MENU
ChatGPT-Image01
ChatGPT-Image02
ChatGPT-Image03
ChatGPT-Image04
ChatGPT-Image05
previous arrow
next arrow

『ラーゲリより愛を込めて』

『ラーゲリより愛を込めて』
監督:瀬々敬久
出演:二宮和也,北川景子,松坂桃李,中島健人,寺尾聰,桐谷健太,安田顕,
   奥野瑛太,佐久本宝,渡辺真起子,三浦誠己,酒向芳,市毛良枝他
 
TOHOシネマズ伊丹にて仕事帰りに2本ハシゴの1本目。
 
原作を読んだのは8年前。そのときのレビューはこちら
まさかこんなキャストで映画化される日が来るとは思いもしませんでした。
原作は大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞のW受賞作。
「感動の」という言葉を安易に使いたくはないけれど、まさに感動の実話の映画化です。
 
飢えと寒さのなか強いられる重労働に耐えきれずに死んでしまったり、
逃げ出そうとして撃ち殺されたり、次々と仲間たちが姿を消してゆくが、
山本は決して希望を捨てることなく、皆を励まし気遣う。
 
ロシア語が堪能であることから重宝がられるはずなのに、山本はロシア兵に媚びることもせず、
仲間の処遇に関して直訴し、営倉に放り込まれることもたびたび。
それでも弱音を吐かない山本は、皆の光となって人望を集めるのだが……。
 
山本は日本にいる妻・モジミ(北川景子)と4人の子どもとの再会を信じて生きています。
戦地で心に傷を負った松田研三(松坂桃李)は自身を卑怯者呼ばわりし、
相沢光男(桐谷健太)は上からの命令のみが絶対と考える冷酷な上官。
片足の不自由な新谷健雄(中島健人)は身体障害者のせいで徴兵されなかったにもかかわらず、
海で漁をしているところを捕らえられて抑留の憂き目にあった気の毒な青年。
それでも笑顔を絶やさず、読み書きを山本に習いたいと言います。
 
戦争はとっくに終わっているというのに、こんな形で囚われ続けた人々がいることが信じがたい。
劣悪な環境下で生きる気力を皆が失って行くなか、
山本は仲間たちが少しでも明るい表情を取り戻せるようにいろんなことを考えます。
 
原作では山本が句会を開く話がメインになっていましたが、
映画化するにはそれでは地味だと思ったのか、瀬々敬久監督は俳句をほとんど取り上げず。
不満の残る点のひとつですが、致し方のないことでしょうね。
 
喉頭がんに罹り、余命わずかとなった山本。
彼と懇意の原幸彦(安田顕)は山本に家族宛の遺書を書かせる決意をします。
しかし日本に紙1枚持ち帰ることも許されない。彼らはどうするか。
 
丸暗記ですよ、丸暗記。
山本が書いた遺書を数頁ずつ手分けして、ひとりずつ遺書の文言を丸暗記する。
これが泣かずにいられましょうか。
 
そりゃまぁ泣いたんですけれど、瀬々監督も泣きに走る人だから、私はあんまり得意じゃありません。
最後の寺尾聰が出てくるシーンなんて、まったく要るとは思えない。
また、北川景子が綺麗すぎて、およそ昭和顔ではないところも気になります。
鼻水垂れたぐらいで、大泣きとは行かず。原作が好きです。

—–

『奈落のマイホーム』、2回目だけどほぼ初見。

前述の『MEN 同じ顔の男たち』とTOHOシネマズなんばにてハシゴ。
 
おでん屋さんでひとり飲みの後、酔っぱらった状態で劇場へ行ったら、
TOHOシネマズ梅田でものの見事に爆睡しました。
 
塚口サンサン劇場で上映してくれないかな~と思っていたら、
予想どおり来月のラインナップに入っている。
そのときに観るつもりでいたのですけれど、意外とロングラン。
まだTOHOシネマズなんばで上映中ではないですか。
 
Netflixならば鑑賞中に爆睡しても料金を払わずにまた観ることができますが、
劇場鑑賞した場合は再度料金を払わないと観られない。
 
いや~、面白かった。
いくら酔っぱらっていたとはいえ、こんなに面白いのになぜ私は寝たのか。
 
ソウルのマンション事情もわかりました。
地方から出てきた人がソウルにマイホームを持つのは夢で、
ドンウォンは11年かかって3億ウォン貯め、この夢を叶えました。
3億ウォンは、日本円にすると2800万円前後ですかね。
 
勤務先では課長を務めるドンウォン。
さまざまな境遇の部下がいて、すでにマイホームを持っている者、
自分はこの先も賃貸暮らしだとあきらめている者、
今はインターンの身でワンルームにひとり暮らしの者などなど。
分譲の男の彼女が好きなのに、賃貸の男は告白すらできない。(^^;
 
上映開始後だいたい40分ぐらいのときにマンションが沈下しますが、
その迫力といったらたいしたもの。ベキベキベキバリバリズッドーン。
 
こんな状況であるのに、壊れていないか心配するのはロッキングチェア。
よかった無事だと安心したのも束の間、
生存者が暖をとるための薪として使われるシーンは笑えます。
 
反抗期にある息子の寝顔を久しぶりに見られて、
マンションが崩落しても悪いことばかりじゃないなぁなんて会話も。
マンションの住人に10回会ったら10回挨拶する少年スチャンが可愛い。
泣きながらマンスに「アニョハセヨ」という姿にもふいた。
 
皆の会話や行動に時には笑い、時には泣かされ、大いに楽しんだ約2時間。
これで寝るなんて、飲んだら観るな、観るなら飲むな、てか!?

—–

『MEN 同じ顔の男たち』

『MEN 同じ顔の男たち』(原題:Men)
監督:アレックス・ガーランド
出演:ジェシー・バックリー,ロリー・キニア,パーパ・エッシードゥ,ゲイル・ランキン
 
今月いっぱい有効の株主優待券をいただいたので、
師走はいつも以上に夕刻混み混みの新御を走り抜けてTOHOシネマズなんばへ。
1時間あれば到着できると思ったのにアウト。
本編開始からおそらく10分経過していて券売機ではもう買えない時間。
スタッフのお兄さんに今からでも入場したい旨を伝えました。
ほかのお客さんの前を通らないで良い前方通路際の席なら販売してくれます。
 
アレックス・ガーランド監督によるイギリス作品。
鬼才の呼び声高いけれど、なんとなくしんどそうで私は避けてきました。
上記の理由で最初の10~15分は見逃していますが、じゅうぶんに推察可。
めちゃめちゃ怖くてグロかった。こんな作品だとは思わなんだ。
思いっきり画面に近い席に座っていたせいで余計に。
 
夫婦喧嘩の途中で夫ジェームズから殴られた妻ハーパーは、激怒して夫を部屋から追い出す。
その結果、上階から転落したか飛び降りたか、ジェームズはハーパーの目の前で惨死する。
 
傷心のハーパーは、気持ちを落ち着かせるためにしばらく都会を離れることに。
東イングランドのハートフォードシャーにある小さな町コットソンに赴き、
緑あふれる庭に林檎の木が植わる豪奢な屋敷を借りる。
 
親友ライリーと電話しながら、町を散策するハーパー。
美しい景色と澄んだ空気に心が洗われるのを実感していたが、誰かがこちらを見ている。
帰り着いた屋敷では、さっき見かけた裸の男が庭から覗いているではないか。
怯えるハーパーは警察に連絡するのだが……。
 
親切そうな管理人ジェフリー、謎の裸の男、牧師、警察官、少年、パブの常連客、
みんながみんな同じ顔。彼ら全員をロリー・キニアが演じています。
もう薄気味悪いのなんのって。直視するのも辛くて、久々に震え上がりました。
 
ネタバレしてもいいですよね?
 
屋敷に彼らが侵入してきてハーパーと対決。
ひとりの腕をナイフで切り裂くと、次に現れる同じ顔の男も裂かれた腕がぶらんぶらん。
死なないうえに、最後は誠におぞましい展開で、男たちが次々に出産。
といっても赤ちゃんが生まれてくるわけではなくて、同じ顔の男が生まれるんです。
 
腕を裂かれて血まみれになった状態が、夫ジェームズが亡くなったまさにそのときと同じ。
最終的に男の「穴」から生まれてきたのはジェームズで、喋りますからね。
 
これまでアレックス・ガーランド監督を避けてきて正解だと思いましたが、
『エクス・マキナ』(2015)と『アナイアレイション 全滅領域』(2018)は観てみたいと思いました。
奇天烈でおぞましいのに好奇心を刺激されるというのか。
 
「あなたは私にいったい何を望むの?」「愛してほしい」。
愛せるわけないっちゅうのよ。
マジで不気味で怖かった1本。これがこの日最後の映画鑑賞じゃなくてよかった。

—–

『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』

『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』(原題:Pinocchio)
監督:ギレルモ・デル・トロ
声の出演:ユアン・マクレガー,デヴィッド・ブラッドリー,グレゴリー・マン,ジョン・タトゥーロ,
     ロン・パールマン,ケイト・ブランシェットン,クリストフ・ヴァルツ,ティルダ・スウィントン他
 
先週金曜日にNetflixで配信開始となりました。
一部劇場では配信に先立って公開されていましたが、観に行く機会なく。
風邪をひいて家から一歩も出なかった土曜日、おとなしく鑑賞。
 
イタリア出身の作家カルロ・コロディは19世紀を生きた人。
今なおこうして語り継がれる『ピノッキオの冒険』は1883年に出版されました。
映像化作品もたくさん。最近では『ほんとうのピノッキオ』(2019)など。
それを今度はギレルモ・デル・トロ監督がストップモーションアニメで映画化したという。期待大。
 
おもちゃ職人のゼペットには、目の中に入れても痛くない息子カルロがいました。
しかしカルロは教会で空襲に遭い、亡くなってしまいます。
 
悲しみに暮れるゼペットは何もする気になれず、酒浸りの日々を送りますが、
ある日つくった木製の人形が命を宿す。人形は自ら“ピノッキオ”と名乗ります。
 
最初は気持ち悪がるゼペット。「パパ、パパ」と慕うピノッキオを遠ざける。
しかしそれでも自分のもとを離れようとしないピノッキオにやがて愛情を抱くように。
 
大筋では従来の『ピノッキオ』と同じなのでしょうが、やはりギレルモ・デル・トロの手にかかると違う。
そもそも舞台がムッソリーニに支配されているファシズム時代のイタリアで不穏そのもの。
オリジナルの『ピノッキオ』のストーリーをつぶさには覚えてはいませんが、
そこに感じたファンタジーとは異なり、アニメで恐ろしい時代を再現されているかのよう。
 
語り手は、ゼペットじいさんにゴキブリ呼ばわりされるコオロギ、セバスチャン・J・クリケット。
彼の声を担当するのがユアン・マクレガーなのが嬉しい。
ギレルモ・デル・トロ作品常連のロン・パールマンも市長の声役で出ています。
 
と、書いてみましたが、実は途中睡魔に襲われてしばし寝ました。
風邪ひいて家にいるのに、酒飲みましたからねぇ。
たぶんもう一度観ると思います。Netflixだもん、いつでも何度でも観られるし♪

—–

『マスク 巨額詐欺はこうして起きた』

『マスク 巨額詐欺はこうして起きた』(原題:The Masked Scammer)
監督:ドミニク・シヴァー,イヴァン・ヤグチ
12月1日に配信開始となったNetflixオリジナル作品。
イギリスのドキュメンタリーです。
こんな世界的な詐欺事件があったことを知りませんでした。
犯人はイスラエル系フランス人のジルベール・シクリ。
全部で1億ユーロ(140億円以上)稼いだというのですから凄いです。
彼が最初におこなったのはCEO詐欺。
CEOを騙って大手企業の中間管理職に「テロの資金源を突き止めるために送金の流れを知りたい」と電話をかけます。
もちろんこれは特命で秘密の仕事だからと言って。
電話だけで誰が信じるんだと思うけど、信じてしまうものなんですね。
フランスでつかまりかけるとイスラエルへ亡命し、ここでも堂々と詐欺を働く。
電話だけでは騙せないかもしれないと思い始めると、
政府の要人のシリコン製マスクを作り、ビデオ通話で相手の信頼を得ます。
当時フランスの国防相を務めていたルドリアン大臣になりすまし、
世界に名だたる富裕層にコンタクトして見事に金をだまし取る。
テロリストから人質を解放するための金だからと言われるとみんな断れません。
騙された中にはイスラム教シーア派の分派イスマイル派の指導者などもいます。
超有名なワインシャトーのペトリュス氏も電話がかかってきたひとり。
シクリの電話を嘘だと見抜いたおばちゃんが実にいい感じ。
詐欺師を騙し返して見せたところ、素晴らしいです。
富裕層しか騙していないとシクリは怪盗ルパンを気取っているけれど、
ある企業の中間管理職だった男性は、家族を亡くしてうつ病に陥った後に送信係を請け負ってしまい、
会社はクビになり、ショックでしばらく仕事に就けなかったそうです。
人質を解放するためだなんて、善意につけ込んだ悪質な詐欺には違いない。
彼の悪事を知っていながら賞賛する妻たちも欲の塊に見えます。
痩せて見えるように撮ってって、その体型で無理に決まってるやろ!(^^;

—–