当の彼女の姿なのかはわからないとしても、見方ひとつでこんなに変わる。
 
貧しい家庭に私生児として生まれたジャンヌだったが、彼女の母親の雇い主が善人で、
将来ジャンヌが困らぬよう、知識欲を満たす十分な教育を授ける。
やがて雇い主の計らいで修道院に入ったジャンヌは読書をやめられない。
普通の本を読むだけならよかったが、エロティックな小説も読むようになったものだから、
ふしだらな女の烙印を押されて修道院から追い出されてしまう。
 
もとの屋敷に戻るも、美しく成長したジャンヌを見た雇い主の妻は、
自分の夫がジャンヌに誘惑されるかもしれないと嫉妬して追い出す。
どこへ行こうが男性との関係を怪しまれてしまうジャンヌは娼館へ。
そこで売れっ子の娼婦となり、デュ・バリー伯爵に見初められて彼の屋敷へ。
 
ルイ15世のもとへ女性を送り込んでいたリシュリュー公爵は、ジャンヌに白羽の矢を立て、
ジャンヌがルイ15世の目にとまるようさりげなく仕組んだところ、そのとおりになるのだが……。
 
10代のジャンヌを演じていた女優がめちゃめちゃ綺麗でしたが、彼女の名前がわからない。
この女優をずっと見ていたいぐらいだったのに、彼女の出番はすぐになくなり、
本作の監督でもあるマイウェンがそれ以降のジャンヌ役を務めます。
はっきり言って、彼女がそんなに美しいとは思えない。だいたいもう47歳ですし。
口元に品がないというのか、歯茎さがってるやん。ちょっとベアトリス・ダルを思い出す
 
ルイ15世役のジョニー・デップも化粧してつるつるの顔がなんか変だし、
キャストに乗れない作品だなぁなんて思いながら観ていたのですけれど。
 
しばらくするとマイウェンの顔にも慣れてきて、話が面白いおかげで容姿は気にならなくなる。
『ベルばら』であれほど嫌いだったジャンヌがこんなにもユーモア溢れる女性だったなんて。
 
古いしきたりに囚われているヴェルサイユ宮殿に彼女はさまざまな改革をもたらします。
国王に挨拶するときは目を合わせてはいけないとか、背中を向けてはいけないとか、なんやねんそれと、
微笑みを称えて目をしっかりと見つめながらルイ15世にお辞儀する。
デザインにストライプを取り入れたドレスを着たり、初の男装をした女性となったり。
顔をしかめて非難する人はもちろん多いけど、彼女を真似る人も出てくるわけで。
 
ルイ15世もそんなジャンヌのことが大好きだったようで、皆から守る。
いけずなことこのうえないルイ15世の娘たちがジャンヌをいじめ抜こうとするけれど、
王の側近ラ・ボルドは絶えず親身に優しく接してくれます。
ラ・ボルド役のバンジャマン・ラヴェルネの温かみある演技がとてもよかった。
 
ルイ15世の死後、追放されて、結局はルイ16世、マリー・アントワネットに次いで
ギロチン処刑されてしまったジャンヌ。
 
宮殿の風景なども併せて、この時代に想いを馳せることのできる良い作品でした。

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