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『コール・ミー・ダンサー』

『コール・ミー・ダンサー』(原題:Call Me Dancer)
監督:レスリー・シャンペイン,ピップ・ギルモア
 
年末が近づいたせいか、夕方の新御はかなり渋滞しています。
でも19時すぎからの回ならなんとか間に合うだろうとテアトル梅田へ。
 
インド出身のダンサー、マニーシュ・チャウハンに密着取材したドキュメンタリー作品。
全然知らなかったことですが、インドではダンスって金持ちの趣味という認識らしい。
伝統的な民族舞踊を踊る金持ちはいても、有給で踊る仕事はなし。
有給で踊りたければボリウッド作品に出演するしかないそうです。
 
そんななか、金持ちでも何でもない家庭に生まれたマニーシュは、
18歳のときに観たボリウッド作品でダンスに魅入られます。
独学でストリートダンスのトレーニングを積み、ダンスで身を立てたいと考える。
 
タクシー運転手の父親は、その仕事を息子に継がせる気はないから、
必死で金を工面して大学に進学させ、良い仕事に就いてほしいと思っています。
なのに息子はダンサーになりたいと言う。
ダンスで稼げるわけがないと母親も思っているし、それはいたって普通の考え。
マニーシュには妹もいて、金がなければ嫁がせることもできないのです。
 
マニーシュは通いはじめたダンススクールでクラシックバレエの素晴らしさを知りますが、
ダンスはダンスでもバレエダンサーなんてインドではありえないぐらい珍しいこと。
だけど、結局は家族みんなでマニーシュを応援します。
 
スクールの講師を務めるイスラエル系アメリカ人のイェフダ・マオールは、
彼に素質を感じてプロのダンサーになれる道を探します。
なにしろダンスを始めたのが18歳とは遅すぎて、時間がありません。
絶望的な気持ちになることもあるけれど、マニーシュもイェフダもあきらめない。
 
人間、信念を持って続ければなんとかなるのだと思わされます。
夢が叶った人だからこうして映画になる。
夢破れた人だっていっぱいいるはずだけど、夢を失わずにいたいもの。
 
夢を失いかけている人に観てほしい作品です。

—–

『JAWAN/ジャワーン』

『JAWAN/ジャワーン』(原題:Jawan)
監督:アトリ
出演:シャー・ルク・カーン,ヴィジャイ・セードゥパティ,ナヤンターラー,
   ディーピカー・パードゥコーン,プリヤーマニー,サニャー・マルホートラ他
 
ボリウッドです。171分の長尺です。
どうせ知っている予告編ばかりだし、予告編開始後3分経ってから入場しました。
 
アトリ監督は『ビギル 勝利のホイッスル』(2019)などタミル語映画界で活躍している人。
これがヒンディー語映画デビュー作となるそうです。
主演はボリウッドのスーパースター、シャー・ルク・カーン
2023年のインド映画興行成績1位に輝いています。まぁ面白いけど、無茶苦茶や(笑)。
 
インド北東部。ある部族が住む村に渡る川で、銃弾を浴びて重傷を負った男が発見される。
意識不明の男を村人たちが手厚く介抱するも、男は目覚めないまま月日が経過する。
 
ある日、村を潰そうと武装した奴らに村人たちが次々と襲われていると、
いままで一度も目覚めなかった男が覚醒して悪党共をなぎ倒す。
おかげで村は潰れることなく、男は神と崇められる存在になるが、
彼は記憶を喪失しており、自分が何者でなぜここにいるのかもわからない。
 
30年後。女性6人組と男性リーダーを有する謎のグループが跳躍。
このグループは、悪事を働いて金儲けをする権力者を標的に巧みな手口で大金を奪い取る。
奪取した金は自分たちの懐に入れることなく、困窮する人々に残らず分配する正義の味方。
 
実はリーダーのアーザードは女性刑務所の所長で、6人はいずれも囚人
どの囚人も権力者に楯突いたせいで不当に逮捕された者ばかり。
看守の協力も得て刑務所から出かけては正義のための行動を果たしていて……。
 
神と崇められる男ヴィクラム・ラトールとアーザードが同じ顔だから(シャー・ルク・カーンの一人二役)、
え、30年経っても見た目変わらずなの?と思っていたら、アーザードの父親がヴィクラムなのでした。
息子の大ピンチにいきなり登場するヴィクラムが強すぎてワラける。
 
30年前にヴィクラムを殺したつもりになっていためちゃ悪の武器商人カリにヴィジャイ・セードゥパティ
美人警察官ナルマダにこれまたスーパースターのナヤンターラー
そりゃま、これだけ人気俳優を揃えたら、興行成績ナンバー1になりますわね。
 
インドの農業や公立病院の実態も描かれていて、いろいろと興味深い。
ダンスもそれなりにあるけれど、私はやっぱりシャー・ルク・カーンよりヴィジャイとかラーム・チャランの顔のほうが好き。
 
なんにせよ、ボリウッドが面白いのは間違いない。
あと、選挙。ちゃんと選んで投票しましょうとアーザードが言ってます。

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『ザ・バイクライダーズ』

『ザ・バイクライダーズ』(原題:The Bikeriders)
監督:ジェフ・ニコルズ
出演:ジョディ・カマー,オースティン・バトラー,トム・ハーディ,マイケル・シャノン,マイク・ファイスト,
   ノーマン・リーダス,ボイド・ホルブルック,デイモン・ヘリマン,エモリー・コーエン,トビー・ウォレス他
 
休日出勤した日の代休を2回に分けて取らせてもらい、その1回目だった日、午後休。
父が入所中の老健に寄ってからなんばへ向かい、よしもと漫才劇場に行く前に映画と食事を。
TOHOシネマズなんばにて。
 
写真家ダニー・ライアンによる伝説の写真集に着想を得たジェフ・ニコルズ監督が撮った作品。
その写真集は、1960年代に隆盛を誇った実在のバイカー集団に密着したものなのだそうです。
ニコルズ監督は『テイク・シェルター』(2011)の人ですね。
 
1965年のシカゴ
品行方正な日々を送っていた女性キャシーは、友人から頼まれたものを届けに入った店の居心地の悪さに驚く。
そこは地元のバイカーたちが集う店で、上から下まで舐め回すように見られ、友人のもとへたどりつくのもやっと。
用事を済ませて退店しようとすると、バイカーたちに追いかけられて恐怖を感じる。
咄嗟にキャシーが頼ったのは、ただひとり冷めた様子だった無口な青年ベニー。
彼のバイクの後ろに飛び乗り、キャシーはこれまでになかった爽快感をおぼえる。
 
それからわずか5週間後にふたりは結婚。
バイカーたちのクラブは“ヴァンダルズ”と名付けられ、創始者としてリーダーの座に就いているのはジョニー。
取り巻きも多いなか、ジョニーのお気に入りはベニー。
ベニーも一匹狼のようでありながら、ジョニーのためなら何でもする。
 
巷から疎まれつつも、バイカーたちの間では憧れの的となったヴァンダルズ。
入部希望者が増えつづけ、各地で支部を立ち上げる話が後を絶たない。
規模が拡大するにつれてクラブ内の治安が悪化していることをジョニーは危惧し、
いつまでも自分が仕切るのは無理だから、ベニーに次期リーダーになるように話すのだが……。
 
たぶん“イージー・ライダー”世代なのでしょうね、やたらオジサマ客が多い。
私より少し上の世代の人たちなのだろうと思います。
 
私はといえば、単車のレース自体は好きですし、昔は鈴鹿サーキットにもよく行きましたが、
ハーレーダビッドソンなどのような単車には興味なし。
だから、こんな単車で群れを成して動くモーターサイクルクラブもどうでも良い感じです。
 
ただ、映画としてはすごく面白かった。こういう時代があったのだなぁと思わされます。
マイク・ファイスト演じるカメラマンのダニーが、ジョディ・カマー演じるキャシー相手に取材を進める形で描かれます。
オースティン・バトラー演じるベニーにぞっこんだったキャシーは、
最初こそヴァンダルズにベニーがいる状態を楽しんでいたけれど、暴力的な部分に不安を感じ、
ベニーにはクラブを抜けてほしいと思うようになります。だけどベニーは絶対に抜けない。
 
ジョニー役のトム・ハーディにはボスとしての貫禄があるだけに、若者に簡単に貶められる姿が哀れです。
ただのバイク好きが集まって結成したクラブのはずが、いつしか不良だらけの集団に変化してしまう。
結局そうして当時のクラブも消えて行ったのでしょうね。
 
平日午後の劇場に来られていたオジサマ方の感想を聞いてみたいです。

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『雨の中の慾情』

『雨の中の慾情』
監督:片山慎三
出演:成田凌,中村映里子,森田剛,足立智充,中西柚貴,松浦祐也,梁秩誠,李沐薫,伊島空,李杏,竹中直人他
 
イオンシネマ茨木にて、前述の『虹、結』の次に。
 
本編開始直前まで客がほかにいなかったので、また“おひとりさま”かと思ったら、もうひとり来場。
しかも私と同じ列にご着席に。5つぐらい離れた席だけど。女性客でよかった。
これ、R15+指定なんですよね。濡れ場だらけだったから、もうひとりが男性客だと気まずかったかも。
 
つげ義春の同名短編漫画を片山慎三監督が実写映画化。
片山監督の単独作は『岬の兄妹』(2018)も『さがす』(2021)もキツそうで避けてきました。だからこれがお初。
でも、高校生の時分からつげ義春ファンだった者としてはこれを観ずにはいられません。
ほぼ全編にわたる台湾ロケだと聞いてなるほど。日本のようで日本じゃない。確かに異国情緒に溢れています。
 
貧しい北町と富裕な南町に分かれる地で、北町に住む売れない漫画家・義男(成田凌)。
アパートの大家・尾弥次(竹中直人)に頼まれて、美貌の女性・福子(中村映里子)の引っ越しを手伝わされる。
義男と共に呼び出された自称小説家・伊守(森田剛)は、「福子は離婚したことになっているが、
あんな美人と不細工な男がくっつくはずがない、きっと亭主は殺されてその辺に埋められているだろう」と笑う。
 
福子はカフェーの女給の職に就き、常連たちの多くが彼女にぞっこんに。
義男もそのうちのひとりだったが、あるときすでに伊守が福子をモノにしたと知って呆然。
それでも、福子のそばにいられるならと伊守から持ちかけられた儲け話に乗るが、とんだ詐欺話で、伊守自身も騙されていた。
詐欺の首謀者だと思われて逃げざるをえなくなった伊守と福子は義男の家に転がり込むのだが……。
 
夢か現かはかりかねる描写の連続ですが、結局すべて夢だったのねということ。
夢の中の尾弥次は片方の脚と腕を損傷していて、現の義男はその逆の脚と腕を損傷している。
鏡映しになっているところなども面白く、めくるめく夢の世界に不思議な気分を味わえます。
 
福子役の中村映里子の艶めかしさ。こんなに脱ぎまくりヤリまくりでR15+ですか。
R18ってどないやねんと思ってしまいそう。飲酒運転ってどれだけ飲んでる人やねんと思うのと同じ感覚(笑)。
 
つげ義春を読んだことのない人、映画は娯楽作に限るという人には鑑賞をお勧めできない作品です。
けど、つげ義春に興味のある人は本作で体験してみてもいいかも。

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『虹、結』

『虹、結』
監督:大原誠弍
出演:髙木七海,海道力也,中野良美,鈴木タカラ,森由佳,小槙まこ,藍星良,春風亭昇太,
   市山貴章,米﨑亮,佐々木綾香,藤川学,藤川光代,仲田幸子,ひーぷー,TOMOKI他
 
イオンシネマ茨木にて。
 
2022年に沖縄本土復帰50年を記念して製作されたのが『風が通り抜ける道』という作品。
本作はそのスピンオフに当たる作品なのだそうです。
客はもしかすると私ひとりかと思ったけれど、昔から沖縄絡みの作品はよく客が入っていて驚く。
沖縄の人は故郷をこよなく愛しているのだろうなぁといつも思います。
 
『風が通り抜ける道』を観る機会がなかったので、登場人物の人間関係も背景もまったく知らないまま鑑賞しました。
 
大阪市此花区の実家を出た月皐(つきさつき)(髙木七海)は東京でOLに。
上司(春風亭昇太)から言われた仕事はすべて完璧にこなし、同僚たち(森由佳&小槙まこ)の尻拭いもしてきた。
しかし自ら意見を述べることは皆無なせいで、向上心がないなどと言われている。
 
あるとき、同僚が手配した合コンの場に向かうと、相手はイケメンじゃないうえに金もなさそう。
同僚は用事ができたことにして即帰ろうと言い、それはあまりに失礼だと非難した皐は翌日同僚から嫌がらせを受ける。
上司も味方になってはくれず、理不尽に感じた皐は仕事を辞め、大阪へと帰る。
 
実家の前までは来たものの、厳しかった父親・幸蔵(海道力也)に会うのは怖い。
どうしたものかと迷って公園で佇んでいたところ、旧友・新垣香澄(佐々木綾香)に遭遇。
香澄の家に招かれた皐は、彼女の夫・将司(福地清)が沖縄出身だと知る。
 
香澄と将司に悩みを聴いてもらったのち、将司から沖縄の人の温かさを聞き、皐は沖縄へ行くことを決意して……。
 
こんなことを言うのは本当に申し訳ないのですが、ご当地ムービーにありがちなのは、
出演者に素人も多いから、なんとなく作品全体が素人くさくなる。
さらに、ヒロインよりも同僚たちのほうが美人だったりして、
なのにヒロインのことを別嬪だとか綺麗だとかもてはやす台詞はどうかと思うんです。
皐ちゃんの化粧は相当濃くて、そのまつげはどうなんだとも思いますしね。
 
父親の幸蔵はいったいなんの仕事をしている人なんですか。
龍模様のスカジャンどころか、ジーパンにも同じ模様が入っているし。
妻を亡くして娘をちゃんと育てなきゃいけない一心で厳しくしていたっぽいけれど、かなりモラハラ入ってます。(^^;
再婚相手の美里(中野良美)はとても優しくて良い人で、皐が彼女を初めて「お母さん」と呼ぶときは感動的だけど、
あんなに「ここで泣け」と言わんばかりの展開だと、私はちっとも泣けないんです。
 
たくさんの人がこの作品を撮るために参加して、苦労もしながら楽しんで、そこに連帯感が生まれる。
沖縄の素晴らしさは十二分に伝わってきますしね。
大正区に沖縄の店が多い理由も知ることができました。
 
観ますよ、ご当地ムービーを。これからも。

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