MENU
ChatGPT-Image01
ChatGPT-Image02
ChatGPT-Image03
ChatGPT-Image04
ChatGPT-Image05
previous arrow
next arrow

『シン・デレラ』

『シン・デレラ』(原題:Cinderella’s Curse)
監督:ルイーザ・ウォーレン
出演:ケリー・ライアン・サンソン,クリッシー・ウンナ,ダニエル・スコット,
   ローレン・バッド,ナターシャ・トシーニ,サム・バレット他
 
なんばパークスシネマにて『シングル・イン・ソウル』を観た後に。
 
予告編開始とほぼ同時に入場したのですが、えっ、客ほかにおらんやん。
本編が始まるまでにきっと誰か入ってくるよねと思ったのに、誰も来ないじゃあないか。
まさかの今年11度目の“おひとりさま”
「映画館でひとりきりなんて怖くない?」と聞かれるたびに、
「知らんオッサンとふたりになるよりもひとりのほうがよっぽどいい」と答えてきましたが、
こんなスプラッタホラーでひとりきりは怖いじゃあないか。
そういえば『憑依』もひとりで観たけれど、大丈夫だった。じゃあ大丈夫かしら。
 
『プー あくまのくまさん』(2023)の製作陣が『シンデレラ』をモチーフに撮ったホラー作品。
今年は『メリーおばさんのひつじ』なんてのもありました。
童話を基にめちゃくちゃなホラーを作れば当たると思っているんじゃないでしょか。
 
エラは意地悪な継母とその娘である姉妹、イングリットとハンナにいじめぬかれる毎日。
召使いのアーニャとその息子モーリッツと過ごす時間だけが救いだが、その時間さえもほとんどない。
 
ある日、城からレヴィン王子一家がやってくる。
王子の嫁にふさわしい女を捜しに来たらしく、イングリットとハンナのみならず、
用足しに行ったときに見かけたエラのことを「あの灰かぶり姫のシンデレラ」と呼び、
彼女にも一緒に舞踏会に来てほしいと招待する。
 
継母は苦い顔をして、エラの代わりにアーニャを痛めつけると、
断末魔のアーニャへの最後のひと突きをエラにさせる。悲しみに暮れるエラ。
そんなエラにイングリットとハンナは「王子が好きなのはアナタよ」と期待を持たせる。
嫁に選ばれるのは自分だと思い込んだエラは有頂天に。
 
しかし舞踏会当日、継母はエラを連れて行こうとしない。
屋敷にひとりでいたエラの前に現れたのは、フェアリーゴッドマザー。
願いを3つ叶えてやると言われ、エラは舞踏会に行くことを希望するのだが……。
 
極めて下品で、悪趣味もいいところです(笑)。
嫁選びの基準として王子の両親が挙げるのも「あの尻がいい」とか「胸はどうだ」とか。
 
そもそも王子とイングリットはデキていて、すべてふたりの策略。
田舎者のエラをからかって遊んでやろうという魂胆で、
舞踏会にのこのことやってきたエラをほかの客たちの前に差し出し、
みんなで殴る蹴るの袋叩きにしたうえに、服を破って全裸にしてしまうというおぞましさ。
こんな作品でヌードをさらす女優って悲惨じゃないでしょか。(–;
 
もちろんエラの願いは叶って、舞踏会場に居合わせた客を皆殺しにする勢い。
逃げ出した継母とイングリット、ハンナ、王子を追いかけ、屋敷で順番に殺して行きます。
ハンナ→イングリット→王子の順で最後は継母を。
ガラスの靴のヒールで姉妹の顔面を打ち抜くところなんてえげつない(笑)。
 
復讐を遂げたらフェアリーゴッドマザーに仕える約束だったのに、
その段になると「もう奴隷になるのは嫌なの」とフェアリーゴッドマザーすら殺害します。
えっ、殺せるもんなの?フェアリーゴッドマザーって。(^^;
 
残念なのは、エラ役のケリー・ライアン・サンソンが全然綺麗じゃないこと。
ハンナ役のナターシャ・トシーニはちょっと背が低すぎるけどブレイク・ライヴリー似の美人。
てか、もしかするとイングリット役のローレン・バッドが長身すぎるのか。
彼女はキーラ・ナイトレイに似た美人で、エラ役がどう見てもいちばん可愛くないんですよねぇ。
これじゃとてもじゃないけどエラ/シンデレラを応援する気持ちにはなれませぬ。(T_T)
 
追記:ナターシャ・トシーニの身長を調べたら、147cmでした。
   ローレン・バッドは180cmですって。そりゃ並んだら身長差ありすぎ。

—–

『シングル・イン・ソウル』

『シングル・イン・ソウル』(英題:Single in Seoul)
監督:パク・ボムス
出演:イ・ドンウク,イム・スジョン,イ・ソム,チャン・ヒョンソン,
   キム・ジヨン,イ・サンイ,イ・ミド,チ・イース,ユン・ゲサン他
 
五十日(ごとび)っていつの時代になっても道が混むんですよね。
そんな日にミナミまで車で行かんでもええやんと思いつつ、
本作のことが気になってなんばパークスシネマへ。18:45上映開始なら五十日の新御でも間に合う。
 
「街の本出版社」という小さな出版社編集長を務めるヒョンジン(イム・スジョン)は、
仕事の面では辣腕を振るう有能な編集者だが、恋愛に関してはからっきし駄目。
男性との距離がわからず、いつも勘違いしてはひとりよがりな恋に撃沈してばかり。
 
ソウルバルセロナそれぞれでシングルライフを送る作家のエッセイ本企画が出る。
バルセロナ版を執筆することになったのは、あちら在住の韓国人で売れっ子の女性作家ホン(イ・ソム)。
一方、ソウル版を頼むはずだった作家は妊娠が判明し、企画のテーマにそぐわないと降板。
社長のジンピョはこの機会に新人作家を発掘しようとSNSに当たった結果、
塾講師で独身イケメン男性のヨンホ(イ・ドンウク)を発見。写真も文章もセンスの良さを感じさせる。
 
会ってみればヨンホはヒョンジンと同じ大学の先輩。
ヨンホの本をヒョンジンが担当することになるが、「独身もいい」というスタンスで書いてほしいのに、
「独身がいい」としか言いたくないというヨンホ。
編集担当者を変えてほしいとジンピョに直訴するも、有能な編集者だからと言いくるめられる。
 
こうしてああだこうだと言いながらも執筆を続けて……。
 
全然売れそうにない話を書くヨンホに、ヒョンジンは初恋の話を書くように勧めます。
この段階で、バルセロナ版を書く女性作家がヨンホのその相手だろうという推測が観客にはつくでしょう。
世の中がそこまで狭いわけはなく、これは社長の策略だということも。
「なんとバルセロナ版とソウル版の作家が初恋の相手同士だった」と宣伝して売りたいわけです。
しかしヨンホがそれに気づく由もなく、ヒョンジンも社長から聞かされていないから知らない。
どちらの原稿もできあがったときにようやく真相を知ることになって怒ります。
 
最初は合いそうにもなかったふたりがお互いを意識しはじめて恋に落ちる話は珍しくもありませんが、
本好きとしては、出版に絡む話がいろいろ聞けて楽しかった。
なぜ編集者になったのかと問われたヒョンジンが、「大学を出てなんとなく就職したけれど、
あるとき自分が編集した本を読んでいる人を見かけてたまらぬ嬉しさを感じた」と話すシーンがあります。
ヨンホのエッセイ本はさほど評判よくなく売れなかったものの、
彼の本を携えた人がサインを求めてきて、大好きであることを伝えてくれたとき、
ヨンホにもあのときのヒョンジンの気持ちがわかったようで、その表情がとてもいい。
 
後味の良い作品です。こうしてまた本が好きになる

—–

『ソウX』

『ソウX』(原題:Saw X)
監督:ケヴィン・グルタート
出演:トビン・ベル,ショウニー・スミス,シヌーヴ・マコディ・ルンド,スティーヴン・ブランド,レナータ・ヴァカ,
   ジョシュア・オカモト,オクタビオ・イノホサ,ポーレット・エルナンデス,ホルヘ・ブリセーニョ,マイケル・ビーチ他
 
老健に入所中の父に面会→夙川でひとりランチ→TOHOシネマズ梅田のシアター4で本作鑑賞。
 
このシリーズはもういいかなと思ってスルーしかけていましたが、
第1作第2作の間に位置する物語だと教えてもらってやっぱり観ることに。
「トビン・ベルがシリーズに復帰」と記されているけれど、彼じゃない人がジグソウを演じたことがあるんですか。
そこまで入れ込んでないから知らんし。
 
末期癌余命わずかという宣告を受けたジグソウことジョン・クレイマー。
もう打つ手はないのかと思っていたところ、癌患者支援グループの会合に同席した男性ヘンリーに遭遇。
すっかり元気になった様子のヘンリーは、実験段階の画期的な治療法を受けて完治したのだと言う。
ヘンリーに詳細を教えてもらい、その治療を受けるためにジョンはメキシコへと向かう。
 
空港で彼を出迎えたディエゴの車に乗るが、途中で武装した男たちに手荒く別のワゴン車に放り込まれる。
到着した先では女医セシリアに迎え入れられ、手荒い扱いを受けたことを言うと、
なにぶんまだ承認されていない治療ゆえ、誰にもバレないようにしなければならないのだと詫びられる。
しばらく滞在することになった屋敷で部屋を案内してくれたのはガブリエラ。彼女もセシリアに救われたらしい。
 
セシリアとそのほかの医師コルテスとマテオ、看護師のヴァレンティーナ立会いのもと、
脳腫瘍を切除する手術を受け、これで癌は治ったと言われ、清々しい気分に。
 
ところが、ガブリエラにお礼のプレゼントを渡そうと屋敷を再訪すると、誰もおらず何もない。
頭の包帯を外してみると手術の痕などどこにも見当たらず、これは詐欺だったのだと気づく。
 
ジョンは自分を騙した面々を集めてゲームを開始することを決意。
弟子のアマンダを呼ぶと、ゲームの会場にセシリアたちを連れてくるのだが……。
 
飲酒した後に映画を観に行くと100%爆睡していましたが、これは大丈夫でした。
 
恐ろしい殺人鬼といえども、ジグソウに同情してしまうほどセシリアは酷い奴。
セシリアと対決するまでにほかの面々が自分の身体を切り刻まねばならなくなるシーンは直視できませんでしたが、
こんな詐欺を働くような奴がこんな目に遭っていい気味だと思ってしまいました。
 
癌の治療というと、のことを思い出します。
藁にもすがる思いで話を聴きに行った保険適用外の自由診療をする病院。
冷静だった弟が主治医に相談して、自由診療を受けるのは思いとどまりました。
その後、主治医の紹介により“がんカテーテル”を受けた別の病院の先生が、自由診療は絶対に信用しては駄目だということ、
遺族に残せるはずのお金をつぎ込ませようとしているのだともおっしゃっていました。
結局「自由診療を受けて完治はしなかったからと最後はホスピスに入れてください」と言われても、
あちらを信用してこちらの治療を受けなかったくせに、最後だけこちらでと言うのは虫が良いとも。
 
こんなホラーを観ているにもかかわらず、そんなことを思い出し、
騙しちゃ駄目、騙されても駄目だと思うのでした。
もちろん、お金持ちの人は自分の気が済むまでいろんな治療を受けてもいいと思いますけどね。
 
映画の話からズレましたが、そんなこんなで思わずジグソウを応援してしまう。

—–

『スマホを落としただけなのに 最終章 ファイナルハッキングゲーム』

『スマホを落としただけなのに 最終章 ファイナルハッキングゲーム』
監督:中田秀夫
出演:成田凌,クォン・ウンビ,大谷亮平,白石麻衣,井浦新,佐野史郎,
   真飛聖,利重剛,猪塚健太,髙石あかり,田中圭,原田泰造,千葉雄大他
 
連休の中日、天気が良すぎて一歩も外へ出たくないところ、
20時半も回ってからようやく出かける用意をして109シネマズ箕面へ。
 
志駕晃のベストセラー小説を映画化した“スマホを落としただけなのに”シリーズも第3弾となりました。
よくよく考えてみると、中田秀夫監督の作品ってジメっとしていそうなホラーが多いから、私はあまり観ていない。
ホラーではない作品はたいてい観ていますが、中田監督といえば今もってなお『リング』(1998)のイメージ。
 
原作を読んでから4年半ほど経っていて、内容をすっかり忘れています。
タイトルも原作とは異なっているし、てっきり本作は映画オリジナルだと思っていました。
エンドロールの途中でこれが原作だと知り、「えっ」。こんな話だったっけ。
 
最強最悪の天才ハッカー殺人鬼の浦野善治(成田凌)は脱獄して韓国に潜伏中。
現地の闇組織を指揮するキム・ガンフン(大谷亮平)は部下に浦野を拉致させると、
まもなく開催される日韓首脳会議にテロを仕掛けるように強いる。
浦野の世話役を言いつけられたのはガンフンの秘書スミン(クォン・ウンビ)。
 
ガンフンに従うと見せかけている浦野だが、素直に言うことを聞いているだけのわけがない。
浦野はガンフンのスマホをハッキングするため、スミンに細工を指示。
自分のボスであるガンフンを裏切るのは大変なことだが、スミンは浦野の言うとおりにする。
 
一方、出世して内閣府へと異動した加賀谷学(千葉雄大)はいまだに浦野のことが気になって仕方がない。
そんな折、日本に向けて核ミサイルが発射されて爆撃を受けた様子が映像で流れてみんな大慌て。
しかし加賀谷はいち早くこれがフェイク映像であると見抜き、混乱を最小限に抑える。
 
こんなことをするのは浦野しかいないと考えた加賀谷は公安の先輩、兵頭彰(井浦新)と連絡を取り、
浦野を捕まえるために一緒に韓国へと渡るのだが……。
 
もともと『このミステリーがすごい!』大賞はイマイチなことが多いと思っていますし、
このシリーズもさほど面白いとは思いませんでした。エンタメに寄せすぎというのか。
それでも飽きずに読ませるぐらいの面白さはあります。それは映画になっても同じこと。
 
殺人鬼の浦野も、本作で同じような境遇に育ったスミンと出会い、人としての心を取り戻します。
スミン役のクォン・ウンビは日韓合同のアイドルグループ“IZ*ONE”の元メンバーとのこと。
とても綺麗で愛らしい。彼女を見ているだけでも目の保養になって良い感じ。
 
来年の朝ドラのヒロイン役に決まった髙石あかりが浦野を崇拝する役で出ていて嬉しい。
驚くのは最近の真飛聖に遭遇する度合いの高さ。1週間に3本ぐらい彼女に当たる。
 
原作のシリーズは第4弾が今夏に刊行されたばかりでまだ続いているけれど、
本作では浦野が死んで◯◯になっちゃいますからね。本当に最終章なのでしょう。
 
最後はそうなるのではという予感はありつつも、実際に見るとドン引きでした(笑)。
それが登場するまではちょっと切なくて、シリーズの中ではいちばん好きだったけどな〜。
ちょうど本作を観る前日にTSUTAYA DISCASでDVDレンタルした韓国作品『ローリング・ガール』(2023)を観たばかり。
キンパ屋さんの話だったから、スミンがつくるキンパにも注目して食べたくなりました。

—–

『あみこ』

『あみこ』
監督:山中瑤子
出演:春原愛良,大下ヒロト,峯尾麻衣子,長谷川愛悠,廣渡美鮎,阿部悠季乃,金子銀二 他
 
『心平、』の舞台挨拶付きの回が終わってから、同じく第七藝術劇場にて。
 
いまいちばん売れっ子じゃないかと思われる河合優実を起用した『ナミビアの砂漠』が話題となり、
一気に有名監督となった山中瑤子監督は現在まだ27歳。
十代最後に撮った初の劇場公開作が本作で、2017年度のPFF(ぴあフィルムフェスティバル)アワードでは観客賞を受賞し、
ベルリン国際映画祭に史上最年少で招待された作品となりました。
そんな本作が十三でリバイバル上映されているなら行かなくちゃ。
 
女子高生のあみこ(春原愛良)は冷めた考えの持ち主。どうせ死ぬんだから頑張っても意味がない。
放課後の教室でひとりぼんやりとしていたところ、サッカー部のアオミくん(大下ヒロト)と遭遇。
 
アオミくんは学校の人気者であるにも関わらず、あみこと似た考えの持ち主。
彼に誘われて一緒に山に登る間じゅう話をして、あみこはこれは「魂の会話」だと思い込む。
言葉を交わす相手がほとんどいないあみこは、唯一の友だち・奏子(峯尾麻衣子)にアオミくんに恋したことを打ち明ける。
 
ところが翌日以降、アオミくんはすれちがっても声をかけてくれないどころか、目も合わせてくれない。
そうこうしているうちに1年以上が経過し、アオミくんが学校に来なくなる。
家出したらしい、マドンナ的存在だった先輩女子・瑞樹(長谷川愛悠)とつきあっているらしいとの噂を聞き、
あみこは町を出て大学生となっている瑞樹の部屋に奇襲をかけるのだが……。
 
何なんでしょう、この感性。十代でこんな作品が撮れちゃうんですね。
小説ならば芥川賞を獲りそうな作品です。
 
面白いけど、好きではない。
電撃的な出会いだ、愛だとか恋だとかいうような些末な概念を超越した完全運命共同体になった。
そんなふうに思っているのはあみこのほうだけ。
なぜあんな女とつきあっているのかとあみこから聞かれたときのアオミくんの答えはいとも簡単。「可愛いじゃん」。
 
一方的な思い込みは恥ずかしいし痛々しい。
あなたは誰かを見下せるほど優れた人間ではないですよと言いたくなります。
勝手に相思相愛だと思って、1年間目も合わなくてもその思いは変わらない。
誰とつきあおうが彼の勝手なのに、彼が可愛い年上女子とつきあうと怒りをあらわにする。怖いです。
 
山中監督の作品はまだ2本しか観ていませんが、今のところ共感できる人は男女問わずひとりもいません。
そこが面白いところなのだろうとは思うけれど、難しい。

—–