MENU
ChatGPT-Image01
ChatGPT-Image02
ChatGPT-Image03
ChatGPT-Image04
ChatGPT-Image05
previous arrow
next arrow

『憐れみの3章』

『憐れみの3章』(原題:Kinds of Kindness)
監督:ヨルゴス・ランティモス
出演:エマ・ストーン,ジェシー・プレモンス,ウィレム・デフォー,マーガレット・クアリー,
   ホン・チャウ,ジョー・アルウィン,ママドゥ・アチェイ,ハンター・シェーファー他
 
前述の『傲慢と善良』を観た後、109シネマズ大阪エキスポシティから109シネマズ箕面へ移動して。
 
イギリス/アイルランド作品で、監督はギリシャ出身のヨルゴス・ランティモス
『籠の中の乙女』(2009)を観たときにこの監督は絶対に変人だと思いました。
『ロブスター』(2015)でやっぱり変人だと思い、『女王陛下のお気に入り』(2018)はグロさ控えめ。
今年公開で批評家から絶賛された『哀れなるものたち』は変だけど相当面白かった。
 
そして本作。どうですか。もうどうしてよいかわからないほどの変人ぶりを発揮しています。
変態を自認する人は観に行けばいいと思うけど、そうじゃない人には鑑賞をお勧めしません(笑)。
 
もはやランティモス監督作品の常連となったエマ・ストーンウィレム・デフォー
常々マット・デイモンを不細工にしたみたいな顔だなと思っているジェシー・プレモンス
アンディ・マクダウェルの娘マーガレット・クアリーは普通路線を行く美人女優だと思いきや、きっと本作で変態の仲間入り(笑)。
よくは知らないけれどどこかで見たことはある演技達者な顔ぶれが3つの章で別のキャラクターを演じています。
 
以下、ネタバレ全開です。
 
第1章は、上司(ウィレム・デフォー)にすべて支配される男(ジェシー・プレモンス)が主役。
妻(ホン・チャウ)となる女性に声をかけたのも、夫婦の間に子どもをつくらなかったのも、
妻とのセックスも日々の食事も何もかも、上司が指示するとおり。
ついには上司からある車に衝突して運転している人物を殺害するように言われます。
1度目の衝突では相手は死なず、再び試みるように上司から命じられて断ると、解雇を言い渡されます。
街角で見初めた女性(エマ・ストーン)が自分の代わりに上司からのミッションを果たそうとして失敗したのを知り、
入院中で意識不明のターゲットを外へ引っ張り出して轢き殺します。
 
第2章は、海で行方不明になった妻(エマ・ストーン)が生還して喜ぶも、
どうも顔が同じだけの別人に違いないという疑惑に駆られる警察官の夫(ジェシー・プレモンス)の話。
夫が好きな曲を間違えたり、チョコレートは嫌いだったはずなのに冷蔵庫のチョコレートを全部たいらげたり、
とにかくこれは絶対に俺の嫁じゃないと思い込みます。
虐げれば白状するだろうと、妻に自身の指を切り落としてそれとカリフラワーと共に炒めろと命じる。
その通りにする妻が痛々しいのなんのって。
夫の要求はさらにエスカレートして、最後は妻が自分の肝臓を包丁で取り出すという。(T_T)
 
第3章は、亡くなった人を生き返らせる能力を持つ人物を探しつづける女性(エマ・ストーン)が主役。
それもこれもカルト教団の教祖夫妻(ウィレム・デフォー&ホン・チャウ)のため。
終盤、ようやく見つけた獣医(マーガレット・クアリー)がまさしく探していた人物で、
薬を持って彼女を拉致し、教祖夫妻のもとへ連れて行こうとするも、よそ見運転で事故を起こす。
結果、後部座席で眠らされていた獣医はフロントガラスを突き破って死亡というオチで。
 
グロさはかなりのもので、観ていて楽しい話ではありません。
老体ウィレム・デフォーのヌードなんて見たくないし、彼とエマ・ストーンのキスシーンにはオエーッ。
 
これをスタイリッシュというのかどうか。
まったく、この監督の頭の中はどうなっているのかと思います。
それを観て絶賛する人の頭の中もどうなっているのか。(^^;
 
165分の大長編。ところどころ居眠りしましたが、ほぼ起きていられたのが不思議。
やっぱり面白いということなのでしょうか。好きではないですけどねぇ。

—–

『傲慢と善良』

『傲慢と善良』
監督:萩原健太郎
出演:藤ヶ谷太輔,奈緒,倉悠貴,桜庭ななみ,阿南健治,宮崎美子,菊池亜希子,西田尚美,前田美波里他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
好きというわけではないのに読んでしまう作家のひとりが辻村深月です。
原作が文庫化された2年前に購入済みですが、まぁまぁ分厚いことに怯んで積んだまま。
 
若くして地ビール会社のオーナーを務める西澤架(かける)(藤ヶ谷太輔)は、
長年つきあっていた彼女のアユこと三井亜優子(森カンナ)にフラれたのをきっかけに、
マッチングアプリに登録して婚活を開始、数十人と会うもピンと来ない。
 
イケメンで社長で人当たりも良い架にいくら相手が目を輝かせたところで、架にとってはみんな似たり寄ったり。
アプリで理想の相手とめぐり逢うのは無理だとあきらめかけたとき、
待ち合わせ場所にいる坂庭真実(奈緒)を見て電撃が走る。今度こそ、アタリ。
 
ふたりの交際が始まり、あっというまに1年が経過。
架は友人たちが集まるホームパーティーに真実を連れて行き紹介するが、真実が帰ると、
架の男友達は「いい子だな」という一方で、女友達の美奈子(桜庭ななみ)らはケチョンケチョンに言う。
元カノのアユのほうがよかったとか、真実は架に気に入られようと必死だとか、そんなこと。
 
酷い言われように架が不満げでいたところ、真実から電話がかかる。
切羽詰まった声で「ストーカーに狙われている」と言う真実を心配し、一緒に暮らすことに。
そしてついに架は真実にプロポーズする。
 
ところが、勤務先の英会話教室を寿退社する真実が送別会に出た翌日、姿を消す。
思い当たるふしはなく困惑する架は、真実の姉・希実(菊池亜希子)に相談。
姉妹の実家である前橋に出向き、両親(阿南健治宮崎美子)と会う。
母親の勧めで真実が見合いしたことがあると知り、仲人の小野里(前田美波里)から話を聴くのだが……。
 
真面目で清楚な真実がいなくなり、調べてみたら自分の知る彼女と全然違った、という話かと思っていました。
そういうわけでもないんですね。
真実は真実、ただ、架をつなぎ止めようと必死だったのは事実で、嘘をついてしまった。
その嘘を美奈子たちには簡単に見抜かれて、挙げ句の果てに架が真実のことを70点だと言っていたと聞いてしまう。
居たたまれずに架のもとを離れ、仙台ボランティアとして逃げ込みます。
 
純粋な気持ちからボランティアに臨んだのではなかったけれど、温かく迎え入れてくれる町の人々。
西田尚美倉悠貴がその役を良い感じに演じています。
 
女友達のえげつなさは際だっていて、イケメンの異性の友達には気をつけなあかんなと思いました。
ほんとは自分が彼女になりたかったのにそうはなれなくて、イケメンが連れてきた子に文句をつける。
そういうことなのかしら。性格ゆがんでる。(^^;
 
私が思う辻村深月の話とはちょっと違う。たぶん彼女の真意を映像化するのは難しい。
それを知りたいから、早いこと原作を読もうと思います。

—–

『サウンド・オブ・フリーダム』

『サウンド・オブ・フリーダム』(原題:Sound of Freedom)
監督:アレハンドロ・モンテベルデ
出演:ジム・カヴィーゼル,ミラ・ソルヴィノ,ビル・キャンプ,エドゥアルド・ベラステーギ,ハビエル・ゴディーノ,
   ホセ・ズニーガ,クリスタル・アパリチ,ルーカス・アヴィラ,スコット・ヘイズ,カート・フラー他
 
よしもと漫才劇場となんばグランド花月をハシゴする前にTOHOシネマズなんば別館で映画を観る。
そんな話題作とは知らず、劇場に着いてからチケットを買えばいいよねと思いつつ、
家を出る前に混雑状況をなんとなく確かめたら、やばい、8割方席が埋まっているではないですか。
慌てて貯まったポイントを使ってオンライン購入。
 
国際的性犯罪から少年少女を救い出すために戦う実在の人物ティム・バラード。
2013年に彼が挑んだあまりに過酷なミッションを描いています。
 
ホンジュラスの首都テグシガルパに暮らすロベルト・アギラルは、まだ幼い子どもふたりを育てるシングルファーザー
金はなくとも穏やかな毎日を送っていたが、あるとき、娘ロシオの歌声を聞いたという女性ジゼルがやってくる。
ジゼルはロシオをスター発掘のオーディションに連れて行くべきだと言い、ロシオ自身も乗り気。
娘の喜ぶ顔を見ては断れず、その場にいた息子ミゲルも一緒にオーディション会場へ行くことに。
 
会場となっている建物の部屋は保護者の立ち入り厳禁で、晩に改めて迎えに来るよう言われる。
言われたとおりの時刻に迎えに行ったところ、何十人もいたはずの子どもはひとりもおらず、部屋はもぬけのから。
オーディションなど嘘で、子どもたちが拉致されたうえに売り飛ばされたことに気づく。
 
こういった犯罪を追っていたDHS(アメリカ合衆国国土安全保障省)の捜査官ティム(ジム・カヴィーゼル)は、
児童買春のサイトの管理者を見つけ、顧客の数百人を捕まえることに成功。
しかし、買い手を何人とっ捕まえようが、子どもたちはひとりも救えていないのが実情。
そこで上司を説得してアメリカから単身で飛び出すと、事件の温床となっているコロンビアに潜入。
地元警察に勤める旧知の警察官ホルヘ(ハビエル・ゴディーノ)と、
彼から紹介された元マフィアのヴァンピロ(ビル・キャンプ)の協力を得る。
友人の若手実業家パオロ(エドゥアルド・ベラステーギ)に連絡を取ると資金提供を頼み、
ペドファイル(小児性愛者)を一所に集めるため、ホテル建設まで検討するのだが……。
 
世界で数百万人の子どもたちが毎年行方不明になっているとのこと。
単純に働き手として誘拐される場合もあれば、本作のように性奴隷として買われる場合もある。
 
たまたまティムが最初に救出したのがミゲルで、心身ともに傷を負ったミゲルは、
「お姉ちゃんを助けてほしい」とティムに訴えます。
ペドを何百人も逮捕したのだからお手柄だし役目はじゅうぶん果たしたという上司に、ティムは言います。
拉致されたのが自分の子どもでもそう言えるかと。
そして、「この仕事は心が折れる。けれど子どもたちの救出は折れた心を元に戻してくれるんだ」と。
 
ヴァンピロは訳ありの元マフィアですが、児童買春に心を痛め、子どもたちを買っては解放しています。
そんなことが知れたら潰されるから、自分もペドのふりをしてこっそりと。
 
良心を持つ人が協力すれば、なんとかなることもあるのだと思わされます。
子どもたち全員は救えないとしても、まずは目の前にいる子どもをひとりだけでも
 
余談だけど、久しぶりに見たジム・カヴィーゼルがとてもかっこよかった。その妻役のミラ・ソルヴィノも美しい。
 
こんな現実があることを本作を観てできるだけ多くの人に知ってほしい。

—–

『マミー』

『マミー』
監督:二村真弘
 
気分のよくない話に決まっているからスルーするつもりでしたが、
ヤジウマ根性が出てしまい、第七藝術劇場へ。
 
その前に、十三へ行くときはたまに寄るがんこで食事しようとしたら満席。
どの席も宴会中で凄い盛り上がりを見せていて、しばらく空きそうにない。
付近で軽く飲んで食べられそうな店を探したけれど、それも空席なし。
仕方なくファミマで唐揚げ2個と缶ビールを買ってナナゲイのロビーへ。
同じフロアのボウリング場も大入りらしく、あちこちで歓声が上がっています。
ナナゲイのスタッフに「土曜日の晩っていつもこんな感じなんですか」と尋ねると、
だいたいそうだけどこの日は特に騒がしかったようです。
「どこも混んでいて晩ごはん難民になったので、ここでビール飲ませてもらいました」と告白(笑)。
 
1998(平成10)年7月に起きた和歌山毒物カレー事件。
住宅街の夏祭りで提供されたカレーに混入していた砒素により、67人が中毒を発症。
小学生を含む 4人が死亡したという凄惨な事件です。
 
逮捕されたのは、近隣に住む主婦・林眞須美。
容疑を否認するものの、2009(平成21) 年に最高裁で死刑が確定しました。
最初から一貫して無実を訴え続けて四半世紀経った今、
本作は目撃証言や科学鑑定への反証を試みて、最高裁の判決に異議を唱えるというもの。
母親の無実を信じる息子が胸の裡を明かします。
 
冤罪は絶対に生んではいけないと思うのですけれど、
本作を観ると林眞須美と健治夫婦を信じるのはどうにも難しい。
 
眞須美は健治にも砒素を盛って保険金詐欺を働いていたと言われていますが、
本作では健治自身が砒素を盛っていたと話しています。
金を手に入れるには保険金をもらうのが手っ取り早いと砒素を服用したら、
高度障害が認められ、2億円を受け取ることに成功。
「日本生命が簡単に払いましたよ」と笑いながら言うんだもの。
その後、眞須美の母親が亡くなったときには1億5千万円の死亡保険金を受け取るも、
ギャンブル好きの健治があっというまに競馬で4千万円をすり、
眞須美に怒られたものだから、また砒素を服用して高度障害保険金を得る。
 
息子が言うには、両親はどうやって保険金詐欺を働くかをよく話していたらしい。
原付で田んぼに突っ込んで怪我したらいくらになるとか。深刻にではなく、あっけらかんと。
 
保険金詐欺と殺人は違う、詐欺を働いた者が人を殺すわけではない。
それとこれとは話が別と言いたいのでしょうけれど、そう思えますか。
保険金を得たことを自慢げに話す人物をどうやって信用しろと。
でも、普通の感覚であれば隠しそうなことをあんなふうに話す人だからこそ、
殺人は犯していないのかもしれないと思わないこともない。
 
なんとも言えません。

—–

『ビートルジュース ビートルジュース』

『ビートルジュース ビートルジュース』(原題:Beetlejuice Beetlejuice)
監督:ティム・バートン
出演:マイケル・キートン,ウィノナ・ライダー,キャサリン・オハラ,ジャスティン・セロー,
   モニカ・ベルッチ,アーサー・コンティ,ジェナ・オルテガ,ウィレム・デフォー他
 
前述の『犯罪都市 PUNISHMENT』が終わる頃にはすでに予告編が始まっていた本作に。
10分かぶりだと本編開始には間に合うのでした。
21時すぎからのレイトショーの回、同じくなんばパークスシネマにて。
 
ティム・バートン監督の『ビートルジュース』(1988)の36年ぶりの続編ですって。
もとの話がどんなだったかというと、片田舎の町でアダム&バーバラ・メイトランド夫妻が事故死して幽霊に。
主を失って売りに出されたこの家を購入したのがディーツ一家。
アダムとバーバラは一家を怖がらせて追い出そうとするも方法がわからず、
そんなときに目についたのが“ビートルジュース”のチラシなのですが、
何が問題なのか、霊界の者たちは「彼にだけは頼んではいけない」と言うのです。
そう言われても、チャールズ&デリア・ディーツ夫妻には幽霊なんて見えないから怖がってもくれなくて困る。
ところが、デリアの継娘リディアだけには幽霊が見えることがわかります。
 
当時のキャストそのままにこの続編に出演しているのが、ビートルジュース役のマイケル・キートン
デリア役のキャサリン・オハラ、リディア役のウィノナ・ライダーです。
 
霊能者として人気のリディア・ディーツは、超常現象を扱うテレビ番組“ゴーストハウス”のMCを務めているが、
ある日、観客席の中にビートルジュースの幻覚を見て気分が悪くなる。
夫のリチャード亡きあと交際中の同番組プロデューサー、ローリーから心配されていると、
継母のデリアから連絡があり、彼女の夫でリディアの実父チャールズが死んだと言う。
 
慌てて帰宅してチャールズの葬儀に臨むと、なんとその席でローリーはリディアに求婚。
2日後のハロウィンの日の夜中に挙式しようと、葬儀の列席者の前で言われて断れない。
 
リディアは世間で人気を集める一方で、娘のアストリッドとの仲はこじれっぱなし。
アストリッドは母親の多額の寄付のおかげで学校から感謝されるものの、生徒たちからはからかわれてばかり。
忙しくて一緒に過ごす時間もほとんどない母親に怒りを感じている。
そのうえあんな馬鹿っぽいローリーの求婚を受け入れるとはあきれてしまう。
大好きだった父親に会いたい気持ちを募らせているときに出会ったのが青年ジェレミーで……。
 
実はジェレミーも幽霊で、好青年に見えてとんでもなく悪い奴。
父親と会いたがっているアストリッドを利用して彼女をあの世に送り込み、
入れ替わりで自分は生き返ることを目論んでいます。
 
あちらに連れて行かれてしまったアストリッドを連れ戻すため、ビートルジュースを召喚するリディア。
ビートルジュースはビートルジュースで元妻デロレスから追い回されています。
相変わらず美しいモニカ・ベルッチがその役を演じていて、幽霊の魂すら吸うから幽霊たちに怖がられる存在。マジ怖い(笑)。
 
36年前にリディア役としてウィノナ・ライダー以外に名前が挙がっていたのはジェニファー・コネリー
今の彼女たちを見比べると、やっぱりウィノナ・ライダーで正解だったと思います。
というのか、ウィノナ・ライダーだったからこそ、36年を経ての続編ができたのではないでしょうか。
ほかの女優が今のリディア役を演じるところはちょっと想像しがたい。(^^;
 
ちょっと楽しい1本でした。意外とグロいですよねぇ。

—–