MENU
ChatGPT-Image01
ChatGPT-Image02
ChatGPT-Image03
ChatGPT-Image04
ChatGPT-Image05
previous arrow
next arrow

『チィファの手紙』

『チィファの手紙』(原題:你好、之華)
監督:岩井俊二
出演:ジョウ・シュン,チン・ハオ,ドゥー・ジアン,チャン・ツィフォン,
   ダン・アンシー,タン・ジュオ,フー・ゴー他
 
これも最新作で、先週末に公開になったばかり。
梅田で3本ハシゴの1本目は、どうしても観たかった本作を梅田ブルク7にて。
 
コロナ騒動のせいで遠い昔に観たような気持ちになっていますが、
岩井俊二監督の『ラストレター』を観たのは今年に入ってからのこと。
その『ラストレター』のリメイクではなく、
『ラストレター』より前の2018年に岩井監督が中国で撮った作品です。
 
岩井監督って、日本のみならずというのか、
むしろ日本よりも中国や韓国で絶大な人気を誇っている様子。
原作はもちろんのこと、脚本、編集、音楽、すべて岩井監督。
私も大好きな香港映画を多く撮っているピーター・チャン監督が
プロデューサーを務めています。
 
あらすじは日本版とほぼ同じですが、
若干日本版のほうがわかりやすく作られているかもしれません。
 
松たか子が演じていた裕里役に当たるのが、
ジョウ・シュン演じるチィファ。
これを漢字で書くと「之華」、原題に入っている名前です。
 
チィファの姉チィナンは、娘と息子を遺して自ら命を絶ちます。
鬱病を患ってのことでしたが、世間体を考えて表向きは病死としている。
実家に身を寄せて長く闘病生活を送っていたからか、
家族はそれなりに死を覚悟できていたようで、
葬儀は密やかではあるものの穏やかに執りおこなわれます。
 
チィナンの娘ムームーとチィファの娘サーランは同い年。
母親を亡くした従姉を気遣うサーランは、
冬休みの間、祖父母の家に留まってムームーと過ごすと言います。
それならばとムームーの弟チェンチェンはかしましいサーランを避け、
チィファの家で過ごさせてほしいと言い出し、子どもチェンジ。
 
このいとこ関係が日本版と中国版では大きく違うところ。
覚悟できていたとはいえ、母親を亡くしたばかりの息子が、
叔母夫婦の家に居候して明るく過ごすことに違和感がありました。
ところがやはりそうではないことが終盤でわかる。
悲しくて寂しくて仕方なかったチェンチェンの痛みが伝わってきます。
 
チィファの初恋の相手で、だけど相手はチィナンのことが好きだった。
その彼を福山雅治が演じていたわけですが、
中国版のチン・ハオより福山くんのほうがだいぶカッコイイ(笑)。
チィナンのろくでなしの元夫を演じたフー・ゴーよりも
トヨエツのほうがチンピラっぽくてよかったし。これは贔屓目か!?
 
日本版では夏休みの話でしたが、中国版では冬休みの話。
これはどっちもどっちの良さがあり。
 
見比べて観るのが楽しいと思います。
手紙ってやっぱりいいものだと思うのでした。
 
昨晩、芦名星の自殺を知ってショックを受けました。好きだったのに。
チィナンの元夫の台詞に「俺のせいで死んだということは、
俺はあいつの人生に影響を与えたということ。
それにひきかえおまえはどうなんだ」というものがあったのを思い出します。
人を死にたくさせてしまうような影響なら要らない。

—–

『映画 クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』

『映画 クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』
監督:京極尚彦
声の出演:小林由美子,ならはしみき,森川智之,こおろぎさとみ,神谷浩史,りんごちゃん,
     山田裕貴,きゃりーぱみゅぱみゅ,冨永みーな,伊藤静,黒沢ともよ他
 
TOHOシネマズ梅田にて。
どんな振り幅広いハシゴやねんっちゅう感じですが、『ミッドウェイ』と続けて鑑賞。
 
世間的には“ドラえもん”のほうが人気があるのかもしれませんが、
“ドラえもん”を観るとどこかしらで必ず睡魔に襲われる私。
なぜか“クレしん”は大丈夫なんですよねぇ。劇場版第28弾なのだそうです。
 
子どもの落書きをエネルギーに変えて空に浮かぶ王国“ラクガキングダム”。
しかし、地上には落書きが少なくなり、王国は崩壊の危機を迎えている。
これ以上王国を衰退させてはならぬと、防衛大臣はある作戦を決行する。
 
ある作戦とは、地球に上陸して人々に無理やり落書きさせるウキウキカキカキ作戦。
上陸地点はほかならぬ春日部市。
王国軍は次々と市民を拉致、落書きを強要する。
拒否した大人は速攻で落書きにされ、
抵抗しなかった子どもたちは休みなく落書きをさせられる。
 
そんなことになっているとは知らないしんのすけのもとへ、
防衛大臣のやり方に反対する宮廷画家がやってくる。
しんのすけこそ勇者で、王国を助けてほしいと言うのだが……。
 
王国にはミラクルクレヨンなるものがあり、
真の勇者しかこのクレヨンで絵を描くことができません。
しんのすけがクレヨンを持てばアラ不思議、
描かれたものがスケッチブックの中から飛び出し、
桃太郎の家来さながらにしんのすけと行動を共にします。
 
しんのすけに助けてもらったくせに、
しんのすけがクレヨンを使い切ったことを責める大人たち。
王国のお姫様が皆に落書きしてほしいと懇願しても、
大人たちはすたこらさっさと春日部から逃げ出そうとします。
 
見習うべきは打算のまったくないしんのすけの姿。
まさかびろんびろんにゴムの伸びた2日目の「おパンツ」に泣かされるとは(笑)。
 
やっぱり観るのをやめられないクレしんなのでした。

—–

『ミッドウェイ』

『ミッドウェイ』(原題:Midway)
監督:ローランド・エメリッヒ
出演:エド・スクライン,パトリック・ウィルソン,ウディ・ハレルソン,ルーク・エヴァンス,
   アーロン・エッカート,豊川悦司,浅野忠信,國村隼,マンディ・ムーア,デニス・クエイド他
 
『ミッドナイトスワン』に続いてこれも最新作、一昨日封切り。
昨日TOHOシネマズ梅田で観てきました。
 
アメリカ/中国/香港/カナダ作品。
 
山本五十六海軍大将率いる大日本帝国海軍が真珠湾で奇襲攻撃をかけ、米軍は大打撃を受けます。
その責任を取らされた総司令官は更迭され、
太平洋戦域の新たな総司令官に任命されたのがチェスター・ニミッツ大将。
日本軍の次なる目的地がミッドウェイであることを突き止め、反撃に出るさまを描いています。
 
3年9カ月にも及んだ太平洋戦争
真珠湾攻撃の話といえば『パール・ハーバー』(2001)。大嫌いでした。
言うても日本が悪者だし、本作もそんな描かれ方をしているのだろうなぁ、
ものすごく不愉快な気持ちで観ることになるのかなぁ、そんな心配をしつつ。
そうしたら意外にもそうはなりませんでした。
 
ハリウッド大作を次々と手がけるエメリッヒ監督ですが、ドイツ人です。
ふだんはあまりそれを意識しなかったけれど、
いわば「アメリカ万歳」的になりそうな作品なのに、
エメリッヒ監督が撮るとそうでもなくて、
監督はやっぱりアメリカ人ではないということを強く感じさせられます。
 
もちろんアメリカ寄りではあるものの、日本のことを野蛮で非道に描いているわけでもない。
それはキャストにも表れていると思います。
この手の作品だと、誰やねんアンタみたいな日本語片言の俳優が日本人役を演じることもある。
でも本作では山本五十六に豊川悦司、山口多聞少将に浅野忠信、南雲忠一中将に國村隼
山本五十六には英語堪能なイメージのある渡辺謙あたりがキャスティングされても不思議じゃないけれど、
トヨエツというのも斬新で面白いと思いました。
 
人間爆弾になることを使命と信じていた日本の兵士たち。
空母を沈めることになったときも、天皇に尽くすことを誓った彼ら
いったい戦争って何なのでしょう。
 
ニミッツ役のウディ・ハレルソン、情報将校レイトン役のパトリック・ウィルソン
トヨエツと一緒に見られることになるとは思いもしませんでした。
いちばん出番の多かったディック・ベスト大尉役のエド・スクライン
どこかで見たことある顔やと思ったら、『トランスポーター イグニション』(2015)のニイちゃんやん。
暗号解析担当者には優秀だけど変人が多いとレイトンが言いにくそうに話したとき、
「優秀なら、別にブギウギ踊りながら解析しててもかまわん」とニミッツが言ったのには笑いました。
 
いろいろと思うところはあるけれども、ありがちな嫌な気分にはならなかったことを記します。

—–

『ミッドナイトスワン』

『ミッドナイトスワン』
監督:内田英治
出演:草彅剛,服部樹咲,真飛聖,水川あさみ,田口トモロヲ,
   田中俊介,吉村界人,真田怜臣,上野鈴華,根岸季衣他
 
公開は9月25日なのですけれど、10日の18:00より1回限定、
先行上映が全国のTOHOシネマズにておこなわれるという。
ちょうどいい時間だし、木曜日だからポイント使うにもうってつけだし。
そう思ったのに、特別な上映だから定価でしか販売ないやん。
 
じゃあもう25日以降でいいやと思ったもののほかに観るものがなくて、
楽天ポイントを使ってやっぱりTOHOシネマズ伊丹にオンライン予約。
草彅くんの人気は不動なのか、伊丹はかろうじて10席ほど残っていましたが、
関西圏のTOHOシネマズのうち、梅田、なんば、西宮、二条では売り切れていました。
 
監督は『下衆の愛』(2016)がものすごくよかった内田英治。
 
新宿のニューハーフショークラブに勤めるトランスジェンダーの凪沙(草彅剛)。
毎晩メイクを施しては仲間たちとステージに立っている。
 
そんな凪沙のもとへ実家の母親(根岸季衣)から電話が入る。
凪沙の親戚に当たる少女・一果(服部樹咲)が、ネグレクトに遭っているらしい。
一果の母親・早織(水川あさみ)は水商売で生計を立てているが、
一果を叩いているところを見咎められて通報されたため、
親戚一同で話し合い、しばらく凪沙に一果を預けたいというのだ。
 
母親を含めて親戚たちは凪沙がセクシャルマイノリティであることを知らず、
一果を預かってくれるならば幾ばくかの養育費を出すとのこと。
それに釣られて凪沙は承諾するのだが……。
 
見ているのが非常につらい。
草彅くん演じる凪沙は別に美しくないし、鼻水垂れて泣くシーンのアップは、
別に特に草彅くんファンでもない私は見とうない。(^^;
でも同様の悩みを抱える人たちのことを思うと、それは言ってはいけないでしょう。
 
昔ほどニューハーフは珍しくはないから、もっと生きやすい社会になっているかと思いきや、
おそらくそれで稼げる人はごくわずかだし、
本当はそれで稼ぎたいわけではないかもしれない。
ごく普通の女性として生きたいのに、いつまで経っても女性とは認められず、
偏見の目にさらされて時には化け物呼ばわりされる。
 
そんななかで、凪沙を見ても一果は無表情。
楽しいことをあきらめているかのような一果が、
唯一興味を示すのがバレエで、バレエ教師を真飛聖が演じています。
予告編でも印象的だった、彼女が思わず凪沙に「お母さん」と呼びかけるシーンが好きでした。
 
一果の初めての友だちになるりん役の上野鈴華にも心を打たれます。
富裕な家庭に生まれ、お金にはいっさい困ったことがないけれど、
心はちっとも満たされていない。
そんな娘の苦悩など知ろうともしない両親役に平山祐介佐藤江梨子
何が悪いわけでもない、でも酷い。
 
水川あさみはどうしようもない母親役を演じて、
彼女のイメージが悪くなりそうなほどです(笑)。
そんな親でも離れられない、それが親子というものならつらすぎる。
 
性転換手術を受けるために必死で働いていた凪沙。
いつしかその手術を受ける目的が「女性」になるためというよりも
一果の「母親」になることに変わってゆく。
でも手術が100%成功するとは限らない。
彼ら、いえ、彼女たちの置かれた過酷な状況を知って凹みました。
 
あちこちからすすり泣きの声。私は泣けはしなかったけど。
やっぱりみんな草彅くんが好き!?

—–

『ジェクシー! スマホを変えただけなのに』

『ジェクシー! スマホを変えただけなのに』(原題:Jexi)
監督:ジョン・ルーカス,コット・ムーア
出演:アダム・ディヴァイン,アレクサンドラ・シップ,ロン・ファンチズ,シャーリン・イー,
   ワンダ・サイクス,ジャスティン・ハートリー,マイケル・ペーニャ他
声の出演:ローズ・バーン
 
シネ・リーブル梅田にて、前述の『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』の次に。
 
明らかに『スマホを落としただけなのに』(2018)をパクった邦題で、
あまりセンスがいいとは思えないけれど、内容は確かに「スマホを変えただけなのに」です。
 
スマホ依存症の青年フィル。
恋人がいないのはもちろんのこと、友人もひとりもいない。
ある日、ながらスマホで歩いていたところ、女性と激突。
彼女は近所で自転車屋を経営する快活で美人のケイト。
フィルはケイトに一目惚れするが、そのときにスマホが壊れてしまう。
 
新しいスマホを入手したフィルは、
“ジェクシー”というAI(人工知能)による生活向上サポート機能を試すことに。
契約書の中身をろくすっぽ読まないまま同意すると、
フィルの個人情報をすべて知っているジェクシーのサポートが凄すぎる。
振り回されつつも生活は向上、ついにケイトとのデートにこぎつけるのだが……。
 
契約条件を読まないまま同意するとどういうことになるのか。
ジェクシーを通じてデリバリーを頼もうとすると、
フィルが別に食べたくもないものをジェクシーが注文してしまいます。
なぜだと怒るフィルに、「ときには契約者の意向を無視してもいいってことに同意したでしょ」。
こわっ(笑)。フィルの健康を考えてくれてのことなんですけれどね。
 
暴言は当たり前、めちゃくちゃで品がない。
フィルの仕事も恋も応援してくれるのかと思いきや、途中から嫉妬に狂うジェクシー。
もう思いっきりストーカーです。
 
主演のアダム・ディヴァインがまるでタイプではないし、
せっかくローズ・バーンが担当するジェクシーの声もここまで下ネタに走られるとドン引き。
でも笑えなくもないので、ヒマつぶしにはよいかも。ヒマちゃうっちゅうねん。(^^;
 
エンドロールのマイケル・ペーニャがちょっとお茶目で、そこはオススメです。
それとたびたび出てくる『デイズ・オブ・サンダー』(1990)のこと。
あれってそんなに面白い映画でしたかね。覚えていません。
若かりし頃のトム・クルーズを観がてら、再鑑賞してみようかな。

—–