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『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』【4Kリマスター版】

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(原題:Night of the Living Dead)
監督:ジョージ・A・ロメロ
出演:ジュディス・オディア,デュアン・ジョーンズ,カール・ハードマン,キース・ウェイン,ジュディス・リドリー,
   マリリン・イーストマン,ビル・ハインツマン,カイラ・ショーン,チャールズ・クレイグ他
 
台風10号の動きがあまりに遅くて、劇場も対応をどうするか困っていた様子。
鉄道の計画運休が発表されればそれに合わせて休館するのでしょうが、
迷走する“サンサン”のせいで何もかもが不確定だから閉めるに閉められない。
結局、大阪に来そうな数日間はオンライン予約を停止した劇場がほとんどでした。
 
これはオンライン予約停止前日に塚口サンサン劇場にて鑑賞。
1968年のアメリカ作品で、ハリウッドのホラー映画の新時代を築いたと評価されています。
って、私が説明するまでもないことですね。
ただ、私はホラー映画をことごとく避けてきたので、本作を観るのも初めてです。
ようやくホラー慣れしてきた今、観る機会があるなら行っておかなければと思い。
 
原作は1939年生まれの作家ジョン・A・ルッソ。84歳でご健在です。
ジョージ・A・ロメロ監督と共同で本作の脚本を担当し、一躍有名人に。
ルッソ、ロメロ共に本作にカメオ出演しているのは鑑賞後に知ったこと。
幾度となくリメイクや続編が製作されたカルト作品で、いま公開されているのは2016年の4K版です。
これが初めて公開されたのは同年のニューヨーク近代美術館。
こんなゾンビ映画がアメリカ国立フィルム登録簿に載っているってなんだか嬉しいですね。
 
兄ジョニーと妹のバーバラは車で3時間の道のりを走り、ペンシルヴェニア州にある父親の墓へ参る。
寝坊したジョニーのせいで到着が夜の8時になってしまったが、まだ外は明るい。
父親に丁寧に手を合わせるバーバラをからかい、とっとと帰ろうと言うジョニー。
人っ子一人いなかった墓地に男の人影が見えると、ジョニーはまたしてもバーバラをからかって怖がらせる。
ジョニーの失礼な態度を詫びようと男に近づくと、いきなりその男がバーバラに襲いかかる。
バーバラを助けようとしたジョニーは男と揉み合いになり転倒。死んでしまったようだ。
 
バーバラは車に飛び乗り、追いかけてくる男から必死に逃げようとするが、
途中で車が止まってしまい、乗り捨てると走りまくる。
ようやく見つけた一軒家に逃げ込み、何が起きているのかわからないまま震え上がる。
 
同じくどこかから逃げてきた男性ベンは、謎の集団の侵入を防ごうと家の窓や扉に板を打ち付ける。
ジョニーを喪ったショックから放心状態にあるバーバラはベンに叱咤されるもなかなか動けない。
 
そうこうしていると、地下室から男がふたり上がってくる。彼らもここに逃げ込んだらしい。
年輩のほうの男性ハリーは妻ヘレンと負傷して動けないカレンを地下室に匿っており、
もうひとりの男性トムは恋人のジュディとここへ来てハリーたちと知り合ったと言う。
 
地下室にいるほうが安全だというハリーと、階上にいなければ外の様子がわからないと主張するベン。
両者は対立しながらも、ラジオやテレビ放送の情報をもとに脱出を図ることに決めるが……。
 
何十年経とうがつくられ続けるゾンビ映画の発祥が本作にあると思うと感慨深い。
ゾンビ退治に活躍するベンに黒人俳優を起用したことも、当時は驚きだったはず。
ゾンビは走らない、脳天をぶち抜けば殺せる、などなど、後続の作品がそれを守っているんですね。
動きが鈍いのは「一度死んでいるから」という台詞には納得して笑っちゃいました。
その基本をひっくり返した『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004)も面白かったですよねぇ。
 
ベンとバーバラは助かるとばかり思っていましたから、
途中でバーバラがゾンビ化したジョニーに捕まることにビックリ。
最後まで生き残っていたベンもゾンビと間違われて銃殺されるのは衝撃的。
ハッピーエンドじゃないんかい。
 
こうした古い作品を劇場で観る機会があればまた行きたいです。

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『箱男』

『箱男』
監督:石井岳龍
出演:永瀬正敏,浅野忠信,白本彩奈,佐藤浩市,渋川清彦,中村優子,川瀬陽太他
 
なんばパークスシネマで『エア・ロック 海底地球避難所』『ソウルの春』を観終わった時点で20時半。
帰ろっかな~、でももう1本観る元気はないでもないな~と思い、本作も観ることに。
 
原作は1973(昭和48)年に発表された安部公房の同名小説。
未読ですけれども、始まった瞬間に芥川賞作家の作品だなぁと思いますよね。
監督は石井岳龍(聰亙)。この人も芥川賞作品を好んで映画化する監督。
 
もとは冷蔵庫が入っていたとおぼしき段ボール箱をかぶって生きる男(永瀬正敏)。
何者かが彼を撮影する一方で、彼を追いかけ回して攻撃してくる者もいる(渋川清彦)。
ある日、怪我をした彼の段ボール箱に手紙を投げ込んだ女(白本彩奈)から、
近くに病院があると教えられて診察を受けに行ってみると、そこには偽医者(浅野忠信)がいた。
 
男はすぐに偽医者が自分を助けるふりをして襲ってきた者だと気づく。
偽医者は病で動けない本物の軍医(佐藤浩市)の世話をする身で、
箱男になりたがっている軍医に代わり、偽医者が男のことを調べていたらしい。
 
やがて軍医が死亡すると、偽医者は自分こそが箱男になろうとする。
ひとつの町にふたりの箱男は要らぬと、生死をかけた攻防が始まるのだが……。
 
何度も繰り返される「箱男を意識するものは箱男になる」。
実際、本作の中では取り憑かれたように皆が箱男になりたがる。
目の部分だけ開けられた穴から外を覗き、女性たちの脚を描く。
妄想をノートに書いて書いて書き続けているわけですが、妄想なのか現実なのかもわからなくなってきます。
 
面白い世界だとは思うけれど、私は箱男にはなりたくない。
安部公房も石井監督もアタマおかしい。失礼な言い方ですみません。でも凡人には理解不能。
また、これを理解できるようになりたいとも思いません。凡人でええし(笑)。

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『ソウルの春』

『ソウルの春』(英題:12.12: The Day)
監督:キム・ソンス
出演:ファン・ジョンミン,チョン・ウソン,イ・ソンミン,パク・ヘジュン,キム・ソンギュン,
   チョン・マンシク,チョン・ヘイン,イ・ジュニョク,キム・ウィソン,チョン・ドンファン他
 
なんばパークスシネマにて、前述の『エア・ロック 海底緊急避難所』の次に。
 
「ソウルの春」とは「プラハの春」に由来する言葉です。
1979年10月26日、独裁政治で国民を苦しめていたパク・チョンヒ大統領が暗殺されました。
この事件については『KCIA 南山の部長たち』(2020)を観るとわかりやすい。
独裁者が暗殺されたことからにわかに民主化への期待が高まり、「ソウルの春」が謳われたのに、
同年12月12日、チョン・ドゥファンがクーデターを成功させて全権を掌握。
民主化は遠のき、のちに『タクシー運転手 約束は海を越えて』(2017)で描かれる光州事件が起きることになります。
本作はクーデターが画策されるまでと実行されてからの様子を描いた、実話に基づくフィクション。
実在の人物の名前は用いずに仮名が使われています。
 
パク・チョンヒ大統領暗殺事件に国中が動揺しつつも民主化への期待に沸く韓国。
そんななか、暗殺事件の捜査を指揮することになったのは、チョン・ドゥグァン保安司令官(ファン・ジョンミン)。
チョン・ドゥグァンは民主化を嫌い、自らが新たな独裁者となることを目論む。
 
そんなチョン・ドゥグァンの暴走を懸念する陸軍参謀総長チョン・サンホ(イ・ソンミン)は、
首都警備司令官にイ・テシン(チョン・ウソン)を任命。
出世にまるで興味のないイ・テシンは無欲で高潔な人物。
チョン・サンホからの話を断るが、ソウルを守れるのは君しかいないと懇願され、受けることに。
 
もともとイ・テシンに敵対意識を持つチョン・ドゥグァンにはそれが面白くない。
イ・テシンを買うチョン・サンホもろとも潰しにかかろうと、
チョン・サンホこそがパク・チョンヒ大統領暗殺事件に関わる人物だとして、
チェ・ハンギュ大統領の裁可を得ようとする。
 
チョン・ドゥグアンの息がかかる将校たちは、まずはチョン・サンホを拉致するのだが……。
 
なんとしんどい話なのか。
毎度韓国のこういう作品を観ると思うことですが、独裁政権が怖すぎる。
民主化のいったい何を恐れているのか。
全権をひとりで持つことを目論み、それに群がる腰ぎんちゃくたち。
しかも国防長官の情けないことといったら。
ここに果たして信頼関係はあるのかどうか不思議です。
 
軍人や政治家全員が悪いわけではない。清い政治を目指している人もきっといる。
でもそのたびに自分のことしか考えていない人たちに飲み込まれ、拷問され、死んでゆく。
腹立たしいのは、悪い奴が長生きするってところです。
 
軍事内秘密組織の「ハナ会」ってきっとまだあるのですよね?
民主化を阻もうとする人たちが世の中に存在し続ける。
武力を持って人を圧しようとすること。とても怖い。

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『エア・ロック 海底緊急避難所』

『エア・ロック 海底緊急避難所』(原題:No Way Up)
監督:クラウディオ・ファエ
出演:ソフィ・マッキントッシュ,ウィル・アッテンボロー,ジェレミアス・アムーア,マヌエル・パシフィック,
   グレイス・ネッテル,ジェームズ・キャロル・ジョーダン,フィリス・ローガン,コルム・ミーニイ他
 
京都へ墓参りに行くために休みを取った日、帰ってもどうせ暑いだけだからとなんばパークスシネマへ。
 
絶対B級だとわかっていてもスルーできないんです、海洋パニックもの
『海底47m』(2017)の製作陣がまたしても手がけているという。
それにしても“海底47m”シリーズの製作陣がらみって多くないですか。どんだけ活躍しとるねん。
 
ロサンゼルス国際空港。
親友同士のジェドとカイルは、ジェドの恋人エヴァと共にメキシコリゾート地ロス・カボス行きに搭乗。
エヴァと過ごす時間を楽しみにしていたのに、彼女は州知事の娘だから、
娘のことを心配する父親がボディガードのブランドンも同行させることを決める。
ブランドンが気を利かせて帰ろうとするも、エヴァは「今日は嫌な予感がする」と言って同行を頼む。
 
無事に離陸したかと思いきや、途中、鳥と衝突してエンジンが炎上する。
ドアや窓が吹っ飛び、シートベルトを着けていなかった乗客はそのまま空へ。
旅客機はそのまま海へと墜落、機体はどんどん水中を進み、岩盤に当たって止まる。
 
生存者はエヴァとジェド、カイル、ブランドン。10歳の少女ローザとその祖母ナナ。
そして男性客室乗務員のダニーロの7名のみ。
ブランドンの的確な指示により、なんとか生存に望みをかける彼らだったが、
利用できそうなものを調べに行ったブランドンがサメに襲われて死亡。
彼が残した言葉を思い返しながら、生きて帰る方法を模索するエヴァたちは……。
 
原題は“No Way Up”、「上がれない」ですよね。
「海底緊急避難所」なんて副題が付いているから、海底にそういう建物でもあるのかと思っていました。
そんなものがあるはずもなく、生存者は機体後部のエア・ロック(小部屋)で策を練ります。
密閉空間で安全かというとそんなこたぁない。機体がちぎれているからごく近くまでサメが来る。
 
唯一私が名前を知っていた俳優がコルム・ミーニイで、彼がブランドン役。
デブデブの体に似つかわしくないほど(失礼)機敏で、さすがボディガードと言えるほど洞察力もある。
こんな人がついていてくれたら安心なはずが、思いのほか早く死んでしまいます。
 
州知事の娘が乗っていたとあって、捜索は相当大がかり。
海上に散らばる機体のかけらが発見されて安泰と思ったら、
助けに来たダイバーたちもあっさりサメに襲われちゃって、あらら(笑)。
 
想定内の展開ではあるけれど、私はやっぱり好きだなぁ。
生存者もまぁそうなるわなという3名。
 
サメは泡を嫌うから泡を出していれば襲われないって本当ですか。
役に立つときがあるかどうかわからんけど。
てか、そんなものが役に立つような場所には行きたくありません。(^^;

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2024年8月に読んだ本まとめ

たった3冊しか読めませんでした(泣)。
映画を観る本数を減らしてその時間を本に注ぎ込むほうが良いかしら。
2024年8月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:862ページ
ナイス数:523ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2024/8
■みんなのヒーロー (幻冬舎文庫 ふ 40-1)
人気俳優だったのはほんの一瞬。すっかり落ち目になった主人公が、大麻を吸ってラリったまま運転した車で人を轢いたところを、デブでブスのファンに見られてしまうという不幸。結婚してくれなければ轢き逃げを暴露すると脅されて地獄の日々が始まります。しかしまるで同情に値しないクズ男。脅す女のほうもえげつない。著者は元芸人の藤崎さんだから、登場人物や番組名はパロディのオンパレード。そこの部分は面白いものの、相当嫌な話。みんなのヒーローはいったい誰さ。できれば『お梅は呪いたい』のお梅にこの人たちを呪ってもらいたい。(^^;
読了日:08月11日 著者:藤崎 翔
https://bookmeter.com/books/21919038
■復讐の泥沼 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
ここ最近どころかここ数年に読んだ本の中でいちばん嫌なオチでした(笑)。冒頭からなんだこの女は!と思う。事故現場で自分と一緒に居た相手が死んでしまったからって、居合わせた医者らしき人物を憎むなんて逆恨みもいいところ。以降も主人公である彼女のぶっ飛び言動のせいで好きになれないまま進んだかと思うと、彼女が追う男のほうも驚くべき性質の持ち主。それでも彼の不幸な生い立ちを思えば致し方ない気もして、最後は彼を応援しかけていたのですけれど。えーっ。こんな女がいたら本気で怖い。泥沼に突っ込んで二度と出てこないでください。
読了日:08月13日 著者:くわがきあゆ
https://bookmeter.com/books/22056156
■眠れぬ夜のご褒美 (ポプラ文庫 ん 1-17)
美味しいものが出てくる話には無条件に飛びついてしまうところがあります。それがもしもたいした話じゃないとしても、料理を想像しただけで心が満たされるからいいやって。本作はたいした話じゃないとは言わないけれど、各話のタイトルだけでもう満足。どこか1軒行ってみたいところを挙げるとしたら丑三つ時の寺でしょうか。ウチのダンナは化学調味料アレルギーですが、「正しくないラーメン」のほうが旨いという点には賛同すると思います。面白いと思ったのは「ワケアッテ」。なるほど、「訳あり」じゃなくて「分け合って」。そのほうが断然いい。
読了日:08月26日 著者:標野 凪,冬森 灯,友井 羊,八木沢 里志,大沼 紀子,近藤 史恵
https://bookmeter.com/books/22011622

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