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『ピッチ・パーフェクト ラストステージ』

『ピッチ・パーフェクト ラストステージ』(原題:Pitch Perfect 3)
監督:トリッシュ・シー
出演:アナ・ケンドリック,レベル・ウィルソン,ヘイリー・スタインフェルド,
   ブリタニー・スノウ,アンナ・キャンプ,ジョン・リスゴー他

大阪ステーションシティシネマにて。

大学の女子アカペラ部のお話。
最初の作品『ピッチ・パーフェクト』(2012)が予想外にヒットを飛ばし、
続編『ピッチ・パーフェクト2』(2015)をつくってみたら大ヒット。
さすがに大学を卒業したからこの2作で終わりだと思っていたら、
まだ客を呼べると踏んだか第3弾が。これも当たったら次もあるのでは。

バーデン大学の女子アカペラ部“ベラーズ”のメンバーたちが卒業してから数年が経過。
夢を抱いてそれぞれの道へと進んだはずが、思うように行かない。
優秀な音楽プロデューサーとして認められつつあったベッカは、
酷い曲しかつくれないくせして上から目線のバンドにキレて退職。
ルームメイトのエイミーは相変わらず仕事もせずに食べてばかり。

そんな彼女たちのもとへ、大学の同窓会の話が舞い込む。
久々にベラーズのメンバーが集まって歌えるのだと思うと嬉しくて仕方がない。
そろいのユニフォームを着て会場へ乗り込んだところ、
歌うのはベラーズの現役のメンバーだけでガックリ。
落胆を隠せない彼女たちに、ベラーズの現・部長エミリーが詫びる。

すると、前・部長オーブリーがいいことを思いつく。
オーブリーの父親のコネを使い、USO(米軍慰問団)として海外ツアーに参加させてもらおうと。
見事にそれが叶ってベラーズを再結成、一同はツアーに。
しかしそこに真っ当な方法で参加資格を得たバンドたちもいる。
人気DJキャレドも帯同すると知らされ、実はこのツアーの本当の目的は、
出演バンドの中からDJキャレドのライブの前座を選ぶことらしいと噂が飛び交い……。

配給のユニバーサル・ピクチャーズの文字が出るところからアカペラ。
前作同様、最初からウキウキ。

本作ではアカペラ以外のバンドも登場するから、彼らとのバトルが楽しい。
さまざまな演奏を聴いていると、音楽ってどれもこれもいいなぁと思えます。

サスペンスあり、アクションありの作品になっていて、
前2作がヒットしたおかげで、3作目にはこれまで以上のお金を突っ込めた様子。
この辺りもそれなりの楽しさはありますが、やはりいいのは音楽。
最後のベッカの歌には、大泣きとは行かずとも少々涙腺がゆるみました。

第2弾では監督を務めたエリザベス・バンクスジョン・マイケル・ヒギンズのコンビも、
ベラーズを追いかける司会役で健在。
『スウィート17モンスター』(2016)がとてもよかったヘイリー・スタインフェルド
現・部長のエミリー役にもハマっています。

アナ・ケンドリックの歌声は素晴らしい。
酷かった『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』へ。
美声とはこれのことを言うのですよ。
—–

『ナミヤ雑貨店の奇蹟 再生』

『ナミヤ雑貨店の奇蹟 再生』(原題:解憂雑貨店)
監督:ハン・ジェ
出演:ワン・ジュンカイ,ディリラバ,ドン・ズージェン,チン・ハオ,
   リー・ホンチー,チェン・ドゥーリン,ハオ・レイ,ジャッキー・チェン他

『ファイティン!』に続き、シネマート心斎橋のまったく同じ席で。

東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』が日本で映画化、公開されたのは去年9月。
これはそのリメイクなのだと思っていたら、去年の12月に中国で公開されていました。
チラシによれば、中国での東野圭吾の人気は凄まじいらしく、
海外の小説家の中では“ハリー・ポッター”シリーズのJ・K・ローリングを抜いて1位とか。
そりゃ映画化もされるわけですね。

日本版とあらすじはほぼ同じです。というのか原作と大筋では同じ。
舞台となる年が2017年と1993年であるのが日本版とは異なり、
また、原作中の取り上げるエピソードが日本版とは若干違います。

日本版では成海璃子が出てくるシーンに違和感をおぼえ、
これは要らないだろうと思いましたが、中国版では無し。これはよかった。

エピソードを絞ったのもよかったと思うのですが、
それゆえなのか、盛り上がりには欠けます。
淡々としすぎているようにも思うし、だからと言ってお涙頂戴に走られても嫌だし、
ちょうど良い加減ってむずかしい。物足りなく感じたのは事実。

日本版では西田敏行が演じたナミヤの店主を
中国版ではジャッキー・チェンが演じています。
アクションシーンのないジャッキーを見られるのは貴重ですかね。

25年前の自分と手紙のやりとりはしてみたい気がする。
—–

『ファイティン!』

『ファイティン!』(英題:Champion)
監督:キム・ヨンワン
出演:マ・ドンソク,クォン・ユル,ハン・イェリ,チェ・スンフン,
   オク・イェリン,カン・シニョ,ヤン・ヒョンミン,イ・ギュホ他

TOHOシネマズなんばで『億男』『2001年宇宙の旅』を観てから、
御堂筋を北へテクテク歩いてシネマート心斎橋へ。

シネマート心斎橋が入るビッグステップビルは全体的にハロウィン仕様。
まず、エレベーターの扉が古いお屋敷風。乗ると血みどろに装飾。
エレベーターが停止するごとに悲鳴が聞こえ、ワラける。
後から調べてみたら、一部のトイレにはちびりそうに怖い仕掛けもあったそうな。
ハロウィン期間中にはもう行かないなぁ。見そびれて残念。

さて、最近のシネマートは行くたびに楽しい。
ここはお客さんのノリがとてもイイ。
前回は『1987、ある闘いの真実』で満席の劇場で観る醍醐味を味わい、
今回は満席ではなかったもののほぼ九割の入りで楽しいのなんのって。
上映前には私の1列後ろでこんなやりとりが。
「すいません。通ります。3人通ります」。「なんぼでも通ってや~」。
こういうやりとりを聞くと、大阪人でよかったなぁと思うのでした。

客のノリだけでなく、めっちゃよかったんです、この映画。
「ファイティン!」といえば思い出すのは『パーフェクト・ボウル 運命を賭けたピン』
それに負けず劣らずよかった。泣きました。

家庭の事情により、幼少時に韓国からアメリカへ養子に出されたマーク。
アームレスリング(=腕相撲)で活躍するも八百長の濡れ衣を着せられて除名処分に。
いまは警備員として目立たず冴えない日々を送っている。

そこへいきなり現れたのがパク・ジンギ。
マークのことを兄貴と慕うジンギは、借金に追われている身らしく、
賭場のアームレスリングで勝って助けてほしいという。
マークが難なく相手を倒すと、礼もそこそこにジンギは韓国へと帰る。

しばらくして、再びジンギから連絡が入り、
「アームレスリングでビジネスをして儲けよう」と言われる。
気乗りはしないが、実母に会いたい気持ちも隠せないマークは里帰り。
ジンギから教えられた実母の家を訪ねると、
そこには見知らぬ女性とまだ幼い子どもたちが住んでいて……。

主演のマ・ドンソクは、いかつい顔ながら優しいという設定の役が多く、
『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)がその最たるもの。
『犯罪都市』(2017)でも強面だけど人情味のある刑事役がめちゃくちゃよかった。
本作でもその風貌が生かされていて、笑いを取る取る(笑)。
子どもたちとの掛け合いがたまりません。
この人、本当にアメリカでプロのトレーナーだったらしく、すんごい腕をしています。

ストーリーとしては特に珍しくもないかもしれませんが、その分、安心できます。
最後は観客から拍手が沸き起こっていました。
劇場で観てよかったと心から思える作品です。
—–

『2001年宇宙の旅』

『2001年宇宙の旅』(原題:2001: A Space Odyssey)
監督:スタンリー・キューブリック
出演:ケア・デュリア,ゲイリー・ロックウッド,ウィリアム・シルヴェスター,
   ダニエル・リクター,レナード・ロシター,マーガレット・タイザック他
声の出演:ダグラス・レイン

TOHOシネマズなんばにて、前述の『億男』とハシゴ。

1968年に公開され、映画史上のベストランキングでは必ず上位にある作品。
現在あちこちの劇場でIMAX版を上映中。
学生時代にビデオやDVDで観たことはもちろんあるけれど、
劇場で観る機会はこれまでにありませんでした。絶対観なくては。

IMAX版の映画は、たいてい109シネマズで観ていました。
今回も109シネマズで観ようと思ったのですが、上映時間が2時間半超。
マイルを貯めなきゃ損でしょ、これは。
そんなわけで、なんばのIMAXシアターを初体験。
と思ったら、このときにすでに体験しているじゃあないか。(^^;

人類の夜明け、お猿さんがワヤワヤしているシーン。
その前に突然モノリス(=石柱状の謎の物体)が現れます。
モノリスに触れたお猿さんが骨を武器にすることを悟り、
ほかのお猿さんを骨で殴り殺します。
空高く放り投げられた骨は、あらら、宇宙船に変わるのでした。
そして舞台は一転、宇宙へ。BGMは壮大なクラシック音楽。
『美しき青きドナウ』や『ツァラトゥストラはかく語りき』とかが。

……意味わかりませんよね。何度観てもわかりません。
でもわからなすぎて凝視してしまうという(笑)。

木星探査船ディスカバリー号。
乗組員は5名だけれど、そのうち3名が人工冬眠中だから、
起きているのは船長デヴィッドとフランクの2名のみ。
船内の淡々とした日常に、懸念されたことですが、私は睡魔に襲われる。
劇場で観る最後の機会かも知れないから目を大きく開いて、と決めていたのに。
目がパシッと開いたのは、HAL9000がおかしくなってから。

人工知能を備えた完全無欠のコンピュータ、HAL。
「なんたらユニットが72時間以内に故障する」というHALの主張に沿い、
デヴィッドとフランクは当該ユニットをくまなくチェックしたのに、どこも変じゃない。
そこでふたりは思うのです、HALが間違っているんじゃないかと。

だったらHALを切断しないと危険なわけですが、
HALは過去にミスしたことがないから、おまえのミスだと言われたうえに
切断するなんて聞かされたらどんな反応をするだろう。
ヤバイよ、HAL本人には言わずに切断するしかないよ、なんて密談を、
HALには聞こえないようにふたりはするのですけれど、
HALはふたりの口の動きだけで密談の内容を読み取ってしまうのです。

宇宙船のすべてを仕切るHALが怒るとどうなるのか。
こりゃもうホラーです。怖いのなんのって。
コンピュータをつくったのは人間なのに、人間が負かされてしまう。

途中、十数分間の休憩が挟まれて、アイスクリームを食べてゆったり。
休憩に入る少し前からホラーな展開がはじまっていましたから、
もうすっかり覚醒。後半は目がランラン。

凡人ですから、とても理解はできません。それでもなんだか凄いことはわかる。
しかもこれが撮られたのは今から50年前ですから。
この映画に影響を受けた作り手がどれほどいることか。
スタンリー・キューブリック監督が亡くなってからもうじき20年。
もっと長生きしてほしかったですね。

IMAX版で観ることができてよかった。
—–

『億男』

『億男』
監督:大友啓史
出演:佐藤健,高橋一生,黒木華,池田エライザ,沢尻エリカ,北村一輝,藤原竜也他

TOHOシネマズなんばで2本、その1本目。
休日の朝8時台からの上映回にはあまり若い客がいません。
朝が早いのはやはり年寄りで。生き急いでいるのやら死に急いでいるのやら(笑)。
ま、でも、私の無謀なハシゴは確実に寿命を縮めているような気がします。

言わずと知れた川村元気の同名ベストセラー小説。
私は、物書きとしてのこの人にはどうもチャラいイメージがあり、
基本的には映画プロデューサーの印象があります。ゆえに原作は未読。
きっと映像化前提の原作なんだろうと決めつけていてすみません。
映画化前提の話だからこそ映画は面白いだろうとも思っていますし、
監督が大友啓史だというところもエンターテインメント性が高そうです。

図書館司書の一男(佐藤健)。
妻の万左子(黒木華)と娘のまどか(菅野真比奈)と穏やかに暮らしていたはずが、
保証人となった兄が借金をつくって失踪し、3千万円の借金をかぶることに。
図書館の稼ぎだけではとても足らず、深夜のパン工場のバイトを掛け持ち。
不規則な生活を余儀なくされた一男と妻子は今は別居中。

そんな一男がまどかを連れて出かけた先で、福引きの景品に宝くじを得る。
まさかのこれが3億円の大当たり。
借金を返済してまた家族そろって暮らせると喜ぶものの、
手続きに行った銀行ではいろいろ注意点を挙げられるわ、
高額当選者たちの哀れな末路を聞かされるわで、恐ろしくてたまらない。

どうすべきか悩んでいたときにふと思い出したのが、
大学時代の親友、九十九(高橋一生)のこと。
九十九は大学を出たあとに起業して今は巨万の富を築いている。
彼ならば、良いアドバイスをくれるにちがいない。
そう考えた一男は、さっそく九十九に連絡を取る。

久しぶりに会った九十九は、億万長者だというのに何も変わっていない。
3億円をすぐに下ろしてくるように言われ、一男はそれに従う。
金を丸ごと九十九に預け、パーティーを開いて豪遊、泥酔して眠りに落ちる。

翌朝、目が覚めると、九十九がいない。3億円もない。
親友の金を持ち逃げするような男ではないと思いつつも、
途方に暮れる一男は、パーティーに参加していたあきら(池田エライザ)に連絡。
あきらの伝手で、かつて九十九と共に働いていた百瀬(北村一輝)と面会。
同じくパートナーだった千住(藤原竜也)、十和子(沢尻エリカ)らと会うのだが……。

予告編には落語のシーンなんてまったく出てこなかったので、
一男と九十九が大学の落研に所属していたという話に、おっ!?
佐藤健と高橋一生が高座に上がって落語をするのを少し聴くことができます。
印象的だったのは、モロッコの砂漠でふたりが向かい合って正座し、
九十九の落語を一男が聴くシーン。

九十九の十八番は『芝浜』で、これが本作のキーになっているんですね。
ネタバレですけれども。

お金を使えるようになりたい。お金に振り回されるのではなく。
そうは言うものの、「カネじゃない」というのは、
お金をそこそこ持っているからこそ言えることだと思ったりもして。
使い道に困るぐらいのお金、やっぱり持ってみたいわな(笑)。

綺麗事ではあります。でも、思っていたよりもいい話でした。
やるやん、川村元気。←エラそうですみません。(^^;
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