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今年観た映画50音順〈あ行〉

19回目となりました。恒例におつきあいください。
 
劇場鑑賞した作品についてはすべて1本立てでUPしているため、
これは正確には「今年DVDあるいはAmazonプライムビデオで観た作品50音順」です。
そろそろこれを始めないと年内に終われなくなりますから。
 
あくまで書きそびれていた作品を挙げているだけなので、
好きだったとか嫌いだったとかは関係なし。
どれも今年レンタル開始等で視聴可能となった作品です。
ネタバレ御免。
 
《あ》
『アマンダと僕』(原題:Amanda)
2018年のフランス作品。
パリのアパートに住まわせてもらう代わりに管理人を務める青年ダヴィッド。
新規入居者の出迎え、枝打ち、何でもやる便利屋のようなことが仕事。
姉サンドリーヌはその娘アマンダを育てるシングルマザーだったが、
ある日、公園で無差別テロに遭って亡くなってしまう。
ダヴィッドと姪っ子に当たるアマンダはとても仲が良いが、
養子として引き取るとなると責任の重さが今までとは違いすぎて……。
ダヴィッド役はこれがデビュー作となるイゾール・ミュルトリエ。
美形すぎない美形で、アマンダを見つめる優しいまなざしが凄く良い。
母親の話に触れようとせずに明るく振る舞うアマンダが、
友だちと食事するというダヴィッドを引き留めて、
叔父さんと一緒に居たいとダダをこねたのちに、
泣きべそをかきながらも「良い夜を」とダヴィッドを見送ります。(T_T)
大切なひとやものを失った彼らが生きて行こうとする姿がよかった。
 
《い》
『インビジブル・ウィットネス 見えない目撃者』(原題:l Testimone Invisibile)
2018年のイタリア作品。
スペイン作品『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』(2016)のリメイクで、
著名な青年実業家アドリアーノは、愛人ラウラと密かに旅行中、
山道で対向車を避けて事故に遭う。相手は山壁に激突して死亡。
即座に通報するべきだが、浮気がバレれば仕事に支障を来す。
相手を車ごと湖に沈め、何食わぬ顔をしてその後を過ごす。
ところが後日、ラウラがホテルの一室で死亡。
一緒にいたアドリアーノが殺人の疑いで逮捕される。
金にモノを言わせて事態の収拾を図り、一旦釈放されるが、
無罪を勝ち取ろうと、敗訴歴のない女性弁護士フェラーラに相談。
さっそくやってきたフェラーラに何もかも話すのだが……。
アドリアーノ役のリッカルド・スカマルチョの顔がちょっぴり苦手です。
苦手な顔だからというわけでもないのでしょうが、
こいつがホントに自己チューな悪い奴で。
最初はラウラが悪女に思えるのですが、終わってみれば、アドリアーノ最悪。
事故の相手の両親の執念が実り、アドリアーノは奈落の底へ突き落とされます(笑)。
ラウラ役のミリアム・レオーネ、めっちゃ美人。
 
《う》
『ウィーリー ヒロイン救出大作戦!!』(原題:Wheely)
2018年のマレーシア作品。擬人化された車のアニメ。
レーサー(=レースカー)のウィーリーは、優勝を目前にして大クラッシュ。
車軸が歪んで再起不能となり、タクシーに転職する。
彼のクラッシュの原因をつくったスクーターのパットパットは、
ウィーリーのことが気がかりで仕方なく、いつも彼のそばにいる。
ある日、ウィーリーは女優ベラ(=イタリア車)の命を救う。
彼女に一目惚れしたウィーリーは彼女と再会を果たそうとするが、なかなか叶わない。
そんな折、高級車を狙う誘拐団がベラ誘拐を目論んで……。
この手のアニメとなると『カーズ』(2006)を思い出さずにはいられません。
バッタモン感は否めませんが、それなりには面白かった。
金に目がくらんで違法レースに出場することを自分で決めておきながら、
「僕はハメられただけ、悪くない」と言い張るウィーリーには苦笑い。
誘拐団ももちろん車です。悪代官みたいなツラが可笑しい。
 
《え》
『エンテベ空港の7日間』(原題:Entebbe)
2018年のイギリス/アメリカ/フランス/マルタ作品。
1976年6月27日に起きた実在のハイジャック事件を映画化。
イスラエル・テルアビブからパリへ向けて出発したエールフランス139便がハイジャックされる。
犯人は男性3名、女性1名で、そのうち2人はパレスチナ人、
残る2人は、パレスチナに同調する西ドイツの過激派組織メンバーの男女。
飛行機はウガンダのエンテベ空港へ降り立ち、
ハイジャックを支持する立場のアミン大統領が犯人と人質を歓迎する。
犯人側の要求は、囚われている仲間たちの釈放。
イスラエル政府内では交渉に応じようとする者と断固反対の者が対立し……。
7日間に渡る人質解放交渉と救出劇“サンダーボルト作戦”の全貌が描かれています。
ロザムンド・パイク戦場記者役を演じていたかと思えば、
本作ではハイジャック犯。真逆の役ですが、どちらもハマっています。
国防大臣役のエディ・マーサンがよかった。
 
《お》
『オンネリとアンネリとひみつのさくせん』(原題:Onneli, Anneli ja Salaperäinen muukalainen)
2017年のフィンランド作品。
マリヤッタ・クレンニエミの同名児童文学を映画化した“オンネリとアンネリ”シリーズの第3弾。
第1弾の『オンネリとアンネリのおうち』(2014)は劇場で鑑賞しました。
バラの木夫人から譲り受けた素敵な家で日々を幸せに過ごす、
ふたりの仲良し少女オンネリとアンネリ。
ある日、彼女たちの家の前に「子どもの家」なるものが現われる。
孤児たちが暮らすその家はまるで強制収容所。
女所長のミンナ・ピンナは孤児たちを番号で呼び、厳しいルールで縛りつけている。
そこから逃げてきた少年ベッキから「子どもの家」の実態を聞いたオンネリとアンネリは、
外に出られずにいる孤児たちを救出すべく、秘密の作戦を決行するのだが……。
なんとも愛らしい。
ふたりの味方になるお隣の魔法使い姉妹、警官のリキネンさんとその奥さんがすごくイイ。
もちろん教育的にも良い内容になっていて、ミンナ・ピンナが仕返しされて終わりとかではありません。
家族で楽しめる作品です。

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『フード・ラック! 食運』

『フード・ラック! 食運』
監督:寺門ジモン
出演:EXILE NAOTO,土屋太鳳,石黒賢,松尾諭,寺脇康文,白竜,東ちづる,
   矢柴俊博,筧美和子,大泉洋,大和田伸也,竜雷太,りょう他
 
第七藝術劇場で『タイトル、拒絶』を観てそのまま帰りゃいいものを、
翌日に休みを取っているから遅くなってもいいやと思い、
職場近くの109シネマズ大阪エキスポシティに戻りました。
21:45からの回、客は私ひとりでまたしても“おひとりさま”
やっぱり今年は一段とシネコンに私ひとりというのが多いなぁ。
 
食通として知られるダチョウ倶楽部の寺門ジモンの映画監督デビュー作。
「焼肉エンタテインメント」ですって。
 
フリーライターの佐藤良人(EXILE NAOTO)は、
ある日、旧知の出版社の編集長・新生英二(石黒賢)から呼び出される。
引き合わされたのは新人編集者・竹中静香(土屋太鳳)。
新生の会社ではこのたび「本物」だけを集めた新しいグルメ情報サイトを企画。
その最初のテーマ「焼肉」を良人と静香に任せたいというのだ。
 
しかし、良人にとって焼肉というのはあまりに辛いテーマ。
実は彼は大人気の焼肉店“根岸苑”の息子。
亡父が遺した根岸苑を母親・安江(りょう)が引き継ぎ、
女手ひとつで良人を育てながら繁盛店を切り盛りしていたが、
著名なグルメ評論家・古山達也(松尾諭)が書いた事実無根の記事により客足が遠のく。
それでも誠実な仕事で店に活気が戻りはじめたとき、
母親にかまってほしさに良人がやったことが閉店につながってしまう。
 
後悔の念を安江に伝えられないまま大人になった良人だったが、
安江が癌に冒されて余命わずかであることを知る。
見舞いに行くことすら躊躇し、病室に近づけない。
複雑な思いを抱えながら、静香と焼肉の名店めぐりを始めるが……。
 
土屋太鳳、可愛いです。
でも、同性に嫌われる女優で必ず上位にランキングされていて、
序盤はそれがわかるような女子っぷり(笑)。途中から撤回。
 
寺門ジモンの人脈なのでしょう、とにかくゲスト出演陣が豪華。
焼肉の名店の主人に大和田伸也寺脇康文白竜、女将に東ちづる
カレー店の店長に大泉洋、割烹の大将に竜雷太
こんな面々だからそりゃ楽しい。
 
グルメ記事のあり方についても考えさせられます。
提灯記事がある一方、店を貶めるための悪意ある記事もある。
店も客もお互いに敬意を払わなくちゃ。
映画の中だけの話ではなくて、実際にいっぱいあること。

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『タイトル、拒絶』

『タイトル、拒絶』
監督:山田佳奈
出演:伊藤沙莉,恒松祐里,佐津川愛美,片岡礼子,でんでん,森田想,円井わん,
   行平あい佳,野崎智子,大川原歩,モトーラ世理奈,池田大,田中俊介,般若他
 
コロナ禍で休業していた劇場が再開してから
なぜか第七藝術劇場に行く機会を逸していました。
どうしても観たかった本作を観に、終業後に走る。
久しぶりのナナゲイ、やっぱり十三はええなぁ。
本作が似合う街。
 
劇団“ロ字ック”の主宰者・山田佳奈の同名舞台を自ら映画化。
 
雑居ビルに入るデリヘル店
カノウ(伊藤沙莉)はデリヘル嬢になるべく体験入店するが、
客を前にして怖じ気づいたうえに逃走。
その後、雑用係として店に就職するのだが……。
 
ビルの一室に出入りする主なデリヘル嬢は、
わがままなアツコ(佐津川愛美)を筆頭に、彼女とつるむキョウコ(森田想)とカナ(円井わん)。
この3人組を冷めた目で見つめる年長者のシホ(片岡礼子)。
部屋の片隅にいつもひとりでいるチカ(行平あい佳)。
いつどんなときもニコニコ、指名率ダントツ1位のマヒル(恒松祐里)。
そんな彼女たちを取りまとめるのが店長の山下(般若)。
ほかに、デリヘル嬢の送迎をするハギオ(池田大)と良太(田中俊介)がいます。
 
最近あちこちで見かける伊藤沙莉。お気に入りです。
ハスキーな彼女の声がすごく好き。
彼女演じるカノウの履歴書を見た店長は、経歴になんて興味ないと言い放ちます。
そう言う店長の前に座る彼女がリクルートスーツ姿で笑った。
デリヘル店の面接でその服装、どないやねん。(^^;
 
それぞれどんな事情でデリヘル嬢になったのかは語られません。
そこに余計に興味を惹かれる。
 
素直な役も意地悪な役もできる顔立ちの恒松祐里は、これ当たり役。
この中できっと最もつらい人生を歩んできていると思われ、
だからこそいつも笑ってやり過ごす術を身につけたのかと。
 
簡単に泣ける人はいいよねぇ。
泣くことさえ許されない状況の人もいるということ。
十三まで観に行った甲斐がありました。
なんか、心に響いた。

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『佐々木、イン、マイマイン』

『佐々木、イン、マイマイン』
監督:内山拓也
出演:藤原季節,細川岳,萩原みのり,遊屋慎太郎,森優作,
   小西桜子,河合優実,井口理,鈴木卓爾,村上虹郎他
 
TOHOシネマズ西宮にて、
 
どうですか、このタイトル。
“いとしのエリー”かと思いましたが、あれは「オンマイマイン」ですね(笑)。
なんにしても興味を惹かれるタイトルです。巧い。
 
俳優を目指して上京した石井悠二(藤原季節)だが、鳴かず飛ばずの日々。
役者だけではとても生活できず、バイトで食いつないでいる。
 
ある日、悠二のバイト先に営業にやってきたのが旧友の多田(遊屋慎太郎)。
高校時代にカリスマ的存在だった同級生・佐々木(細川岳)の話になる。
 
カリスマといっても、イケメンだったとかモテモテだったとかいうわけではない。
佐々木は類を見ないバカで、佐々木コールが起こればどこであろうと脱いで踊り出す。
そこに女子がいようが先生がいようがおかまいなし。
破天荒でお調子者だった佐々木のことを懐かしく思い出す悠二だったが……。
 
小学生の時分にはこんなタイプが何人かはいたと思うのですが
高校生になるとさすがにこんな奴はいなかった(笑)。
 
明るく振る舞う佐々木だけど実は心に闇あり、なんて展開にはなりません。
家庭環境は複雑で、最後の最後には自ら命を絶つのではと思ってしまったけど、
それもちがった。
 
どうにも説明しづらい作品なので、気になる人はご覧くださいとしか言えません。
私が好きだったのは、佐々木の「ナンパじゃないけど明らかにナンパ」のシーン。
カラオケボックスでひとり歌う女性を演じる河合優実もいいんだなぁ。
ドア越しにそっと中を覗いたら、自分が好きな曲を歌っている人がいた。気になりますよね(笑)。
 
ラストシーンをどう取るか。
もしもあまり映画を観ない人と一緒にこれを観たら、
きっと「最後、どういう意味?」と聞かれるでしょう。
答えられんよ、んなもん。だから、イン、マイマイン。

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『THE CROSSING 香港と大陸をまたぐ少女』

『THE CROSSING 香港と大陸をまたぐ少女』(原題:過春天)
監督:バイ・シュエ
出演:ホアン・ヤオ,スン・ヤン,カーマン・トン,ホアン・ヤオ,
   ニー・ホンジエ,リウ・カイチー,エレーナ・コン,チアオ・カン他
 
貯めた鑑賞ポイントの使用期限が半年延長になったから、
別に必死のぱっちで劇場通いしなくてもいいのですけれど、
なんとなく終業後に2本観に行くのが常になってしまいました。
TOHOシネマズ西宮にて。
 
実はこの前日だった日曜日、TOHOシネマズ梅田で観ようとしたら、
ポイント鑑賞者の席数上限に達したので不可の文字。
ぎょえ~、こんなところでつまずくとは予期せず。
観たい人が多いというよりは、使用期限が延長されたことを知らずに
私のようにとにかくポイントを使わなきゃと思った人が多かったのでしょう。
平日の西宮でも観られなかったらどうしようと思ったけど、大丈夫でした。
 
2018年の中国作品。
監督はこれが長編デビュー作となるバイ・シュエ。
男性だとばかり思っていたら女性でした。
女子高生が主人公だし、そういうと女性っぽさもなくはないけれど、
骨太さも感じられて私には意外。えらく面白い。私は好き。
 
香港の新界と接する中国・深圳(しんせん)に暮らす、16歳のペイは、
毎日出入境管理所を通って香港の高校へとかよっている。
同級生で親友のジョーとクリスマスに日本を旅行する約束をしていて、
そのための旅費を稼ごうと割の良いバイトを探し中。
 
学校をさぼって船上パーティーに参加したペイとジョー。
ジョーはそこで知り合ったハオとベタベタ。
カナヅチのくせして海に飛び込んだペイはハオに助けられ、
ハオに好意を抱くものの、ジョーの手前、気持ちは見せられない。
 
そんなある日、ペイはひょんなことからスマホの密輸グループの存在を知る。
最新型のスマホは大陸中国では高くて手に入らず、
価格の安い香港からスマホを大量に密輸して売りさばいているのだ。
ハオもそのメンバーの一員だと知ったペイは、
自分にも運び屋をさせてほしいと頼むのだが……。
 
最初の最初はどういうことかよくわかりませんでした。
だって、国をまたいで通学することがあるなんて知らなかったから。
その時点ですでに衝撃的です。
 
制服を着た女子高生がまさか運び屋だなんて思わない。
ペイが何も疑われずに行き来するのを見て、
密輸団のほかの若い男子メンバーたちも制服を着るのが可笑しい。
 
金儲けができるようになると、誰しもがもっと稼ぎたいと思う。
密輸団の女ボスの目を欺いて直接やりとりしようとするハオ。
好意を寄せるハオから頼まれると断れず、手伝うペイ。
捕まるに決まってるやん!
 
瑞々しくて、痛々しい。
青春というには半端じゃない悪事に手を出しすぎだけど、
切ない想いは誰であろうが青春まっさかりなら同じように抱く。
 
今後もこの監督には注目します。

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