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『エア・ロック 海底緊急避難所』

『エア・ロック 海底緊急避難所』(原題:No Way Up)
監督:クラウディオ・ファエ
出演:ソフィ・マッキントッシュ,ウィル・アッテンボロー,ジェレミアス・アムーア,マヌエル・パシフィック,
   グレイス・ネッテル,ジェームズ・キャロル・ジョーダン,フィリス・ローガン,コルム・ミーニイ他
 
京都へ墓参りに行くために休みを取った日、帰ってもどうせ暑いだけだからとなんばパークスシネマへ。
 
絶対B級だとわかっていてもスルーできないんです、海洋パニックもの
『海底47m』(2017)の製作陣がまたしても手がけているという。
それにしても“海底47m”シリーズの製作陣がらみって多くないですか。どんだけ活躍しとるねん。
 
ロサンゼルス国際空港。
親友同士のジェドとカイルは、ジェドの恋人エヴァと共にメキシコリゾート地ロス・カボス行きに搭乗。
エヴァと過ごす時間を楽しみにしていたのに、彼女は州知事の娘だから、
娘のことを心配する父親がボディガードのブランドンも同行させることを決める。
ブランドンが気を利かせて帰ろうとするも、エヴァは「今日は嫌な予感がする」と言って同行を頼む。
 
無事に離陸したかと思いきや、途中、鳥と衝突してエンジンが炎上する。
ドアや窓が吹っ飛び、シートベルトを着けていなかった乗客はそのまま空へ。
旅客機はそのまま海へと墜落、機体はどんどん水中を進み、岩盤に当たって止まる。
 
生存者はエヴァとジェド、カイル、ブランドン。10歳の少女ローザとその祖母ナナ。
そして男性客室乗務員のダニーロの7名のみ。
ブランドンの的確な指示により、なんとか生存に望みをかける彼らだったが、
利用できそうなものを調べに行ったブランドンがサメに襲われて死亡。
彼が残した言葉を思い返しながら、生きて帰る方法を模索するエヴァたちは……。
 
原題は“No Way Up”、「上がれない」ですよね。
「海底緊急避難所」なんて副題が付いているから、海底にそういう建物でもあるのかと思っていました。
そんなものがあるはずもなく、生存者は機体後部のエア・ロック(小部屋)で策を練ります。
密閉空間で安全かというとそんなこたぁない。機体がちぎれているからごく近くまでサメが来る。
 
唯一私が名前を知っていた俳優がコルム・ミーニイで、彼がブランドン役。
デブデブの体に似つかわしくないほど(失礼)機敏で、さすがボディガードと言えるほど洞察力もある。
こんな人がついていてくれたら安心なはずが、思いのほか早く死んでしまいます。
 
州知事の娘が乗っていたとあって、捜索は相当大がかり。
海上に散らばる機体のかけらが発見されて安泰と思ったら、
助けに来たダイバーたちもあっさりサメに襲われちゃって、あらら(笑)。
 
想定内の展開ではあるけれど、私はやっぱり好きだなぁ。
生存者もまぁそうなるわなという3名。
 
サメは泡を嫌うから泡を出していれば襲われないって本当ですか。
役に立つときがあるかどうかわからんけど。
てか、そんなものが役に立つような場所には行きたくありません。(^^;

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2024年8月に読んだ本まとめ

たった3冊しか読めませんでした(泣)。
映画を観る本数を減らしてその時間を本に注ぎ込むほうが良いかしら。
2024年8月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:862ページ
ナイス数:523ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2024/8
■みんなのヒーロー (幻冬舎文庫 ふ 40-1)
人気俳優だったのはほんの一瞬。すっかり落ち目になった主人公が、大麻を吸ってラリったまま運転した車で人を轢いたところを、デブでブスのファンに見られてしまうという不幸。結婚してくれなければ轢き逃げを暴露すると脅されて地獄の日々が始まります。しかしまるで同情に値しないクズ男。脅す女のほうもえげつない。著者は元芸人の藤崎さんだから、登場人物や番組名はパロディのオンパレード。そこの部分は面白いものの、相当嫌な話。みんなのヒーローはいったい誰さ。できれば『お梅は呪いたい』のお梅にこの人たちを呪ってもらいたい。(^^;
読了日:08月11日 著者:藤崎 翔
https://bookmeter.com/books/21919038
■復讐の泥沼 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
ここ最近どころかここ数年に読んだ本の中でいちばん嫌なオチでした(笑)。冒頭からなんだこの女は!と思う。事故現場で自分と一緒に居た相手が死んでしまったからって、居合わせた医者らしき人物を憎むなんて逆恨みもいいところ。以降も主人公である彼女のぶっ飛び言動のせいで好きになれないまま進んだかと思うと、彼女が追う男のほうも驚くべき性質の持ち主。それでも彼の不幸な生い立ちを思えば致し方ない気もして、最後は彼を応援しかけていたのですけれど。えーっ。こんな女がいたら本気で怖い。泥沼に突っ込んで二度と出てこないでください。
読了日:08月13日 著者:くわがきあゆ
https://bookmeter.com/books/22056156
■眠れぬ夜のご褒美 (ポプラ文庫 ん 1-17)
美味しいものが出てくる話には無条件に飛びついてしまうところがあります。それがもしもたいした話じゃないとしても、料理を想像しただけで心が満たされるからいいやって。本作はたいした話じゃないとは言わないけれど、各話のタイトルだけでもう満足。どこか1軒行ってみたいところを挙げるとしたら丑三つ時の寺でしょうか。ウチのダンナは化学調味料アレルギーですが、「正しくないラーメン」のほうが旨いという点には賛同すると思います。面白いと思ったのは「ワケアッテ」。なるほど、「訳あり」じゃなくて「分け合って」。そのほうが断然いい。
読了日:08月26日 著者:標野 凪,冬森 灯,友井 羊,八木沢 里志,大沼 紀子,近藤 史恵
https://bookmeter.com/books/22011622

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『クレオの夏休み』

『クレオの夏休み』(原題:Ama Gloria)
監督:マリー・アマシュケリ
出演:ルイーズ・モーロワ=パンザニ,イルサ・モレノ・ゼーゴ,アルノー・ルボチーニ,
   アブナラ・ゴメス・ヴァレラ,フレディ・ゴメス・タヴァレス,ドミンゴス・ボルゲス・アルメイダ他
 
昨年の3月からずっと、毎月最終日曜日の晩に動物園前の動楽亭でおこなわれる落語会に行っていました。
若手落語家の笑福亭笑利さんの“20ヶ月連続古典落語根多下ろし公演”。
毎月ネタ下ろしだなんて無謀なことをするもんだと思っていましたが、応援したくて皆勤賞を目指す。
ところが今年3月に母が倒れて入院、その月はさすがに行けず、皆勤賞が消えました。
翌4月に母が亡くなり、実家の片付けなどに追われて動物園前からは足が遠ざかる。
 
母が存命だったときは、動物園前に行くたびに「今から寄席だよ」「楽しんでね」とか、
終演後に「帰るね」「気をつけて。おやすみ」などと電話やLINEのやりとりをしていたものだから、
そのときのことを思い出すと妙に寂しくなってますます足が遠のく。
そろそろ行こうかなと思ったときにはチケットが完売していたりして、
あぁ、このまま私は笑利さんとオサラバかしらなどとも思っていました。
 
しかしあんなに応援したいと思っていたのに、このままサヨナラでいいのかと思い直し、
8月は久しぶりに行ってみることにしました。
演目は聴きたかった『皿屋敷』だし、ゲストのアキナはまだ生で見たことがなかったし。
 
結果、思いきって行ってよかった。やっぱり応援したい噺家さんです。
 
で、動物園前に行く前に映画を1本ぐらい観たいと思い、シアターセブンへ寄りました。
 
フランス作品。
監督はこれが長編デビュー作となるマリー・アマシュケリ。
クレオを演じるルイーズ・モーロワ=パンザニはこれまで演技未経験者らしい。
なんですかこの愛らしさは。もう今から彼女の今後が楽しみで楽しみで。
 
生まれてすぐに母親を亡くした6歳の少女クレオ。
アフリカ・カーボベルデ出身の女性グロリアがナニー(乳母)として彼女を育てている。
クレオはグロリアのことが大好きでたまらない。
 
ところがある日、グロリアの母親が亡くなったと連絡が入る。
故郷に我が子を残したままパリに来ていたグロリアは、これを機会に里帰り。
もうフランスに戻ってくることはないと言う。
悲しみに暮れるクレオに、グロリアは夏休みに遊びに来るように言い残す。
 
グロリアと約束したのに、クレオがひとりでカーボベルデに行く話をなかなか進めてくれない父親。
クレオから嘘つきと責められ、ついに父親も決心。
遠くカーボベルデのグロリアに会いに行き、ひと夏を過ごすクレオだったが……。
 
どうしたらこんないい子に育つのだろうと思うくらい、クレオは愛らしい子。
「子どもらしい」という言い方は語弊があるかもしれませんが、
ませて子どもらしくない子どもじゃなくて、めちゃめちゃ子どもらしい子ども。
 
シングルファーザーの父親も、出番は多くないけれど善人だとわかる。
父親とクレオのやりとりも思わず微笑んでしまう素敵なものです。
こういうシーンを見ると、人にまかせっぱなしにせず、でもまかせられるところはまかせて、
子どもの表情をよく見ながら日々を送るのがいかに大切かわかるような気がします。
 
カーボベルデに行くと、そこにはグロリアだけではなく、彼女の家族がいる。
長女はすでに大人で妊娠中。心にも余裕があるからクレオにも優しい。
だけど長男のセザールはまだ少年で、生まれたときから不在だった母親がいきなり帰ってきたうえに、
よその国でまるで我が子のように育てたクレオが遊びに来たものだから面白くありません。
 
やがて長女が出産すると、グロリアも孫の面倒ばかり見るようになる。
赤ちゃんは可愛い。でもグロリアを赤ちゃんに取られたような気がして、クレオは時に暴挙に出てしまう。
それがいけないことだとクレオはわかっていて、泣きじゃくる姿はたまりません。
 
こんなに幼いのに、きっと母親のことなんて何も覚えていないだろうに、母親のことを大事に思う気持ち。
それを演技で表現出来るこの少女は、いったいどんな感受性の持ち主なんだと驚きます。
 
少女のひと夏の思い出を描いた作品って、「珠玉の」と言いたくなるものが多いですね。
『コット、はじまりの夏』と並んで好きな作品になりました。

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『ポライト・ソサエティ』

『ポライト・ソサエティ』(原題:Polite Society)
監督:ニダ・マンズール
出演:プリヤ・カンサラ,リトゥ・アリヤ,ニムラ・ブチャ,ショナ・ババエミ,
   エラ・ブルコレリ,アクシャイ・カンナ,セラフィーナ・ベー他
 
前述の『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』とハシゴする作品を探していて、
『プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち』に行きかけたのですが、どうも気乗りしない。
ノーマークだったこれはどうかと調べてみたらワーキング・タイトル・フィルムズ製作だという。
 
ここって、そこそこ以上には大作で、でも小品のような趣もある作品をいろいろと手がけていて、
振り返ると結構好きな作品が多い映画製作会社なんです。
『レ・ミゼラブル』(2012)は堂々の大作ですが、
で、観る気になりました。
 
これはイギリス作品。監督はパキスタン系イギリス人の新鋭ニダ・マンズール。
なんと表現すればいいのか、今まで観た映画のどこにも属しがたい変な作品かも(笑)。
 
ロンドンに暮らすリアは、姉リーナと両親の4人暮らし。
スタントウーマンになることを夢見て、日々リーナをつきあわせては練習に励んでいるが、
両親は馬鹿げた夢だと取り合ってくれないし、学校ではきっちり変人扱いされている。
それでも親友のアルバとクララ、そしてリーナだけはリアのことを笑わない。
 
ある日、リーナに縁談話が持ち上がる。
富豪の御曹司サリムの豪邸でおこなわれた夜会で見初められたのち、
交際を経てトントン拍子に話が進み、結婚することになったのだ。
しかも結婚後はシンガポールに引っ越すのだと。
 
自分の唯一の理解者である姉を取られてしまう焦りから、なんとかサリムの汚点を探そうとするリア。
汚点がないなら作ればいいとサリムの部屋に忍び込んだりもするがすべて失敗。
それどころか、サリムの母親ラヒーラはリアのアタマに問題があると言い出す。
 
あきらめるしかないかと思っていたところ、サリムが怪しい遺伝子研究に手を染め、
よからぬことを考えているという証拠を見つける。
このままではリーナの命が危ないと、リアは親友たちの手を借りて救出を誓うのだが……。
 
まずテンポが普通の作品と違っているところに戸惑います。
インド映画のようでありながらなんだか違う。
話している言葉はすべて英語、でも見た目はインド映画っぽかったりして、
宗教的なこともまったくわからないから、この人たちはムスリムなのかどうかも私にはわかりません。
社会に存在していそうな家庭の階級の違いなんかも感じます。
とにかく金持ちが偉そうで。
 
ラヒーラのキャラが強烈でただただ怖いと同時に、サリムのマザコンぶりが気持ち悪い。
真相も非常に気持ち悪くて、ちょっと吐き気を催すほどです。
 
ただ、リアたちが団結して戦うところは爽快で、ダンスシーンも美しかったりして、
気持ち悪かったシーンを思い出さなければまぁ普通以上に楽しかったかなというところ。
 
なんだかとても不思議な感覚にとらわれた作品です。
何これと言う人も多いでしょうから、積極的には鑑賞を勧めません。
でも観たことは忘れないし、やっぱり面白かった気はします。

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『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』

『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』
監督:小林啓一
出演:藤吉夏鈴,髙石あかり,久間田琳加,中井友望,綱啓永,筧美和子,石倉三郎,高嶋政宏他
 
テアトル梅田にて。
時間が合わなくて観る機会を逸しそうになっていましたが、
上映回が日に一度になってから晩に上映してくれることになってよかった。滑り込み。
 
主演の藤吉夏鈴のことは知りません。櫻坂46のメンバーなのだそうで。
私の狙いはそっちじゃなくて髙石あかり“ベイビーわるきゅーれ”以来、熱烈なファンです。
あと今さらながら最近ちょっと面白いなと思っているのは筧美和子かな。
 
日大芸術学部映画学科に在籍していた学生・宮川彰太郎が、高校生のときに考えたアイデアが基。
大学の授業の課題に対し、オリジナル映画の企画書として提出したところ、
同学部の非常勤講師を務めていた企画プロデューサー・直井卓俊の目に留まって映画化に至る。
直井プロデューサーは『アルプススタンドのはしの方』(2020)などで有名な人。
監督は『恋は光』(2022)の小林啓一です。
 
幼い頃から物書きに憧れてきた文学少女・所結衣(藤吉夏鈴)は、文芸部で有名な私立櫻葉学園高校に入学。
結衣の人生観すら変えた憧憬の作家・緑町このはが在籍しているはずだから。
ところが文芸部の入部試験中、窓から飛び込んできたドローンが結衣を直撃、
気を失っている間に試験は終了。再試験は認められず、文芸部への入部叶わず。
 
落ち込む結衣に文芸部の部長・西園寺茉莉(久間田琳加)が言うには、
実はこのはは正体不明で、この学園の生徒であるかどうかもわからない。
唯一このはとの接触に成功しているのが悪名高き新聞部
このはの正体を突き止めるために結衣が新聞部へ潜り込むことを提案する茉莉。
この提案を飲むことと引き換えに、もしも成功した場合には文芸部に入部という約束を取り付け、結衣は新聞部へ。
 
苦労して見つけた新聞部の活動場所は善意の社長・山本(石倉三郎)が提供する町の印刷工場。
副部長・恩田春菜(中井友望)から紹介された部長・杉原かさね(髙石あかり)は、
教師のセクハラや不倫を暴くなど、学校でも大いに問題視されている要注意人物で……。
 
観に行ってよかったと思える一風変わった青春映画。
 
藤吉夏鈴は演技が上手いのか下手なのかよくわからないのですが、そこが◯。
よくもこんなにピッタリのキャスティングをしたものだと驚きます。
登場人物は少ないし、派手なところもないけれど、とにかく楽しい。
 
学園トップを務める高嶋政宏の悪いこと。
実際の私立の学校も大なり小なりこんなだとは思いたくないけれど、
なんらかの賞を得て学校のイメージを高めれば寄付金が増える。
そのためには賞の選考委員を買収することなんかも普通にやってしまう。なんて汚い。
 
どんなに圧力をかけられても負けない結衣。
それに協力する文芸少年・松山秋役の綱啓永もちょっとよかったりして。
髙石あかりが絶品なのは当然のことで、とにかく終始楽しい。
 
いいなぁ、こんな青春映画。大好きです。

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