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『ディヴァイン・ディーバ』

『ディヴァイン・ディーバ』(原題:Divinas Divas)
監督:レアンドラ・レアウ

シネ・リーブル梅田で5本ハシゴの4本目。

ブラジルのドキュメンタリー作品で、
ドラァグクイーン版“ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ”と言われています。

「ドラァグクイーン」という言葉はみなさんご存じかと思いますが、
簡単に言うと、女装した男性。しかもパフォーマンスを目的としているのでド派手。
私はこの言葉を『プリシラ』(1994)で知りました。
ゲイバイセクシュアルの人が圧倒的に多いそうですが、
性的志向はストレートだけれど女装が好きだという人も中にはいるようです。

1960年代の軍事政権下のブラジル
ドラァグクイーンの第一世代と呼ばれる人たちは現在70~80代。
リオデジャネイロのヒバルシアターを拠点として活躍したドラァグクイーンたちが、
50周年を記念して再集結、2014年にライブを開催しました。
本作ではその舞台のパフォーマンスとともに、
当時の映像およびドラァグクイーンたちの人生を映し出しています。

これが監督デビューとなるレアンドラ・レアルは、ナイトクラブのオーナーの孫娘。
幼少の頃、舞台袖から彼女たちを見つづけてきましたから、
波瀾に満ちた彼女たちの人生をよく理解している様子。
冷めたところが少しもなく、敬意と熱意を持って本作を撮ったのが伝わってきます。

本作では元気な顔を見せているのに、
その後お亡くなりになった方もいらっしゃって、とても残念。

20年くらい前は、ドラァグクイーンとはなんぞやと尋ねられたら、
「女装のオカマ。」とわりと簡単に答えていました。
今は「オカマ」なんて軽々しく言ったり一括りにしたりしてはいけない雰囲気があるけれど、
安易に答えていた頃と比べて彼女たちは少しでも生きやすくなっているでしょうか。
偏見が表に出にくくなっただけだとは思いたくない。
いくらかでも生きやすくなっているならば、彼女たちの偉業ゆえ。
—–

『輝ける人生』

『輝ける人生』(原題:Finding Your Feet)
監督:リチャード・ロンクレイン
出演:イメルダ・スタウントン,ティモシー・スポール,セリア・イムリー,
   デヴィッド・ヘイマン,ジョン・セッションズ,ジョアンナ・ラムレイ他

シネ・リーブル梅田で5本ハシゴの3本目。

『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』(2014)のリチャード・ロンクレイン監督。
ご自身も70歳を過ぎていますが、年老いた夫婦を主役にした話がお得意のようです。

結婚35年のアボット夫妻。ずっと夫マイクを支え続けてきた妻サンドラ。
マイクが定年を迎えて退職、晴れてナイトの称号を与えられ、
自身も“レディ・アボット”を名乗れるようになったわけで、鼻高々。

お祝いのパーティーを自宅で開いたその日、
マイクがサンドラの親友パメラと浮気しているところに出くわしてしまう。
サンドラの目を5年間あざむいていたと知り、サンドラは激怒。
家を飛び出してロンドンへ向かうと、疎遠だった姉ビフのもとへ転がり込む。

堅苦しくもセレブな生活を送っていたサンドラとはちがい、
自由奔放なビフは狭い団地に暮らしながらも好き放題。
プライドを捨てられないサンドラは、ビフに世話になっているくせに、
ビフの男友達チャーリーに対しても高飛車な態度。

ふてくされたままのサンドラを引っ張りだそうと、
ビフはシニアが集うダンス教室へと連れてゆく。
最初は抵抗を見せるサンドラだったが、
いつしかかつてダンサーを目指していた頃の自分を思い出し……。

特に珍しくもない定番の物語ではあるのですが、役者がとてもいい。
ジジババの妄想はものすごく苦手な私も、本作はまったく嫌じゃない。
イメルダ・スタウントン演じるサンドラ、セリア・イムリー演じるビフ、
ティモシー・スポール演じるチャーリー、そのほかダンス教室の面々。
みんないい感じのジジババで、無理がないのです。
この歳になってこんな新しい恋もいいじゃないかと思えて。
フラッシュモブのシーンもすごく楽しい。

ただ、都合はよすぎです。
恋を成就させるためにそんなちょうどいい具合に相方が死ぬもんかい!と笑いました。
ご都合主義も温かい目で見たくなる。
歳をとってもまだまだいいこと、きっとある。
—–

『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』

『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』(原題:La Jeune Fille Sans Mains)
監督:セバスチャン・ローデンバック
声の出演:アナイス・ドゥムースティエ,ジェレミー・エルカイム,フィリップ・ローデンバック,
     サッシャ・ブルド,オリヴィエ・ブロシュ,フランソワーズ・ルブラン他

3回目の『カメラを止めるな!』の次に。
この日はシネ・リーブル梅田で5本ハシゴを敢行しました。
これは5本ハシゴの2本目。

フランスのアニメーション作品です。
本作が長編デビュー作となるアニメーション作家のセバスチャン・ローデンバック監督。
作画をたったひとりで手がけ、グリム童話の『手なし娘』をアニメ映画化。

水車小屋に暮らす貧しい家族。
ある日、父親の前に悪魔が現れ、金持ちになりたくないかと問うてくる。
水車の裏にあるものと引き換えならば黄金をやってもよいと。

水車の裏にあるのは林檎の木。
これさえ悪魔に渡せば黄金が手に入るのかと、父親は即座に承諾。
すると本当に黄金がざくざく流れてくる。

しかし、それを聞いた母親は愕然とする。
林檎の木には娘が登っているのよ。
あなたは自分の娘を悪魔に売り渡したのよ。

悪魔は娘を手に入れられて喜ぶが、なぜか娘に近づくことができない。
それは娘が体を清めていたから。清い体に悪魔は近づけないのだ。

悪魔が近づくことができるように、体を洗うことを禁じられた娘から悪臭が漂うようになるが、
涙で手を拭っていたために、清い手に邪魔をされてまだ悪魔は近づけない。
そこで悪魔は娘の手を切り落とすよう、父親に命じる。

手をなくした娘は、たったひとりで旅に出る。
そこで思いもよらず、美しい心を持った王子と巡りあうのだが……。

不思議な絵です。
技法にまったく詳しくないので、なんと表現して良いのやら。
背景が透けて、流れるような絵。

あえぎ声が聞こえたり、親子の排泄シーンが描かれたりするアニメはこれが初めて。
まさに、子どもには見せられない、大人のためのアニメーションです。
いろんな教訓が見え隠れして、あらためて凄いと思うグリム童話。

ちょっとクセになりそう。
フランスのアニメって面白い。
—–

『カメラを止めるな!』、3回目。

いや、そないに何べんも観んでもええでしょ、『カメラを止めるな!』(笑)。

そうなんですけどね、車の免許更新のために休みを取った月曜日。
何時に終わるかよくわからないから、
いくつかの劇場の上映スケジュールを持って箕面警察署へ行きました。
前回までの免許更新時は必ず門真まで行っていたのに、
なんだかそれが面倒くさくなって、即日交付でなくてもええかと。

9:15に警察署へ着き、運よく9:30からの講習を受けられることに。
なんという無駄のなさ。
私は当然のことながら優良運転者ではなくて一般運転者ですから、1時間講習。
それでも10:30にはすべて終わったので、直ちに梅田へ向かいました。

そういえば、ちょうどこの日もネズミ捕りをしていました。
このところ「学習」して、ネズミ捕りをしていそうな日は本線を走らないことにしています。
数カ月前に側道をかっ飛ばしたら本線でネズミ捕り中。
外国人とおぼしき兄ちゃんが捕まって座らされるところを見ました。
で、兄ちゃんと目が合ったと思ったら、
兄ちゃん、側道を走る私を指さして何か叫んでいました。
おそらく、「あいつ、ごっつスピード出してるやん。側道やったらええんかい!」だったのでは。
指さされて可笑しかった。

すいすいと梅田スカイビルに到着。
シネ・リーブル梅田の待合に座って何を観るか検討開始。
お昼ごはんも食べたいし、12:00からの映画はちょっとツライなぁ。
ほなら12:30からの『カメラを止めるな!』はどないやろ。
いやいや、もう2回も観てるんやで。
3回は要らんやろと思いながら、結局観てしまいましたがな。

何の割引もない平日の昼間の回だったので、客少なめ。
これでは笑いに満ちた劇場の雰囲気は味わえない。
どうせなら晩の回にしておけばよかったと若干後悔。
それでも笑いました。たぶん、何回観ても笑えそうです。

—–

『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』

『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』(原題:Borg McEnroe)
監督:ヤヌス・メッツ
出演:スヴェリル・グドナソン,シャイア・ラブーフ,ステラン・スカルスガルド,ツヴァ・ノヴォトニー他

TOHOシネマズ西宮で2本ハシゴの2本目。
『SUNNY 強い気持ち・強い愛』の上映終了と本作の上映開始時間が10分かぶっていたため、
私にしては珍しく『SUNNY』をエンドロールを最後まで観ずに退場。
かぶっているのが5分ならば最後まで観ても間に合うのですが、
10分だとお手洗いに行く時間がないのです。
「さ入れ」でテンションが下がったせいで、さして惜しいとも思わなかったのでした。

テニスラケットを持ったことがあるのはかつて一度のみ。
学生時代に出かけた先でちょっとやってみただけです(笑)。
そんなふうにテニスにほぼ興味のない私でも、このふたりは知っている。
ビョルン・ボルグとジョン・マッケンロー
ふたりの試合だけは深夜にテレビに食らいついて観た覚えがあります。
凄い試合でした。その伝説の一戦を映画化したのが本作。

「ビョルン・ボルグ」が一般的な表記だったように思うのですが、
本作では「ビヨン」と表記されていましたので、レビューはそれに合わせます。

テニスの聖地ウィンブルドン
1980年の大会で5連覇を目指すのは、世界ランキング1位のビヨン・ボルグ。
そのプレースタイルを「氷の男」と評されるほど冷静沈着なボルグだが、
5連覇という前人未踏の歴史的記録がかかる大会だけに、ナーバスに。
長年にわたって彼を支えてきたコーチ、レナート・ベルゲリンや、
婚約者のマリアナに対してもイライラを抑えられず、感情を爆発させる。

そんなボルグに相対するのは「悪童」と呼ばれるジョン・マッケンロー。
傍若無人にふるまい、審判に悪態をつくこともしょっちゅう。
コートの嫌われ者で、観客からもブーイングを浴びようとも気にしない。
ボルグがプレッシャーを感じて苦戦しながら勝ち上がるが、
マッケンローは着実に勝利をものにしてゆく。

そしていよいよ決勝、ふたりが対戦する日を迎えるのだが……。

ボルグ役にスヴェリル・グドナソン、マッケンロー役にシャイア・ラブーフ
なかなか本人に近づけているとは思いますが、スヴェリル・グドナソンはイイ男すぎ。
実物はここまで色気のある人ではないでしょう(笑)。
ベルゲリン役にはもう引く手あまたのステラン・スカルスガルド
『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』で見たかと思えば今度はこんなコーチ役で。
マフィア役でも何でもできちゃう顔つきですよね、この人。
ついでに、ボルグの少年時代を演じているのは、ボルグの実の息子だそうで。

当日の試合の再現が面白かったのは言うまでもありませんが、
少年時代のふたりのことを興味深く観ました。

ボルグは優等生、マッケンローは不良のようなイメージがあったのに、
実のところは子どもの頃のボルグは問題児。
テニスの才能はあるのに、コートですぐにキレて厄介者扱い。
それがここまで感情を抑えられる選手になるなんて。
一方のマッケンローは、名士の父親を持つ、賢いお坊ちゃま。
のちにふたりが親友になったという逸話からも、
お互いのことが手に取るようにわかったのかもしれません。

どれだけの多くの観衆に囲まれて声援やブーイングをおくられても、
決勝を戦うときの気持ちがわかるのは、そこに立ったことのある選手だけ。
ふたりの表情にその思いがにじみ出ていて、観ていて感極まりそうになりました。

26歳で早くも引退したボルグがビジネスに失敗しただとか、
後日談を知るとちょっと悲しいかな。
映画を観るだけにしておいたほうがよかったかも。

ところで、大坂なおみちゃん、おめでとう!
今朝また表彰式スピーチを見て泣きました。
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